ハイスクールD×D〜偽りの王~《未完》   作:ソヨカゼ

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はい、そんなわけで投稿してしまいました。

この作品を読んでいただく前に一言………

妄想が爆発すると酷いことになります。以上。

ではどうぞ。


Prologue 少年は力を求む

『この世界という大きな流れの中心は………

 

この世界その物なのだろう』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深夜の河川敷。

 

そこにはボロボロの制服を着た一人の少年がうずくまっていた。

 

少年の名前は桜満 仁(おうま じん)

 

何処にでもいるような平凡な少年、なんてフレーズはいまさら要らないだろう。

 

それは、彼のボロボロの制服が物語っている。

 

「………あぁ、痛ぇ」

 

少年はのそのそと動き出す。

 

今更だが、制服だけでなく体もボロボロだ。

 

「………ったく、あいつらは。マジで死ぬとこだったぞ」

 

少年の周囲には、中身がぶちまけられた鞄、その中には入っていただろう教科書や筆記用具の数々。

 

そして、中身が空っぽの財布だった。

 

「………はぁ。三十二円か。あいつら、札とかは根こそぎ持っていきやがった。こりゃあ金欠で死ぬぞ?……まぁ、銀行のカードを抜き忘れていったことには少なからず感謝だな。理不尽な神様よぉ」

 

少年は周りに散らばっていた荷物を鞄に入れ、ポケットに入っていたカードを取り出す。

 

そう、彼はいわゆるカツアゲに合っていたのだ。

 

この少年はあるラノベの主人公の体質をとってこう呼ばれている。

 

『不幸体質』と。

 

「怠いな。ここからコンビニまでは徒歩三十分。家に帰った方が近いか。朝までは水で凌ぐか」

 

普通ならここで親か友達に頼るだろう。

 

しかし、少年はそうはしない。

 

理由は二つ。

 

一つは、もはや日常茶飯事になっていたためあまり気にしなかった。

 

そして、二つ目は………

 

「店長さんにメールして、明日は来月分の給料貰おう。うん、じゃなきゃマジで飢え死ぬ」

 

彼には、親がいない。

 

重ねて、彼には友達がいない。

 

いや、親しい人は何人かいるが、表面上の浅い関係ばかりだ。

 

いわゆる、ボッチというやつだ。

 

頭に「とびきりの」と着くが。

 

「はぁ、これで何度目だ?そろそろ次のアルバイトでも探すべきか」

 

そして彼は、またのそのそと歩き出す。

 

我が家へと向かって。

 

『こんばんは。元気そうだね(不幸だったね)

 

「……あ?誰だお前?」

 

しかし、そんな彼を呼び止める声。

 

振り替えるとそこには、見知らぬ金髪の美女。

 

『つれないこと言うなよ。ほら、今夜は月が綺麗だ』

 

「だから誰だよあんた。それとも不審者か?警察に通報するぞ?」

 

そう言って少年は懐から携帯電話を取り出す。

 

この携帯も無事だったようだ。

 

『まぁそう早まるなって。それに、僕は君以外には見えないよ』

 

「……なんだと?」

 

『なんなら触ってみるかい?もっとも、今の僕は思念体だから無理だろうけど』

 

美女は両手を広げ、少年を誘う。

 

「………」

 

少年は恐る恐ると手を伸ばし、美女との距離がゼロになると………

 

「っ!?」

 

『ほらね?これで信じてもらえるかな?』

 

なんと、少年の手は女美女の体をすり抜けた。

 

「………幽霊(ゴースト)?」

 

そんな少年の呟きを耳にした美女は、首を左右に振る。

 

『だから、思念体だと言っているだろう?故に、それを言うなら精霊(ゴースト)だよ。まぁ、そんなことはどうでもいいんだ。それより、これで少しは話を聞いてくれるかな?』

 

少年は美女を警戒する。

 

今の現象を目の当たりにした後では、厨二病云々では片付けられないだろう。

 

『そんなに身構えなくてもいい。それじゃあ本題だけど………君、転生してみる気はないかい?』

 

「……は?」

 

美女の思わぬ一言に、少年は思わず固まる。

 

今、美女は「転生」と言ったのだ。

 

「どういう……意味だ?」

 

『そのままの意味さ。重ねて聞くが、君は今の人生に満足しているかい?世界に流され、運命に淘汰されるこの世界に』

 

「………」

 

『無言は是なりってね。そうだろう。君の人生は実に()()()()()

 

「まるで見てきた様な言い方だな」

 

『そうだよ。僕はずっと見てきた。いつも世界の流れに呑まれ、運命の淘汰に溺れていた君を。この世界の()として。』

 

美女の言葉は、あまりにも飛び抜けすぎていた。

 

飛び抜けすぎていたが故に、少年は信じる以外の道が見えなかった。

 

「あぁ、そういえばそうだったな。」

 

『うん?』

 

少年はうつむく。

 

まるで、自分の表情を隠すように。

 

『っ!?……へぇ、そんな顔も出来るんだ』

 

美女が少年の顔に見たものは、今までに無いくらいの獰猛な微笑みだった。

 

まるで、ようやく獲物を見つけた、飢えた獣のように。

 

「『この世界という大きな流れの中心は、この世界その物なのだろう』そういえば、俺の主義はこんなんだったな。いいだろう。お前の戯れ事に付き合ってやる」

 

『……交渉成立だね。それじゃぁ、転生するに当たって特典を一つあげよう。何がいい?』

 

少年は美女の言葉に少し考え、こう口にした。

 

「………王の能力(ヴォイドゲノム)

 

『え?』

 

「だから、ギルティクラウンというアニメに出てくる力………王の能力(ヴォイドゲノム)だよ。ちょうどいいだろう?俺はこの世界の流れに淘汰なんてされない。俺はこれから、このムカつく世界をぶっ壊す王になる」

 

『………ふふふっ………あっははは!!』

 

少年の覚悟とも渇望とも取れる言葉を聞いた美女は、腹を抱えて笑いだす。

 

『いや、はははっ……すまないすまない。……うん。いいんじゃないかな?君を選んで幸いだったよ。これから面白くなりそうだ。まぁ、せいぜい頑張れ。』

 

「はっ、笑ってろ。俺は、俺の選んだ道を進む。そのために戦う!」

 

『そっか。……じゃあな、応援してるよ』

 

美女のその一言と共に少年の体は眩い光を放つ。

 

そして、光が収まった後には、少年の姿は何処にもなかった。

 

『………あぁ。応援してるし期待もしてる。でも、この世界の流れに背くのは土台無理な話だよ。君が「世界」に身をおいている限りはね』

 

その一言を残し、美女も空間に溶けるように消えていく。

 

その場に残ったのは静寂。

 

さて、この少年はこれからとある物語を辿る。

 

しかし、いかなる力を持っていても彼には何もできない。

 

世界がそれを………運命を辿ることを求めているから。

 

これは、世界に淘汰されて生きてきた少年が、運命に抗う物語だ。

 

だからこそ、あえて少年にはこの言葉を送ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……君の選択は、全て()()()だ』

 




美女の見た目はロストクリスマスのプレゼントです。

ギルティクラウンを知っている仁が気付かなかった理由は、単にロストクリスマスを知らなかったからです。

ちなみに、主人公のモデルはスクルージです。
見た目のイメージはまんまです。


~箱庭に吹く風~の投稿の合間に頑張ろうかと思ってますのでよろしくお願いします。

ではでは。
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