バカと無情の試召戦争   作:Oclock

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小問11(2) 決戦!!Cクラス

 時刻は13:25。試召戦争5分前だ。霧島がクラスメイトを鼓舞しているところだ。実際は、作戦の最終確認と、簡単な応援な訳だが、言ってることは間違ってないだろう。

 霧島の考えた作戦はいたってシンプル。点数差で押しきる、ただそれだけ。だが、全員で突撃するようなバカな真似はしない。霧島はクラスメイトを4つのグループに分けた。

 文系主体で戦う、豊嶋率いる『文系部隊』。

 理系主体で戦う、梶・西京率いる『理系部隊』。

 この二つを補佐する、横沢率いる『補充部隊』。

 そして俺や霧島を守る、木下率いる『近衛部隊』だ。

 

 Cクラスは全体で見れば、文理のバランスが取れたクラスだが、理系の生徒が若干多い。そういう訳で、Cクラスに近い側に文系部隊、その後方に(無いとは思うが)奇襲対策に理系部隊を配置。霧島がなるべく隙のないようにメンバー構成を考え、そこに俺がαクラスのメンバーを適材適所でぶち込んだ。

 ちなみに代表排斥派の連中が前線の各部隊長を務めているのは、それなりに学力があるからでもある。

 そしてもう一つ霧島を介して、Aクラス全体にこう伝えた。『代表が霧島であるという体で立ち回れ。』と。

 おそらく、あの代表の事だ。周りの意見などに耳を傾けず、感情的になって作戦を組んでくる。そうでなくても、俺が代表であることを知ってるCクラスの生徒は、小山と仲の悪い真倉だけ。Aクラスの連中でも認めたくない現実だし、そもそも試召戦争を想定して情報収集している奴など、Fクラスの坂本、土屋、近衛だけだろう。これを利用し、相手の不意を突く。

 

 ま、そんなこんなで、もうすぐ13:30、試召戦争開始の時間だ。一体、どんな勝負となるだろうか。俺の予想では、かなり混沌とした戦争になるだろうな。理由は………………その時になれば分かることだ。

 

 

・・・

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 13:30。5時限目の授業開始を知らせる鐘の音と共に、『僕』達の試召戦争も始まった。僕が零次の指示で配属されたのは、豊嶋君が部隊長を務めている文系部隊だ。正直、零次の事を馬鹿にする人の指示なんて聞きたくないけど………………、零次からの『任務』を遂行するにあたって、この状況は僕にとって都合がよかった。後は、その『任務』をどのタイミングで実行するかだけだ。

 

「うおおおおお!Aクラスがなんだーっ!!!」

 

「立ちふさがる敵は誰だろうとブッ倒せぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

「サーチアンドデェェェス!!!」

 

 随分と物騒な掛け声だね。数は………………いや、待って。ぱっと見でも20人以上いるんですけど。対してこっちは10人。点数じゃ勝てないから数で押すつもりなのだろうか。

 

「おい、待て。久保がいるじゃねぇか!」

 

「え!?久保君が!?」

 

「クソッ、こんな所で俺は死ぬのか…………?」

 

 そして、僕を見た途端に慌てだす。確かに、学年上位常連だけど、過剰反応じゃないかい?

 

「ハッ、今頃気付いたのか?大体、Cクラスの凡人風情が、エリートのAクラスに敵う訳ないだろが!久保、さっさとやっちまえ!」

 

 ………………そうだね、さっさとやろうか。

 

「…………おい、聞いてんのか?」  

 

利光「もちろん、聞いているさ。………………Aクラス久保利光。」

 

 そうだ。折角だから、やってみようか。零次が大きなイベントを実行するときのルーティンを。

 

利光「豊嶋圭吾、君に勝負を挑むよ。」

 

 心の中で呟く。『さあ、行動開始だ。』と。

 

 

・・・

 

 

「で、伝令!文系部隊、久保がCクラスに寝返りました!」

 

優子「な、なんですって!?」

 

 その報せが届いたのは、試召戦争を開始して5~6分くらいした頃。俺の予想よりも早く行動を起こしたか。

 

翔子「……一体、何が………………。とにかく、理系部隊に伝えて。補充部隊数名と合流して、久保に注意しつつ、Cクラスに……。」

 

「伝令!理系部隊の佐藤………………えっと、さ、佐藤美穂が味方陣営を攻撃してます!至急応援を………。」

 

優子「ちょっと、美穂も!?一体、どうなってるのよ!?」

 

 いい具合に混乱してるな。そんな中、霧島だけは考え込んでいる。………………流石に気付いたか?

 

翔子「………久保も美穂も、零次のグループに参加している生徒。……まさかと思うけど、零次、この一連の行為は、あなたが指示したもの。………………違う?」

 

 ………………やはりバレたか。霧島の推理に、周囲の生徒はざわつく。

 

零次「………………………クックック。ご名答だ。流石、学年主席だ。………と、今は学年次席か。」

 

 頭の上で手を叩き、霧島の洞察力を褒める。同時に周りの奴らに怒りが見てとれる。

 

「どういうつもりだ、代表!」

 

「私達、味方でしょ?」

 

優子「久保君達に味方を攻撃させるなんて…………。双眼、アンタ一体、何を考えてるの!?」

 

 ………………おかしいな。どいつもこいつも、現実と矛盾したことを言ってやがる。

 

零次「………………………………お前ら、一つ聞いていいか?」

 

「な………………、何だよ。」

 

零次「一体いつから………………、俺は『お前らの』代表になったんだ?」

 

 さあ、行動開始だ。

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