更識家の人外   作:佐藤 海

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第十話

千冬side

 私は今、一夏とピッドで待機している。篠ノ之も来ていたがここは関係者以外立ち入り禁止のため無理やり追い出した。

 

 「な、何だよ!あいつ卑怯だろ!」

 

 一夏は蒼羅の戦いに文句があるようだ。

 

 「はぁ、織斑そんなバカなことを試合中に言うなよ」

 「何でだよ!あんな戦い方卑怯だろ!それに、男なら正々堂々と勝負をしないといけないだろ!」

 「はぁ」

 

 私はまた、ため息を吐いてしまった。もう今ではそんな時代ではないというのに。

 

 (一夏自分の考えを他人に押し付けるのはいい加減にやめろ。出なければお前に待つのは破滅だぞ)

 

 何度言ってもわからない弟のことを心配するのだった。

 

蒼羅side

 「ふぅ」

 

 俺はピッドに戻ってエネルギーの補給を待ちながら一休みしている。

 

 『更篠、エネルギーの補給まであとどのぐらいだ?』

 「そうですね。後五分ぐらいですね。ギリギリだったもので」

 『双炎銃など使うからだ』

 「最初から速攻で倒すのと本気を出す前に叩くのが前提で戦っていたので」

 『はぁ』

 

 千冬はため息をついている。俺はそれに肩を竦ませるにとどめた。

この双炎銃の一番のデメリットは炎の銃弾を撃つためにシールドエネルギーを消費するのである。

 そして、密閉空間なら早く勝負を終わらせるためには一番使いやすいのである。

 

 『なら、五分後に試合を開始するがいいか?』

 「いいですよ」

 

 千冬はそれを聞くと連絡を切った。

 

五分後

 「さて、出るぞ」

 

 俺はカタパルトから出撃した。

 

 「おい!さっきの戦いは何だよ!?蒼羅!」

 

 俺が出てくると織斑がいきなり文句を言ってきた。

 

 「戦いは戦いだろ?何が気に入らないんだ?」

 「そんなの、あの戦い方に決まっているだろ!あんな不意を突くような戦い男がしていいわけないだろ!」

 

 織斑の言葉に同調するかのように観客席から少なくない罵倒が俺に飛んできた。まぁ、女尊男卑の連中だろう。

 

(というよりこの機体を作ったのは俺じゃないのに俺に文句を言われても困る)

 

そんなことを思いながら織斑の様子を見る。

 

 (はぁ、ヤジを飛ばしている連中の中には三年もいるのかよ?あいつら大企業の一つの就職先自分たちで潰したよ)

 

 自分たちの企業で作った物を悪く言う連中を就職させる企業はいないだろう。

 

 「そうかい、わかった。不意(・・)を突かずに真正面から戦えばいいんだな?」

 「そうだ!」

 

 『試合    開始!!!』

 

 開始の合図がなされると俺は一つの剣を呼び出した。

 

 「さぁ、始めよう」

 「望むところだ!この剣で俺はお前のその腐った根性を叩きなおす!」

 「その剣は・・・・・・」

 「この剣は千冬姉の剣、雪片だ!今の俺は負ける気がしねぇ!」

 

 織斑のその言葉に俺は呆れを感じたがそんなことで表情に出す俺ではないので平静を装う。

 織斑が真っ直ぐ突撃してきたため一つの大剣を呼び出した。

 

「うぉぉぉぉおおおぉ!!!」

「うるさいぞ」

 

 織斑は剣を振り下ろしてくるのに合わせて俺は雪片に向かって大剣で横にないだ。

 

 ガギンッ!!!

 

 雪片と大剣がぶつかり合う。勝敗はこちらに軍配が上がり織斑はその衝撃で後ろへと押された。

 そのまま見逃すわけはなく俺は追撃して大剣を振り下ろす。織斑は防ごうとするも織斑は大剣の威力に負けて地面と激突した。

 

 ドガン!!!

 

 「ウワァァァァァ!!!」

 「織斑この大剣を防ぐのは無理だぞ」

 「な、なに?」

 「この大剣は、物体とぶつかったとき瞬間的に重力を発生させる『重力(じゅうりき)剣』。お前の雪片では力のぶつかり合いでは勝ち目はない」

 

 俺のこの話に一部の女子達が「卑怯よ!」「そうよ、卑怯よ!」などと文句を言ってくる。その様子に呆れた。

 

 「て、てめぇ!最初から真面目にやる気がないんじゃないか!」

 「お前は勘違いしている俺は不意をつかないといったんだ」

 

 織斑は激高してくるが俺は冷静に返す。

 

 「それに、しょうがないだろ?武器がさっきの双炎銃とこれしか今(・)は(・)入ってないんだから」

 「な、なんだと!」

 「さて、終わらせよう」

 

 織斑に冷めた目を向けながら剣を振り下ろす。織斑は間一髪のところで躱したが剣の振り下ろした後にはクレーターが出来ていた。

 

 「俺はお前を許さない!こんなやり方で倒そうとするお前を千冬姉のこの剣で絶対に倒す『零落白夜!』」

 

 織斑のその言葉に俺は白けた目を向ける。

 

 (千冬はこの剣を使ってもそんなことを一度も言わなかったぞ?と言ったところで聞く耳を持たないだろうな)

 

 織斑が斬り掛かってくるが何度か躱して重力剣で隙だらけの腹に叩き込む。

 

 「グアッ!」

 

 織斑はそれで吹き飛ぶ。

 

 「はぁ、つまらないな」

 「何だと!」

 

 俺はそう呟き織斑に背を向け戻ろうとする。

 

 「逃がすかぁぁぁぁ!!!」

 

 織斑が俺に数センチと迫ったところで

 

 『試合終了!!!白式 シールドエネルギーエンプティ 勝者 更篠蒼羅!!!』

 

 そのアナウンスにほとんどが「なぜ?」と言う表情になったが零落白夜の能力を知っている者は理解しているだろう。

 この後、オルコット VS 織斑が行われたがその試合内容はオルコットがギリギリで織斑に勝利した。

 こうして、クラス代表決定戦は幕を閉じた。

 

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