バカと無情の試召戦争   作:Oclock

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~前書きRADIO~

零次「………俺だ。双眼零次だ。今回は、Aクラスサイドの話となる。というか、本作はほとんどAクラスサイドの話だけどな。………だから、原作とほとんど変化がなく、それほど重要じゃない部分はカットしていくから、そのつもりでこの先の話を楽しみにしてほしい。」


小問2-A 教室と級友の印象

零次「………………………。」

 

 現在、俺は自分のクラスである、Aクラスの前にいる。一言感想が欲しい、なんて言われたら、おそらく大多数の人間はこう答えるだろう。…………豪華すぎる、と。

 教室の扉は、いたって普通だが、まず、その広さが異常である。去年、俺達が過ごしてきた教室の5,6倍の広さだ。去年の教室の広さをちょうどいいと思っている俺からしたら、この教室は広すぎると思うくらいだ。

 次に設備に驚く。視線を右に移すと、本来なら黒板のあるスペースに、プラズマディスプレイが備え付けられており、生徒の椅子は、リクライニングシートで、机も、おそらくいろんな機能満載のシステムデスクだろう。視線を正面に戻せば、いかにも高級品、という感じのソファやガラステーブル、ちょっと左にずらすと、お菓子の入ったバスケットや、ファミレスとかで見かけるドリンクバーが設置されていた。視線を上にあげると、黒地に金色の文字で『2-A』と書かれたクラスプレートが吊るされていた。周りの『2-B』『2-C』『2-D』が、普通に白地に黒の文字で書かれていることから、これも特別、という感じがした。

 

零次(………豪華すぎるだろ、この教室。あの学園長は、どれだけここにお金をつぎ込んでいるんだか。)

 

 そんなことを思いつつ俺は教室に入ることにした。

 

・・・

 

ガラッ

 

零次「………………………。」

 

 ………………どうやら、誰も俺のことに気づいてないようだ。教室のドアが開いたにもかかわらず、無反応とは。いや、数名ほどこちらに視線が向いたな。

 

「…………おい、アイツって確か………。」

 

「間違いない………『死神』だ………。」

 

「なんで、この教室に………?」

 

 ………予想していたが、やっぱり、そういう反応だろうな。

 俺が通っていた中学校は、この辺りでは有名な不良校だった。『力こそ正義』と言わんばかりの校風で、強い後輩が弱い先輩や先生を敬わないことなど、その学校では珍しくなかった。俺もそんな生徒の一人で、『死神』はその時に付いた渾名だ。

 まあ、その時の話がどういう経緯で知ったのか、その噂が原因で俺から距離を置こうとすること自体は、別にどうでもいい。他人の人間関係に口出しする権利などないのだから。だが、本当の問題は………………、

 

「そういや、座席表にアイツの名前があったような…………。」

 

「マジかよ。うわ、サイアクだわー。」

 

「どうせ、カンニングでも、したんじゃない?」

 

「もしかして、先生たちを脅して、この教室に入ったんじゃない?久保君とか、近衛さんにしたみたいに………………。」

 

 こういう奴らだ。まあ、俺に対して露骨に不快感を出している奴については、おいておこう。こちらとしても、そういう奴と付き合わなければいい訳だからな。

 だが、俺がカンニングしただとか、先生方を脅してるなどと言っていた、女子二人は論外だ。一般的にいえば、『不良=頭が悪い』とか、『不良=平気で暴力をふるう』といった等式ができているのだろう。俺も実際、そんな奴を中学生の時に多く見てきたからよく分かる。俺が気に食わないのは、そんな等式に俺を勝手に当てはめて距離を取っていたくせに、いざ自分の想定していない事象が起きた時、それを認めず、そのうえ自分を正当化して、起きた事象に文句を言う、その態度なのだ。

 そんな話をしているクラスメイトから目をそらし、俺は席に着いた。ちょうど隣には、俺の友人の一人、久保利光がいた。

 

利光「やあ、零次。久しぶりだね。」

 

零次「おう、久保。本当に久しぶりだな。春休みの間、全く顔を合わせなかったからな。」

 

利光「零次のことだから、勉強に没頭していると思ってね。そう考えると声をかけづらくてさ。」

 

 ………………………………実際そうだったから、何も言い返せない。

 

零次「…………ああ、そうだ。久保。」

 

利光「なんだい?零次。」

 

零次「一応聞いておくが………、このクラスの代表が誰か知っているか?」

 

利光「………ごめん。分からないんだ。」

 

零次「分からない?」

 

利光「うん。霧島さんが代表だと思って、さっき挨拶に行ってきたんだけど………。どうやら、霧島さんが代表じゃないらしいんだ。」

 

 俺は久保の言葉に頷きつつ、前の席に座っている女子生徒、霧島翔子に目をやった。

 

零次「…………そうか。なら、いいや。」

 

利光「……零次は気にならないのかい?代表が誰か。」

 

零次「ああ。だって、……………………………俺は誰が代表か、知っているからな。」

 

 そう言って、俺はニヤリと笑った。 

 

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