灰色の獅子【完結】 続編連載中   作:えのき

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正直、今は話に勢いがないですね
これから少し頑張って進めましょうかね・・・




友への笑顔

 

 

 

 

 

 

 

「やぁ会いたかった、友よ。」

 

ウィルは心から再会を喜んでいた。ハリー達とは2年前の神秘部以来である。マルフォイ家の屋敷においてはハーマイオニーと会ったと言っていいだろう。

 

「ウィル・・・。」

 

ハリーは安心したかのような表情を見せる。彼がここにいるという事は実質的にヴォルデモートに組するのではなく、自分達の仲間になると思ったからだ。

 

しかしハーマイオニーはハリーを制止するように口を開く。

 

「ねえ待って・・・、どうして貴方がここにいるの?あり得ないわ。」

 

彼女は目の前にいるウィルに対して不信感があった。それもそうだ。

 

ここはハリーの持つ“忍びの地図”でさえこの部屋は示されないのだ。

 

そして今、自分達がここにいることを知るのは自分達の他に、ここがレイブンクローの髪飾りが隠されていると教えてくれた“灰色のレディ”のみだ。

 

他にもこの防衛壁を彼はどうやって侵入したのかという疑問もある。つまり彼は敵がつくった幻覚、または変身した姿である可能性がある。

 

「ウィル、私達の初めての出会いは?」

「ホグワーツでの汽車内、俺が読んでいたのは“守護魔法基礎”。」

 

ハーマイオニーは少し脱力する。彼が本物だと確信したからだ。

 

「ハーマイオニー、君との“交換日記”。アレには居場所をある程度探知できるよう魔法がかかっていてね。急に消えたからここだろうと思い至ったわけだ。」

 

ウィルはただ互いの状況を知らせあう為に日記を渡したのではない。可能であれば彼女やハリー達を守りたいと思っていたからだ。

 

「・・・探し物はあったらしいな。」

 

ハリーの手に握られている髪飾りを見てウィルはそう言った。彼は未だにどちらに組するか決め切れていない。だから破壊に協力する気もない。ただ自然とそうなったのだとただ流れに身を任せただけだ。

 

「顔を見ただけで安心できた、じゃあな。」

 

彼はそう言うとそのまま彼らの間を通り過ぎて行った。

 

 

 

ハリー達はかつての同期であり、友人である若者の背中を見る。

 

計り知れないほどの才能、そして努力を得た天才の背中はとても巨大に見える。自分達より強大なダンブルドアやヴォルデモートでさえも彼は横に並ぶだろう。

ハリーはそう思った。

 

「ウィル、君の目的を聞かせてくれ。」

 

いや、“だろう(・・・)”などではない。もはや確信にすら近い。自分達の知るウィリアム・マルフォイはそういう男だ。

 

 

ウィルは立ち止まると顔だけをこちらに向いて魅力的に子供のような笑顔を浮かべて言った。

 

「君と同じさ、ハリー。

君と僕はよりよき世界の為に動く。」

 

 

ハリーはウィルと初めて出会った時の笑顔を思い出した。魔法界のまの字も知らぬ彼がダイアゴン横丁にやってきて、最初に向かったオリバンダーの店で彼と偶然出会った。事前に何らかの交流があった店主のオリバンダーと会話をした後にウィルは子供のように無邪気に笑っていた。

 

その時の笑顔と何ら変わらない。本当に自然と溢れるように彼は笑うのだ。そういえば彼は神秘部の戦いでこう言っていた。

 

『昔から何も変わってない、今の俺はホグワーツの時と何も変わらない。』

 

 

そうだ、ウィルはウィルだ。

ただ彼を信じるとしよう。

僕たちの知るウィリアム・マルフォイを・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウィルは気づかさせられた。彼はハリー達と会って正しい答えが見つかると思っていた。

 

 

だがそれは誤りだ。

友人達と敵となる前に一目だけ

友として受け入れて欲しかったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウィルはそのまま進み続ける。

すると昔馴染みの懐かしい顔ぶれが揃っていた。

 

3人いる。一人銀髪の青年だ。腰が抜けて地面に座り込んでおり、その彼を挟むように体格のいい男が二人いる。ウィルがマルフォイ家の御曹司として生きていた時代の顔だ。

 

彼ら3人は驚きの表情を隠せずにいる。その様子を見たウィルは少し気まずそうな顔を浮かべて頬を指で軽く掻いた。

 

「・・・やぁ。ドラコ、クラッブ、ゴイル。」

 

彼がホグワーツに入学するまで、正確にはグリフィンドールにウィルが選ばれる前にずっと一緒にいた彼らを成長と共に自分は見捨てたような感覚が心の何処かにあったからだ。

 

「正直・・・今、俺はどんな顔をしてお前達と向き合えばいいのかわからないが。」

 

そう複雑そうに表情を浮かべながらも彼は続ける

 

「無事でよかった。これからもそうであることを祈るよ。」

 

まるで子供のように無邪気に、そして大人のように爽やかにくしゃりとした笑顔でそう言った。むろん彼の心からの笑顔だった。

 

 

 

 

 

それをみたドラコは小さく震えだした。

 

そして彼はまぶたから大きな涙をぼろぼろと流して、まるで嬉しさを押し殺すように絞り出した声だ。

 

「・・・やっとだ。やっと君は僕にそう笑いかけてくれた。」

 

 

ウィルが人を魅了させるのは決して才能だけではない、理想的に貼り付けられたような笑顔だ。後天的に身につけたものだが、美しい容姿をもつ彼の魅力的な笑顔を前にして偽りだと見抜く者はいない。

 

そしてドラコは昔から共にいたからこそわかる。彼の本当の笑顔を彼は知っている。

 

ただしそれを自分に対して向けられない事がずっと彼の中でコンプレックスだったのだ。だからグリフィンドールに彼が選ばれた時、自分より先にその笑顔を自分以外の誰かに見せるのが怖かったのだ。だからドラコは焦りと嫉妬からハリーやハーマイオニー、ネビルに対して冷たい態度をとってしまったのだ。

 

その想定外の反応にウィルは驚きつつ、彼は尻餅をついているドラコに手を差し伸べ掴ませる。そして引き揚げて彼は弟を優しく抱きしめた。

 

 

「ドラコ、よくやった。君は家族の元へ。」

 

ウィルはそう彼の耳元で囁くように言った。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

数分後

 

 

 

 

 

 

 

ハリー達はウィルと別れた後に分霊箱を破壊する手段として“バジリスクの牙”を秘密の部屋で入手していた。これはハリーが2年生の時に分霊箱の一つであった“トム・リドルの日記”を破壊できた事から、分霊箱に対して有効であると知っていたためだ。

 

 

 

そして彼らは秘密の部屋で分霊箱の一つである“レイブンクローの髪飾り”を破壊した。そして残る分霊箱はあと2つ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜禁じられた森〜

 

 

 

 

 

 

ヴォルデモートは突然、自分の魂が引き裂かれるような痛みを感じた。彼はその意味を知っている。自分の分霊箱の1つが破壊されたのだと理解する。彼は心の底からの激情に身を委ねて杖を構える。

 

そして己の感情に任せて、この世で最強だと呼ばれる杖で呪文を放った。ホグワーツに施された防御壁は彼の呪文に耐えることができず、散り散りと花びらのように散らばった。

 

 

配下の“死喰い人”とホグワーツの中で最前線にいた“不死鳥の騎士団”と教師達は激しく身震いする。

 

 

今まで自分の数百の部下達に破壊させて難航していた防御壁を、たった一人で、たった一つの呪文を使う事で無力化させてしまったからだ。

 

“規格外”、それが彼の強さである。

 

 

 

ホグワーツの防御壁を破壊した事で溜飲が下がって冷静になったのか、彼は側にいた蛇を呼び寄せる。

 

 

《ナギニ、お前を安全な所へ。》

 

彼はそのまま蛇と共に姿をくらました

 





今は退屈な原作のレールの上です。
急にくる怒涛の展開を用意してあります。
確実にありきたりではない結末を楽しみにしてください。
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