勇者の父親になる筈の原作主人公がTSしてたけど、何か質問ある?   作:社畜のきなこ餅

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帰って来たいつもの日記形式。

今回はひたすらヒロインとイチャコラしてるだけだから、苦手な方は読み飛ばしてもストーリー展開に影響は一切ないと思われます。


25

サラボナ ◆日

 

 

 いやー、結婚式は盛大でしたね。まさか天空の鎧をタキシード代わりにつけて、6人の花嫁相手に愛を誓う事になるのは予想外だった。

 結婚指輪の為に、花嫁達のドレスとブーケが出来上がるまでの間、駈けずり回って指輪を確保するのも大変だったが、幸せな苦労だから問題ないのだ。

 なお結婚式はサラボナの教会で上げる事になった、ルドマンさんはカジノ船でやりたそうにしてたが、結構な人数になるしと自重してくれたらしい。

 

 炎のリングと水のリングはどうなったかって?炎のリングは俺が、水のリングはリュカがつけている状態だ。

 ほかの5人には、死の火山で踊る宝石から引っぺがしまくった宝石と祈りの指輪を使って、サンタローズの村の万屋の親方に加工してもらった指輪を贈っている。

 その際、親方からはお前夜大変だぞ。と同情の視線を送られたが……俺は大丈夫だ、まだ頑張れる(震え声)

 

 

 ちなみに、ルドマンさんには俺が光の教団に施された改造手術によって、体を弄られている事は結婚式前に既に話してある。

 その上で、それが何か問題か?と素で返された上で、こちらでも進化の秘法については探っておくと言われた時は泣きそうになったのは内緒だ。

 

 

 で、今は何がどうなっているかって? 結婚式後の何次会かもわからない宴会の真っただ中だよ、ついでに言えばリュカ達は先に帰らせて今や男だけで飲んだくれてる有様だ。

 コレ何時になったら終わるんだろう……。

 

 

 

 

サラボナ ♪日

 

 

 結局明け方まで騒いだ末に、酔い潰されてダウンしていたらしい俺はルドマンさんの屋敷のベッドの上で目が覚めた。

 頭痛を堪えながら、自分の呼気によって酒臭い部屋の中の空気に辟易しながら、部屋の窓を開けて換気を行う。

 

 昨日の記憶は、俺を救助してくれた荒くれ達と肩を組んで飲み比べをぶっ続けてしたところで終わってるから、どうやら俺は見事に飲み比べに負けたらしい。

 そうやってボケーっと頭痛を堪えながら、ベッドの上に座っていたところ部屋がノックされ、返事をしてみたらリュカが入……ろうとして酒の臭いに足を止めた、ゴメン、さすがに臭いよな。

 しかししょうがないなぁ、と言わんばかりにリュカは微笑むと部屋へ足を踏み入れ、ぼーっとしたままの俺の腕をとってシャワーを浴びようと誘ってくる。

 

 シャンとしないと笑われちゃうよ?旦那様、と悪戯っぽく笑うリュカの姿に、ああそう言えば俺は結婚をしたんだな。それも6人もと今更思い出す。

 そしてそのまま浴場までリュカに手を引っ張られ、そのままの勢いで一緒に入ろうとするので丁重にお断りしつつ、ぶーたれるリュカを置いてさっさと身だしなみを整える。

 初夜もクソもない状況であったので、この辺りはきちんとすべきであるのだ。きっとそうなのだ。

 

 

 そんなこんなで酒の臭いもある程度落ち着いたので、食堂へのそのそと顔を出せばルドマンさんに出迎えられ、どうやら俺を待っていたらしい嫁達と共に遅めの朝食をとる事となった。

 その際、デボラからはアンタ酒弱いんだから無理してんじゃないわよ、とお小言をもらったりする。まるで肝っ玉母ちゃんだな、なんて思ったら鋭い視線が飛んできた。怖い。

 

 もそもそと朝食を食んでいると、どうやらヘンリエッタとマリアはラインハットへ一度戻らないといけないらしい。

 その前に、短い期間になるかもしれないが、山奥の村へ新婚旅行へ出かけてはどうかとルドマンさんに提案された。ゆっくり温泉で癒されてこいとも。

 

 有難い申し出なので、素直に受ける。ギラリと輝いた女性陣の目には気付かないふりをするのだ。

 

 

追記

 

 旅立つ直前、サンチョさんから耳打ちされた。

 なんでも、旅先でリュカが俺と再会できた時は、王族である事とか何も気にする事なく一人の女としてリュカを見てやってほしい。というパパスさんからの伝言を預かってきたらしい。

 あの、サンチョさんや。良い笑顔で子供が出来ない愛の交わし方を口頭で伝授とかされても困ります。でも教えてくださいお願いします。

 

 

 

 

山奥の村 ●日

 

 

 6人の嫁に甲斐甲斐しく世話をされ、世話を焼かれつつ山奥の村へ到着。

 なんだろう、こんな生活続けてたら堕落する気がする。

 

 どうやらこの村にもサラボナの戦いの噂は届いているようで、俺の姿を見た村人が勇者様だ!とか叫んでる、凄い恥ずかしい。

 しかし、誇らしげに抱き着いてくるマリアやヘンリエッタを見ると、その事を恥じるのも何だか不誠実な気がした。

 なお、6人も美女と美少女を侍らせている俺の姿に、一部の村人の男から強い嫉妬の目を向けられたのは言うまでもない。

 

 そのまま、ダンカンさん夫妻が営む宿へ到着すると、結婚式に出席した後一足先に帰っていたダンカンさんが温かく出迎えてくれた。

 なんでも、ルドマンさんから既に前金と共に暫くここでゆっくりさせてやってほしい、と頼まれたらしい。

 しかしダンカンさんは、もう家族だからと言う事でその前金を徹底的にもてなしの材料費へ変えたらしい、お金を取るなんて野暮な事言いっこなしだとの事だ。あったけぇ。

 

 

 そんなこんなで、ダンカンさんの宿に荷物を置いた俺達はそのままの足で温泉へ直行。

 到着した温泉のカウンターにて、すでに話が通っていたのか夫婦揃って混浴へ案内される。どうやらVIP用の温泉が貸し切りらしい。ルドマンさん、どんだけお金使ったんですかね?(震え声)

 

 ……ん、ちょっと待て。混浴?と思わず案内してくれた従業員へ問いかけてみれば、良い笑顔で肯定された。

 いやいや、その。お掃除とか大変になっちゃわない?大丈夫? え……ソレも考慮に入れた構造だから何も問題ない? 未来に生きすぎだろこの温泉(白目)

 

 

 そのまま、なし崩し的に混浴に入る事になったわけだが、俺は一つ初めて知ったことがある。

 大きなお胸って、お湯に浮かぶんだな。って。

 

 後、一言でいうならば俺は頑張った。さすがに混浴温泉で乱れるような事はしなかった、限界ギリギリだったが頑張ったのだ。

 悔しそうな顔や残念そうな顔を嫁達がしているが、初めてがそれってどうなのだろう。と俺は思うワケである。

 

 

 まぁその後、ダンカンさんの宿の大きなベッドがある部屋へ連れ込まれて、本格的に頑張る羽目になったんだけどな!

 

 

 俺は大丈夫だ、まだ頑張れる(震え声)

 

 

 

 

山奥の村  ♪日

 

 

 俺は頑張った、頑張ったのだ。長く、しかし幸福な戦いであった。

 淫らな性臭が残る寝室、大きなベッドの上で満ち足りた様子で寝息を立てる愛しき女性達、そして一人ベッドに腰かけガッツポーズしてる俺。なんだこの構図。

 そしてありがとうサンチョさん、貴方が口頭で伝授してくれた技のおかげで、進化の秘法の悪影響が出そうな子供を作らずに済みました。

 

 そんな事を考えていたら、背中から一糸纏わぬ姿のリュカに抱き着かれ、耳たぶをやわやわと甘噛みされて変な声を出す羽目となった上に。

 同様に裸身を晒しているヘンリエッタとマリアが、素敵な夜でしたとか熱っぽい声で囁きながら起き上がると、俺の両腕へ抱き着いてその魅力的な体を俺の腕へ絡みつかせ。

 昨晩の刺激が強かったのか、くったりとしたまま今も寝息を立てているフローラの頭をデボラは優しく撫でながら、少しは自重しなさいよこのケダモノ。と、俺へジト目を向け……。

 

 ビアンカの姿が見えないな、と思ったら軽く身だしなみを整えたビアンカが寝巻のまま、新たなシーツを何枚も抱えて部屋へ入って来た。

 彼女曰く、後で部屋へ食事を持ってきてもらうから、たっぷり楽しみましょ?との言葉である。

 

 

 

 お、俺は大丈夫だ。まだ頑張れる(震え声)

 体力的なモノはまだまだイケるが、暴発的意味でやらかさないかだけ、頑張らねば(震え声)

 

 

 

 

 

ラインハット ●日

 

 

 山奥の村にて一週間、爛れに爛れた性活を送った俺達であったが。

 そろそろ、ヘンリエッタとマリアが戻らないといけない日だと言う事で、身だしなみを整えた後二人をルーラでラインハットへ送り届ける事となった。なおこの後は山奥の村へトンボ返りである。

 

 俺に最敬礼を送ってくる衛兵へ軽く挨拶しながら、ラインハット城下町の門をくぐれば。活気あふれる城下町はさらなるお祭り騒ぎとなっていた。

 なんでも、ヘンリエッタとマリアが俺に嫁入りした記念祭らしい。割とノリが良いなラインハット住人。

 

 

 ともあれ、色々と住人に拝まれたり握手を求められたり、新たな嫁入り希望をされたりしたが。握手や拝まれに応じつつも嫁入りは丁重に断ってラインハット城へ向かい。

 デール王へ挨拶をした上で、改めて争乱を呼ぶ光の教団と魔王の撃滅をホークの剣を抜いて誓いを立て、ヘンリエッタとマリアに順繰りに抱き着かれキスを交わして、別れるのであった。

 

 ……気兼ねなく子供が作れるようになったら、子を授けてほしいとか面と向かって言われると、その、色々と照れくさいな!

 しかし、何としてでもこの体を何とかせねばならない、と俺は新たに決意を固めるのであった。

 

 

 魔王を打ち倒す勇者とかではなく、俺は……愛する女との間にその証が欲しいのだから。

 

 

追記

 

 山奥の村に帰ったら、追加で一日宿泊が延長されました。

 俺の決意、進化の秘法何とかする前に揺らがないか正直心配である。




なお、ドレイク君が誰に一番槍(意味深)したのかは永遠に秘密です。

書いてて砂糖が口からまろびでそうになったぜ……。


追記
感想にて25話で最後の鍵について触れる予定でしたが、プロットに書いてたのに忘れるうっかり。
26話で出します。

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