バカと無情の試召戦争   作:Oclock

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小問1 クラス分け

 振り分け試験2日目は、特に何事もなく終わり、それから1週間が過ぎた。今日から、新たな学園生活が始まる。

 そんな俺は今、文月学園に向かうため、そこに続く急な坂を歩いていた。周りに人の姿はない。それもそうだ。現在の時刻は6:30。登校するにはまだまだ早い時間帯だ。

 だが、学校に行く準備は前日に6回、今日になっても、3~4回くらい確認して、朝食も軽く済ませてしまった以上、家にいる理由も無くなったため、早々に出ることにしたのだ。……一応『テレビを見る』という選択肢もあったが、今までに何度もテレビをボーっと眺めているのが嫌で、テレビをつけてから1分も経たずに、勉強道具を持って来て、黙々と勉強し、気がつくと、学校に遅刻する寸前の時間まで勉強してた、なんてことが過去に何度かあったため、進級初日からやらかしたくないので、頭に思い浮かんだ瞬間に却下した。

 15分後。学校の正門前に辿り着いたのだが………。

 

零次「………閉まってるな。」

 

 現在時刻6:45………いや、今6:46になったな。まあ、どちらにせよ、そんな早朝から文月学園は開いているわけもなかった。遠くでは、先生方が運動会などで使うテントを張ったり、おそらく成績表が入っているであろう封筒を仕分けしていたりするのが見えた。

 とはいえ、先生方は忙しそうだし、俺が行ったところで、去年の行いを鑑みるにできることなど皆無に等しいと思い、俺は来た道を数歩引き返し、リュックから英語の参考書を引き出し、正門が開くまで時間を潰すことにした。

 

・・・

 

秋希「おはよー。零次君。」

 

 その声とともに、右肩を軽く叩かれ、ふと周りを見渡すと、すでに多くの生徒が登校していた。参考書をしまい、その手でリュックに入れていたスマートフォンを取り、時間を確認すると、8:14を示していた。学校に入り、少し進んだ先にあるグラウンドでは、まるで道を作るかのように先生方が準備をしていたテントが並んでいた。

 

秋希「なんか、自分が去年いたクラスの担任から成績表をもらうみたいだよ。」

 

 先に学校に入ったはずの近衛が、俺の横に突然現れ、そんなことを言ってきた。確かに目の前の看板にはそんなことが書かれているが………。

 とにかく、どんな結果だろうと、まずこの目で見てみないことには始まらない。俺はまっすぐ進み、右側の2つ目のテントに続く列に並んだ。

 待つことおよそ2分。ようやく、俺は去年の担任の信楽勇二郎(しがらきゆうじろう)先生の前にやってきた。

 

信楽「おめでとう!君は今、2年生への道を一歩踏み出した!自分がどのクラスかは、自分の目で確かめてくれ!」

 

 そう言って、信楽先生は、俺の成績が入っているであろう封筒を渡してきた。俺は、さっさとその場を後にして、誰にも見られないようにして封筒を開けた。

 

零次(手ごたえは十分にあった。ケアレスミスなどしていなければ、計画通りにいっているはずだ。)

 

 封筒から出てきたのは3枚の折りたたまれた紙。1枚目は振り分け試験の結果。それを見た後、2枚目の紙、所属クラスが書かれた紙を見る。

 

『双眼零次………Aクラス代表』

 

 俺はニヤリと笑い、Aクラスのクラスメイトの名前が書かれた3枚目の紙を眺めた。

 

・・・

 

 零次が信楽教諭から封筒をもらっている頃、私はまだ、別の列に並んでいた。いや、別にこっちの列の方が長い訳じゃなくて、私の担任教師が、一人一人の生徒とよく話すからなんだけどね。

 聞こえてきた中だと、端的に言えば、『よく頑張ったんだな。』とか『今年は惜しかったな。』だとか、そう言う感じのことを言っていた。私の担任はそれだけ教育熱心で、生徒一人一人に向き合おうとしている、素晴らしい教師だ。その反面、学校きっての問題児達に悩まされているけど。

 

 さて、ここでこのクラス分けについて説明しておこう。『え?ただのクラス発表でしょ?そんなのデッカイ紙に貼りだせばよくね?』とか考えているなら、その考えは甘い。市販のミルクチョコレートくらい甘い。

 この学校は、とにかく学力主義なのだ。一年の頃は、特に意識する必要はないが(入試の結果に関わらずランダムにクラスが決まるから。)、二年・三年は、私達が約一週間前に行なった振り分け試験の結果で決まる。成績が良ければAクラス、そこから順にBクラス、Cクラス………と続き、成績が悪いとFクラスに編入することになる。

 要は、この学園の二年生と三年生は、所属しているクラスで学力のあるなしが大体わかってしまう、ということだ。だから、誰もがAクラスを目指そうと、そしてFクラスになるまいと努力する。………例外もいるだろうけど。

 

 そんなこんなで、私も去年の担任である、西村宗一教諭の前にやってきた。それまでに、赤髪で高身長の男子生徒が自分の結果を見て、不敵な笑みを浮かべていたり、ぱっと見女子っぽい容姿をした男子生徒が、ため息をついていたり、小柄で無口な感じの男子生徒が落胆した様子でいたりしたが、彼らのことはおいておこう。

 

秋希「おはようございます。鉄………西村先生。」

 

西村「おう。おはよう、近衛。ところで今、『鉄人』と言わなかったか?」

 

秋希「言ってませんよ?言いかけただけです。」

 

西村「少しは隠そうとせんか!全く…………。」

 

 おっといけない。口が滑ってしまった。『鉄人』というのは、生徒の間で呼ばれてる西村先生の渾名だ。先生の趣味がトライアスロンなので、そこから来ている。見た目からして体育会系の先生だが、生徒指導や補習の担当も任されていることから、それなりに学もある教師だ。そして私は、今年一年この教師に世話になるだろうと予感もしている。

 

西村「ほら、これがお前の結果だ。受け取れ。」

 

 封筒にはキチンと『近衛秋希』と書いてある。まあ、私は見なくても結果は分かるんだけどね。

 

西村「ところで、だ。近衛、お前に一体何があった?」

 

秋希「………?何のことですか?」

 

 封筒を開けるのに若干苦戦しつつ、西村教諭の話を聞く。

 

西村「俺はお前を去年一年見てきたが、決して不真面目な生徒ではないと思ってたんだ。」

 

秋希「そうですか?私、自分が真面目だと思ったこと一度もないですが。」

 

西村「まあ、仮にお前の言う通り、真面目でなかったとしてもだ。やはり、お前らしくないと思ってな。」

 

 その言葉と同時に、私の封筒が開いて、中身が出てきた。

 

『近衛秋希………Fクラス』

 

西村「で、どういうことなんだ?お前ならAクラスは狙えたはずだろう?」

 

秋希「そうなんですけどね………。なんかAクラスの設備は、お金がかかっててあんまり好きじゃないんですよね、正直言って。」

 

西村「………そんなこと言うのは、お前が初めてだな。」

 

秋希「私、真面目じゃないんで。それに、Fクラスでやらなくちゃいけないことがあるんで。」

 

西村「………そうか。分かった。それなら俺から言えることは何もないな。だが、何か困ったことがあったら、我々教師を頼ってくれ。」

 

秋希「分かりました。ありがとうございます。」

 

 本当に、西村教諭は頼もしい教師だ。こんな先生のいる学び舎で勉強できるだけで、私は幸せだ。

 私はお辞儀をしてその場を立ち去った。こうして、私は新たな一歩を踏み出すのであった。




~後書きRADIO~

秋希「第1回!」

零次「後書きRADIO。」

秋希「は~じま~るよ~!」

零次「うん。」

秋希「………………零次。」

零次「なんだ?」

秋希「………………暗い!というか、テンション低い!」

零次「何を今更。俺は元からこんなんだろ。」

秋希「そうだけどさ!」

零次「とにかく時間が無いんだ。さっさと進めるぞ。」

秋希「分かったよ………。えーと、この後書きRADIOでは、本編の補足だったり、次回予告をグダグダと行なって行きます。」

零次「あと、この後書きRADIOは、不定期開催だ。………ただでさえ投稿が安定しないのに、更に不定期って………。」

秋希「まあ、ね。とりあえず、次回予告をよろしく。」

零次「ああ。次回は一応設定集を出そうと思っている。」

秋希「なんで?原作があるんだから、それでいいんじゃ………。」

零次「原作と本作で色々変えている設定があるんだよ。特に試召戦争関連。本作はそれをメインにしていくから、そこを明確にしておきたいんだ。」

秋希「あ~、なるほど?(よくわかってないけど。)」

零次「それから、俺達の設定も出す予定だ。こっちはあくまで予定だが、これからもオリジナルのキャラは増えるから、面倒くさくならないうちに、さっさと済ませておく。」

秋希「………どんだけ増えるの?」

零次「今後の展開次第になるが………。メインになるのは、俺と近衛と、それからA・Fクラスにもう一人ずつになるかな。というか、原作でもAとF以外はほとんど触れられてないだろ。特にEクラス。」

秋希「それなら安心………かな?」

零次「………このくらいか?」

秋希「そうだね。」

零次「じゃ。」

「「次回もよろしくお願いします!」」
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