姉に憑依したシスコンは、妹を愛で尽くす 作:百合好きなmerrick
あっ、ちょっぴりR15描写あるのでご注意を
──フラン⋯⋯紅魔館、地下室にて──
「フーラーンっ! ちゃんと来てあげたわよ? どうしたのかしらっ?」
セリフとは裏腹に嬉々とした声。私が知ってると理解してるからこそ、敢えて自分は知らないフリをして楽しんでるのかな。──自分だけが得しようなんて、絶対にそんな事はさせない。絶対にお姉ちゃんの思い通りにはさせない。これからのためにも、私も得するためにも。
「ううん、何も無いよっ!」
だから、私も敢えて知らないフリをする。お姉ちゃんが私にしたみたいに。そして、私の思うままに行動させ、今度は私が上に立つ。今は姉妹でも、今後は上下関係が重大になってくると思うから。
恋人という関係として。
「え⋯⋯? な、何もないの? なら、どうして呼んだのかしら?」
「何か用がなければ呼んじゃダメなの? 姉妹なのに」
「うっ⋯⋯確かにそうね。その通り、だけど⋯⋯」
お姉様がさっき自分で言ったセリフなのに、なんとも不服そうな顔で頷く。いつも通り、子供みたいに我儘な姉だ。それが可愛いところでもあるんだけど。
「そう言えば、お姉ちゃん。最近いっつもパチュリーと一緒に居るみたいだね? それも私の事無視して。ねー、どうしてー?」
「えっ、あの⋯⋯そ、それは⋯⋯友達だから⋯⋯そう! 親友だからよ? 悪いかしら?」
この姉、話す度に墓穴を掘ってるような気がする。咄嗟の思い付きで話してるみたいだから、仕方ないっちゃ仕方ないけどさ。
「んー、それ自体悪い事じゃないけど、私の事無視するのって、悪い事じゃない? もしかして、悪くないとでも思ってるわけ? 妹なのに。好きって言った相手なのに⋯⋯」
「そ、それは、その⋯⋯!」
わざとしおらしい反応を見せて痛いところをつくと、急に慌てだした。どうやら、本当に言い返せないらしい。ちょっぴり嫌味っぽいけど、そこはご愛嬌という事で許してくれてるのかな。それとも、妹だから優しくしよう、なんて理由で許してくれてるのかな。
もしそうなら、なんか嫌だな。まだ子供って思われてる事になるし。
「ふーん⋯⋯言えないんだ。残念。やっぱり私なんかよりもパチュリーの事を⋯⋯」
「それは違っ──」
「いいよいいよ。姉妹だもんね。普通、恋愛対象なわけないしね。小さい頃から一緒に育った相手と恋愛関係になりにくい、なんて事もあるらしいし。私がおかし──」
「だから、違うわよ!」
そのセリフを言うよりも早く、お姉ちゃんは後ろから抱き締めてくれた。いつも通り、いつまでも味わいたいような心地よい温かさ。
「⋯⋯違うから。私は、フランの事好きだから。本当に、愛してるから⋯⋯」
失敗した。感情が高揚して、あまりにも自虐的になり過ぎた。それでお姉ちゃんを困らせるなんて、悪い事しちゃったな。多分、お姉ちゃん、本当に心配してくれてるんだろうし。
「本当に? 絶対に、
「⋯⋯うん、離さないわ」
耳元で囁かれる小さな声。そんな小さな声でも、私が信用するには充分過ぎるほどの力を持っていた。長年一緒に居たからこそ分かる。この言葉が本当で、嘘偽りないという事が。
「そっか⋯⋯。信じるよ?」
「信じていいわよ。何があっても、私は貴女を離さない。姉だもの」
「⋯⋯ん?」
「え? 何かおかしな事言った?」
お姉ちゃんったら、未だに姉と妹の関係程度にしか見てないらしい。それは嫌だ。姉と妹なんて、いつまで経っても進展しないのが目に見えてる。私はもっと、これ以上もっと進展して、いつかきっと──恋人になりたい。
「お姉ちゃん。⋯⋯ううん、レミリア」
「きゅ、急にどうしたの? 呼び捨てなんて⋯⋯」
「口挟まないで。⋯⋯私ね、レミリアとは姉妹じゃなくて恋人みたいな関係でいたいの。これから先、ずっと⋯⋯。それで、いつかはおね⋯⋯レミリアと結婚とか、その他言えない事も色々、と⋯⋯うん⋯⋯」
自分から言ったはいいものの、段々恥ずかしくなってきた。顔が熱くなってるのも分かるし、多分、赤くもなってる。今後ろから抱きつかれてるから見られはしないだろうけど、もし見られたら、なんて考えると──
「⋯⋯フラン、耳赤いわよ。恥ずかしいの? そんな事言いながら。ふふっ、可愛いわねえ」
「ばっ⋯⋯! ち、違うから! これは⋯⋯!」
「もうっ、そんな言い訳しなくていいわよ。──言わなくても分かってるから、ね?」
全てを見透してるかのような言葉。他の誰かなら苛立たしい言葉でも、お姉ちゃんに言われると、とっても嬉しい言葉だ。
「⋯⋯レミリアの意地悪」
「意地悪でもいいわよ。フラン相手ならね。⋯⋯そうだわ。ねえ、フラン。もう一歩だけ、進んでみない?」
「ほえ? 何言って──あっ」
突然の事で理解が追い付かなかった。気付けば私はベッドに押し倒されていて、上にはお姉ちゃんが乗っていた。珍しく、悪戯好きな子供のような悪い笑みを浮かべて。
「姉妹じゃなくて、恋人みたいな関係、でしょう? いいわよ。その代わり⋯⋯覚悟は、してるわよね?」
「えっ⋯⋯?」
凄く冒涜的に聞こえる禁忌の言葉。その言葉を理解した途端、吸い込まれるように、私はしっかりと、深く頷いた。
「うん、もちろん。優しくしてよ、レミリア⋯⋯」
「ええ、しっかりリードしてあげるから、安心なさい」
そして、私はレミリアと、手始めに軽い口付けを交わした────
紅は情熱の色。迸る雫は2人を⋯⋯。
この後の事はまぁ、例の如くアレなので想像にお任せします。
もしかしたら、Twitterでの投票でレミフラが多かったので、R18の方で書くことになるかもしれません(