姉に憑依したシスコンは、妹を愛で尽くす 作:百合好きなmerrick
その心は熱く燃え、滾る雫は何処へ向かうか。
──フラン⋯⋯紅魔館、図書館にて──
それはいいと思う。私としては全く被害はないし、部屋から出ないのは個人の自由だから私が口出しするような問題じゃない。だけど、1つだけ、パチュリーに対してとても気に食わない事がある。
「パチェー」
「ここよ。レミィ、何か用?」
「ふふん、何か用が無ければ来てはいけないのかしら?」
最近、お姉ちゃんと仲良くし過ぎてる事だ。私が隣で本を読んでいるのにお構い無しに話してる。それも愛称で呼びあって、とても親しそうに接してる。ま、私も? 「フラン」って愛称で呼ばれてはいるけど? そ、それにレミリアって名前なのに私はお姉様やお姉ちゃんって愛称で⋯⋯それは違うか。なんだか言ってて虚しくなってくるし、これ以上愛称云々で何か考えるのはやめよう。
でも、それでも。私もいつか「レミリア」とか「レミィ」とか、恋人みたいな呼び方してみたいな。いつまでも
「⋯⋯そんな事はないけど、毎日何も用がないのに来られちゃ、流石に迷惑よ?」
「そんな事言って、嬉しいんでしょう?」
「嬉しかないわよ。貴女が付いてくると色々と⋯⋯はぁ」
お姉ちゃんはともかくパチュリーは私の気持ちに気付いてるらしく、チラリとこちらに視線を移す。この様子からして、仲が良い原因はお姉ちゃんの方にありそうだ。それ自体は嬉しい事だけど、私としては余計に気に食わない。私という妹が、恋人がいるのに、他の女性と親しくするなんて、本当に⋯⋯。
「パチェ、どうしたの?」
「どうしたもこうしたもないわよ。貴女、フランの事わ──」
「しっ。⋯⋯
私に聞かれたくないからなのか、とても小さな声で話し始めた。お姉ちゃんよりも私の方が耳がいいから、聞こえてるとも知らずに。
「私も目の前で無視して話すの、とても辛いのよ? 一歩間違えれば嫌われる行為だし、フランを信じてないとできない事だし⋯⋯。でも、これを耐えればきっと⋯⋯もう1つ上の段階に⋯⋯うふふふ」
「はぁ⋯⋯貴女の作戦に付き合わされる私の身にもなってよ⋯⋯。というか、目の前で話しても⋯⋯」
「大丈夫大丈夫。あの娘は本に夢中だしね。どうせ聞いてないわよ」
聞いてるというか、聞こえてるんだけど、これはフリか何かかな。あまりにも雑過ぎて、乗る気にもならないけど。ってか、今の話⋯⋯もしかして、そういう事かな。もしもそうなら、お姉ちゃんは意地悪だ。
なら私も、意地悪しよう。
「⋯⋯そ。それならいいけど」
「──お姉様!」
「ひゃっ!? え、ふ、フラン? な、何かしら?」
「⋯⋯変で大きな声出さないでよ、それも耳元で⋯⋯」
突然の事でびっくりしたのか、とても面白い驚き方をしていた。それを近くで聞いていたパチュリーはうんざりした様子で、呆れている。
「お姉様、後で私の部屋に来て。何の用かは⋯⋯もちろん分かってるよね?」
「えっ!? え、ええ⋯⋯!」
「じゃ、先に部屋に戻ってるからねー」
「ええ、すぐ向かうから待っててね!」
私が気付いたと分かってるらしく、とても嬉しそうな顔。でも、お姉ちゃんの思うようには絶対しないし、させない。お姉ちゃんが今まで私にしていたみたいに、思いっきり焦らして、私の思うように行動させよう。そして、私もお姉ちゃんも、満足できるような結果に⋯⋯。そう決意して、一足先に部屋へ戻った────