月が揺蕩う復活譚 番外編   作:マスター冬雪(ぬんぬん)

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ミカさんが復活から海賊へ、みたいな試作品です


月、漂いて海に眩む

 

「……さて」

 

人の一生は短きもの。

人ではない俺は主殿や彼らとは時を同じくする事は出来ないのだ。

故に俺はただ、流れるのみ。

手には荷物を包んだ青の風呂敷、腰には布で覆った刀(半身)。

三、四十年であったが、いつもよりも長く世話になってしまった。……老耄はもう去るべきだ。

見慣れた自室は初めに見た時より、何度かの改装で新品の匂いがしたが、あまり変化のない過ごしやすい場所だったもの。今や伽藍としておるが。

ふとデスクに置きっぱなしにしてあったリングを手に、ボスの部屋へと足を向ける。

 

 

 

 

 

「あ、やっぱり来たんですねー」

「うむ。来たぞ」

 

青竹色の髪と目を持つ男が間延びした口調で話しながら、デスクに伏せていた顔を上げた。

 

「相変わらず年齢のわからぬ姿をしているな」

「そりゃアンタが言えた事じゃないですよねー、妖怪ジジイ」

 

妖怪ジジイだぞ〜、なんてな。うむ。不変故事実だしなあ。

からからと笑えば男は少し不満そうな顔をしていたが、ふと目を伏せて頬を綻ばせた。

 

「アンタには面倒掛けましたね」

「ん?どうした、突然」

「いえ、別に。……この機会を逃せば伝える事すら出来なくなるでしょうから」

 

幼い頃から見ていたが、まさかこんな殊勝な物言いをするとは。10にも満たない頃は生意気で、ことある事に当時の幹部らに毒を吐いていたのだが。

ああ、今も変わらずか。

 

「俺も世話になった。長々と居座ってしまったが、そろそろ潮時だと思ってな」

「でしょうねー。定年退職ってどころじゃありませんけどー、……今までお疲れ様でしたー」

 

手渡した雲のヴァリアーリングを指先で摘み上げた彼は、─────それに引き出しから取り出した革紐を通し、再び俺の手に乗せた。

 

「おい、」

「それは退職金代わりに持っていけばいいと思いますよー。新ヴァリアーリングは発注かけてますしー、現にボス……ザンザスさんも堕王子もアホのロン毛元隊長も変態クジャクオカマも変態雷親父も、みーんな全部持ってっちゃったんですから」

 

お蔭でミーのは型落ち品か、性能だけがぶっ飛んだ粗悪品ですー。そりゃ、ヴァリアーリングはマーモン先輩の金で作らせたものだから仕方ないかもしれませんけどー。

 

「はは……、まあ、なんだ。お前くらいだぞ?ヘルリングを粗悪だの型落ちだのと言うのは」

「事実でしょー。こんな持ってるだけで呪い殺されそうな指輪、何度砕いてやろうかと」

 

666のヘルリングはかつてのボスから、瞳のヘルリングは彼の師匠から。残像骨のヘルリングは敵対ファミリーからの押収物で引き出しの中。2つのヘルリングを指に嵌めて、時に3つのリングすら操る彼は、まさに稀代の術士と言っても過言ではない。

であるからこそ、彼はヴァリアーのボスに成り上がれたのだろう。

 

「って事で。はい。ミーの率いる新生ヴァリアーにはそんな旧型リングは要りません。……はーぁ、新しい雲の守護者、探さないとですねー、」

 

暗殺部隊ヴァリアーは絶賛人手不足です、と彼は下敷きにしていた書類を顔でぐちゃぐちゃにしていく。

 

「はっはっは。まあ、若い内は苦労するだろうよ」

「若いって、ミーはもうすぐ四十路ですよ。妖怪ジジイと一緒にしないでくださいー」

「む、もうそんなになるのか」

 

リングを受け取って首に掛け、その手で彼のだいぶ伸びた髪を撫でる。

 

「俺がいなくとも、お前ならば大丈夫だな?フラン」

「当たり前ですー。寧ろせーせーしますよ、ミカ」

 

なれば良し。

踵を返そうとしたところ、フランはそのままの体勢で口を開いた。

 

「……ひとつ、いいですかー」

「うむ、なんだ?」

「ミーは、ちゃんと……貴方の主になれましたか」

 

俺はふと、頬を綻ばせると、姿勢を正して布に包まれた刀を掲げる。

 

「ああ。お主は間違いなく、天下五剣がひとつ、三日月宗近の主である。誇れ」

「……」

 

腰に刀を戻し、挨拶だけではつまらぬと、俺は懐から短刀を取る。

 

「守り刀だ。餞別に受け取れ」

「……餞別って、普通ミーが贈る側じゃないですかー?」

「細かい事は気にするな。指輪なら受け取った。……大切にしてやってくれ」

 

今度こそ、俺は踵を返し、執務室から出た。

 

 

 

 

 

「……もしミーが、行かないでって言ったら、……行かないで、くれませんよ、ねー……」

「何しょぼくれてるのさ。情けない」

「……マーモン先輩、」

 

フードにマントといった真っ黒の姿で、部屋の片隅から現れたのは、漸く30代の姿になったマーモンだった。見た目は十数歳から全く変わりないのだが。

 

「挨拶、してこなくてよかったんですかー?親密だったでしょ、」

「先先日には済ませてあるよ」

「そーですかー……あれ?あの人には幻術効きませんでしたよね?先輩が此処にいたって事はあの人にはバレて……あいたっ!」

「ほんっと、最初から最後まで腹立たしい奴だったよ!ここまで術士を馬鹿にしたような存在は初めてだ!」

「ミーに当たらないでくれます?……、……でも、だからこそ、」

 

 

いつもミーを見つけてくれたんですよ、あの人は。

 

 

 

 

 

 

境界の揺らぐ場所に辿り着いたのは結構前になる。

その時はまだ、フランの率いるヴァリアーが始まって間もなかった為、此処に踏み入る事はなかった。

人手不足も極まれり。一般隊員は兎も角幹部が揃わないという事態。大空はともあれ、ボスであるフランの霧を除けば雷と雨以外幹部が存在しなかった。流石に半数を空けるのは拙い。

俺は暫定雲の幹部として在籍していたが、漸く雲以外の幹部が揃い、今に至る。

 

浮雲は流れる身。まあ、これも気侭故。

 

「次は何処に辿り着くか」

 

そこが天国であろうが地獄であろうが、それもまた良し。

 

「行くか」

 

 

 

 

 

揺らぐ境界を踏み越えて。

俺が降り立ったのは、酷く薄暗い湿った空気の孕む国だった。

辺りは黒い森に囲まれ、目の前には瓦礫の山と化した建物がざらりと残っている。雨雲が今にも泣きそうだと空を見上げる。

 

 

風に乗って漂うのは、鼻を覆いたくなる程の凄まじい死臭だ。

 

 

百や二百では利かないだろう、国1つ分の死骸の臭い。

そちらの方へ足を運ぶと、そこに散るのは無辜の民、兵士、貴族らしき者どもであった。

内乱で滅んだ場所だと目を細める。根こそぎ資源を狩られたのだろう、開け放たれた倉庫や荒らされた店に、足の踏み場の無い程の死体。

苦悶の表情を浮かべた朽ちかけた童を哀れに思った俺は、渡って早々、素人ながら墓守の真似事を始めた。

 

 

ある程度集めて、掘って、埋める。

このまま野晒ではあまりに浮かばれぬ。

どんな罪を背負っていようと、これでは。

 

 

初めは瓦礫の中に埋まる建物の梁の残骸だの刀だので穴を掘っていたが、途中錆びた円匙を見付けてからは、円匙で四角く地に穴を開け、掘り起こすというのに方法を変える。

 

墓はなるべく隣合うようにした。

瓦礫を削って作った墓石。

街並み、道に沿って立ち並ぶ墓の列。

それは葬列のように沈鬱としていた。

 

いつか此処に花を植えよう。なんて。

 

どれだけの時間が経ったか分からんが、何度か昼と夜を繰り返したその日、俺はこの世界で初めて、生きている人間に出会ったのだった。

 

 

 

「何をしている」

 

肩越しに振り向く。

その声はどこが無感情にも聞こえたが、はて。

 

「見ての通り、墓穴を掘っておるよ」

「この国の者か」

「いいや、通りすがりだ」

「ならば何故このような事をする」

 

男はずぅっと続く墓標の列でも見たのだろう。それが全て同じような意匠であれば、同じ人間(モノ)……俺が成したものだと簡単に察しがつくか。

 

「流石に数百もの屍を野晒にしたままなのも気が引けてな。なに、体力には自信がある。これも縁というやつさ」

「……」

「そういうお主も、此処には立ち寄っただけなのだろう?町の家屋に無事な物が幾つかばかりあった筈だ、宿がなければそこを使うと良い。そこら中武装した猿が沢山いるが、まあ、お主ならば大丈夫だろう。ああ、無論森で野宿もアリだ」

 

死体ばかりの此処からは直ぐにでも立ち去れ。病に罹ってしまうぞ。此処には食べ物もあまり無い故。

そう告げて再び墓穴に哀れな住人達を投げ込む作業を続ける。

 

「……、……まだ何かあるか?」

「いつ終わる」

「さて、あと2、3日もあれば」

 

そっと城の方に目を向ける。あちらは更に澱が深い。

男の方を見れば、何やら丁度良い瓦礫に腰掛けて俺を眺めていた。

なにが面白いのやら。

小刀を手に取って振るう。瓦礫を利用したが故、白い石の墓標は十字架となって佇んだ。

新たに墓穴を掘りながら、剣閃を見た故か鋭くなった視線に一笑を零す。

 

 

 

 

 

 

月の香、薫り立つような男だった。

 

黒衣を纏い、土で白い指を汚しながら、腐敗しかけた死体を墓穴に沈めていく。

その腰には業物とみえる美しい刀が揺れる。

振り向き様に見た瞳には下弦の月が弧を描き、また直ぐに逸らされた。それは雲間に閉ざされる名月だった。

 

「これも縁ゆえ」

 

死体など放っておけば良いというのに、可笑しな男だ。

 

「命に貴賎があると言うのか」

「差などあるものか。……これは言わば、俺の気紛れさ」

 

一区切りとその上から土を被せていく男は、そう言う割に、真摯な憐憫を貌に乗せている。

 

─────先程の細工を成した一閃、おれの目から見ても見事なものだった。繊細且つ、鋭利。その力量の全てを目にしたという訳では到底無いが、剣気の一端を見るには充分過ぎる。腰の得物は飾りではない。

 

剣士。それも並々ならぬ。

気付けば背の剣に手を触れていた。

それを横目に淡々と見つめ、再び戻した男。

 

……このまま立ち去るも癪だ。

無意識に子供のような事を考えながら、おれは手頃な瓦礫に腰掛けた。

 

 

 

 

 

 

一帯全ての死体を埋葬し終え、最後はと城を見上げる。

予め死体は城の中庭に集めてある。城下の人々に較べれば大した数でもない。兵士はそれなりに多いものの。

奇妙な程に城の損壊は少ない。血糊はそこら中に見当たるが。

男は俺が移動すると見ると腰をあげる。

手に荷を持ち、強く地を蹴った。

 

 

 

 

「……ふう。まあ、なんだ。用件を聞こうか、鋭き目の男よ」

 

ぱたぱたと手を叩く。

国1つ分もの墓守の真似事はこれにてお仕舞い。

ぐっ、と背を伸ばし、改めて向き直る。

 

男は騎士のような格好をしていた。

その背には大剣を負い、油断なき佇まいをしている。

身に纏う剣気は男の技量を明確に表しており、思わず刀に手を伸ばしてしまいそうになる程には闘争心を擽られた。

 

それは、相手も同じく。

 

「名はなんだ」

「ふむ。三日月宗近。三日月と呼ぶが良い。お主は?」

「ミホーク。ジュラキュール・ミホークだ」

「うむ。鷹の如き気高さが感じられる、お主に似合う良き名だ」

 

造られた大きな白い十字架の前。

同時に己が得物を抜き去る。

剣士に多くは必要ない。

 

「では」

「いざ」

 

その剣戟は、音を置き去る。

 

 

 

 

 

純粋なる剣の応酬は、猛者共が集う偉大なる航路後半の海、通称新世界を行動範囲とする天下の王下七武海の戦いと言うには些か見劣りするものだろう。天変地異は起きず、確かに疾くはあるが言ってみればそれだけで、地形は変動しない。精々草が舞い、土が抉れる程度の力だ。

 

然れどその冴え冴えとした鋭き刃の織り成すおそろしさと美しさは、例え言葉を知らぬ幼子であろうと見惚れるであろう。それ程までに妖艶であった。

 

究極なる、柔の剣。

 

込められた力は無く、それは至極単純、技にのみその剣舞は収束する。

斬り払い、薙ぎ、唐竹割り。

逸らし、斬り上げ、袈裟斬り。

ああ、それよりも、何よりも。老齢の大樹のようなそれと鋭い爪と思わせるそれよりも。

 

目を奪われるのは、彼らの表情だろう。

 

─────まるで少年たちが棒きれを振り回しているかのように、無邪気で、とても楽しそうに笑っていた。

 

 

「強いな、お主」

「おまえもな」

 

鷹の目と呼ばれる男は確かに剣の頂に程近い。ジュラキュール・ミホークは世界一の大剣豪と名高く、しかしながら武芸というものには限りがない故の"程近い"であり、実質ひとつの極みに達している。

 

その剣の剛さ(つよさ)は巨大なガレオン船を断面を潰さず両断し、その剣の柔さ(つよさ)は襲い来る銃弾の嵐を切先のみで受け流す。

並外れた力量に相対できる剣士は、かの四皇である赤髪のシャンクスのみ。

 

そんなところに現れた三日月宗近という男は、彼と次元を同じく……否、もしかすれば彼をも上回るやもしれぬ技量を持っていた。

ミホークは今までに見た事も無い強敵に胸を高鳴らせる。

 

対する三日月はといえばというと、彼の方も剣に真摯な鷹の目を持つ男に興味を抱き、刀を合わせる事でそれは確信に変わっていた。

刀剣の神として彼の剣に対する純粋な信念は心地好いものであった。それを己の半身を以て身に感じ、更に心を踊らせる。

それ故三日月は己が望みのままに、そしてミホークの望むがままに、剣を振るう。

 

 

黒と白。

抜き放たれた片刃の大剣は触れば切り裂かれんばかりの白刃に流される。それに沿い、然しその流れに逆らい、握られる手首目掛けて放たれた柔き鋭刃は紙一重で鍔に堰き止められる。鍔迫り合いは一瞬。直ぐ様立ち位置を入れ替え、振り向き様に再び両者の剣技が放たれる。

 

まるで舞踏。くるりくるりと、ぎこちなさの欠片もなく、互いの呼吸すら把握したかのよう。

 

どっしりと身構え放たれたる疾は、肉厚の片刃により骨すら両断する。軽やかな足取りで刀に衝撃を通さぬよう受け流し、その薄刃は変わらぬ鋭さを保ったまま致死の一撃を放つ。

 

 

終わりたくない。まだ、ずっと、この立合いを続けたい。

死の剣戟。

昂る熱。

止まぬ鋼の音色。

永遠は2人にとって、苦でもなんでもなかったのだ。

 

 

 

ふと、息を吐いた。

どちらともなく距離をとり、油断なく構える。

 

「……ゆくぞ」

「来い」

 

笑みを消し、殺意と剣気を極限まで滾らせていく2人、突如渦巻くように風が吹き荒び、ぶつかり合い、遂には可視化した。

その得物と同じ黒々とした鉛色と、冴え冴えとした柔くも冷たい月色。

それらの気迫と呼ばれるものはこれより初めて、周りの物を轟々と唸らせ、罅を入れ、割り砕く。

 

正真正銘、本気の一撃。

これにて終い。

 

黒剣は更に黒く、白刃は紫の炎すら帯びて。

 

その時、世界から音が消え失せた。

 

 

 

 

 

 

「はっはっは!いや、見事。実に良き手合いであった!」

 

上機嫌である自覚はある。大いにある。

開けられた酒樽は荒廃した国の地下の無事だったセラーから頂いたものだ。状態はかなり良かった為、ここを拠点とするならば暫くは事足りるだろう量だ。

男もそれにグラスを入れて飲み干す。ふむ、どうやら彼もザルらしい。表情は余り変わらないが、機嫌が良いのはその上に上がった口角が示していた。

 

「お前は何処の海の出だ?その実力があって何故今まで名が知れていなかった」

「何処の、海?……うむ。つい数日前に此方に参った故、この世界の事については全てが未知なのよ」

 

言わば究極の世間知らず。それには男も意表を突かれたのか、少し考えたようにすると顎を摩る。

 

「異界、か。道理で」

「俺のような者はよくいるのか?」

「いや。だが偉大なる航路(グランドライン)、特に新世界は何が起きてもおかしくない」

「ぐらんどらいん」

 

なんとこの世界は4分の3程が海なのだという。

 

地図では赤い土の大陸(レッドライン)と偉大なる航路で分けられた4分割が見て取れるようだ。前半の東西南北の海は楽園(パラダイス)、赤い土の大陸を超えた先の後半の海を総じて新世界と呼ぶのが俗称らしい。

新世界では常識が通用しない。

異常気象に様々な様相を覗かせる島々。コンパスは意味を為さず、指針(ポース)という島の磁気に引かれる特殊な方位磁針で航海をするのだという。

 

「世は大海賊時代。海賊共は一攫千金を夢見てラフテルを目指す」

「らふてる」

「……海賊王と呼ばれた男が死の間際に言った」

 

オレの財宝か。欲しけりゃくれてやる。

探せ!この世の全てをそこに置いてきた……!

 

ラフテルとは偉大なる航路の最終地点。ポースを辿った先にある島。

「海賊と言っても差はある。ピースメイン。モーガニア。ラフテルを法螺話と馬鹿にし、略奪に悦を見出したものも多くいる。大まかに勢力は3つ。海賊。海賊を捕まえ、海の平和を守る事を心情とする海軍。そして革命軍」

 

この世の創造神を自称する天竜人、世界貴族を頭に置いた世界政府。男は俺にそれらを軽く説明してくれた。

 

「お主は?」

「……王下七武海。海軍の狗となった海賊だ」

 

ふむ。

 

「礼を言う。そこまで分かればどうにかなる」

「聞かぬのか」

「?……ああ、主が王下七武海とやらである事を、か?」

「……」

「構わぬさ。俺は物の価値を知らぬ。が、海賊だからといって今更恐れる程、俺の剣はヤワではない故な」

 

そも、人斬りにそれを問うのか?

 

「くっ……違いないな」

 

男は目を細め、上がった口角をグラスで隠した。

 

 

 

 

 

それから暫くして、男……ミホークはその島を出た。

 

俺も城に残っていた書を読み終えた後、打ち捨てられていた木の小舟を補強して海に出た。

見渡す限りの空の青と海の青。

島を離れ、ころころと変わる天気に転覆を免れるは精一杯。それも実に面白く、嵐を乗り越えた後などは思わずからからと笑えた。

 

また、この世界特有の海洋生物にも襲われた。海王類と呼ばれる海獣はとても巨大で、木の小舟など一溜りもない。荒れる波を乗りこなしながら峰打ちした。1匹は仕留めて食料にした。

 

俺は暫くは楽園をうろつき、気が向いたら初めにいた島……クライガナ島に戻り、住居周りを掃除してみたり、長持ちする食材を備蓄したり、何日が過ごした。ミホークも気紛れに此処に訪れるようになったらしく、よくはち会っては刀を交え、酒を交わした。

 

 

 

そうして、数年の時が過ぎる。

 

 

 




そっからバラティエ編に介入したり、赤髪と戦って宴したり、世界各地を気ままに流れたり、クライガナ島で鷹の目と一緒にゾロの修業見てあげたりする、あんまり原作沿いじゃない物語。
……ワンピース持ってないしアニメは頂上決戦で止まってるんすけどね。

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