冥界の長く続く階段・・・そこで二人の従者が主のそばでともに戦うことはせず、主を守るために戦っていた。
「ふふっ♪貴方に主の元へはたどり着かせないわ」
銀髪のメイドはそう語った。
「道化のような貴殿に見せる太刀筋などあんまり無い!」
白髪の庭師はそう吠えた。
一人は主人の下へ駆けつけるため。もう半人と半霊は主人に近づく蝙蝠をはたき落とすために己の武器を構えた。
お互い武器も構えも戦闘スタイルも違うが、二つ刃物とまな板な部分だけは共通していた。
メイドの少女──咲夜は2本のナイフを逆手と順手ににぎる。なぎ払いや突き、防御という数々のパターンがしやすいスタイルと言える。いうなれば極限のバランスタイプであり、もともと様々なスタイルのあるナイフの戦闘スタイルを一つに集めたかのような完璧さを持つ。
対する庭師の少女──妖夢は2本の日本刀を構える。
腰を落として安定感を確保し、その2本の刀はまっすぐ相手に切っ先が向けられる。
「ナイフ使いなんて霧の国のお話かと思ってましたよ」
咲夜の戦闘スタイルの隙のなさに探りを入れつつ話しかける。
「倫敦も素敵な町よ・・・問題は娯楽を何よりも求めてしまうところね」
そう笑いながらにこやかに、咲夜は地面を蹴って迫る。
ナイフは短く取り回しはいいが、遠くからではその斬撃は当たらない。
そして相手は自分よりリーチのある日本刀・・・ならばその切っ先をすり抜ければ相手からの攻撃が入らないゾーンへと侵入することができる。
そう思って咲夜は懐へ飛び込むが、さすがにそこまでわからないほど妖夢は馬鹿じゃ無かった。
切っ先どうしの隙間を狭め、そのまま相手に接近する。
そして目の前に咲夜の顔が現れた瞬間に2本の刀を力の限りで別方向に薙ぐ。
その斬撃に咲夜は心底肝を冷やす。
その斬撃の速さはとてつもなかった。その場の空気ごと空間を切断する。そのため空気は元の場所へ、空気があったのになくなってしまった場所へ戻ろうとする。だから付近の空気は近くの物ごと寄せられた。
妖夢は薙いだあとに器用に手の中で刀を回転させ外へ向いていた刃をを内側に向け、そのまま懐へ入ってきた咲夜を切った・・・ハズだった。
しかし咲夜は逆手と順手に握るナイフでその2本の刀を受け止めていた。
妖夢の斬撃によってナイフにひびを入れてはいたが二振りの刀はそのひびに食い込み、動くこは無かった。
そして咲夜と妖夢のまな板二人組はフッと歓喜と落胆の感情を持った息を吹き出しすぐそこの相手を褒めた。
「「なかなかなお手前で」」