灰色の獅子【完結】 続編連載中   作:えのき

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前半はほとんど原作通りの繋ぎなので手抜きです、ご了承ください



分霊箱

 

 

ハーマイオニーはホグワーツの汽車の中で書き物をしている。去年から愛用している手帳に羽根ペンでさらさらと書き込みをしていた。これはウィルがハーマイオニーに預けていた魔法アイテムだ。彼がトム・リドルの日記を参考にしてつくりあげた。これにより痕跡を残さずにやり取りができる。

 

 

 

 

《ホグワーツは危険だって言われてる、ダンブルドアも歳を取ったってことも》

 

《それは当然だ、誰もが老いる。》

 

《その・・・、貴方に聞くべきでないってわかってるけど、ハリーはドラコが死喰い人になったんじゃないかって》

 

《それはありえない。》

 

《もちろん確証はないわ。でもボージンアンドバークで熱心そうに何か見てた。》

 

《少なくとも“闇の帝王”がドラコを使うとは思えない。》

 

《せいぜい情報収集くらいだろう。》

 

 

 

***

 

 

 

数日後

 

 

 

 

 

《校長先生が旅に出て、新学期まで戻らないらしいの。》

 

《味方の勢力拡大だろう。巨人族あたりではないか?》

 

ダンブルドアは去年、ハグリッドに命じて巨人族がこちらを味方するよう説得させた。だがその場に死喰い人がいたらしく難航した

 

 

***

 

 

 

数ヶ月後

 

 

 

 

 

《ハリーが聞いたんだけど、スネイプとドラコが破れぬ誓いをたてたらしいの》

 

《間違いないのか?》

 

 

 

***

 

 

 

数日後

 

 

 

ハリーはダンブルドアからある事を命じられた。それはある教授からトム・リドルの秘密を聞き出すことだ。その教授の名前はスラグホーン、新しく魔法薬学の座についた。

 

《昔、例のあの人が学生時代に禁書の棚で得た知識について知りたいの。》

 

ハーマイオニーはウィルがマクゴナガルとの契約により禁書の棚を読む事を許されているのを知っているからだ。

 

《どんなのだ?》

 

《わからない、魔法薬学のスラグホーンになにかを聞いてた。今まで読んだ内容を書き起こしてくれないかしら?》

 

《流石にそこまでの余裕はない。》

 

 

 

***

 

 

 

数日後

 

 

 

 

《トム・リドルの秘密がわかったわ。》

 

《“ホークラックス”、闇の魔法よ。》

 

《不死身となる。分霊箱は魂をいれる箱だ。分裂させて一部を箱にしまう事で身体が滅びても守られる。》

 

 

《さすがね。その通りよ。殺人によって完成するの。“例のあの人”は魂を7つに分けた。》

 

《箱自体はなんでもありうる。》

 

《えぇ、今わかっているのは2つ。貴方が破壊したトム・リドルの日記、そして彼の母の指輪よ。》

 

彼の日記は四年前に秘密の部屋でウィルがグリフィンドールの剣を用いて破壊した。

 

 

***

 

 

数日後

 

 

 

 

《ダンブルドアが死んだ。》

 

《誰にやられた?》

 

《スネイプよ》

 

《そうか。》

 

 

 

《分霊箱の1つのスリザリンのロケットを手に入れたわ。でも偽物だった。》

 

《RABって知ってる?本物のロケットを持っている人の名前よ。》

 

《わからない》

 

 

《分霊箱を破壊するにはどうしたらいいか知ってる?》

 

《知っているだろうがグリフィンドールの剣、そしてもう1つあるが、君達は使うべきじゃない。》

 

《“悪霊の炎”だ。発動自体は難しくないが制御は困難。》

 

ウィルは秘密の部屋でトム・リドルと対決をしていた際に“悪霊の炎”に彼が怯んだのを見逃さなかった。剣を使用したのはより手軽だから、ただそれだけだ。

 

そして今学期も終了した。

 

 

***

 

 

 

 

学校の休暇の最中にもウィルとハーマイオニーの連絡は続いていた。だが不穏な空気を感じ取っているらしく、子供を学校に行かせない親もいるとのことだ。

 

 

《ハリーを逃がす為にある作戦を練ったわ。マッドアイが死んで、フレッドが傷を負ったわ》

 

《そうか。》

 

 

***

 

 

数ヶ月後

 

 

 

《RABを突き止めたわ。色々あって、奴の分霊箱を手に入れたわ。》

 

RABとはレギュラス・アークタルス・ブラック、ハリーの名付け親であるシリウスの弟だった。彼はすでに死んでおり、自分の家に使える“屋敷しもべ妖精”のクリーチャーに破壊するよう命じた。しかしクリーチャーはそれを成し得ることができなかったのだ。

 

そしてシリウスが死んで盗人が入り、ロケットの価値を知らず持っていった。許可を得ずに売っていた盗人を取り締まったアンブリッジはそのロケットを受け取り見逃した。

 

《魔法省に乗り込んだらしいな。》

 

ウィルは新聞でそれを知っていた。

 

 

 

***

 

 

数日後

 

 

 

 

 

《手がかりを求めてゴドリックの谷に行ってきたの。でも罠だった。》

 

《剣は手に入れたわ。なぜか現れたの。》

 

《ダンブルドアが仕込んだのかもな。》

 

《そしてスリザリンのロケットを破壊した》

 

《そうか。》

 

 

 

***

 

 

数日後

 

 

 

 

《ルーナが死喰い人に捕まったらしいわ》

 

ハリー達はダンブルドアの遺産である本に描かれた謎のマークを調べるべく、ルーナの父親であるゼノフィリウスの所へ行った。

 

すると彼はルーナを守る為にハリー達が来たと死喰い人へ通報した。

 

《おい!ルーナはどうなった!》

 

ウィルはそれを見て素早くペンを書きなぐった。だが少し時間を置くも返事がない。

 

それからどれほど待ってもその返事が返ってくることはなかった。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

〜ダームストラング魔法魔術学校〜

 

 

 

 

 

 

「くそっ!」

 

誰もいない暗い部屋で、ウィルは自分ではどうする事もできないと嘆いていた。

 

死喰い人と騎士団、どちらに付くべきか。またはどちらとも敵にまわすべきか。未だに自分は迷い続けている。

 

その答えが出る前に軽はずみにルーナを救いに行くわけにはいかない。理性ではそうわかっている。だが今すぐ行きたい衝動に駆られていた。

 

「冷静になれ!だいたい、どこにいるかもわからない!」

 

ウィルは自分にそう言い聞かせるように叫んだ。するとその瞬間に何者かが目の前に現れたのである。

 

赤いグリフィンドールのネクタイが印象的な“屋敷しもべ妖精”だ。

 

「お久しぶりです!ウィリアム様!」

 

かつてマルフォイ家に仕えていたドビーだ。彼と会うのはウィルがホグワーツから逃亡する時に手助けをして貰って以来だった。

 

 

「どうした?」

 

ウィルはいつもの調子を取り戻して尋ねる。

 

「ハリー・ポッターと友人達が捕まりました。」

 

「そうか・・・。」

 

突然連絡が途絶えた理由がわかった。死喰い人に捕まったのだ。ルーナ同様に激しく助けに向かいたい気持ちが湧き上がる。だが行ってはならない。

 

「今はマルフォイ家の地下牢に監禁されております。」

 

ウィルはその言葉を聞くとにやりと笑い、ドビーの手を握ると“姿くらまし”を行った。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

〜マルフォイ家屋敷〜

 

 

 

 

ウィルは3年ぶりに実家に帰宅した。庭に生えた草木は荒れるように伸びており、不穏な空気を漂わせている。

 

彼は魔法で鍵を開ける。そして慣れたように扉を開けて中に入る。実家に帰ってきただけ、ノックなど必要ない。

 

 

 

 

 

リビングに入ると中に懐かしき家族の姿だ。3人ともだいぶやつれたように見える。特にルシウスの様子は酷かった。すごく精神を病んでおり、自分の知る姿とはかけ離れている。

 

そして彼らはウィルの姿を見ると激しく驚いた。

 

「なにを驚く必要がありますか?」

 

ウィルは笑顔を浮かべて歩み寄る。随分と物々しい空気だ。彼は気配を感じて地面を見るとハーマイオニーが生気のない瞳でこちらを見ている。腕がまくられ《穢れた血》と刻まれていた。

 

「よく私の前に顔を出せたな!」

 

右手に血のついたナイフを持っている女が叫んだ。黒髪に白く美しい肌、鋭い茶色の目には敵意が宿っている。

 

ベラトリックス・レストレンジだ。かつてウィルの母だった女、一瞬だけウィルは冷たい表情を彼女に向ける。そして彼は笑顔を浮かべた。

 

「ただ僕は里帰りをしにきただけですよ。叔母上。」

 

ウィルはにやにやと笑ってベラトリックスを煽るような表情だ。

 

彼女がウィルに杖を向けると、それに準じるようにナルシッサとドラコは杖を抜く。しかしドラコは杖の照準を合わせることができない。ルシウスはただ唖然とした様子で立ち尽くしているだけだ。

 

「父上、杖はどうされた?」

 

ウィルはルシウスの様子を見て言った。彼が自分に杖を向けなければ困る。あくまでも今は敵、ヴォルデモートの元に馳せ参じないということは彼に逆らうのと同義だからだ。

 

しかしウィルはヴォルデモートに気に入られてるため無礼な態度は許されるだろう、しかしマルフォイ家は違う。死喰い人としてそれ相応の態度を取らなければならない。

 

「闇の帝王に捧げたのさ、名誉なことだ。」

 

ベラトリックスはルシウスの代わりに答える

 

「僕を目の敵にしているようだ。だがここでは互いに全力を尽くせない。」

 

ウィルは一刻も早くベラトリックスをハーマイオニーから引き離すことを最優先に考えた。心の折れているルシウスは拷問をするような様子ではないし、ドラコはウィルの逆鱗に触れるようなことはしない。そもそもナルシッサは姉なしでは拷問の1つもできない。

 

ベラトリックスは思考を巡らせる。ハーマイオニーを拷問していた理由は自分の金庫にあるはずのグリフィンドールの剣を持っていたからだ。剣はまだいい、その同じ金庫に入っているはずの“分霊箱”の無事を確認したかったのである。

 

しかし自分に大恥をかかせた男が現れた。それだけではない、彼女の寵愛するご主人はその男の才能に注目している。自分が奴を討ち取れば己の方が優れていると証明できる

 

そして、そもそも自分が拷問する必要はない。ルシウス達に任せればいいのだ。他の連中は地下牢に閉じ込めてある。

 

「良い場所を知ってる。腕を取りな。」

 

 




流石に手抜きしすぎましたが、完結したら修正して参ります。
もちろんこれからが一番凄いです

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