姉に憑依したシスコンは、妹を愛で尽くす 作:百合好きなmerrick
今回はそんな話。ついでにかなりのデレフラン。
──レミリア⋯⋯浴室前、脱衣所にて──
レミリアに憑依転生し、フランという妹を持った時から考えてた事がある。
「ふーらーんっ!」
「⋯⋯何? お風呂はさっき入ってたよね? また待ち伏せ?」
それを実行するために、わざわざフランが風呂から上がってくるのを待っていた。しかし、残念な事に私の待ち伏せを見越してか、部屋に入った時には既に下着を着ていた。
本当に残念だけど、着てなければ理性がぶっ飛んでてもおかしくなかったから、ある意味では良かったかもしれない。まあ、今よりもっと小さい時は気にせず一緒に入ってたんだけど。
「いいえ、違うわよ。これ見て、じゃーん!」
用意してた寝巻きを見せ、反応を伺う。そう、考えてた事とは、フランにある寝巻きを着せる事である。フランはいつもクマさんの絵が描かれた子供っぽい服を着てる。子供らしくて可愛いというのもあるけど、私的にはもう少し大人っぽくて、色っぽい服を着てほしい。そして、可能なら一緒に寝てほしいと思ってる。
「うわぁ⋯⋯。嫌な予感はしてたよ。うん。でも、一応聞くわ。何それ?」
予想通り、トーン低めで、凄く嫌そうな顔をしてる。でも、ここで引いては夢を1つ諦める事になる。嫌われたくないけど、多少は強引にでも服を着せなければ。もし無理だったら、諦めるしかないが。
「見ての通り、紅のネグリジェよ。フランって子供っぽい服を着てるじゃない? だから、ちょっと大人になってみないかなあ、って思ったの」
「魂胆が見え見え。いい加減にしないと、本気で怒るよ?」
「えっ!? あ、あの⋯⋯ご、ごめんなさい⋯⋯」
フランに怒られたら、当分立ち直れなくなる気しかしない。ここは諦めるしかない。嫌われたくないし、怒られたくもない。まあ、変なところ触って、よく怒られてるけど⋯⋯。
「⋯⋯はー、ガチで悲しそうな顔しないでよ。冗談だよ。着るだけならいいよ。でも、自分で着るからね?」
「え、ええ! それでいいわ! ありがとう、フランっ! ⋯⋯あっ」
あまりの嬉しさに、思わずフランに抱き着いてしまった。慌てて離れ、フランの顔色を伺った。
「⋯⋯どうかした? さ、まだ髪も乾かしてないし、先に部屋で待っててよ」
「わ、分かったわ」
表情1つ変えない。さほど気にしてないようで、内心ホッとした。それと同時に、何も思ってないのだと、残念な気持ちもあった。フランは本当に、私をただの姉としか見てないのだろう。
「じゃあ⋯⋯部屋で待ってるからね」
「うん。⋯⋯すぐ行くよ」
その場を後にし、私は1人で部屋へと急ぐ。服を大切に手にして。
「お待たせ」
10分程でフランは部屋へとやって来た。いつも通り、クマさんの絵柄が描かれた服を着て。
「さ、どの服を着てほしいの? 別にお人形さんってわけじゃないけど、たまには別の服も着てみたいの。まずはお姉様チョイスで。それから私は選ぶから」
「え!? い、いいの? じゃあ、私とお揃いのベビードールとか──」
「透け過ぎ。却下。っていうか、さっき見せたネグリジェでいいじゃん。着るだけだけど。なんで別の服を見せるかなぁ」
ワンチャン了承してくれるかと思ったけど、考えが甘かった。見せただけで速攻断られた。
「うー⋯⋯。じゃ、じゃあ、さっきのネグリジェでいいわよ⋯⋯」
「凄い残念そうだね⋯⋯。ま、気にしないでいいや」
「えっ!?」
と、わざわざ私の目の前で服を脱ぎ捨て、着替え始めた。妹の珍しい行動に、私は思わず声が出た。フランはそれに反応する事なく、黙々と着替えていく。
「こ、ここで着替えるの?」
「んー? 何か悪い?」
「い、いえ。その⋯⋯私が言うのもなんだけど、目の前で大丈夫かな、って」
「⋯⋯あー。そゆことね」
何かを察すると、フランは白い下着を残し、その場に服を脱ぎ捨て、私と面と向かって話し出した。
「ほら、どう? いつも触ってる妹の身体だよ?」
「え? どうって⋯⋯正直に言ってもいいの?」
「いいよ。どう思う?」
フランの求める答えは分からない。だけど、小さな胸に、くびれに、綺麗な鮮やかな金髪に⋯⋯。残念なところなど、1つも見当たらない。まるでダイヤモンドのような完全な身体。
ただ、心の奥底から可愛いと、美しいと思う。それ故に、私は今ここで間違いを犯してしまう気すらする。それを必死に堪え、フランの問いに素直に答える。
「可愛い⋯⋯凄く可愛い」
「ふーん。襲いたい、とかじゃないんだ。なら、大丈夫だね。風呂でもそうだったけど、今日はそこまで酷くないっぽいし、わざわざ移動して着替えるのも面倒だからここでいいよ。それに、一応は姉妹だから」
姉妹⋯⋯それこそが、フランと付き合えないという、私の一番悩んでる事だが、フランは気にしてないのだろう。いつか、フランにも私の気持ちを知ってほしいけど、やはり、姉妹だからという理由で拒絶されるだろうか。フランと姉妹という枠組が、嬉しいと同時に厄介この上ない。
「へー、結構楽でいいじゃん。お姉様、どう? 可愛いでしょ?」
着替え終えたフランは見せびらかすように一回転して、笑顔でそう聞いた。あまりの可愛さに興奮して鼻血でも出そうだ。稀にしか見れないフランの笑顔を、まさかこんな時に見れるとは思わなかった。
「ふふっ。ええ。とっても可愛いわ。流石、自慢の妹ね」
「自慢の⋯⋯そっか。うん! ありがとう!」
もしや、今日私は死ぬのか? フランがこんなにも笑顔を見せてくれるなんて。いつもなら考えられない。いつもは多くて2、3回程度なのに。⋯⋯それにしても、本当に可愛い。このまま抱き締めて、離したくない。もっと愛を深めたい⋯⋯。
でも、今はまだその時じゃない。急がば回れとも言うし、ゆっくりと、着実に距離を縮めよう。
「フランが断った時も考えて、シンプルにTシャツとショーパンとかも用意してたんだけど⋯⋯気に入ってくれたなら良かったわ。今年の誕生日プレゼント、まだあげれてないから、それでいいかしら?」
「そう言えば、そうだったね。もう何ヶ月も前の事なのに、まだ覚えてたんだ。いいって言ったのに。ま、ありがとう。お姉様に新しい寝巻き貰えたし、私からも、何かあげないとねー」
フランからの⋯⋯プレゼント!?
その言葉を聞いただけで自然と笑みが零れてくる。自然と、嬉しい気持ちでいっぱいになる。
「い、いいのよ? 別に何もくれなくても」
が、こういう時に自分から求めては却って心象が悪くなり、貰えなくなる。本当は今すぐにでも貰いたいが、我慢して──
「あ、そう? ならやめとこっかなー」
「え!? あ、あの⋯⋯」
「⋯⋯建前なんていいから、本音は?」
「欲しいです。私にプレゼントを下さい、お願いします、フラン様」
土下座までしてねだる。フランは私の魂胆など、
「珍しくまともで、プライドの無い正直なお姉様を見れて嬉しいよ。じゃ、今回だけ特別に一緒に寝てあげるね。でも、お触りは禁止だからね? 触ったら、触った腕を破壊するから」
「ひ、ひぇぇ⋯⋯。わ、分かったわ」
「ふふん。さ、もう夜明けも近いし、一緒に──あっ」
フランは先ほどその場に脱ぎ捨てた服に足を取られ、バランスを崩して私の方へと倒れ込んだ。私はフランを慌てて受け止めようと前に出るも、受け切れずにフラン共々後ろに倒れてしまった。
「いったぁ⋯⋯。あ、ごめん、大丈夫!?」
「大丈夫よ。それより怪我は無い?」
「⋯⋯お姉様が守ってくれたから大丈夫」
「そっか。なら良かったわ」
フランが怪我をすれば、それこそ嫌われる時くらいの発狂ものだ。幾ら吸血鬼で傷の治りが早いと言っても、フランは女の子。可能な限り、傷を付けさせたくない。
「⋯⋯ずっとこのままだと重いよね。ごめん、すぐ退くね」
「重くないわよ。フランだから」
「ふふん。何それ。面白いね。さ、気を取り直して寝よっか。⋯⋯それと、やっぱり、イヤらしくしないなら、ちょっとくらい触ってもいいよ。本当にちょっとだけね」
「⋯⋯え? いいの?」
今、フランは何と言ったのか。もしかしてだけど、少しだけ、本当に少しだけ私を受け入れてくれたのだろうか。という事は、夢にまで見た、同意の上でのお触りが⋯⋯。あ、流石にお尻とか胸とかはダメか。触ろうものなら、絶対腕をきゅっとしてドカーンされる。未だにされた事はないけど、絶対にされる気しかしない。
「いいよ。私達、姉妹だから⋯⋯ね?」
「え⋯⋯ええ。そうね。姉妹ね⋯⋯。私、フランの姉になれて良かったわ」
「急にどうしたの? 変なお姉様。あ、もう少し詰めて。にしても、お姉様のベッド広いね。2人でも、広々と眠れるよ」
共にベッドに寝転がり、数秒程、顔を見つめ合う。すると、フランが両手を広げ、爽やかな笑顔を向けてきた。
「ほら、お姉様。来ていいよ。今日だけ、今日だけだから⋯⋯」
「え、ええ。⋯⋯フラン、ありがとう」
私を求めるように手を広げるフランの中に入っていく。すると、手を背に回され、抱き締められ、フランの方へと寄せられる。妹と布1枚を挟んで密着している。その初めての感覚に、心音が高まり、胸に触れなくても鼓動が早くなるのが分かる。気付かれない事を祈りながら、同じようにして、そっとフランの背に手を回した。
「⋯⋯おやすみなさい、フラン」
「うん、おやすみ。お姉様」
この幸せな時間を無駄にしたくない。その気持ちとは裏腹に、あまりの心地良さに深い眠気が私を襲う。そして、いつの間にか、私は深い眠りへと落ちていた────
レミフラおやすみシーンのその後はまた後日。
ちなみにですが、一話目時点はレミリア100歳。両親は人間の襲撃により既に他界。
暗い話をする予定はまだ無いので、描写は省いてます。ご了承ください。
二話目以降は本当に宣言通り年齢とか決めずにしてますので、話を跨ぐと幻想入りしてる時が来るかもしれません。まぁ、その時は一応記載するようにはします。流石に全く考えないのも、ね(