ZOIDS additional story   作:龍大徳

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4 出会い 

チュニス近くの砂漠

 

 

「へっ、儲けたもんだぜ。女二人手に入れられたのはよお!」

「兄貴、もうすぐ帝国領だ。そこまで行きゃあ安心だ!」

一目散に帝国領へと走るヘルディガンナー

「あなたたち!こんなことしてただで済むと思ったら大間違いよ! 共和国から帝国に通報が入って、あなたたちもすぐに捕まるわ!」

弟のロスのヘルディガンナーに捕まっているマリアが食って掛かる。エリザベートもマリアも手を後ろに縛られている。

「うるせー!悪あがきは無駄だ!あきらめな」

ついに帝国領にたどり着いたヘルディガンナー。そこへ、

「貴様らか、女二人を連れ去らった賞金稼ぎとやらは!直ちに彼女らを解放しろ!痛い思いをしたくなければな!」

「ガオー!」

二体のヘルディガンナーの前に現れたのは、ガトリング砲を装備したセイバータイガーだった。

『この声は、もしかしてシュバルツ少佐!』

エリザベートが察する。

「へっ!何のことだ?俺たちには心当たりがないな」

クロスボウ兄弟はしらを切る。

「おねがい!早く助けて!私たちはここにいるわ!」

マリアが必死で助けを求める。

「くそっ!小娘が!こうなったら仕方がねえ!」

隠し通せずに、ヘルディガンナーからセイバーに向かってレーザー砲を放ってきた。

「砂漠使用のヘルディガンナーか。たいしたスピードだ。だが!」

砲撃をかわしながらセイバーも攻めてきた。

「それでかわしてるつもりか!?ロス、行くぞ!」

「おう、兄貴!」

すると、一体のヘルディガンナーが素早く地中に潜った。残る一体は砲撃をしながら接近する。

『地中に潜っただと?奴ら何を?』

とりあえず前方の一体に狙いを定める。

「今だロス!」

突然、迫って来るヘルディガンナーの後ろからもう一体のヘルディガンナーが地中から飛び出し、レーザーを放つ。そして再び地中に潜る。それが繰り返される。

「ぐっ!」

怯むシュバルツとセイバー。

「はっはっはっ!これが俺たちの必殺のHell and heaven formationだ!」

賞金稼ぎにしては見事な連係プレーだ。

スキを見せたセイバーに、ヘルディの尾についているブレードが迫る。

その時、一つの銃弾が遠くから放たれた!

「ぐわっ!」

弟のロスのヘルディが銃弾を喰らった。

その衝撃でコックピットのハッチが開くのと同時に、マリアの手の拘束も解かれた。そのスキに彼女はヘルディのコックピットから飛び出した。

「あっ!あの女め、待ちやがれー!」

必死で逃れるマリアに、レーザー砲を向けるヘルディ。

「止めろ!」

レーザーが放たれる直前、セイバーがガトリングでヘルディを攻撃した。

「ぐっ!くそー、あのやろー!」

そのままマリアの方に向かい、セイバーの顔を下げ、コックピットのハッチを開けた。

「君!ここは危険だ。私のセイバーにひとまず乗るんだ!」

マリアに早く乗るように促すシュバルツ。

「あ・・ありがとうございます・・」

助けてくれた帝国軍人に顔を赤らめるマリア。

『なんだろう?なんで私こんなに興奮しているのかしら?』

救われたことに胸がドキドキしている。

「一体なんだ?どっから攻撃が!?」

兄のアルバートが周りを見渡すと、

ズガッ!

「うわっ!」

また、銃弾が放たれた!

そして狙撃をした一体のゾイドが姿を見せた。

ガンスナイパーである。その後ろにはアイアンコングもいる。クローディアの機体だ。

「観念しろ!早く彼女を解放するんだ!さもなくばここで貴様を撃つ!」

ガンスナイパーに乗っているのはアルバーンである。

追い込められたクロスボウ兄弟。

「ちっ、あいつか!コングまでいやがる。このままじゃあやられる!・・くそっ、女ならくれてやる!ロス、ずらかるぞ!」

ヘルディの口からエリザベートが吐き出される。そして彼らは帝国側へ素早く逃げていった。

「あれは殿下!殿下、ご無事でしたか!」

エリザベートに近寄るセイバー。

「えっ?殿下ってどういうことです?だってあの人は」

不思議がるマリア。

シュバルツはコックピットから降りて、エリザベートの手かせを外す。

「ごめんなさい、マリアさん!騙してしまって!私は村娘じゃないの。本当の名はエリザベート。ガイロス帝国の皇女なの」

エリザベートからそれを聞いてマリアは驚いた。

「えっ!そ・・それじゃあ、私は帝国の皇族の方と一緒だったということ!」

突然のことに頭が混乱するマリア。

「もし私が皇族だと知れたら、あなたと神父さんに迷惑がかかるかもしれないと思って隠してたの。本当にごめんなさい!」

涙を目に浮かべてマリアに謝るエリザベート。

「いえ、私のためにそこまで考えてくれていたなんて。私の方こそ軽々しく接して申し訳なかったです」

今度はアルバーンとクローディアが来てくれた。

捕まっていたのが皇女と知りアルバーンは、

「まさか、帝国の皇女の方だったとは。手荒なことしてしまい申し訳ございません。もっと早く気づくべきだった」

と謝罪する。

「いえ、私は大丈夫です。皆さんのおかげで助かりました」

エリザベートは軍人たちに感謝を示した。エリザベートとマリアを連れて、一行はチュニスへと戻った。

 

 

 

 

 

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