零次「どうも。双眼零次だ。」
秋希「近衛秋希で~す。」
零次「ついに来たな……Aクラス対Fクラス。」
秋希「今回の話は、元から複数話に分けて投稿する話だけど、話の都合上、全部同じ小問の話数にまとめているわ。」
零次「そういう訳で、話を楽しんでいってくれ。」
零次「霧島、俺達の対戦の順番はどうなってる?」
翔子「………………。(スッ)こんな感じ。」
零次「………………………………………………なるほどな。単純に学力順で並べたか。まあ、無難だな。」
霧島が組んだオーダーを眺め、ただ一言そう言った。
零次「…………なあ、霧島。『俺達』は当然、今回の試召戦争、全勝を目指しているが、お前は今回の戦争に望む結果はあるか?」
翔子「……ある。この戦争に勝って、雄二と付き合う。」
零次「………俺が聞きたいのは戦績の事なんだが………。それに、負けた方が云々は、やっぱりそういう私情か。ハァ……。」
翔子「………………零次。」
零次「睨むなよ。クラスを纏めてんのはお前だが、クラスの代表はあくまでも俺だ。それを忘れるなよ。」
まあ、俺自身代表としての自覚はほとんどないし、未だに霧島を代表と思ってる奴もクラス内外に少なからずいるからな。
零次「それと、昨日はすまなかった。」
翔子「………………?何が?」
零次「昨日の明久とか、土屋とかの言動の件だ。『例の噂』、この学校から根絶したかと思ったんだが、まだどこかでしぶとく生き残ってたみたいだ。」
翔子「……別に…………、今はそんなに気にしてない。」
いや、少しは気にしてくれ。多かれ少なかれ、自分に不利益が生じるものだぞ。
零次「………………そうか。ならいい。とりあえず、今回の戦争、絶対勝つぞ。アイツらに、Fクラスにこの教室を渡すわけにはいかないからな。」
さあ、覚悟しろよ、Fクラス。
・・・
高橋「では、両名共準備は良いですか?」
今回の戦争の立会人である、高橋先生の声がAクラス教室に響き渡る。勝負内容が直前まで分からない以上、全科目のフィールド形成権を持つ、学年主任の彼女を立会人にするのは最も合理的なことだ。………………と言っても、俺が頼みに行った時には既に坂本が手配していたようだが。
それに、仮に断られても、同じ役割を担える教師は、各学年主任含めて、他に4人いる。しかもうち一人は、Fクラスが関わるとなれば、二つ返事でOKを出してくれる人だ。
雄二「ああ。」
翔子「……問題ない。」
俺の代わりに霧島が答える。別に頼んだつもりはないが、Fクラスの事だ。多くのクラスに、俺がAクラス代表であることが知れ渡っている現状でも、一部の生徒以外は、ろくに情報収集せず、未だに霧島が代表だと思っているだろう。それを見越して、代表を演じ続けてくれているとは、流石だ。
………それとも、彼女なりの俺への宣戦布告か?まあ、どちらでもいいが。
高橋「それでは一人目の方、どうぞ。」
高橋先生も、特に気にすることなく司会進行を務めている。
同時に、そこはかとなくピリピリした空気は、こちらの先鋒によってぶち壊される。
「そんじゃあ、行ってくるぜ。あんなゴミ共など、一瞬でぶっ飛ばしてやるよ。」
豊嶋圭吾。正直言って、問題児以上の問題児、それが俺の評価だ。よくもまあ、教師の、しかも自分のクラスの担任であり、学年主任である先生の前であれだけの暴言が吐けるものだ。
秋希「………………へえ。ならそのセリフ、そっくりそのまま返そうかしら。」
一方Fクラスの先鋒は近衛秋希。正直、この対面は都合がいい。Fクラスの主力一名を潰せるし、邪魔な豊嶋の行動を制限できる。Fクラスが有利な状況になったら、コイツ含め、過激派のメンバーが邪魔立てしてくることも容易に想像できるからな。近衛なら豊嶋程度に苦戦はしないだろうし、仮にそんな状況に陥った場合は、問答無用で降伏させてもらうが。
「はぁ!?何でアンタが出てくんだよ!他の奴に変わりやがれ!」
秋希「残念だけど、これも『私らの代表』の決定なんでね。無理な相談よ。」
高橋「…………ゴホン。それでは、教科は何にしますか?」
「チッ…………、古典で。」
高橋「分かりました。それでは………承認します。」
そう言えば、科目選択権をどのように使うかは全く話さなかったな。高橋先生も指名をしてなかったってことは言ったもん勝ちってことか?
「「試獣召喚≪サモン≫!」」
そしておなじみのキーワードで互いに召喚獣が現れる。
[フィールド:古典]
2-A 豊嶋圭吾・・・364点
これでも、Aクラスとしては高い方なんだよな。多分、身近にいる奴らが400点近い点数を平然と叩き出しているから、感覚がバグってんだろう。
「…………ハッ!そういや、アンタFクラスに入ってから、大分点数が下がったみたいじゃねぇか!だったら、俺でも楽勝だ!クズばっかのクラスに落ちて、そこの負け犬共と同じくらい落ちぶれた優等生など、俺の敵では……。」
ズドン!
秋希「………………俺の敵では……無いとでも言いたかったようだけど、私から一つだけ言わせてもらうわ。Fクラスを………………、そしてこの私を………………、ついでに双眼零次をなめるな。」
[フィールド:古典]
2-A 豊嶋圭吾・・・364点→戦死
VS
2-F 近衛秋希・・・399点
そして、結果は見ての通り、一瞬で決着がついた。豊嶋の召喚獣は霧散し、フィールドには右手を中指から小指を曲げて、いわゆる『拳銃』の形にしたまま、先程まで奴の召喚獣がいた場所を睨みつている近衛の召喚獣が立っていた。
「………………はあああああ!?なんだよ、その点数!去年と大して変わんねぇじゃねぇか!ていうか、何で負けてんだよ!相手素手じゃねぇか!」
相変わらず喚くな、コイツは。もしかして、こういう性格の輩が上位にいたから、下位勢力への暴行が蔓延したのか?……あり得るな。近衛曰く、2年前の2ーAがやり始めたらしいし。
さてと、どうしようか。今回は今までの試召戦争と形式が違う。おそらく誰であろうと、この戦争の結末を見守りたいはずだ。故に今回の戦争では、戦死者が出ても補習室での補習の義務は後回しにしてくれないかと、今日補充試験をした時に西村先生に頼み込んでいる。つまり、いつもだったら使える豊嶋を強制退場させる術がない、ということだ。
秋希「………………豊嶋君、いい加減黙ってもらえないかな?でないと………………。」
ガラッ
西村「全く、事前に双眼から聞かされていた話と違うではないか………。来い、豊嶋!貴様は一昨日から反省しとらんのか!お前だけは特別に、今からみっちり補習を行なってもらうぞ。」
「ちょ、待ってくれよ鉄人!俺みたいなエリートよりも………………。」
バタン
………このAクラスの、というより新校舎全体の騒音対策は完璧だからほとんど聞こえないが、おそらく西村先生にこっぴどく叱られてるだろうな………………。自業自得だが。
まあ、俺の計画通り初戦は黒星スタートだが問題ない。次が俺としてもFクラスとしても、心配どころの戦いになるだろう。
~後書きRADIO~
秋希「それでは!後書きRADIO!」
零次「第11回の開始だな。」
秋希「この小問16の間は毎話この後書きRADIOをやっていくわ。」
零次「今回は第1戦目の話だな。」
秋希「結構、アッサリと決着がついたわね。」
零次「当然だ。如何に学力が高く、それでいて今話までそれなりに出番が多かろうと、奴の立ち位置はモブキャラだ。そんな奴との戦いに時間をかける必要はない。」
秋希「まあ、そうだろうけど……。」
零次「それとも、なんだ?アイツの暴言や罵倒の数々を全部聞くつもりか?」
秋希「……それなら、サッと決着をつけて、退場してもらった方がマシか。」
零次「そういえば、なんで西村先生がやって来たんだ?豊嶋を回収してくれたのはありがたかったが…………。」
秋希「あー……。多分、高橋先生じゃない?パソコンを開いて、なにやらメール?していたみたいだから。」
零次「なるほど。高橋先生には感謝しなくてはな。」
秋希「ところで次回は2戦目になるのかな?」
零次「ああ。基本的には1話で1戦ずつ進める予定だ。」
秋希「OK。それじゃあ……………。」
「「次回もよろしくお願いします!」」