「ふっ、派手にやったようだな。しかし、あの共和国の軍人もたいしたものだ。デスザウラー相手にシールドライガーで突進し、そのコアを破壊するとは。益々面白くなってきた。生かしておいて正解だったなあ、アンビエント!?」
「グウー‥」
赤髪の若い男の隣にいるのは赤いオーガノイドのアンビエント。そしてその側には・・・
オリンポス山からダブルソーダに救出されロブ基地を目指すパリスとアーサー。途中レドラーの追撃を受けるも、味方のプテラスや地上のステルスバイパーからの援護で、無事に基地に到着。
彼らを出迎えてくれたのは、共和国軍大尉でロブ ハーマンの副官でもあるオコーネル中尉だ。
「ボーグマン少佐、パリス中尉、よくぞご無事で。しばらくはゆっくりと休まれてください」
「いや、オコーネル中尉、そんな暇はねえな。パリスが持ち帰ったデータをすぐにでも役立てないと。出なければ帝国がまたよからぬことを企みそうだ」
「少佐。俺は大丈夫ですが、少佐は大けがしてるじゃないですか。ダブルソーダで治療したとはいえ傷は浅くないんですから」
とりあえず安全を考え治療室に運ばれる2人。
それを見ながらオコーネルは
「あれだけの犠牲の中あの2名はよくやったなあ。特にパリス中尉は昇進させるべきだろうな。重要なデータを持ち帰ってくれたんだから」
とつぶやいた。
治療が終わり、病室へ移送される2名。
その2人にオコーネルが今後のことについて伝える。
「まずパリス中尉が持ち帰ったデータは共和国遺跡調査部門が解析し明らかにします。そしてパリス中尉は今回のデータ奪取の功績により大尉に昇進する予定です」
「昇進とはいえ、あれだけの犠牲が出たからあんまりうれしくないなあ」
「いや、喜べトミー。でなきゃ死んでいった奴らも浮かばれんよ。ところでオコーネル中尉。共和国遺跡調査部門ということは中佐の弟もいるんだろう。兄貴が持ち帰ろうとしたデータを弟が解析することになるとはな。あとドクターDにも伝えといた方がいいんじゃないのか?」
「いえ、彼はすでに軍の研究から離れ、人里離れた場所でひっそりと暮らしております。なんでも雪を降らせるための研究をしているんだとか」
「共和国の天才科学者だったってのに、雪かよ。あっ!そういえばロブの兄貴の姿が見えないんですけど、いったい今どこに?」
ロブ基地に入って以来、ハーマンの姿がないことにパリスは疑問を感じた。
「ハーマン大尉は高速大隊が背後を突かれないため、軍事境界線付近にてゴジュラスで警備に当たっておりました。ゴジュラス乗りのデュー少尉と共に」
「でも俺たちは戻ってきたんだからもう帰還したらいいじゃないか」
「はあー、そうなんですがねー」
すると、病室のドアをノックする音が聞こえた。
そして入ってきたのはハーマンだった。
「パリス中尉、いや大尉になるのか。ご苦労だった。少佐もよくぞご無事で」
「兄貴、いや大尉。どうされたんですか、私たちはすでに引き上げたのに帰還が遅れたのは」
「それがな、警備に当たっていた際帝国軍の小隊と出くわしたんだが。そこにあのエインガングがいたんだ」
「エインガングって、あの闘神エインガングか!」
「はい、それでその小隊とにらみ合いとなったのですが、突然あのエインガングが出てきて決闘を申し込んできたんです。見逃してやるから俺たちのことも秘密にしろ、そして俺と戦えと。それに乗ったのがあのデュー少尉なんです。私は止めたのですが」
「いや、あの男相手なら腕に自信のあるゾイド乗りは挑むだろう。デューもゴジュラス乗りとして誇りを持っているからなあ」
その頃、軍事境界線近く
「ゴジュラス乗りと一戦交えられるとは、今日はついてるぜ!なあ大尉」
「中尉!派手にやらないでください!私たちはシュバルツ少佐の依頼で上層部に極秘で動いているんです。もしばれたら私たちだけでなく少佐にも責任が及ぶかもしれないのよ!」
「心配するな、ベレッツァ。つまらん任務で退屈だったのにこんな強敵とまみえたんだ。もったいないだろう」
「闘神エインガング、準備はいいようだな俺から行くぞ!」
デュー エルドは愛機ゴジュラスでエインガングのアイアンコングに猛進した。
ゴジュラスの牙が迫る。もろに喰らえばアイアンコングもただではすまない。
だが、
「甘い!」
ズゴッ!
コングが左手で受け止めた。そして右手でゴジュラス目掛けて殴りかかる。
ガシッ!
「へっ、やるじゃねーかゴジュラス乗り。こいつとおれの一撃を受け止めるたあよ!」
力が拮抗する。
「ぐーーーー!」
「ぬおーーーー!」
お互い一歩も引かない。
「ならばこれはどうか!」
ゴジュラスの尾がコングに迫る。
ガシーン!!
放り出されるコング。
尾がある分、ゴジュラスの方が有利のようだ。
それでも格闘戦で挑むエインガング。
力と力が何度もぶつかり合う両者。
「そのコング。普通のやつとはちがうな」
「あー、そうよ。何度も共に鍛え上げてポテンシャルを高めた機体だからな。そう簡単には倒れん!」
そして、
「そこかー!」
一瞬のスキをついて、コングの拳がゴジュラスのわき腹に入る。
「ガオーー!」
「くっ、勝負ありか!」
ダウンするゴジュラス。
「がっはっはっ、そうだ悔しめ悔しめ!そしてもっと強くなれー!!だがいい勝負だったぞゴジュラス乗り。次会う時が楽しみだ」
「俺の名はデュー エルドだ。名前ぐらいは覚えとけよ。次こそお前を倒して見せる」
今回はエインガングとコングの勝利で終わった。
気づかれぬように早々とその場を両者は去って行った。