更識家の人外   作:佐藤 海

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第七話

蒼羅side

 コンコン

 

 俺たちは生徒会室に着きドアをノックした。

 

 「どうぞ~」

 

 楯無の声が聞こえてきた。

 

 「入るぞ」

 

 そう言ってから扉を開ける。

 

 パン!パン!パン!

 

 「「「入学おめでとう!!!」」」

 

 湊、虚、楯無がクラッカーを鳴らして俺たちの入学を祝ってくれた。ケーキやお菓子がたくさん出ていた。これに簪や本音は驚いていた。

 

 「お兄ちゃん何で驚かないのよ~」

 「蒼羅様が、そう簡単に驚きになるわけないじゃないですか!」

 「でも、驚いてほしいじゃない!」

 

 楯無と虚は言い合っていた。

 

 「まぁ、お前らのしそうなことぐらい簡単にわかるよ」

 「クスクス」

 

 湊は楽しそうに笑っていた。

 

 「さて、席に着こうか」

 「うん」

 「は~い」

 

 俺が指示すると本音と簪も従った。

 

 「ほら、虚も楯無様も何時までも言い合っているのではありませんよ?今日の主役は三人なのですから。待たせるのは悪いですよ」

 

 湊が二人を落ち着かせる。

 

 「そ、そうね」「そうですね」

 

 二人も言い争いをやめて席に着く。

 

 「それじゃあ、入学パーティーを始めましょう!」

 

 楯無がそう言いパーティーが始まる。

 先ほどの簪のクラスで起きていたことについて写真付きで話すと楯無がその写真が欲しいと言ってきたので送った。簪は顔を真っ赤にしていた。

 

 「ねぇ、お兄ちゃん、本音聞きたいことがあるけど良い?」

 

 しばらくしてから簪が聞いてきた。

 

 「何だ?」「なに~」

 「いや叫び声が四組まで聞こえてきたんだけど」

 「ああ、あれか実は・・・・・・ということがあった」

 

 何があったかを話すとその内容に全員が呆れていた。

 

 「千冬も大変ですね」

 

 湊も思わず同情していた。

 

 「後もう一つ、一組が放心状態になっていたっていう話だけど」

 

 簪が聞いてきた。

 

 「そう言えば私も聞いたわね」

 「私もです」

 「私は千冬から聞きました」

 

 楯無と虚も気になっていたようだ。湊は千冬から聞いていたと話した。

 

 「それか・・・・・・」

 「あの時の織斑先生、物凄く怖かった」

 

 本音は未だに思い出すと震えるようだ。

 

 「実は・・・・・・ということだ」

 

 俺が話すと

 

 「一組ってバカが多いの?」

 「それは、さすがに織斑先生怒りますよ」

 「うわ~、私たちの時でもそんなことはなかったわよ」

 

 簪は辛辣に呟き、虚は織斑先生に同情し、楯無はかなり引いていた。

 

 「まったく、男がいるからと面白半分で推薦した罰が当たったんだろ」

 

 俺は軽く話す。

 

 「さて、そろそろ寮に行くとするか」

 「そうですか、それでは私も戻ります。こちらの中に粒子変換して入れておりますので」

 

 そう言って、湊が渡してきたのは腕輪だった。

 

 「わかった」

 

 俺がその腕輪を受け取ると湊は帰っていった。

 

 「それじゃあ、お姉ちゃん、虚さん私と本音も行くね」

 「うん、いつでもいらっしゃい!」

 「いつでもどうぞ。お嬢様がサボるので監視に来てくれるとありがたいです」

 「う、虚ちゃん!」

 

 そんな楯無の声を背に俺たちは苦笑し生徒会室を後にして、寮に向かう。

 

 「さてと、ここが俺の部屋だな1030番」

 「私たちの隣の部屋だ」

 「そうなのか」

 

 簪たちは隣の1029番だそうだ。

 

 「お、お兄ちゃん」

 

 簪が何だか恥ずかしそうに聞いてくる。

 

 「久しぶりにお兄ちゃんの手料理が食べたい」

 「私も~食べたいな~」

 

 どうやら簪はそれで恥ずかしがっていたようだ。

 

 「構わないよ。用意しておこう」

 「うん!」

 「は~い」

 

 簪と本音は部屋に入るのを見てから中に入る。

 

 「ふぅ、初日から疲れたな」

 

 中は一人部屋で俺はベッドに倒れ体を預けた。

 

 「お疲れ様です、蒼羅」

 

 誰もいないはずの部屋から女性の声が聞こえてきた。

 

 「来ていたのか、星羅」

 

 俺が名前を呼ぶと音もなく星羅が現れた。

 

 「ええ、湊から話を聞いたので疲れているかと思って」

 「という建前は良いからどうせ見ていたんだろ?」

 「な、何のことでしょうか?」

 

 星羅は目を逸らしそんなことを話すが目を逸らした時点で確定的だろう。

 

 「まぁいい。だが、これから簪と本音が料理を食べたいと言っていたから来るんだよ」

 「そうなの?それじゃあ、今日はダメそうね」

 「そうしてくれ」

 

 星羅は部屋を後にした。

 この後は料理を作り簪たちと一緒に食事をした。

 


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