勇者の父親になる筈の原作主人公がTSしてたけど、何か質問ある?   作:社畜のきなこ餅

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今回から、主人公がそこそこ前向きになっていきます。
ネガりそうになったら、自己主張激しい新たな愛剣が主人公を叱咤するとも言う。


後、じみーーーにアルカパにて原作改変が露骨に入ってます。


13

サンタローズ北 ◇日

 

 

 あの後、剣をかき抱いてボロボロに泣いた俺。正直恥ずかしくはあるが、心は清々しいぐらいだ。

 メソメソしていたら、またホークに叱られてしまいそうだしな、すぐには正直難しいけどそれでも切り替えていこう。

 

 少しばかり名残惜しいけども、ヘンリエッタ達に声をかけて出立の準備を始める。

 チロルを連れていくことも最初は考えたが、あの子はもう守るモノがある母親だ。俺の旅路に連れていくわけにもいかない。

 そう考えて、家に入り下ろしていた、何故か中身があちこちに飛び散っているザックに、零れ落ちていたモノを拾って入れ直そうとして蓋を開け。

 

 中に入り込んでいた、ホークとチロルの子である灰色のベビーパンサーと目が合った。

 いやまてお前何時の間に入っていた、というかどうやって入った。ホークに似て変なところで芸達者だなお前。

 若干ほっこりする俺だったが、灰色ベビーパンサーの両前脚の脇に手を差し込んで持ち上げて、そっと床へ降ろす。ほっこりしたがソレとコレとは話が別なのである。

 

 て、えぇぇい!裾を噛むな!背中に背負ったホークの剣からも止めていいのか叱ればいいのか迷う気配感じてるぞオイ!

 ヨシュアなんかは腹抱えて笑ってるし、ヘンリエッタとマリアちゃんもクスクスと楽しそうに笑ってる、みんな笑顔で何よりだが……繰り返す、ソレとコレとは話が別なのである!

 

 母親であるチロルへ何とかしてほしいという願いを込めて視線を向けると、彼女もまたやんちゃな子供に困っているのかキラーパンサーの強面で渾身の苦笑い。お母さんの苦労を垣間見た。

 オルテガ、お前からも何とか言ってくれ……え?コイツこんなにちまこい外見なのに、サシで野良へびておとこ撃破できんの?

 

 

 危険だから置いていく、という逃げ道が塞がれた瞬間である。チロルからも連れていってあげてほしいという視線を感じ……あれ、よく見るとお前さんもいそいそと旅支度始めてない?旦那に似てたのかお前も器用になったね。

 ヘンリエッタから、連れて行ってあげたらどうかな?と言われ、マリアちゃんもこんなにお願いしているのに置いてくなんて可哀想です。と言ってくる。

 

 腕を組み黙考、のちにザックから出した時と同じように灰色ベビーパンサーの脇に手を差し込んで持ち上げ、目を合わせる。……あ、こいつ雄だ。

 ともあれ、危険だし怪我もするぞ、それでもいいのか?と俺は問いかけ、その問いかけに今更何をとばかりに可愛さの残る咆哮で応える灰色ベビーパンサー。

 

 しょうがねぇな……ホーク、お前の息子はしっかりと責任もって預かるぜ。

 そうなると名前を付けてやらんとなぁ、うーん……。ネコ、もしくはパンサー……って、いてぇ!?引っかいた上に渾身の猫キックしてくんなてめぇ!!

 

 

 その後、ヘンリエッタからはユーリルやアリーナと言った名前や、マリアちゃんからはパトリシアやファルシオンと言った名前案が飛び出、だがどれもなんか違うと頭を突き合わせて考え込む俺達。

 話が長くなりそうなので、薬草茶を淹れにいったオルテガがお茶を持って戻ってきたころ、状況の推移を見守っていたヨシュアがぽつりとつぶやいた。

 

 灰色で影っぽいし、シャドウでいいんじゃね?と。

 その名前に、俺達が考えた名前に見向きもしてなかった灰色ベビーパンサーが耳を動かして反応を見せ、にゃーと鳴いた。決定である。

 

 

 なお俺は名付け2連敗な模様。

 え?その名前でイケるって思うのはさすがにどうかと?そりゃないぜヘンリエッタにマリアちゃん……。

 

 

 

 

サンタローズ 〇日

 

 

 サンタローズにて一泊。

 大きく育ったチロルを見て、村人の皆びっくり。シャドウがチロルの子だと知って二度びっくり。

 そして、ホークが死んだことに村人の皆がっくり。アイツも村の一員として受け入れられていたんだな、という事を再認識して目頭が熱くなった。

 

 俺はここにいるぞーとばかりにたまに、背中の剣がカタカタ動いてるがおとなしくしてろ。事情知らない人から見たら怪奇現象以外の何物でもないから。

 

 初めてみる人里に興味津々のシャドウはあっちこっちをきょろきょろ見回したと思ったら、ナニカ面白いモノでも見つけたのか走り出し……その後をすかさず追いかけたチロルがシャドウの首根っこを咥えて戻ってくる。

 あんなに甘えん坊だったチロルがお母さんしている事に、気が付けば21歳になっていた俺、親戚の一家を見守るような優しい気持ちになる。

 

 おっとヘンリエッタにマリアちゃん、俺が所帯を持つのはまだ早いので家族計画的妄想から帰ってきなさい。ついでにヨシュア、お前はここ最近男の視点から見た俺の攻略方法を伝授するのもやめなさい。

 ん、どうしたの武器屋のおっさん。え?お前はリュカちゃんに再会したら、全力で刺されるかもしれんな? は、ははは、あんな優しくて可愛いリュカちゃんがそんな事するわけないじゃないか。

 

 

 おっさん、対策方法教えてください。え?そういうのも含めて受け止めるのが男の甲斐性?

 凄く含蓄深いけどおっさん、アンタ過去に何やって……え?二股の末に刺されて生死の境さ迷った?マジで何やってんだよアンタ!

 

 

 

 

 

アルカパ 〇日

 

 

 サンタローズの顔なじみだった武器屋のオッサンの衝撃の事実を知りつつ、俺達はアルカパ到着ナウである。

 この町もまた荒廃とは無縁に、ほとんど変化は見受けられず……門番のおっさんが、俺の顔を見てレヌール城でお化け討伐をした俺じゃないか?と聞いてきたので、そうだと答えたら。

 とても嬉しそうなおっさんに、久しぶりじゃないか元気にしていたか?と乱暴に肩を叩かれる、

 

 ごめんおっさん、最初におっさんがあの時の衛兵さんだと気付かなかった、本当にごめん。

 

 だがガチで謝られてもおっさんもきっと困るだろう、この罪悪感は俺の心にしまっておく。

 ヨシュアとヘンリエッタにマリアちゃん、そしてチロルからジト目的視線を感じるが気のせいだ!なおシャドウははしゃいで駆け出す前に、チロルに首根っこを咥えられてプラーンと揺れていた。

 

 仲間達には、想い出のある町が無事だったかどうか確認がしたい、という名目で立ち寄らせてもらった。いやこれも目的の一つではあるんだけど。

 どちらかと言えば、ラインハットの情勢を知れればと言う目的が強い。あの国の名前を出すとヘンリエッタが凄い複雑そうな顔をするから、あんまり言えないんだけどな。

 

 そんなワケで、情報と噂話の宝庫へ4人と2匹で昼間から赴いて情報を集める。

 聞こえてくる話は、やはりラインハットの惨状ばかりだ、少し前のラインハットの兵士が全滅したことで働き手を亡くし、困窮する市民が多いらしい。

 そこに、太后が次々と無茶な税をかけるものだから、働き手を亡くした一家は言うまでもなく。そして出兵とは無縁だった商店すら次々と店を畳む事態らしい。

 

 覚悟はしていたが、俺がやった殺戮はラインハットという国に対して、決して軽くない爪痕を遺してしまったらしい。

 そう考えていたら、すかさず背負ったままのホークの剣がカタカタと震え、まるで……だったら、お前がその国を救ってやれ。と言ってるかのような意思を俺へ送ってくる。

 

 そうだな、悪い事をしたら謝り、取り返しのつかない事をしたのなら出来る事をして償わなければ、いけないよな。

 

 

 

 そうやって決意を固めてたら、なんか見覚えのある青年に絡まれた。なんでも、てめぇが行方不明になったとかなんだで、ビアンカちゃんが凄い落ち込んでいたらしい。

 ここ最近まで宿屋で両親と共に暮らしていたらしいが、ダンカン夫妻も見るに見かねて、引退がてら山奥にある静養地へ引っ込んだとの事だ。

 何だか凄く居た堪れない。

 

 ついでに新たな女性の名前に、ヘンリエッタとマリアちゃんから立ち上る気配が怖い、後ろ振り向きたくない。

 

 

 

 

 

神の塔 〇日

 

 

 あの後アルカパの宿で休み、オラクルベリーを経由してやってきたのは海辺の修道院南東にある神の塔。

 目的はここにあるラーの鏡だ、何故知ってるかとヘンリエッタに聞かれたので、ここにある気がしたとはぐらかす。

 変に嘘を吐いて後でドツボにハマるよりも、ここは多少不自然にでもごり押す方を取る俺であった。

 

 ちなみにアルカパの宿で見覚えのある年配の従業員が居たので、その人に先代の宿の持ち主ことダンカン夫妻について聞いてみたところ。

 ビアンカの母ちゃんの方が、少し難病にかかり一度は危ういところまで行ったらしいものの、注意深く奥さんの様子を見ていた旦那さんことダンカンさんのおかげで一命をとりとめたらしい。

 ダンカンさん曰く、遠くへ旅立つ友人から奥さんの体調を労り、私みたいに後悔せぬようにな。と助言をもらっていたことが功を奏したとかなんとか。

 

 良かった、本当に良かった。そうしみじみする俺である、ちなみにビアンカちゃんについての追及は何とか沈静化させることができた。

 だけどヨシュア、お前妹みたいな活発な子って言ってるけど、どうせその子も落としてんだろ?ってあの時ボソリと呟いて、沈静化しかけてた二人から怒気が立ち上ったこと、忘れてないからな。

 

 

 あ、ちなみに神の塔の入口はマリアちゃんが祈りを捧げた事で無事開いたので、魔物をホークの剣で薙ぎ払いヨシュアに二人をカバーしてもらいつつ最上階に到着。

 ヘンリエッタとマリアちゃんに首を傾げられつつも、途中で拾っておいた小石で透明な足場を確認した上でラーの鏡を無事ゲットしました。

 何故か、塔へ入った時から感じてた神聖な意思っぽい何かが、違うそうじゃないって訴えかけてた気がするが気のせいだな!

 

 

 なお、そのまま森の中にあるっぽい旅の扉を、シャドウの訓練がてら探してみたが空振りに終わった。

 俯瞰視点で空から見るならともかく、鬱蒼とした森の中にある祠を見つけるには、俺のうんのよさでは足りなかったらしい。

 

 

 

 

 

ラインハット 〇日

 

 

 あの後修道院に宿を借り、オラクルベリーを経由して俺達は北上。

 ラインハットのある大陸へ続く地下通路を守る関所へ到達し、この先は通行止めだと、どこか疲れた顔の兵士が俺達を呼び止める。

 

 その兵士に対して、ヘンリエッタがお前の苦手な蛙を仮眠中のお前のベッドに放り込んだ時は傑作だったななどと話し出し……俺の後ろにいるメイドの美少女が、ラインハットの王女である事に気付くと涙を流して跪く。

 兵士は泣きながら懺悔するかのようにヘンリエッタへ語り出す、あの時貴方を守るべきだった我々から裏切り者を出したせいで、そのような姿をさせる事となり申し訳ないと。

 その言葉にヘンリエッタは困ったように頬をかきながら、ぽつりとつぶやく。むしろコレ、ドレイクの趣味なんだけどな。と。

 

 オーケー兵士くん落ち着こう、その憤怒に満ちた顔で握りしめた槍から手を離してくれたまえ。

 そして煽るなヘンリエッタ!私の体も心もドレイクのものだとか言ってる場合じゃないだろう!?

 ついでに、対抗するように抱き着くなマリアちゃん!ヨシュアは止めろぉ!

 

 多少時間はかかったけど、兵士さんの説得は成功しました。

 ヘンリエッタ様を頼みますぞ、と俺の肩に手を置いてぎりぎりぎりぎりと力を込めてくる兵士に、俺はオーケー落ち着けと言いつつ情報を聞き出す。

 何でも、今のラインハット城には自分が主だと言わんばかりに、へたくそな擬態をした魔物が我が物顔でうろついているらしい。

 先の出兵で大半の人間兵士が死んだことで、その流れは大きく加速しており、今や彼のような兵士は閑職に回されたり過酷な任務にばかり就かされているそうだ。

 

 

 責任、とらねぇとな。

 

 

 

 

 

ラインハット ◇日

 

 

 一日かけて到着したラインハットだが、10年以上前に見た時と違いその街には明るい空気どころか、生気すらも欠けたような有様だった。

 薄汚れた襤褸切れのような服を纏った物乞いが、道を往く人へささやかな施しを乞い、チラリと裏路地へ視線を向ければ痩せ細った子供達が項垂れて座り込んでいた。

 

 決して貧しい国とは言えないラインハットをここまで追い込むとは、どうやら偽太后はよほど楽しく過ごしているらしい。

 歳を食った老人の物乞いへゴールドを渡し、代わりに耳寄りなうわさ話を聞いてみれば……ヘンリエッタが少年に擬態した魔物に攫われてから先王が体調を崩して死んだ後。

 跡を継いだ現王のデールを差し置いて、彼の母親である太后が権勢を振るい自分に逆らう大臣は適当な罪で処罰し、従順な大臣には相応に飴をくれてやってるらしい。

 その結果がご覧のあり様さ、俺だって昔は腕の良い鍛冶屋だったんだがな……無茶な納入ノルマこなせなかったら途端に右腕が永遠にオサラバさ。とボヤく老人。その老人の右腕は、肩から先が存在していなかった。

 

 追加料金だとパンを一つ老人へ手渡し、ヨシュアに情報収集を頼んだ俺は、顔が青ざめているヘンリエッタと沈痛そうな顔をしているマリアちゃんを連れて宿へ向かう。

 宿に入った俺達を見て、くたびれた様子の店主が久しぶりの客らしい俺達を満面の笑みを浮かべて迎え、すぐに部屋を用意してくれた。

 

 ごゆっくり、とくたびれながらもスケベな顔で俺達を見送る店主に、俺は苦笑いを浮かべつつ……気配を研ぎ澄ませて聞き耳を立ててる気配や、覗いている目線を感じない事を確認すると。

 沈んだ様子のヘンリエッタとマリアちゃんへ問う……と言うより宣言する。

 

 俺は情報が集まり次第、ラーの鏡を持って城へ乗り込み偽太后をぶちのめす。と。

 俺の言葉にヘンリエッタは目を見開き、あの女は魔物か何かか?と問いかけて来たので、その可能性が高い事を話す。

 まぁ状況証拠的には現時点では半々といったところが関の山なのだが、俺には原作知識がある……事だけが判断基準ではない。

 

 チグハグ過ぎるし中途半端なのだ、民を苦しめて愉悦に浸るにしても富を貪って強欲に耽るにしても。

 ヨシュアに頼んだ情報が、俺の予想した通りならば。その推論をかなりの精度まで上げる事が出来る。

 まぁ最終的にやる事は、鏡片手に忍び込んで正体暴いてぶちのめすという一点に集約されるんだけどな。

 

 俺の言葉に俯き、考え込んで、ぽつりぽつりとヘンリエッタは話し始める。

 俺だけ居ればイイ、そう思って生きてきたけど、それでも自分の生まれ故郷が好き放題されてるのが辛い、と。

 だけども、だからと言ってこれ以上俺に無理をしてほしくないとも。我慢するかのように喋るヘンリエッタを気遣うように、マリアちゃんはその震える手にそっと手を重ね、俺を見上げる。

 

 マリアちゃんの気持ちは、太后を害する害さないは別にしても、苦しんでいる人たちを何とかしてあげたいというモノだった。

 何をどうすれば良いかはまだ思いつかないけど、それでも理不尽に踏みつけられ絶望したままなのは悲しすぎると。大神殿で奴隷が死んだと聞かされる度に悼んでいた、あの顔で話す。

 

 

 二人の気持ちはわかった、ならば任せておけ。と言おうとするがカタカタと背中のホークの剣が震える、違うそうじゃないだろう。と言いたいかのように。

 ……ああ、そうだな。俺が一人で背負い込んで突き進む事は彼女達も望んではいない、だけども彼女達だけでは何ともならない。ならば。

 

 

 

 俺もこの国を何とかしたい。だから二人とも手伝ってくれ。と告げるのだ。

 

 しかし遅いなヨシュア、あいつ大丈夫か?

 

 

 

 

 

ラインハット ×日

 

 

 あの後も夕方頃になっても戻らなかったので、シャドウとチロルに二人の護衛を頼みつつ出ようとしたところでヨシュアが戻ってきた。

 遅かったじゃないかと言ってみれば、有力情報提供者に中々話してもらえなかったんだよ。と肩を竦め、入手してきた情報を話してくれた。

 

 ヨシュアにはあの後、捕まらない範囲で貴族の生活エリアの状況確認を頼んでいた。もしそこで俺の予想が確かなら、貴族からも搾取されていると思ったからだ。

 まぁ結果から言えばその推測はバッチリはまっており、確認を終えたヨシュアは宿へ戻ろうとしたのだが、そこで一人の老人に呼び止められたらしい。

 

 で、その老人がなんと、かつて昔ヘンリエッタに蛙をベッドに投げ込まれていた兵士の親だったそうで、兵士はあの後早馬で親へ手紙を出したらしい。一歩間違ったら大惨事だったなオイ。

 それで、俺達一行とヘンリエッタが生きていたという内容にその老人居てもたってもおられず、老体に鞭打って外へ出たところでばったりヨシュアと遭遇したとか。

 

 その後はまぁ、貴族の末席に居たとはいえ長くラインハット城に仕えていた老人から情報が出るわ出るわと、むしろラーの鏡不要説が出るレベルで状況証拠と証言が詰みあがっていく有様だったらしい。

 更に、その老人はパパスさんがボロボロの状態でリュカちゃんを抱えたままラインハット城へ帰還し、なりふり構わず息子への救援を頼んでいた姿もその場で見ていたそうな。

 あの時、大臣の言葉に同調して怪しい少年を魔物扱いせずにパパスの擁護をしていれば、こんな事にはならなかったと。とても後悔していたらしい。

 

 

 

 コレ多分だけど、俺が魔物扱いされた怪しい少年って気付いてないな老人。まぁいいけど。

 

 まぁともあれ、情報も集まったし躊躇う理由もないので、一晩おいて決意を固めたヘンリエッタと義憤に燃えるマリアちゃん、そして成り行きだけど手伝うさと言ってくれたヨシュア。

 更に、話を聞いて怒気を立ち上らせるチロルと、多分何もわかってないシャドウを引き連れて……。

 

 

 

 

 ちょいとばかり、偽太后に落とし前をつけに行こうか。 

 

 




次回、魔物兵ばかりなのを良い事にカチコミします。


【今日のリュカちゃん(リュカちゃんが出るとは言ってない)】
「兄上、頼りになる家臣と敵でない家臣、毒にも薬にもならない家臣とそれ以外の判別が大体つきました」
「助かるオジロン、コレで始末をつければ多少はリュカへの配慮に欠けた縁談話も少しは落ち着くと良いのだが……」
「古くから仕え支えてきた者達はリュカ殿が、自ら立ち直る事を望んでおります。これが総意であるとも」
「そうか、私は後の世で愚かな王と呼ばれるだろうな」
「兄上、事情は私も心から理解しておりますが、さすがにアレだけ国をほったらかしにしてたら否定できないかと」
「ぐう」
そんな、とあるグランバニアの兄弟の会話であったとさ。

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