クロスボウ兄弟が教えた町では帝国軍の非常線が張られており、非常線の部隊がバン フライハイトの一行を捕えようとしていた。事態を察したコウキは、ヘルキャットと共に追撃部隊のレブラプターを撃破していった。その後、ロングレンジライフルを装備した黒いコマンドウルフと、見たこともないライガータイプのゾイドをトレーラーに乗せたグスタフを発見した。ライガーの側には人が3名、そして銀色のオーガノイドもいる。3人の中の幼い少年がルドルフだと確信した。
「間違いない!あいつらがバン フライハイトの一行だ。ルドルフ殿下も無事だ。しかし、あのゾイド。シールドライガーにも似ているが一体・・・」
珍しいライガーを気にするも、コウキはグスタフの跡を追った。
後日、バン フライハイトの一行はエーベネの基地にて帝国空軍に攻撃されるも、レッドリバー基地よりきたストームソーダーの助けと基地内のシュバルツの判断で、何とか危機をしのいだ。
「レッドリバーのロッドディガー隊より報告があったが、あれがストームソーダーか。ブラックレドラーなんて目じゃないな」
自分とストームソーダーの護衛があれば、バン一行も順調にガイガロスを目指せる。しかし、油断せずにそのまま一行の背後を護衛するコウキであった。
一方エーベネで自爆装置を作動したシュバルツは捕らわれの身となった。手かせをされ、帝都まで連行されるところだ。
「愚かだなシュバルツ!もはやプロイツェン閣下の天下だというのにまだそれを認めんのか?閣下を嫌うのは、貴様の家がプロイツェン家と仲が悪いのが原因か?」
衛兵に拘束されているシュバルツに声をかけたのは、士官学校時代の動機でもあるラルフ少佐だ。帝国空軍アイゼンベック部隊に所属し、ブラックレドラーを愛機としている。ゾイド乗りとしての腕はいいが、時流に乗るためプロイツェンを支持している。
「お前こそガイロス帝国に忠誠はないのか、ラルフ?プロイツェン家との仲など問題ではない。ルドルフ皇太子が現れた以上、殿下をお救いするのが当然だろう!?」
冷静にシュバルツは答える。
「それに奴とその周辺は以前から怪しいと睨んでいた。オリンポス基地での爆発、ロブ基地でのPK師団の行動もだが、それよりも以前だ。大異変からの復興もままならない時期に共和国との戦争を盛んに主張している。奴がプロイツェン家の当主となってからだ。何とか休戦協定を共和国と結べたが、あのままいったらこのエウロペも荒廃していたはずだ。そのことに何も感じないというのか!?」
シュバルツの指摘は間違っていなかった。ずっと前に、彼は帝国と共和国を争わせようとしていたのだ。そんなことをすれば双方共倒れになり、彼自身も無事では済まされない。プロイツェン家はガイロスでも名門中の名門である。その家系の出身の彼がなぜ、かつて亡国への道を取ろうとしていたのだろうか。
「その時は彼もまだ若かったのだから、それ故の行動だろう。反乱軍を征伐し、わが帝国がこのエウロペを統一して惑星Ziを支配するために!」
ラルフがそう主張しても、シュバルツにはまだ疑念が晴れなかった。今のプロイツェンはガイロス皇帝になろうとしていたが、休戦協定前の彼にはそんな気配など微塵もなかった。そもそも彼はプロイツェン家の人間なのか!?その疑いを捨てられないシュバルツであった。