ウルトラマンレオZ   作:桂ヒナギク

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1.ウルトラマン

 地球から遠く離れた獅子座にあるL77星。その惑星の一角に建つお城にレオは住んでいた。

 レオは王の間で戴冠式(たいかんしき)を受けている。

 父・アルスがレオに獅子を象った宝石つきの指輪を渡す。

「父さん、これは?」

「獅子の瞳が埋め込まれた指輪だ。お守りとして持っておけ。何時(なんどき)も決して手放してはならん。もしもの時はそれを指にはめるんだ」

「うん」

「よろしい、下がれ」

「はい」

 レオは王の間を出た。

 廊下には双子の弟・アストラがいた。

「兄さん、戴冠式で何もらったの?」

「指輪だよ。お守りらしいんだ」

「そうなんだ。見せてよ」

 レオはアストラに指輪を見せた。

「かっこいいね」

「そうだな」

 レオは指輪をしまう。

「ねえ、兄さん」

「うん?」

「城下町行かない?」

「いいよ」

 レオとアストラは城下町に(おもむ)いた。

「あ、レオ様!」

 城下町に住む女の子が駆け寄って来た。

 女の子の名はエリザ。長髪で端正な顔立ちをしている。

「エリザか。何か用?」

「あ、そうそう。あのね、子犬を拾ったの。でも(うち)じゃお母さんが犬アレルギーで飼えないの。だから飼ってくれる人を捜してるの」

「その犬、今はどこに?」

「神社の境内の縁の下。こっちよ」

 二人の王子はエリザと共に神社へ移動した。

 境内の縁の下には子犬の姿がある。

「捨て犬かな?」

「段ボールに入ってたからね」

「城で飼おうかな」

「え、本当に!?」

「うん」

「じゃあこの子犬のご主人はレオ様ね」

「ああ。名前は決まってるの?」

「名前? ロンだよ!」

「そうか。ロン、おいで」

 レオが微笑を浮かべながら手を差し出すと、ロンは彼の手に近付いた。

「よしよし、可愛いな」

 レオはロンの頭を撫でてやった。

ワン──ッ!

 ロンが嬉しそうに吠える。

「レオ様のことが気に入ったみたいだね」

「そうみたいだね」

 ロンが縁の下から出て来る。

「ロン、おいで。城に案内するよ」

 レオとアストラはロンを連れてお城に戻った。

「レオ様にアストラ様、お帰りなさいませ」

 お城に仕えるメイドが二人の帰宅を出迎えた。

「おや、その子犬は……?」

「ロンと言うんだ。城下町のエリザが拾ったんだけど、お母さんが犬アレルギーで飼えないって言うから引き取ったんだ」

「そうですか。ではお城で飼うことにしましょう」

 メイドがロンを抱き上げようとすると、レオの後ろに隠れてしまった。

「あらあら、嫌われてしまいましたわ」

「ロン、平気だよ」

 ロンは(おもむろ)に前へ出た。

「ロン、こっちにいらっしゃい」

 ロンはメイドについていった。

「大変だ──っ!」

 男が血相を変えて城内に飛び込んできた。

「何事?」

「ま、町に怪獣が!」

 アルスが男の前にやって来た。

「怪獣だと?」

「はい! それもニ体……!」

 アルスは城下町へ急ぐ。

 レオとアストラも後を追う。

 すると、二人の目前でアルスが腹部にシークレットサインの描かれた赤い巨人・ウルトラマンアルスに変身した。

「はっ!」

 背中に背負った鞘から剣を引き抜き、怪獣を一刀両断すると、ウルトラマンアルスは元の姿に戻った。

「父さん、今のは……?」

「私の本当の姿だ」

「本当の姿?」

「皆には内緒だぞ」

「は、はあ……」

 レオはアルスが左手の薬指にはめている指輪を見た。それは戴冠式でレオがもらったものとよく似ていた。

(俺のと同じ……。まさか、俺もあの姿に?)

 レオはもらった指輪を取り出して眺めた。

 

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