更識家の人外   作:佐藤 海

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第十三話

蒼羅side

 「お兄ちゃんいらっしゃい。どうしたの?」

 「何、お前がちゃんと仕事をしているのかなと思って様子を見に来たんだよ。楯無」

 

 俺は放課後となり生徒会室にやってきた。

 

 「む~お兄ちゃん、私の事「そう言えば昨日もサボりましたよね」うっ!虚ちゃん!」

 

 楯無が文句を言おうとしたがお茶を入れてきてくれた虚があっさりとバラしてしまった。

 

 「全く、何度も言っているんですが」

 「楯無。サボるな、なんていうことは言わないが虚だって忙しいんだ。そういう時は虚も休ませてやれよ」

 「わかったわ・・・・・・。//////」

 

 楯無がわかったというので俺は頭を撫でてやる。

 

 「むぅ~」

 

 虚が羨ましそうに見ていたので虚の頭も撫でた。

 

 「//////」

 

 虚は恥ずかしそうに顔を朱に染めた。

 

 「さて、ふざけるのはこの位にして本題に入っていいか」

 

 俺は頭を撫でていた二人から離れて真剣な顔つきで聞く。

 

 「本題?」

 「ああ、オルコットの件だ。こっちに情報が届いていると思ってな」

 

 俺がそう言うと「「ああ」」と言う二人。

 

 「これです。蒼羅様」

 「サンキュ」

 

 俺は虚から書類を受け取る。そこに書かれていたのは

 セシリア・オルコットには『GW並びに夏休み期間全てを本国での代表候補生としての再教育を徹底する。尚、GW、夏休みまで今回のように不用意な発言、行動において国際問題を引き起こした場合は退学させる。再教育を行っても治らない場合も退学とする』というものだった。

 

 「まぁ、大体予想通りかな。これ以外にも多分オルコットには罰は課せられているだろうな」

 「そうね。あるとするならば織斑君のデータの収集かしら?後は、自国に招けるようにとか?」

 「まぁ、おそらくそうでしょう。でなければ国の名誉を守るために退学させられているでしょう」

 

 虚の言う通りイギリス政府は織斑のデータを取れるし自国に招待することも出来ると踏んでいるのだろうが。

 

 「ま、無理だろうな~」

 「何が?お兄ちゃん」

 「いや、織斑がオルコットに振り向く確率がないなって」

 「確かに織斑君はかなりの鈍感だそうだしね」

 「そう言うことだ」

 

 (織斑の鈍感具合は異常だからな。まぁ、その他にもあいつに好きな奴がいるというのもあるが話さなくていいだろう)

 

 「それともう一つ、どうやってイギリスのしかも女王陛下にこの情報を与えたの?」

 「そんなの、俺の部隊にイギリスの女王陛下と通じているのがいるからそいつを通して伝えたに決まっているだろ」

 

 その言葉に二人は唖然とした表情になっている。まぁ、海外にまで俺の手が伸びていれば驚くかそれが、女王陛下となれば尚更。

 

 「通じている人がいるならその人から聞けばいいんじゃないの?」

 

 楯無がそう言ってきた。

 

 「そうだが、何度も接触すれば勘づくものもいるかもしれないしな。用心に越したことはない」

 「それはこの学園に敵がいるかもしれないと?」

 「さあな。だが、味方ばかりではないだろう?」

 「そうだけど・・・・・・」

 

 楯無は何も言えなくなる。

 

 「そういえば、今日は織斑君のクラス代表就任祝いがあると聞きましたが行かれないのですか?」

 

 虚がふと話題を変えた。

 

 「行かないな。興味がないしガキどもに混ざってはしゃぎたいわけでもないしね」

 「確かにそうね。でも、織斑君もよくあそこまで自分が正しそうに言うわ。それに、女尊男卑の連中も」

 

 クラス代表決定戦で俺に卑怯者だとか言っていた連中はやはり女尊男卑の連中のようで俺の評価を落とすために色々言っているようだがほとんどの生徒には相手にされていないそうだ。

 それだけじゃなく、企業の方にもそのことを伝えたら「就職しようとするバカは流石にいないでしょ?考えるまでもなく不合格通知を次の日には送りかえす」ということらしい。

 織斑とは今日は何も話をしていない。まぁ、俺を睨んでくるから自分が悪いとは思っていないのだろう。

 

「そう言えば話は変わるけど、二組に転校生がやってくるそうよ」

 

 俺が考え込んでいると楯無が唐突に話してきた。

 

 「今の時期に?」

 「中国の代表候補生よ」

 「ということは俺たち目当てか?」

 「ええ、専用機を持っているみたいだからクラス代表は変わってくると思うわ」

 「だろうな。これで、全員専用機持ちによる戦いになるわけか」

 

 (だとしても優勝候補は変わらないだろうな)

 

 コンコン

 

 そんなことを思っているとドアをノックする音が聞こえた。

 

 「誰かしら誰も来る予定はないのだけど?」

 「この気配は千冬だな」

 「虚ちゃん開けてくれる?」

 「分かりました」

 

 ガチャ

 

 「すまんな、急にきて」

 

 虚がドアを開けるとそこには千冬がいた。

 

 「いえ、どうしたんですか?」

 「蒼羅お前もいたか。少しな、問題でもないのだが・・・・・・」

 「「「???」」」

 

 俺たち三人は珍しく言いよどむ千冬の様子からでは何もわからず首を傾げた。

 

 「実は、クラス対抗戦を表向きは抽選ということにするが、今回は教師陣の方で相手を選んで行うことになった」

 「「「はい?」」」

 

 いつもは抽選であるはずのクラス対抗戦をなぜ今年は教師陣が決めるのか疑問に思った。

 

 「理由は?」

 「実はオルコットのあの態度で、お前にあっさり負けたせいで代表候補生そして、専用機持ちの実力を一年の中で疑うものが出てきている。そのため、代表候補生の実力を見せる必要がある」

 「なるほど。でも、それだとオルコットの立場が下がるんじゃないのか?」

 

 オルコットの立場が大変になるだろう間違いなく。

 

 「代表候補生ならそれぐらいバネにできなければオルコットはそこまでということだ」

 「厳しいね。だが、オルコットの身から出た錆。同情の余地はないな」

 

 そう言って、話を一旦区切り次に教師陣が決めるという話に移る。

 

 「それでも、教師陣の方で決める必要はないのでは?織斑君以外は代表候補生ですよ?」

 

 楯無が千冬に聞く。

 

 「ああ、それだが更識妹と朝田の二人が私と二対一で戦ったのは知っていると思うが。その映像を見た教師たちが『この二人が戦うのは絶対に決勝の方がいい!』と言って盛り上がりを重視された。まぁ、無論実力の高い者同士でもあるが四組までしかないんだ抽選ではなくこちらで決めてもわからないから盛り上がり重視でもいいだろう。と教師陣のほとんどの見解だ」

 

 (((いいのか教師陣それで)))

 

 と俺たち三人は同じことを思った。

 

 「後は、簪ちゃんと詩乃ちゃん二人の実力は私も知っているので何も言いませんけど今度転校してくる二組の子は?」

 「転校してくるあいつの戦闘映像を見たがあの程度では勝てん。それに、あいつはあいつでオルコット以上に負けん気は強いから慢心もしているだろう。まぁ、それを踏まえても三組と四組のクラス代表の実力が桁違いに上だ」

 「だろうな。三人に行なった訓練はかなりのレベルにしてあるからな」

 「お兄ちゃん、本当?確かに何度か死にかけたけど」

 

 楯無が聞いてきた。

 

 「マジだな。お前たちのやっていることなんて俺たちが中学生の時には出来たものを行わせているだけだぞ?」

 「嘘!?」

 「私もやったぞ」

 「化け物スペックの二人に私たちを合わせないでください!!!」

 

 俺と千冬の言葉に楯無の叫び声が生徒会室に響いた。

 

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