姉に憑依したシスコンは、妹を愛で尽くす   作:百合好きなmerrick

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今回は短めの紹介と土台回。

なお、出会いの部分はあくまでもレミフラ小説なので割愛された模様(


9話「門番」

 ──紅美鈴⋯⋯紅魔館にて──

 

 人間の街から離れた位置にある、悪趣味な──失礼。目に悪そうな真っ赤な館。名は紅魔館。巷では悪魔の住む館として有名である。この館の主曰く、真っ赤で悪魔の住む館だから紅魔館らしいですが、その真相は前当主が死んだから分からないとか。正直、名前の由来なんてどうでもいいですが。

 

 おっと、自己紹介を忘れていました。私の名は(ホン)美鈴(メイリン)。単身、修行の旅に故郷を出たものの、妖怪であるため人間の街に行く事もできず、食料も尽きて途方に暮れていた。そんな時に、この館の主であるレミリアお嬢様に拾っていただきました。

 

 それからというもの、働くという条件の代わりに衣食住を提供してもらっています。元は修行の旅でしたが、恩返しと門番という修行に適役な役職を頂いたので、現在は紅魔館に住んでいます。

 

「美鈴。夜ご飯の準備お願いね。私は事務作業に戻るから、終わったら教えてちょうだい」

「分かりましたー」

 

 お嬢様は見た目は小さな女の子。その実、100を優に超えると言います。種族はかの有名な吸血鬼。西洋では一二を争う最強種族とは本人の弁です。お嬢様が戦っているお姿を拝見した事は一度もありませんが。ただ、それでも私を助けてくれた恩は忘れる事ができません。もしかしたら、従者である私の方が強いかもしれないですが、だからといって謀反を考えたりはしていません。

 

 しかし、私には気になる事⋯⋯というか、気がかりな事が1つあります。それは、お嬢様の唯一の家族であり、おそらくは最も危険な能力を持つ吸血鬼、フランドールこと妹様の事です。何が気がかりかと言えば──

 

「めーりん。お腹空いたー。⋯⋯げっ、お姉様居るじゃん⋯⋯」

「あ、フランっ! 私に会えない寂しさで、わざわざ会いに来てくれたのね!」

 

 ──お嬢様の妹様に対する接し方です。いつもは淑女らしく礼儀正しい人ですが、妹様の前だけ豹変し、ただのバカ姉⋯⋯失敬。異常なほど妹を溺愛し過ぎる残念な姉と化します。唯一の家族であるから大切になさるのは分かります。ですが、それは家族愛というよりも恋愛のように感じてます。

 

「違うから。もう仕事に戻って会わないと思ったから来たの」

「そんなに冷たくしないでよぉ」

「あぁ、はいはい。だからって引っ付くな」

 

 正直、妹様のドライな対応もあって最初は不仲だと思ってました。妹様は姉が嫌いで、適当に受け流しているだけだと思ってました。それ故に止めようともしましたが⋯⋯。

 

「いつもしてる事なのに⋯⋯。それと最近、私の手料理食べてくれずに美鈴の料理ばっかり食べてるけど、私の料理⋯⋯嫌いなっちゃったの?」

「いやお姉様の料理だし、美味しいから大好きだって! あ、別にお姉様が好きって意味じゃ⋯⋯!」

「ふふっ。もうっ、照れてるフランも可愛いっ!」

 

 どうやら妹様の方も満更でもないご様子です。また本当はどちらもお互いの気を分かってる節があるので、止めようとは思わなくなりました。恐らく、どちらも人前では恥ずかしいのでしょう。それであっても、相思相愛。羨ましいと思うくらいの仲睦まじさです。

 

「うー⋯⋯。は、早く仕事して来い! 後で相手してあげるから、今は引っ付くな!」

「あら、言ったわね? 約束は絶対に守ってもらうわよ?」

「あっ⋯⋯もう、分かった。はー、今日は調子悪いなー。⋯⋯めーりん、ご飯お願い。お腹空いちゃった」

「分かりましたー。すぐに作ってきますね!」

 

 仕えてまだ1年も経っていない私から見ても、姉妹という関係以上に仲が良い。禁断の恋だが、お二人が良ければ私も構わないと思ってる。私は助けられ、更には従者であるから、主であるお嬢様のご意向に反対する気などなれない。それに、お二人を見ていると、とても幸せそうで和やかな気持ちになれるから────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──レミリア⋯⋯紅魔館にて──

 

 妹と妖精メイドだけで住み始めてから100年以上。ようやく、美鈴が家に来てくれた。前世から知ってる大好きなキャラ⋯⋯いや、妖怪の1人だし、私が家に居ない時にフランを守れる唯一の住人だから、来てくれてとても嬉しい。未だに戦った事のない私だから、決闘で仲間にするのかと不安だったが、それもなくて安心している。

 

「⋯⋯美鈴が来てくれて良かったね。お姉様の仕事の負担も減ったしね。いつも早く起きて私のご飯作って仕事して、ってとても大変だったでしょ? ⋯⋯ありがとね、お姉ちゃん」

 

 美鈴が料理を作りに行ってくれた後、フランがそんな事をふと呟いた。久しぶりにフランの本音を聞いた気がする。まさかそんな事を思ってて、それどころか褒めてくれるとは。さっき冷たくしてたのも、敢えてそうして今ここで喜ばせるためとかかな。もしそうなら、私は見事に術中に嵌ってる。

 

「⋯⋯ええ、こちらこそありがとう。フラン、本当に後で相手してくれるの? 何してもいい?」

「それ、妹の口から言わせるつもり? ま、たまにはいいんじゃないかな、とだけ言っておくよ。また欲求不満で襲われたら嫌だし、大変だしね」

「⋯⋯ふふっ。そうね。なら、合意の上で、というわけで⋯⋯」

「それでも変な事はしないでよ。したら自慢できないその胸が更に小さくなるから」

 

 さらっと怖い事言ってるけど、流石に姉に対して破壊とかしない⋯⋯よね。ただの脅しだよね。脅しと分かってるのに、寒気がするのはどうしてだろう⋯⋯。

 

「さ、早く仕事してきなよ。そろそろめーりんも戻ってくるよ。まだ行ってないと、心配されたり、迷惑かけちゃうよ?」

「ええ、そうね。⋯⋯行ってくるわ。それじゃあ、また後でね」

「うん。また後で」

 

 フランに別れを告げ、私は1人、書斎に戻る。

 

 今日は寝るのが楽しみだ。

 

 そんな事を心の内に秘めながら────




キスシーン前に、まずは土台をば。
しっかりしたのは次回ですね。書くのも楽しみです(
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