ZOIDS additional story   作:龍大徳

15 / 27
第三章 チュニスでの騒動
1 森の中


夕方のエレミア砂漠を二体のヘルディガンナーDTが走っていく。

「あーあ、戦争も終わっちまったな。これじゃあ商売あがったりだぜ俺たち」

「まー、気にすんなよ兄貴。共和国でとれた純金があるじゃねーか。これでしばらくは食ってけるさ」

ヘルディガンナーに乗っているのは賞金稼ぎのクロスボウ兄弟。共和国で傭兵として雇われていたものの、停戦勧告がなされたことでやめさせられ、帝国へと戻るところだった。

「もうすぐチェニスだ。早くシャワーでも浴びてごろ寝したいぜ」

眼前に移るのは国境地帯の町、チュニスタウンである。

 

 

 

 

 

国境の森林地帯

「うっ・・うー!はっ!ここは一体!?」

レインボージャークのコックピットの中、目が覚めたエリザベート。

辺りは夕暮れで、今にも暗くなろうとしていた。

「クー―」

レインボーは深く唸り、周りを警戒する。

「どうやら私たち、森の中にいるようね。大丈夫よ、心配しなくて。でもありがとう。守ってくれて」

レインボーに感謝して、ハッチを開け外に出ると、

「レインボー!あなた翼をケガしてるわ!!」

ガイサックの攻撃で翼に酷いダメージを負っていたのだ。

「ゾイドコアは無事のようだけど、このままじゃ野生のゾイドにあなたが襲われてしまう」

「クエ――」

低く唸るレインボー。

「ここは国境の森林地帯。もしかしたら上手く抜けられれば、チュニスタウンに行きつけるかも」

コックピットに戻り、計器を操作し現在位置を確認する。このまま南東に行けばレッドリバーの支流にたどり着き、そこを下流に沿って行けばチェニスタウンに到達できる。

「あとはこの子が隠れられそうな場所を見つけなきゃ」

辺りを移動していると、段差のある場所の上に倒木が何本も重なり筒状の隠れ家のようになっている所を見つけた。エリザベートは愛機で木や枝をそこの側に集めて、愛機を段差の陰になるように隠した。そして再びコックピットからでて、木や枝で隠れ家を覆った。

「レインボー!申し訳ないけどここで待ってて。あなたをきっと救ってみるわ!」

そこを後にし、エリザベートは支流を目指した。

 

 

 

 

「ハアッハアッ!もう日が暮れちゃった。でも早くしないとあの子が」

支流を目指し歩き続けるエリザベート。先ほどの愛機の隠れ家づくりなどもあって、疲労がたまっている。それでも彼女は足を止めなかった。

数十分ほど歩いていると、かすかに川のせせらぎが聞こえてきた。支流が近い。そう感じて、足を速めた。

「やったわ!ついに着いた!あとはここを下って行けば」

川につき安堵して、その水を飲むエリザベート。そこでしばらくの間休んだのち、再び歩き出した。チュニスへとたどり着こうとしていた。

 

 

 

 

 

 

チュニスタウン

 

国境地帯にある中規模都市である。帝国、共和国か様々な物資や人が行きかう交通の要衝として発展した。各地からの様々な物品や特産目的でやって来る市民でにぎわっている。物品の中にはゾイドの傷を修復してくれるゾイマグナイトもある。

 

『ここがチュニスね。とても活気があるわ。それはそうと、早くあれを手に入れなきゃ!』

すでに夜中であるのの空腹も忘れ、ゾイマグナイトを売っている店へと足を急がせる。

その途中、

ドン!

「あっ!」

何かが後ろからぶつかってきた。振り向いてみると、子供が一人倒れていた。

「大丈夫!ケガはないかしら」

優しく声をかける。すると、

さっ!

何かが持ち去られる感じがした。振り向くと、少女が走り去っていくのが見えた。そして、ぶつかってきた子も姿を消す。そして、ポケットの中に手を入れると現金の入った財布がなくなっていることに気付いた。

『もしかして・・スリっ!』

お金がなくてはゾイマグナイトを買えない。逃げた子供を必死で追うエリザベート。

「お願い待って!!それがないとお友達を救えないの。返して!!」

しかし、群衆に紛れてしまい子供を見失ってしまう。

その最中、一人の若い女性と体がぶつかってしまう。

「キャッ!」

エリザベートと同じ年ぐらいの少女だ。

「大丈夫ですかマリアさん!ケガは!?」

「はい、大丈夫です神父さん」

マリアと呼ばれた少女に駆けつける眼鏡をかけた神父。

「お願い・・かえし・・て。でないと・・あの子が・」

エリザベートはその場で倒れた。

すぐに駆け寄るマリアと神父。

「大丈夫!?しっかりしてください!しっかり!」

「ダメです。どうやら相当お疲れなのでしょう。とりあえず、私たちの止まっている宿までお連れしましょう」

二人はエリザベートを介抱するため、宿まで運んだ。

 

 

 

 

 

 

ロッドディガー隊 テント

 

「うーーーっ!はっ!俺は無事だったか!そうだっ!殿下はどうした、殿下は!」

「マックス中尉!落ち着いてください!傷は浅くないのですから!」

兵士たちがマックスを落ち着かせる。

「殿下なら未だ行方知れずです。中尉。殿下を追われてましたが、何か分かりますか?」

「そうだ!殿下のレインボージャークは森の方へ落ちていった。その後どうなったかはわからないが。とにかく森だ。森を探し出せ!」

「今は夜で、捜索は困難です。早朝、すぐにでも出て探し出します!」

かつての部下であるクローディアがなだめて、落ち着きを取り戻すマックス。

たしかに夜間での捜索は困難であり危険でもある。ここは、朝日を待って行動を起こすべきだ。

「すまない、興奮してしまって。ならば、クローディア、捜索の方よろしく頼む!」

「了解しました、中尉!」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。