蒼羅side
『すまんな、一夏が迷惑をかけた』
俺がピッドに入って直ぐに千冬から連絡が入った。
「構わない。だが、いつか破滅するぞ?あいつはまだ守られる子どもとはいえ自分の立場を理解してなさすぎる。ないとは思うがこの三年間で成長しなかったら職を持てないぞ?」
『わかっているさ。だがな、あいつは私が何度言ってもわかろうとしない。なぜ、こうなったのか私が聞きたいぐらいだ』
「脳でも見てもらってほうが良いんじゃないのか?」
『一度本格的に考えた方がいいかもしれんな』
冗談で言ったことなのだが、真に受けてしまったようだ。
(真に受けたなぁ。冗談だったんだが)
『まぁ、その話は良いだろう。クラス代表はやらないだろ?』
「やるわけがない」
俺は即答する。
『だろうな。では、織斑かオルコットになるか。はぁ』
これからのことを思い溜息を吐く千冬。
「大変だな」
「全くだ」
「今晩は俺のところで食べるか?」
『頼む』
「分かった、準備して待ってるよ。こっちもこれから話をしないといけないしな」
扉の方に目をやる。
『そういうことか。では、あとで』
「ああ」
何が言いたいのか察してくれた千冬が通信を切った。その後、直ぐに扉が開いた。
「お兄ちゃん説明して!」
「そうだよ、お兄ちゃん」
「そうですね」
「そうだね~」
入ってきたのは楯無たちで入って来て早々問い詰めてきた。
「まぁ、話すことは色々あるが今度の休みにNDCに武装を取りに行くことになっているからそこで話をしないか?」
俺の言葉に楯無たちは顔を見合わせた。
「わかったわ。ちゃんと話してね」
「うん、私も良いよ」
「わかりました」
「了解なのだ~」
四人から了承を貰いこの話を一旦終わりにし俺たちはそれぞれ帰路についた。
千冬side
「一夏!何だ、あの体たらくは!あのような卑怯者に負けるなど・・・・・・」
私が少し更篠と話すために席を離している間に篠ノ之がやってきており一夏を叱っていた。
(卑怯者かあいつの実力なら一夏だけでなくほとんどの者が一瞬で終わるだろう。あいつにはそれだけの実力がある)
そう思ってもこいつらは納得しないのだろうなと考えながら一夏たちに近づいていく。
「さて織斑、お前にこれを渡しておく。専用機の所持に関する注意事項だ。捨てるなよ、今度は知らんぞ」
「うっ!わかった。ちふ「織斑先生だ」織斑先生」
今度は知らないと釘を刺され気まずい表情になる一夏。
「奴の実力ならお前もオルコットも瞬殺されるのがオチ、もっと言うなら遊ばれているだけだ」
「なっ!あいつ遊んでいるって言うのかよ!」
「千冬さん!一夏があんな卑怯な奴に負けるというのですか!」
一夏と篠ノ之は納得せず噛みついてきた。
「織斑、篠ノ之ハッキリ言うがそれは、お前たちが弱いからだ。奴に真面目に相手をしてほしいのであればもっと強くなれ。それに、今のままのお前たちでは絶対に勝てんぞ?」
「どういうことだよ?」
怪訝な表情になる一夏と篠ノ之。
「お前らの今の努力は更篠からすれば全然足りない尚且つお前たちは成長しろ、出なければ追いつかないぞ」
それだけ言うとピットを後にした。
(これであいつらが理解してくれたならいいんだが)
そう考えながら歩きだした。
「織斑先生」
私がピットを出てしばらく歩くと真耶が声を掛けてきた。
「どうした?」
「クラス代表は更篠さんですか?」
「いや、更篠はやらないと言ったから次はオルコットだな」
「え!?そうなんですか!?」
真耶は驚く。
「ああ、あいつはクラスの中心には立とうとしないからな」
「更篠さんのことを知っているのですか?」
「ああ、よく知っているさ。腐れ縁のようなものだ」
「はぁ」
私がそれ以上話さないと感じたのか真耶はそう返事をするしかなかった。
「仕事はまだある、早く行って終わらせるぞ」
「は、はい!」
蒼羅side
コンコン
「開いているぞ」
「お邪魔する」
「いらっしゃい、千冬」
「千冬ちゃん、大変そうね。大丈夫?」
「星羅無断侵入か?」
「私が暴れてもいいなら来ないけど」
「バレるなよ?」
「そんなミスはしないよ」
千冬に言われても何のそのと躱す。
「冷めないうちに食べちゃいましょう?」
「だな、話すのは後でいいだろ?」
「まぁな、私も腹が減っているからその方が嬉しいな」
千冬は普段は見せないであろう優しい笑顔を浮かべながら話した。
「「「いただきます!」」」
こうして夜が更けていく。
三人称side
千冬たちが晩飯を食べている頃一夏の部屋では。
「一夏クヨクヨするなよ、千冬さんはああ言ったがあいつのやり方は卑怯な手で勝ったにすぎん。オルコット相手にあそこまで正面から追い詰めたのだからお前はあの男よりも強いさ」
「ああ、今度は負けねぇ!」
一夏は千冬の言った言葉に対して努力をして成長しろと言われていると思っているが千冬は努力をして自分の考えを押し付け考えることをやめ成長しろと言っているのが一夏や箒には伝わっていなかった。
千冬の言葉足らずな所もあるだろうがたとえ話したとしても今回のように一夏の周りが正しいといってしまえば一夏はそちらに流れるだろう。考えなくても周りが自分は正しいといってくれるから。
そして、箒は一つ勘違いをしている。一夏がセシリアに善戦することが出来たのは慢心が抜けていなく一夏に対しても見下す状態のためそれが、仇となり善戦することが出来たのである。
また、セシリアは自分が強いと思っているようだが学園の専用機持ち(一夏を除いた)の中でも一番弱いことに気づいていないことも彼女を慢心させる要因だろう。