姉に憑依したシスコンは、妹を愛で尽くす   作:百合好きなmerrick

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耐え凌いだ嫉妬の続きなので、今回はその気持ちを発散させ──

あっ、ちょっぴりR15描写あるのでご注意を


17話「発散」

 ──フラン⋯⋯紅魔館、地下室にて──

 

「フーラーンっ! ちゃんと来てあげたわよ? どうしたのかしらっ?」

 

 セリフとは裏腹に嬉々とした声。私が知ってると理解してるからこそ、敢えて自分は知らないフリをして楽しんでるのかな。──自分だけが得しようなんて、絶対にそんな事はさせない。絶対にお姉ちゃんの思い通りにはさせない。これからのためにも、私も得するためにも。

 

「ううん、何も無いよっ!」

 

 だから、私も敢えて知らないフリをする。お姉ちゃんが私にしたみたいに。そして、私の思うままに行動させ、今度は私が上に立つ。今は姉妹でも、今後は上下関係が重大になってくると思うから。

 

 恋人という関係として。

 

「え⋯⋯? な、何もないの? なら、どうして呼んだのかしら?」

「何か用がなければ呼んじゃダメなの? 姉妹なのに」

「うっ⋯⋯確かにそうね。その通り、だけど⋯⋯」

 

 お姉様がさっき自分で言ったセリフなのに、なんとも不服そうな顔で頷く。いつも通り、子供みたいに我儘な姉だ。それが可愛いところでもあるんだけど。

 

「そう言えば、お姉ちゃん。最近いっつもパチュリーと一緒に居るみたいだね? それも私の事無視して。ねー、どうしてー?」

「えっ、あの⋯⋯そ、それは⋯⋯友達だから⋯⋯そう! 親友だからよ? 悪いかしら?」

 

 この姉、話す度に墓穴を掘ってるような気がする。咄嗟の思い付きで話してるみたいだから、仕方ないっちゃ仕方ないけどさ。

 

「んー、それ自体悪い事じゃないけど、私の事無視するのって、悪い事じゃない? もしかして、悪くないとでも思ってるわけ? 妹なのに。好きって言った相手なのに⋯⋯」

「そ、それは、その⋯⋯!」

 

 わざとしおらしい反応を見せて痛いところをつくと、急に慌てだした。どうやら、本当に言い返せないらしい。ちょっぴり嫌味っぽいけど、そこはご愛嬌という事で許してくれてるのかな。それとも、妹だから優しくしよう、なんて理由で許してくれてるのかな。

 

 もしそうなら、なんか嫌だな。まだ子供って思われてる事になるし。

 

「ふーん⋯⋯言えないんだ。残念。やっぱり私なんかよりもパチュリーの事を⋯⋯」

「それは違っ──」

「いいよいいよ。姉妹だもんね。普通、恋愛対象なわけないしね。小さい頃から一緒に育った相手と恋愛関係になりにくい、なんて事もあるらしいし。私がおかし──」

「だから、違うわよ!」

 

 そのセリフを言うよりも早く、お姉ちゃんは後ろから抱き締めてくれた。いつも通り、いつまでも味わいたいような心地よい温かさ。

 

「⋯⋯違うから。私は、フランの事好きだから。本当に、愛してるから⋯⋯」

 

 失敗した。感情が高揚して、あまりにも自虐的になり過ぎた。それでお姉ちゃんを困らせるなんて、悪い事しちゃったな。多分、お姉ちゃん、本当に心配してくれてるんだろうし。

 

「本当に? 絶対に、()()()()?」

「⋯⋯うん、離さないわ」

 

 耳元で囁かれる小さな声。そんな小さな声でも、私が信用するには充分過ぎるほどの力を持っていた。長年一緒に居たからこそ分かる。この言葉が本当で、嘘偽りないという事が。

 

「そっか⋯⋯。信じるよ?」

「信じていいわよ。何があっても、私は貴女を離さない。姉だもの」

「⋯⋯ん?」

「え? 何かおかしな事言った?」

 

 お姉ちゃんったら、未だに姉と妹の関係程度にしか見てないらしい。それは嫌だ。姉と妹なんて、いつまで経っても進展しないのが目に見えてる。私はもっと、これ以上もっと進展して、いつかきっと──恋人になりたい。

 

「お姉ちゃん。⋯⋯ううん、レミリア」

「きゅ、急にどうしたの? 呼び捨てなんて⋯⋯」

「口挟まないで。⋯⋯私ね、レミリアとは姉妹じゃなくて恋人みたいな関係でいたいの。これから先、ずっと⋯⋯。それで、いつかはおね⋯⋯レミリアと結婚とか、その他言えない事も色々、と⋯⋯うん⋯⋯」

 

 自分から言ったはいいものの、段々恥ずかしくなってきた。顔が熱くなってるのも分かるし、多分、赤くもなってる。今後ろから抱きつかれてるから見られはしないだろうけど、もし見られたら、なんて考えると──

 

「⋯⋯フラン、耳赤いわよ。恥ずかしいの? そんな事言いながら。ふふっ、可愛いわねえ」

「ばっ⋯⋯! ち、違うから! これは⋯⋯!」

「もうっ、そんな言い訳しなくていいわよ。──言わなくても分かってるから、ね?」

 

 全てを見透してるかのような言葉。他の誰かなら苛立たしい言葉でも、お姉ちゃんに言われると、とっても嬉しい言葉だ。

 

「⋯⋯レミリアの意地悪」

「意地悪でもいいわよ。フラン相手ならね。⋯⋯そうだわ。ねえ、フラン。もう一歩だけ、進んでみない?」

「ほえ? 何言って──あっ」

 

 突然の事で理解が追い付かなかった。気付けば私はベッドに押し倒されていて、上にはお姉ちゃんが乗っていた。珍しく、悪戯好きな子供のような悪い笑みを浮かべて。

 

「姉妹じゃなくて、恋人みたいな関係、でしょう? いいわよ。その代わり⋯⋯覚悟は、してるわよね?」

「えっ⋯⋯?」

 

 凄く冒涜的に聞こえる禁忌の言葉。その言葉を理解した途端、吸い込まれるように、私はしっかりと、深く頷いた。

 

「うん、もちろん。優しくしてよ、レミリア⋯⋯」

「ええ、しっかりリードしてあげるから、安心なさい」

 

 そして、私はレミリアと、手始めに軽い口付けを交わした────




紅は情熱の色。迸る雫は2人を⋯⋯。

この後の事はまぁ、例の如くアレなので想像にお任せします。
もしかしたら、Twitterでの投票でレミフラが多かったので、R18の方で書くことになるかもしれません(
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