デフォルト名。みんなの騎士君
エリコ
前作より安全
美食殿
きあいだめ中
これからも日常
街
「クスクス……クスクス……」
街中を1人の女性が歩いている。名はエリコ。2本の角が頭から生えているが、1本は欠けている。はだけている服を着ている彼女はある人物を見つけた。
「今日は討伐か収集、どっちにしよう……? 」
悩みながら仕事を選んでいるのは、エリコの想い人であるユウキだ。彼はプリンセスナイトという希有な能力を持っていて、その効果は周囲にいる女性の能力を上げるもの。
「あなた様どうかしましたか?」
「あっ、エリコさんおはよう」
ぎゅっ
さりげなく腕を組むもユウキは気づいていない。しかしこの反応はエリコにとっては予想済みなので彼とお話をする。
「何やら悩んでいるようですが……見せてもらっても? 」
渡された内容はどれも簡単な依頼だ。この程度ならば悩むことがないと思ったが、彼は記憶喪失である事を思い出し唇を噛む。
エリコが初めて出会った時からユウキの記憶は失われていた。彼女は彼をこんな姿にした敵を必ず、永遠の苦しみを味あわせてやると決めている。
「エリコさんは何がいいと思う? 」
「そうですね……こちらがよろしいかと……」
そう言って選んだのは魔物討伐。ユウキに理由を問われたエリコは、『私は収集が苦手な事と運命の伴侶であるあなた様と愛を深める為です』と当然のように答える。
ユウキは微妙な表情をした。
────
──
ウキキーという魔物はサルの魔物である。特徴的なのは自慢の怪力を使った岩投げだ。大きな岩を軽々と遠くへ投げるので、もし戦闘になったら早めに倒すと良いだろう。
「あなた様! 伏せて! 」
「……!?」
……草原ではたった今ウキキー達を倒した所だ。
「エリコさん。怪我はない? 」
「クスクス……私を案じてくれるのは嬉しいですが、あなた様の方が心配です」
エリコはユウキの体を入念に調べて、目立った外傷もないと分かると彼女は安心した。
「それじゃあ、早く帰ろうか」
「……はいと言いたい所ですが既に……夜になってしまったので、ここで野宿をした方が安全かと」
ユウキはコッコロが心配だから早めに帰りたい。しかしエリコがいつの間にか伝書鳩を使い、コッコロに連絡していた。ユウキと2人きりになる為の努力は傍から見ても恐ろしく熱心になる。
兎に角エリコ達は近くにあった洞窟の奥へ入った。
「魔物の巣はないようだ」
「ええ、洞窟で戦闘してしまうと魔物共々、生き埋めになってしまいますわね」
「それは怖いな」
「クスクス……私も怖いです……クスクス……」
2人は談笑しながら周りを確認する。幸い魔物の巣はなかったが後から魔物が来る可能性があるので、見張りの交代を行いながら睡眠を取る。
「……ちょっと離れてくれないかな」
「駄目ですよ♪ 」
昼は気づかなかったユウキだが今は気づき、エリコの温もりから離れたいが離れられない状況だ。彼女の方はというと、ニコニコと上機嫌である。
そのまま時間が経ち朝日が昇る頃、ユウキが目覚めると近くにエリコの顔があり軽く驚いた。どうやら彼女も寝てしまい2人とも起きるまで危険な状況だったようだ。
2人は街に戻って報酬を貰う。……美食殿に帰るとペコリーヌ達3人が出迎えに来てくれた。
「お帰りなさい♪ ……それともおはようございますでしょうか? まあ兎に角無事に帰ってきてくれて良かったです♪ 」
「はぁ、あんた大丈夫? あんなのと一晩過ごすなんてすごいわね」
「主様、よくご無事で♪ 」
3人の内2人は抱きつき1人は感心したように近づく。
「あの
「むしろあんたが知らないことに驚いてるわ……」
「まぁまぁ、主様は記憶喪失なので知らないのも無理はないかと」
「わたしは一度お会いしたことがありますけど、とても一途な方でしたね~♪ ……と、おや? あなたの首筋についてるキスマークのようなものは何ですか♪ 」
ペコリーヌから渡された手鏡で確認すると彼女の言う通り、首に唇の形がついていて、それを3人はじっと見ている。
「主様、とりあえずお風呂に入って汗を流しましょう」
「そうね。昨日は一度も風呂に入ってないでしょ、今のあんた少し臭うから早く入りなさい」
「あ、ああ」
キャルとコッコロがお風呂に入ることを強要する。疑問が湧いたが急かされて何も聞けない。
……風呂場に入るとコッコロが水着姿のままで入ってきた。美食殿では2ヶ月前からユウキの世話を3人が行っている。何度拒否しても頑なに止めない。
体を洗う為の洗剤を使ってコッコロはユウキを泡まみれにする。年下とはいえ女性に洗われるのは恥ずかしかったが、この2ヶ月で慣れてしまった。
「痒いところはありませんか? 」
「ないよ」
汗を流してさっぱりとしたユウキが居間に戻ると、色とりどりの食事がテーブルに並べられている。魔物を使った料理がないことからキャルが担当のようだ。
「いただきます」×4
────
──
この時、料理をすごく美味しいと褒めたらキャルの尻尾がピンッと立つ。
……今日もランドソルは平和である。