灰色の獅子【完結】 続編連載中   作:えのき

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【最終話】 灰色の獅子④

 

 

 

 

 

 

“ルシウス・マルフォイ”。純血の由緒ある魔法使いの聖28一族のマルフォイ家の家長にして、かつて闇の帝王に最も信用されていた“死喰い人”の一人であった。

 

18年前に赤ん坊のハリー・ポッターにヴォルデモートが敗れ姿を消した際に、一族を家族を守る為に“服従の呪文”を使われて操られていたのだと主張した。魔法界に多額の資金を援助する事で生き延びた。

 

ヴォルデモートの復活後に再び“死喰い人”として傘下に加わるが、数度の失態を犯して信用と立場を失った。

 

ウィルの助けで息子のドラコは両親を連れて戦場となるホグワーツから逃げていたはずだった。しかしルシウスは戻ってきて闇の帝王の正面に現れた。

 

「父上!なぜあのまま逃げなかったのですか!?」

 

ウィルは激昂して叫んだ。彼らは孤独な自分に居場所を与えてくれた。住居だけではなく教育やマナーを教えられた。ウィルはマルフォイ家に感謝している。だから可能な限り家を守る為に行動してきた。

 

「マルフォイ家の家長として汚名を背負ってもなお逃げるべきだった。」

 

ルシウスはそう言った。

 

「ドラコが泣いていたよ。情けない子だ。もう(・・)18なのに。」

 

彼はぽつりとそう言った。ウィルの義弟であるドラコの名を口に出した。彼は必要の部屋で最後に交わした言葉を思い出す。死ぬのであればもっと気の利いた事を言うべきだったと思い直す。

 

「しかしお前は大人だ。まだ(・・)18なのに。私がお前に恩を着せてそうさせたんだ。これは私の責任だ。意味などないのかもしれない。だが・・・」

 

ルシウスはまだ幼い頃のウィルを思い出していた。今よりもっと世界に敵意を剥き出しにしていた。最初は荒々しい小さな獣を手懐けるような感覚だった。しかし違った。

 

「私のせいでお前を・・・私の愛する息子をたった一人で戦わせるなどッッッ!!!」

 

ルシウスは叫んだ。

 

「ウィル・・・、私はお前を愛している。」

 

ウィルを息子と呼べても、父親と名乗る程の自信が自分にはなかった。

 

 

(あの子に私は父親らしい事をしてやれなかった。境遇に漬け込んで利用しただけではないか?父親ではない、だから・・・)

 

ルシウスは自分の息子が貴族の家長へなるべく育てる為に兄弟という存在を欲した。優秀で息子と歳が近く、そして自分達に少し似ている人種。

 

それに当てはまったのがウィルだった。スラム街で犯罪者を狩って生活していた少年、偉大な魔女の元で育った怪物。彼が求めるのは環境、不自由ない衣食住と教育だと知っていた。

 

やがて彼はドラコの兄として、マルフォイ家の跡取りとして世間的に完璧な振舞いをしてくれた。彼なりの恩義なのか自分の頼み事は全て聞いてくれた。

 

妻のナルシッサは何かを感じて、ウィルを毛嫌いして近づけさせなかった。女性ならでは、妹ならではの直感だったのだろう。

 

ウィルはベラトリックス・レストレンジの息子だった、ナルシッサの姉である。つまりドラコとは実の従兄弟だった。

 

運命なのだと思った。

 

 

ウィルはマルフォイ家を救う為に現れた。

ルシウスはそう思ってしまった

 

 

自分達はそれに甘んじた

一方的に利用して、恩を着せて

ウィルの苦悩に対して

見て見ぬ振りをしていた

 

果たしてそれが許されるのだろうか

ウィル自身がどう思っているかは

どうでもいい・・・

ただルシウスはこの状況で

自分達のために犠牲になり続けた

彼を見捨てることなどできようか

 

 

 

(ーーー、勝手にケジメ(責任)を取らせてくれ。)

 

 

 

 

 

「ヴォルデモート、私が相手だッッっ!!!」

 

ルシウスは主人へ向けて“死の呪文”を放った。殺すつもりで放ったのではない。反逆を示すために最もわかりやすい呪文だからだ。主人が自分へ手解きをしたこの呪文、それをもって意思を見せつけるためだ。

 

 

ヴォルデモートはルシウスの放った呪文を容易く弾いてしまう。当たり前のように虫を払うように自然にやってみせる。こんな技術は闇祓いですら難しい。

 

「愚かな、お前ごときの呪文が俺様に届くはずもなかろう。」

 

ヴォルデモートは呆れるように言い放った。自分の役に立たない、失態ばかりで地位を失った部下。もはや彼に対して興味は何一つなかった。

 

しかしルシウスの瞳には激しい炎が灯っている。ヴォルデモートの言葉など聞いていない。確実に彼を殺すために攻撃する姿勢を見せている。

 

次々と呪文や呪い、捕縛呪文や炎など多彩な攻撃をみせる。一つ一つは平凡な力ではあるが間髪いれずの猛攻にヴォルデモートは素早くさばき続ける。

 

技量も才能も到底及ばない。

ただの勢いだけだ。

般若のような凄まじい殺意だ

貴族とは感情を出さず

冷静に戦えと指導して実践していた

彼からは想像つかない戦い方だった

彼はマルフォイ家の当主ではなく

息子を護るために戦っているのだ

 

 

 

ヴォルデモートは次第にルシウスの勢いに呑まれつつある。これほど殺気を込めて自分に正面から向かってくる魔法使いなどいなかった。

 

 

(あの子は天才だ。だから何かがある。

時間を稼ぎさえすれば生き延びるはずだ

私にウィルにしてやれることはこのくらいだ)

 

 

ルシウス・マルフォイにとって唯一幸運だったのは彼が怯んだこと・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして不幸だったのは闇の帝王は冷静(・・)だったことだ。

 

ヴォルデモートは素早くルシウスの杖を弾き飛ばしてしまう。彼の杖が地面に転がり軽い木特有の高い音を響かせる。ころころと転がり、そして動きを止めた。

 

 

「ルシウス、愚か者め。目をそらすな。これがお前の果てだ。」

 

ヴォルデモートは薄ら笑いを浮かべて杖をルシウスの心臓へ向ける。

 

 

 

 

「やめろぉぉぉぉぉぉぉーーーッ!!!!」

 

ウィルは大声で叫んだ。自分でもこんなに大きな声が出せるのか驚いた。更にこう叫んだところでヴォルデモートが自身の行動を止めるとは思わなかった。不思議とウィルは冷静になっていた。

 

 

「“アバダ・ケタブラ(息絶えよ)”。」

 

ウィルの瞳に緑色の閃光が瞬き、そしてルシウスを包み込んだ。ゆっくりと重力に逆らわず、地面との距離を縮めていく。生気のない瞳から涙が零れ落ちて地面へ散っていくのをを彼は見逃さなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウィルの耳に誰かの叫び声が聞こえた

誰かが地面を蹴る音も

飛び散った砂利の粒ですら

彼の耳は聞き逃さなかった

 

だが目の前の男は口を大きく開けている

大笑っているようだったが

彼には何も聞こえなかった。

 

そして一滴の雫が地面へ落ちた

彼の世界は音を取り戻した

恐ろしい甲高い声をかき消すように

叫んでいたのは俺だった

 

 

 

あぁそうか。俺は息子だったんだ

怯えてた、覇気なんてなかった

俺の父親は勇敢だったんだ

 

 

 

走ってヴォルデモートへ迫るウィルに対して杖を向けた。また一つ命を刈り取る為である。荒々しい手負いの獣にとどめを刺すかのように彼は言い慣れている呪文(スペル)を唱える為に口を開く。

 

 

 

しかし彼の動きが止まった。何か自分の中でぞわっとした不穏な空気を感じた。それはウィルではない胸騒ぎに近い何かだ。

 

ヴォルデモートの内部に衝撃が大きな走った。ここ数年で度々感じている痛みだ。彼はその事実を突きつけられた。

 

「・・・ナギニ。」

 

ヴォルデモートの愛する大蛇、そして彼の残り最期の分霊箱。

 

ヴォルデモートは胸に手を当てて正常に鼓動しているか確かめる。もう自分が不死身ではないのだと知った。

 

 

 

「お帰りトム、これが人の世界だ。」

 

ウィルはヴォルデモートの頬を思い切り殴り飛ばした。彼は鈍い痛みを感じて吹き飛ばされてしまう。

 

地面に転がった彼は追撃を警戒して杖を向けるがウィルはその場で呆然と立ち尽くしている。ヴォルデモートはその意味のない行動を理解できずにいるとウィルは口を開いた。

 

 

「・・・震えてなんかいなかった。」

 

「なんだと?」

 

予想外の言葉に彼は驚いた。

 

「足だよ、ルシウス・マルフォイのだ。土と泥で汚れている。それに杖は見たかい?君が奪い取ったからそこらの死体から盗んだんだ。血と泥がついてる。」

 

貴族としての誇りを持つ人が他人の穢れや盗っ人みたいな真似はできないはずだ。しかしそうした理由はただ一つ、ウィルを護るためなのだとわかっている。

 

 

「意味がわかるか?トム。たった一人だ、僕にとってたった一人の父親だった。姑息で嫌味ったらしくて臆病な人だったよ。褒められた人間じゃない。」

 

父親は嫌われている。ヴォルデモートが頭角を表し始めた時は“死喰い人”として、彼がハリーに敗れた際には“服従の呪文”をかけられたという証言と多額の金銭によって無実を手に入れた。やがて権力を持ち、自分の都合のいいように暗躍した。かつての主人が復活すると誰よりも早く馳せ参じた。

 

「でもな・・・、僕に愛を与えてくれた。僕に機会を与えてくれた。」

 

ウィルはそう自分に言い聞かせるように言った。

 

「今、君に対してこれまでの人生にないほど怒りを覚えている。どうかなりそうだ。」

 

ウィルは冷静に努めようとするが難しいようだ。激しく歯軋りをして右手の拳をギュッと握りしめている。

 

ヴォルデモートとウィルの間に空白の時間が流れた。風の音すら聞こえた。

 

 

 

「ウィルーーーーーッッッ!!!!」

 

その2人だけの空気を打ち破るように1人の青年の声が割り込むように聞こえた。

 

2人がその声の主へ視線を向けた。ネビルである。そして黒い布製の何かがウィルの方へ飛んでくる。ネビルがそれを投げたのだろう。それを彼は掴むと驚いた。帽子だ。

 

しかしただの帽子ではない。“組分け帽子”である。ホグワーツへ入学した生徒は1人残らず組分け帽子の選別を受けて四つ寮へ組分けされる。2人もまた例外ではない。

 

 

 

 

「“アバダ・ケタブラ(息絶えよ)”」

 

ヴォルデモートはその意味を理解していた。ウィルは右手に掴んだ帽子を地面に落とすと、その帽子の中へ手を突っ込んだ。

 

緑色の閃光がウィルの元へ迫る中、彼は帽子の中に金属の棒の様な物がある。それを勢いよく引き抜き、振り抜いた。

 

ヴォルデモートの放った緑色の閃光は花火の様に散り散りになって分散した。ウィルは引き抜いたものを見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ホグワーツでは助けを求める者に与えられるのではない。助けはふさわしき者に与えられる】

 

 

 

 

 

 

 

“グリフィンドールの剣”

 

 

真のグリフィンドール生にのみが手にする事ができるとされる伝説の剣。ゴドリック・グリフィンドールが愛用したその代物は剣にとって不利益な効果は受けつけず、その剣で斬り裂いた物が自身を強める存在であった場合その性質を吸収するという性質がある。

 

「始祖よ、ようやく俺を認めたのか。」

 

ウィルは右手のみで剣を握っていた。片手で振るうには重いが左腕、そして杖を失った彼には大した問題ではなかった。

 

不思議と彼の手によく馴染んだ。振るったことがないのになぜか扱い方がわかった。彼が6年前に秘密の部屋で触れた時とは違った。

 

 

 

真のグリフィンドールの生徒

たとえ闇に堕ちたとしても自分を貫く獅子

聖人(ホワイト)悪人(ブラック)

そのどちらでもないだろう

ゆえに“灰色の獅子

 

 

 

 

 

 

ヴォルデモートは慄いた。

本能的に察する。

この剣は危険だ。

 

 

ウィルはヴォルデモートの命を刈り取るべく間合いを詰めて、剣を振るった。

 

 

ヴォルデモートは盾の呪文で勢いを殺して剣をいなしてみせる。剣は地面に突き刺さりウィルはバランスを崩してしまう。しかし彼は身体を回転させて勢いをつけ剣を振るって反撃する。青い盾は剣によって破壊されて散り散りになる。

 

盾を失ったヴォルデモートに対してウィルは剣を振るった。しかし彼は地面が盛りあがらせて障害物にしてみせる。ウィルは構わず土の壁へ剣を斬り裂いた。紙のようにスパッと切れて弾き飛ばした。しかしその向こうにはヴォルデモートが見えなかった。

 

その瞬間にウィルは腹部へ鋭い痛みが走った。土の壁にヒビがミシミシと入るとそれはバラバラに砕け落ちてしまう。

 

そこに腰をおろして屈んでいるヴォルデモートであった。剣の一撃をしゃがんで躱した後にウィルの死角から呪文を放ったのである。

 

その呪文を皮切りにウィルは動きを止めた。とうに限界を超えていたのだ。お腹から血が流れ落ちていく。

 

ヴォルデモートは武装解除の呪文を放ってグリフィンドールの剣を弾き飛ばした。その剣はホグワーツの校舎の壁に突き刺さった。

 

 

 

 

ウィルは力が抜けて倒れそうになった。しかしヴォルデモートは彼の右肩を掴んだ。

 

 

ヴォルデモートは愉快そうに笑った。なぜなら自分へ殺しにくる奴を返り討ちにして無様な姿をみるのは滑稽に映るからだ。

 

「どんな気分だ?殺したいほど憎い男に生死を握られるのは?」

 

ウィルはなにかをつぶやいた。声にならないほどの小さな声だ。

 

ヴォルデモートは意地悪く笑ってウィルを優しく抱きしめた。慣れていないのかとてもぎこちなかった。

 

「我が息子よ、もう一度言ってみろ。」

 

ヴォルデモートはウィルの耳元で囁くように言いはなった。左腕を失い、杖を失い、最後の頼みの綱である剣を失った。魔力の消費だけでなく身体的かつ精神的な疲労、さらに大量の出血により彼は身体は限界だった。

 

もう自分に対してなにもできないとヴォルデモートは高を括った。ウィルは口をゆっくりと開けた。

 

「・・・僕はそれでも君を許そう」

 

ヴォルデモートはその意図を理解できず、彼の瞳をジッと見た。“開心術”である。ウィルの心の内を覗いた。

 

 

 

 

(君は僕と同じだ。育つ環境がほんの少しでも違えば、君はその才能で世界を良く成せた。)

 

ウィルの意外な言葉に彼は言葉を失った。更に心を覗いた。

 

 

 

 

(トム、もし君と僕が同じ時に産まれ同じ学び舎で育ったのなら・・・

 

 

 

ーーー、僕らは親友になっただろう。)

 

 

更なる言葉にヴォルデモートはなにを言えばいいのかわからなかった。

 

「世迷いごとだ。だが命乞いにしては奇妙だ。」

 

ヴォルデモートは戸惑いを覚えていた。今までそんな言葉を言われた事がない。彼は何故か杖を降ろしてしまっていた。ウィルの真意を理解するべく考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

(でも終わりだ。僕達はそうならなかった。

これもまた運命か・・・。)

 

ウィルはそう心の中でつぶやいた。自分の命を散らす決意を決めた。そう長い時間はかからなかった。むしろほんの一瞬である。

 

ウィルは右腕をヴォルデモートの身体へ回してギュッと力を込めた。

 

 

「“アクシオ(来い)”、グリフィンドールの剣。」

 

 

ウィルはそうつぶやいた。ホグワーツの校舎に突き刺さっている剣が小さく震えているのが見えた。だがもう手遅れだった。ヴォルデモートがウィルを引き剥がさなければならないと理解した時、2人はグリフィンドールの剣に身体を貫かれた。

 

2人の身体に剣が突き刺さり彼らは口から大きく黒い血を吐き出した。もう身体に力が入らないウィルとは違い、ヴォルデモートは最後の力を振り絞った。

 

「俺様はヴォルデモート卿ッ!!!

この世で最も偉大な魔法使いだ!!!!」

 

ヴォルデモートはそう叫んで杖をギュッと握りしめ、顔を恐ろしく歪めてウィルへ突きつけた。しかし彼はすぐに込めた力を緩めてしまう。なぜならウィルの手のひらが彼の頬を優しく包んだからだ。

 

「トム、もういいんだ。君も疲れただろう。」

 

ウィルはそう優しく言うとゆっくりと目を閉じた。彼の心には味わった事のない何かが巡っていく。

 

 

 

(なんだ、この痛み(・・)は・・・。)

 

剣の痛みではない。心の奥底に響くような鈍い痛みだ。ぽっかりと穴が空いたかのような感覚だ。

 

 

そうだ、自分はこの現象を知っている。

忘れていたずっと昔の思い出である。

 

 

 

ある日、トム・リドルは顔が霧がかって見えない両親に挟まれて、2人の手を繋いで商店街を歩いていた。どこにでもいる普通の平凡な家庭である。

 

彼がお父さん、お母さんと2人は呼びかけると『愛してるよ、トム。』と言ってくれた。幼い彼は子供のように嬉しそうに笑った。

 

 

朝目覚めてそれが夢だったと知った時、幼い彼は現実に叩きのめされた。心がとても痛かった。一人で布団をかぶって泣いていた。

 

 

 

 

 

 

大切な存在を失った時の痛み

ヴォルデモートの中でウィルという存在が

決して小さなものではなかったのだろう。

ずっと彼は軽蔑していた言葉だ。

 

「そうか、か・・・。」

 

ヴォルデモートの顔が緩むと同時に地面へ倒れる。また彼に身体を預けていたウィルも一緒に倒れ、心臓は次第に鼓動を弱めていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トム、僕は心ってのは誰かに少しずつ貰うものなんだって思うんだ。

 

親と子の違いがわかるかい?

心を与える人と貰う人だ。

僕と君は実の両親からは貰えなかった。

だから周りから奪おうとしたのが君で

周りから与えられたのが僕だった。

 

僕らの運命に違いなんてない。

ただ一歩違うだけで

僕らの選択は逆だったんだ

 

だから僕はーーー、

僕と出会った全ての人に感謝するよ

何もなかった心をみんなが埋めてくれた

僕はこんなにも恵まれたのだから

僕は幸せだった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー、果たしてそれだけでいいのだろうか?

ただ貰うだけだった、僕は貰うばっかりじゃないか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーまだ死にたくねぇな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

親友または父親となるはずだった男の手の中で、若き天才は静かに息を引き取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【獅子と蛇で揺れる男

強欲の全ては満たされぬ

野望の1つが叶う時

正義の刃が心臓を貫くであろう】

 

 

 








最終話です。

あとエピローグのみですが
それが投稿し終わるまで
申し訳ありませんが感想欄は見ません。
しかし必ず返信します。

よろしければ感想お願いします。




*最後の預言は“自分の価値”の最後に出てきた神秘部でのものです。
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