喫茶店の一日目を終えたFクラスの教室。クラスメイト達は皆とっくに帰っていて、ここに残っているのは私と吉井君、坂本君の三人になった。
雄二「明久。そろそろ来る時間だ。」
明久「来るって、誰が?」
雄二「ババァだ。」
秋希「ん゛っ、ん゛ん゛っ!」
ヤバッ、坂本君が真顔で『ババァだ』なんて言うから、飲んでたお茶を吹き出しかけたじゃないの。
雄二「………………近衛、お前大丈夫か?」
秋希「え、ええ……、だ、大丈夫、よ…。べ、別に…、あなたに、心配してもらう、程じゃ…、ないから……。」
明久「それで?学園長がわざわざここに来るの?」
雄二「ああ、俺が呼び出す…………よりも前に近衛がここに呼び出したんだよな?」
秋希「ええ。今回のトラブルの連続。具体的には、三年生によるFクラスでのクレーム、それを他クラスでも拡散、終いには『七天八刀』の要注意監視対象であるはずの第六刀から第八刀メンバーによるウチのクラスを狙い撃ちにしたような襲撃……。たった二日しかない文化祭で、ここまでFクラスってだけで虐められるようなものかしら?」
実際3−Fは、私達が受けた被害のいずれも受けていなかった。アッチが3−Dと合同で企画を進めたからとか、コッチがド級の問題児を抱えているからとか、そんな理由で片付けられない『何か』を感じたわ。
秋希「そして決め手は、準決勝の後に零次から聞き出した、君達と学園長の会話の一部始終。これで私の中では点と点が繋がった。……坂本君も多分、同じ結論に辿り着いたはず。」
雄二「ああ。この一連の妨害は、間違いなくあのババァが原因だろうな。こっちとしても事情を聞きたかったわけだが、近衛のお陰で手間が省けたな。」
明久「へー、ババァに原因が…………えぇぇっ!?」
あ、やっぱり明久君は気づいてなかったんだ。
明久「あのババァ!僕らに何か隠してたのか!」
秋希「うん、確かに君らにわざと伝えなかったことがあるのは事実だけどさ……。二人とも、一旦学園長をババァ呼びはやめようよ……。」
確かに伝統ある旧校舎をゴミ屋敷同然の扱いをする愛校精神の欠片も無いような人だけど…。試験召喚システムの研究に夢中になるあまり、教員とのコミュニケーションを怠る教育者の風上にも置けない人だけど…。一日三食を栄養ゼリーだけで乗り切ろうとすることもあるような、食生活に関しては吉井君レベルで悲惨な人だけど…。それでも学園の最高責任者な訳だから、砂粒程度でもいいから、外面だけでも敬意を持ちましょうよ……。
藤堂「……やれやれ。わざわざ来てやったのに、随分とご挨拶だねえ……。」
明久「出たな、諸悪の根源め!」
秋希「すみません、うちのバカ達が無礼を働いてしまって……。」
藤堂「フン。口には出してないだけで、アンタも思ってることは似たようなモンじゃないのかい?むしろ、アンタの方が口に出さない分、そこのガキ共より質が悪いよ。」
……バレてる。
雄二「俺たちに話すべきことを放していないのは充分な裏切りだと思うがな。」
秋希「まあ、何か話せない事情があったんじゃない?例えば……、あの部屋に盗聴器が仕掛けられていた、とか?」
まさか、今回の騒動が自分の落ち度であることを、技術者のプライドが許さず話せなかった……。なんてことでは無いと信じたいわね。
藤堂「……はあ、やれやれ。賢しいヤツだとは思っていたけど、まさかアタシの考えに気がつくとは思わなかったよ。」
秋希「私も零次から事の一部始終を聞いた時は、怪しいと思ったわ。『チケットの回収』なんて、元々連絡の予定があった零次に頼めば確実なのに、わざわざ乱入者である二人に頼むんだもの。」
明久「あ、そういえばそうだよね。優勝者に後から事情を話して譲ってもらうとかの手段も取れたはずだし……。」
雄二「そうだ。わざわざ俺達を擁立するなんて、効率が悪すぎる。」
擁立……。確か、特定の人を支持し擁護して、もり立てること……だったかしら?
藤堂「話を引き受けてきた教頭の手前、おおっぴらに妨害することができない、とは考えなかったのかい?」
秋希「それなら教室の改修工事について却下の意思を示すのは、おかしな話じゃない?確かに『設備に差をつけるのは文月学園特有の教育方針だ』と言われりゃ、否が応でも納得せざるを得ないわよ。そういうカリキュラムを組んでることは、入学以前から説明されてるわけだし、思い通りの結果が得られなかったからって、文句を言っても……ねえ……。」
雄二「けど、今回俺達が提示したのは、『生徒の健康面に対する問題』だ。教育者側、ましてや学園の長が、それを言われても却下するなどあり得ない。」
藤堂「……そうだったかい?それを建前にアタシを馬鹿にしにきたように聞こえたんだがねぇ……。」
雄二「そうだったか?俺はバカだから、そんな前の話など忘れちまったな。」
白々しい嘘だけど、不毛な水掛け論にしかならないのが分かってるから、学園長も黙り込んじゃってる……。次からは誰かと交渉なり、大事な話をする時はボイスレコーダーとか持ち歩くよう、進言した方がいいかしら?
秋希「……吉井君?ここまでの話、ついてこれてる?」
明久「えっと…………。要は、優勝賞品を回収するだけなら、リスクの少ない方法は色々取れたはずなのに、教室の改修工事を渋ってでも、学園長は僕達に大会に参加させたかった、ってこと?」
秋希「うん…………。概ねその通り。」
思った以上に理解していて、良かったと同時に驚いているよ。やっぱり吉井君、勉強が苦手なだけで、地頭が悪いわけではなさそうだ。
秋希「しかも、ただ君達に参加してほしいってわけじゃあないのよ。決定的な証拠が、坂本君の提案ね。君も交換条件が提示された瞬間に、あんなことを言えるなんて……。ホント凄いわ……。」
明久「提案?って、えーと……。」
藤堂「科目を決めさせろってヤツかい。なるほどね。アレでアタシを試したってワケかい。」
雄二「ああ。めぼしい参加者全員に同じような提案をしている可能性を考えてな。もしそうだとしたら、俺達だけが有利になるこの提案は呑めない。」
秋希「でも実際、この無茶な提案は受け入れられた。これはつまり、君達に何が何でも優勝してもらわないと困るって、暗に言ってるようなものよね?」
零次が隣に居たはずなのに、よくまあそんな取引を成立されられたよ。多分アイツは寝たふりとかして、聞いてない風に装ったりしたんだろうけど……。
雄二「他にも学園祭の喫茶店ごときで営業妨害が出たり、俺の仮想敵が悉く敗退したりと、色々あったしな。それに何より、俺たちの邪魔をしてくる連中が姫路たちを連れ出したのが決定的だった。ただの嫌がらせならここまでしない。」
やっぱりトーナメント表を見た時点で、坂本君は姫路さんや霧島さんと戦う想定でいろいろ作戦を組んでたわけか。まあ、いくら元神童でも自分のクラスの主戦力や彼女(仮)が自分以外に敗北するなんて、想定外だったようね。二人共、学年トップクラスだし、相手はせいぜいBクラス上位~Aクラスの下位。
藤堂「そうかい。向こうはそこまで手段を選ばなかったか…………すまなかったね。」
そう言って、学園長は私達に頭を下げてきた。
藤堂「アンタらの点数だったら集中力を乱す程度で勝手に潰れるだろうと最初は考えたのだろうけど……決勝まで進まれて焦ったんだろうね……。」
意外にも責任は感じているみたいだけど……。一番謝るべきは私達より姫路さん達じゃないかしら?下手したら殺されてもおかしくない状況に巻き込まれて、精神的に辛い思いをしたのだから。
秋希「……学園長。今回の一連の騒動、『もう一つの優勝賞品』が原因でしょう?アレ、結局問題は全く解決出来なかったんですね。」
雄二「もう一つというと、『白金の腕輪』とやらか。問題がどうのこうの言うってことは、何か欠陥でもあったのか。」
藤堂「アンタ達、もう少し年長者に対して気配りというか、思いやりというものが無いのかい?……アタシの無能を晒すような話だから、できれば伏せておきたかったんだけどね……。」
だから、誰にも公言しないで欲しい。そう前置きをして、吉井君達に事の真相を語りだした。
結論から言って、私がぶっちゃけたとおり、優勝賞品の『白金の腕輪』には欠陥があった。
藤堂学園長が今回の大会に向けて作成していた腕輪の能力は二つ。
一つは装着者の点数を二分割して、二体の召喚獣を同時に喚び出し、使役できる腕輪。召喚獣が2体に増えるから、戦力を瞬間的に増やせるものの、かわりにコントロールが難しくなるため、召喚者の技量が問われる代物だ。
もう一つは装着者に一時的に
どちらも、学園長が新技術と称して去年から開発を進めていたものらしいけど、最終調整に入る段階で、入出力が一定水準を超えると正常な動作をしない不具合に見舞われたそうだ。しかも二つ同時に。
当然学園長もこの事態を解消するために、プログラムの修正に最大限時間を割いたそうだけど、結局今日まで直らなかった。しかも、既に新技術のお披露目として、多くのスポンサーに触れ込んだ以上、優勝賞品から取り下げることも出来ず、今に至るというわけである。
雄二「……なるほど。だから双眼じゃなくて、俺達に優勝するよう頼んだ訳か。腕輪を回収……、と言うよりかは、デモンストレーションをして、不具合があることを誤魔化すために。」
そういえば、優勝者にはそんなお披露目の役割もあったわね。
でも、よくよく考えれば納得ね。腕輪を渡しただけで話が済んだら、この話自体がそもそも無かったわけだし……。何より、新技術の開発成功を謳うのなら、それを証明しないといけないし、実際に使用する生徒がその場面を見せるというのは、何も不自然なことじゃあないわね。
明久「えーっと、つまり……?」
藤堂「アンタらみたいな『優勝の可能性を持つ低得点者』ってのが一番都合が良かったってわけさ。」
明久「よくわからないけど、とりあえず褒められているってことでいいのかな?」
雄二「いや、『お前らはバカだ』と言われいるんだ」
秋希「一応『優勝候補』として頼ってる訳だから100%そうだとは言わないけど…。」
自分の失態の尻拭いをさせてる時点で、都合のいい『駒』として見てる部分が多い気がする。坂本君の要約だけで、吉井君が怒る理由になるから、わざわざ焚きつけはしないけど。
藤堂「それと、二つある腕輪のうち、片方の召喚フィールド作製用はある程度まで耐えられるんだけどねぇ……。もう片方の同時召喚用は、現状のままだと平均点程度で暴走する可能性がある。だからそっちは吉井専用にと。」
明久「雄二、近衛さん、これは褒められていると取っていいんだよね?」
雄二「いや、バカにされている。物凄い勢いで。」
秋希「今回は坂本君に同感。学園長の話が事実なら、今一番点を伸ばしていて、一番腕輪を使いたいであろう日本史で、
というか、改めて聞いてみても、
秋希「……さて。坂本君なら、ここまでの話でこの一連の騒動を手引きした教頭の意図も見えてくるんじゃない?」
雄二「ああ。俺たちの邪魔をするってことは、腕輪の暴走を阻止されたら困るって事だろ?そんな学園の醜聞をよしとするヤツなんて、文月学園に生徒を取られた他校の経営者くらいしかいないだろう。つまり、教頭はソイツらの内通者として、ババァの……学園長の失脚を目論んでいたと考えられるな。」
吉井君がなるほどと、納得したような顔をしている。さっきの助け舟で理解してくれて助かったよ。一々吉井君が会話に置き去りになってないか確認しているほど、余裕のないからね。
藤堂「ご名答。身内の恥を晒すみたいだけど、既に色々知っているみたいだね。アンタらの推察通り、一連の手引きは教頭の竹原によるものだね。近隣の私立校に出入りしていたなんて話も聞くし、まず間違いないさね。」
それに関しては、『七天八刀』でも裏が取れている。第五刀以上のメンツの中で普通に進学してる人は決して少なくはないし、文月学園関係者の三割は、組織の上位陣に目を付けられている。
…………もしかして、『七天八刀』も絡んだ今回の騒動、全部リーダーの計算通りに事が運んでいた?だとしたら、末恐ろしいわ…。
明久「それじゃ、僕らの邪魔をしてきた常夏コンビとか、『七天八刀』とかの人達は……。」
秋希「間違いなく、教頭の差し金よ。先輩方は推薦のためとかで、あのチンピラ達は……、カネ目当てが大半だろうけど、何人かはそれ以上の大義があったんじゃない?」
私が捕まえた『七天八刀』のメンバーからは、織部君と脇谷さんの話題がしょっちゅう挙がっていた。あの二人の場合は、文月学園で大きな騒ぎを起こせば、調査のメスが入って、
明久「あのさ、コレって…………かなりマズい話じゃない?」
雄二「そうだな。文月学園の存続が懸かっている話になるな。」
……まさか、その話が吉井君から切り出されるとはね。
実際、試召戦争も試験召喚システムも、現在文月学園だけが採用している特異な教育方針だ。それに、二年と三年に適用されている、点数による設備格差制度も、賛否が分かれている。システム自体も不安定な箇所が多く、存在そのものを疑問視する声も多い。そんな状態で、暴走なんていう問題が起きれば、システム廃止だけで片付く問題じゃない。最悪文月学園が廃校になる可能性もあり得るわね。
秋希「…………正直、二人の前で言うのを躊躇してたけど、そこに行き着いたなら、仕方ないわね。学園長、今からでも遅くありません。至急『
雄二「こ、近衛?流石に焦りすぎてないか?確か『S.O.S』って、この学園のスポンサーをしている、学生向けの教材を作っている企業だろ?あまり詳しくないから断言できんが、それでも俺達が今日一日散々苦労した話を、たった数秒で解決できる訳ないだろ。」
明久「それよりも、優勝者に事情を話して回収したら……。」
藤堂「…………残念ながら、話はそう簡単にはいかないさね。」
肩を落としながら、学園長はそう言った。どうして?諸々の騒動の発端が、学園長が開発した腕輪にあるんだったら、それが直せれば万事解決でしょう。
雄二「そうだな。明久、決勝戦の相手を知ってるか?」
坂本君がポケットから折り畳まれたトーナメント表を広げて吉井君に見せる。まあ、その相手の片割れはずっと目の前にいるんだけど。
明久「あ……零次が相手なんだ。常夏コンビが相手になる流れだと思っちゃったじゃん。」
秋希「まさか。私達があんな小物の策略にまんまと引っ掛かるとでも?」
明久「……でも、それならやっぱり事情を話せば……。」
雄二「多分だが……、俺達にこの話を振られた時点で、色々察しが付いてるんじゃねぇか?そのうえで、アイツはきっと勝ちにくるだろうな。」
吉井君達にとって、別に零次は話が通じない相手ではないけれど……。今回は状況が状況だ。
零次が出場した理由は、私達と戦った時と同じ『実力の証明』にある。誰もが認める……とまでは望まなくても、誰もが敵視するという疑念が払拭されない以上、零次に敗けは許されないのだ。
秋希「……それで?『S.O.S』を頼れないというのは、どうしてですか?」
藤堂「……最初に言った通り、できれば伏せておきたかった話だよ。坂本も不思議に思ったように、アタシも『たった10秒で腕輪の不具合を解析し、修復できる』と豪語する相手の話を鵜呑みには出来なかったさ。…………仮にその話が本当だとしても、アタシが開発に一年もかかった傑作の大きな課題を、他所に頼ったら、ほんの数秒で解決したなんて事実は……技術者からしてみれば、プライドが傷つけられるなんて言葉で片付けられるほど、生優しいものじゃないんだよ……。」
秋希「まさか…………。」
藤堂「……………………この件で相手と口論になってしまってね……。向こうから『今回の清涼祭に我々はこれ以上関与しない』と言われてしまったのさ。」
秋希「…………何やってんですか、学園長!!」
そりゃあ、『S.O.S』を頼れんわ!というか、このシステムも『オカルト』や『偶然』が絡んでるのに、相手側の超常現象を否定したら、怒られて当然でしょうよ!事件の首謀者は教頭で間違いないけど、結局その発端は全部アンタのせいじゃないか、学園長!
藤堂「悪いが、アンタたちにはなんとしてでも優勝してもらうしかないんだよ。」
雄二「まさかこんなことになっているとはな……。」
学園長も坂本君も表情が硬い……!それだけ事態が深刻ってことがよく分かるわ……。
雄二「学園長、質問です。」
藤堂「なんだい?」
雄二「腕輪の暴走って、総合科目ので平均点にいかなければ起こらないんですか?」
藤堂「そうさ。一つや二つの科目が高得点でも、その程度なら暴走は起きないよ。」
秋希「あー……そっか、こっちが腕輪暴走の条件を満たしてもダメだもんね……。」
αクラスでグングンと点数を伸ばしているものの、幸いにも、吉井君の現在の総合点数は、平均には数十点程届いていなかった。話しぶりからするに、坂本君も同じような状態でしょう。
明久「……でも結局は、零次と近衛さんに勝たなきゃならない訳だよね……。せめて、近衛さんが僕ら側についてくれれば……。」
秋希「はあ……。まあいいよ、君達に協力しても。」
雄二「…………本当か?何か企んじゃいないだろうな?」
秋希「何も企みがない、と言ったら噓にはなるでしょうね。でも、ここまで事態が深刻だって話を聞いちゃったら、首を横には振れないじゃない?まあ、零次を倒すのには協力してあげるわ。」
雄二「……分かった。正直お前に貸しを作るのは後が怖いが、目の前の問題を解決するにはそれしか方法が無え。…………俺たちに力を貸してくれ。」
秋希「OK。契約成立ね。」
正直、学園長の尻拭いをしてやる義理はこれっぽっちもないけど、学園が無くなるのは問題だからねぇ……。
元々、零次との共闘(?)は今日限りだったし、私も中学時代に返って、やりたい放題してみましょうか。
~後書きRADIO~
零次「……さて、第27回後書きRADIOの時間だ。」
秋希「前回から結局3か月以上経っちゃったか……。まあ、時間の使い方は人それぞれだけどさあ……。」
零次「一応、次回の話のストックは作り始めているから、また気長に待って欲しい。」
秋希「……次章も、原作に沿うけど、オリジナルの展開が多く入るわよね?」
零次「そうだな。」
秋希「……その次の章は完全オリジナルになるって、話が耳に入ってるんだけど?」
零次「…………そう、だな。」
秋希「……完結する頃には、最初思い描いていた頃の面影は残っているのかしら……。」
零次「一応、考えているキャラクターは登場させる予定ではあるようだが……。元ネタをわかってくれる人は…………おそらくいないだろうな……。」
・・・
零次「さて、今回は原作でもあった、学園長による、Fクラスが巻き込まれた数々の事件の裏に隠れされた真実の告白回だな。」
秋希「と言っても、その辺の流れは原作と同じね。私が途中途中で話に割り込んだことと、学園のスポンサーについて言及したことが原作からの改変点かしら。……にしても、『七天八刀』だけでも、十分すぎるくらいなのに、『
零次「いや、元よりこの二つの組織は、本作を進めるうえで既に設定していた組織だからな。早めに登場させて伏線を張っておいて損はないだろう?」
秋希「そりゃそうでしょうけど……。だとしても、二つ一気に出す必要もないんじゃないの?『七天八刀』だって、十五のグループに分かれてるうえに、リーダー格が半分も出てないでしょ。」
零次「それを言ったら、原作も三年の代表は、主人公達と関わりがなかったから、Aクラス以外影も形もなかっただろ。それに本作で『S.O.S』の関係者も既に出てきている。」
秋希「……はい?そんな描写あった?学園長が今年の学園祭に完全不参加の意思を示したのに?」
零次「その詳細は後々語るから、ここでは詳しく語らないが、少なくとも『完全に』不参加というわけではない。協賛資金は既に払い終えた後だし、それを回収する素振りも無かったようだしな。」
秋希「『金だけ出して、これ以上口は挟まない』って感じだったのね…。」
零次「ついでに言えば今回の後書きで、最初に次の章は多少オリジナルの要素が含まれる、と言ったな。今回の章で俺達と密接に関わったのは『七天八刀』だが、次章は『S.O.S』が関わってくるそうだ。今回『七天八刀』という組織が特に何の前触れもなく出てきたのは、前回の章で話題に出せる機会が無かったからだが、今回は『S.O.S』の話題を切り出す絶好のタイミングを見つけたからな。それを利用したってだけさ。」
秋希「なるほど、その『絶好のタイミング』ってのが今回の話に当たる訳ね。文月学園の資金が多くのスポンサーによって成り立っていることをうまく利用したわね……。」
秋希「……さて、今回はこんなところかしら?」
零次「そうだな。次回はお前達が学園長と話していた頃、俺が何をしていたかが、語られるそうだ。例のごとく、オリジナルの展開だな。」
秋希「てことは、まーた3ヶ月以上投稿期間が空くんじゃない?」
零次「……否定は出来んな。」
秋希「それでは……。」
「「次回もよろしくお願いします!!」」