灰色の獅子【完結】 続編連載中 作:えのき
脳の中で血管が脈打つ感覚を感じとれたり、まぶたが下へ下へと垂れるように重くのしかかり、全身の関節が軋む。まるで身体が悲鳴をあげているようだ。
一言で言えばウィルは睡魔に襲われていた。
ほんの一瞬でも気を抜けば深い眠りに落ちるだろう。椅子に座り前かがみになれば頭をカクンカクンと揺らし、机に突っ伏す。後ろに仰け反ると口をあげて大きないびきをかくだろう。
彼の背筋を伸ばせているのは気力、ただそれだけである。
青ざめた表情で目の下が黒ずんでいる。だが茶色の瞳の色は光を失ってはいない。
ここ最近の彼は暇さえあれば寝ているように見える。教師陣が課題を与え時間をとるとそれを一瞬で課題を済ませて仮眠をとっている。
教師陣の反応は授業態度はいただけないものの課題を終えた空き時間を自由に使っているので注意もしづらいといった感じだ。
他にも教室に早歩きで向かい、座席に座ると授業が始まるまで仮眠をとったり食事の場で最低限だけ口にすると友人達が部屋に戻るまで机に上半身を預けて眠る。
誰もが心配をして医務室に行くよう忠告しても聞く耳を持たなかった。
それから数日後、彼はついに瞳をあけた瞬間に見覚えのある天井と薬品の匂いを感じとった。遂に倒れて医務室に運ばれたらしい。
掛け布団を前へ投げるように思い切り身体を起こすと、瞼が少し軽くなり身体は少し重い感覚を覚えるが痛みはなくなったようだ。
頭の中がすっきりしている。何分なのか何時間なのか、何日なのかすらわからない。効率よく眠れたのか、非効率にダラダラ寝たのか。時計を見ればいいのだが、現実を知るのが少し怖い。
彼は医務室の壁にかかっている時計を見た、最後に残る自分の記憶を遡ると大広間で食事をしていたはずだ。口の中にはサンドイッチの具材のレタスの青臭い風味がかすかに残っている。
時計を見る限り13時45分を指している、およそ一時間半しか経っていない。どうやら物凄く熟睡していたようだ。段々と頭の中が冴えてくる。すると奥から早い間隔でカツカツカツと聞こえてくる、甲高い靴の音だ。
「マルフォイ!どこに行ってたのですか!?」
白い看護服を見に纏った老婆、ホグワーツ校医のマダム・ポンフリーだ。彼女はウィルを少し睨みつけるように見ている。どうやら少し自分はベッドから抜け出していたらしい。
「すみません、少しお手洗いに。」
彼は少し申し訳なさそうな表情を浮かべて息を吐くようにさらりを嘘をついた。彼には心当たりがあるからだ。実際彼は自分の知らない行動を取っていると知っている。
「次からは私に一言伝えてから行くこと、いいですね?」
ウィルは笑顔で肝に命じますと答えた。彼女はそれに満足したのか彼女の作業部屋へ帰っていった。
(まずいな、次は何が起きた?いや
彼は悔しそうな表情を浮かべ毛布を思い切り握りしめた。後悔の念に苛まれる前に彼は突然医務室にマクゴナガルの声が聞こえてくる。その声には焦りと恐れが含んであるようだ。
【生徒は全員、それぞれの寮にすぐに戻りなさい。教師は全員、職員室に大至急、二階の廊下へ】
彼女の声は魔法により、まるでマイクのエコーのように反響している。彼は瞳を閉じ、そして決意の固まった表情を浮かべた。
そしてポンフリーが様子を確認する為に彼のベッドへ行った時、もぬけの殻だった。
***
〜図書館〜
ウィルはゆうゆうとベッドから抜け出して真っ先に図書館へと向かった。道中、生徒達は寄り道することなく寮へ戻り、そして教師陣は二階の廊下へと向かった。だから彼の行く手を阻む者など誰一人としていなかった。
彼は暗くなった図書館の中を
そしてあるページに差し掛かると何者かに意図的に破られた形跡があった。彼はそこのページに何が記述してあるかを既に知っている。
「秘密の部屋の怪物は【バジリスク】。」
彼はそう呟き小さく溜息をついた。そしてそのまま図書館の扉を出た。
それからある所に向かおうとして歩いていると、物音なく背後に迫りくる
彼は勢いよく振り向くと目にも留まらぬ速さで杖を抜き取り、その動物に向けた。
白いもふもふの羽根に鋭い眼、そして黄色いくちばし。梟である。
ウィルは彼女を知っている、ハリーの飼っているフクロウのヘドウィグだ。
そして彼は紙の切れ端を持っていることに気がついて中身を受け取った。ウィルはお礼を言ってヘドウィグを優しく撫でると居心地良さそうな表情を浮かべ、そのまま何処かへ飛んで行った。
ウィルはそれに視線をやる。
【至急、嘆きのマートルのトイレへ】
走り書きされたような文字だ。書かれた色合いから羽根ペンではないらしい。とても鋭くしっかりしつつも滑らかな色だ。
そう感心しつつも彼はその紙切れの指示に従い走って向かった。
***
〜3階女子トイレ〜
ゴーストの“嘆きのマートル”が潜んでいる女子トイレ、誰も気味悪がって立ち寄らない。ウィルは来たことはなかったが、場所だけは耳にした事があったため迷う事なく最短のルートで到着した。
彼の視線の先にはハリーとその相棒のロンがいる。そして2人から杖を突きつけられているロックハート教授だ。あいかわらず笑顔を浮かべているものの引きつっている。
「ウィル!何も聞かないで僕の話を聞いてくれ。」
ハリーはとても緊迫した表情を浮かべながらも少し安心したかの表情を浮かべている。ウィルとは相性が悪いロンも同様らしい。
「必要ない、“
ウィルはそれを吐き捨てるように拒むとロックハートに向けて杖を向けた。そして彼の中の記憶を盗み見る。
***
『スリザリンの継承者がまた伝言を残しました。』
ロックハートの視線の先にはマクゴガナルやスネイプ、フリットウイックなど全ての教師陣が集結し壁に描かれた血文字を見ている
【彼女の白骨は永遠に秘密の部屋に横たわるであろう。】
いくら類まれな才能に並々ならぬ鍛錬を重ねた教師達とはいえ、言葉を発する事ができない。ほぼ全ての先生が就任以来最も危険な事件に巻き込まれているのである。こんな時にダンブルドアさえいれば心強いのにと誰もが思った。
副校長であるマクゴガナルはただ1人現実を見ていた。そして情報を皆へ伝える。
『連れ去られた生徒の名前は・・・
ハーマイオニー・グレンジャー。』
僕の知る限り次の投稿から最終話までの展開はこのサイトに似た話は一つもないと勝手に思いこんでます。秘密の部屋編から作者の個性が色濃く出てきます。
日付も空いているし、テンポ重視で色々すっ飛ばしてるからわかりにくいと思うのでアンケートを取ります
一節終わるごとにシナリオの解説は欲しいですか?
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念のために欲しい
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内容をおさらいできる程度に欲しい
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別にいらない
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そんなことより早く投稿しろ