なぜか~箱庭に吹く風~が進まないorz
さて、そんな一話ですがどうぞ。
EpisodeⅠ 王の能力
『運命は時として………
残酷な選択肢ばかりを与える』
「いっ……てぇ。ここは、どこだ?」
「あぁ、空はこんなに暗かったか?」
うずくまっていた体制から体を仰向けにすると、そこには
しかし、彼が覚えている空は青色のはずだ。
今が夜だとも考えたが、空には星も月も無いことからそれはないという結論に至った。
「俺は、どうしてここにいるんだ?たしか、不良共にからまれて、それから………」
少年の動きが止まる。
すると、今度は慌てて立ち上がり周囲を見回す。
しかしそこにあるのは、見慣れない空と見慣れない木々だけだ。
そう、まるで森の中心にでもいるかのような、そんな木々の中。
「……そうか、俺はあの変な女に転生させられたのか。しかし、まいったな。空が紫色でよくわからん森の中ときたか。最悪、地球の終わりか地球以外の惑星かもしれねぇな。」
一通りの考察を済ませた後、もう一度周りを見回した。
「荷物がないな。此処がもしも異世界だったならあんまし役にたたないが、最低限の生活費くらいは欲しかったな。………まぁ、ぼったくられたせいであっても無いような物だが………」
仁が身に付けていたのは、相変わらずボロボロの制服ただ一つだった。
それを確認すると、今度はポケットを探り始める。
すると、中からは見知らぬ封筒が出てきた。
とりあえず開くと、中にはあの美女からと思われるメッセージがつづってあった。
「なになに?
『無事に転生できたようでよかったよ。
まずはおめでとう。
そこがどんな世界なのかは言わないでおくよ。
その方が面白そうだからね。
でも、ヒントくらいはあげよう。
そこはとあるラノベの世界だ。
まぁ、決まって何をしてほしいわけでも無いから自由に生きてくれ。
おっと、飢え死にされても困るから封筒の中にその世界の銀行のカードを入れておいた。
贅沢をしなけりゃ一生生きていけるくらいの額は入ってるから安心しな。
それじゃあ、君の人生に幸福があることを切に願って、最後に一つ助言をあげよう。
運命は時として、残酷な選択肢ばかりを与える。
まぁ、君ならこの意味を理解できるだろう?
では、良き人生を。』
『運命は時として、残酷な選択肢ばかりを与える』ね。
はっ、今更すぎて笑えねぇよ。
それにしても、なかなか気が利くじゃないか。とりあえず飢え死にはないってことか………うん?」
仁が封筒を傾けると、中からは銀行の物と思われるカードと紙切れが入っていた。
「『P.S.
言っておくが、今君がいるのは冥界と呼ばれるところだ。
そのカードは人間界にある口座の物だから、何とかして這い上がってくれ。
では、今度こそグッバイ
君の女神より』
………前言撤回だ。つまりしばらくはカードが使えないということだろっ!?何が女神だこの悪魔女め!!」
仁は紙切れ粉々に破き、地団駄を踏んだ。
せめて冥界とやらに作るか人間界に送るかしてもいいだろが、どうやらこの神様はなかなかにひねくれているらしい。
「あー、くそ。これからどうする?力を試すにも、周りに誰かいなきゃ無理だしな………」
仁のもらった特典は
強化ゲノムによって付与される能力でヒトゲノムのイントロンコードを解析し、内に秘めた力をヴォイドの形で取り出せる、神の領域を暴くヴォイドテクノロジーの頂点。
要するに、人の魂を物質化し、形相を獲得した
「………なんだ?」
仁が自身の力についてまとめていると、遠くから何かの爆発音が響いた。
反射的に音が舌であろう方向を見ると、ほんの二百メートル位先に、小さな爆発がいくつも見えた。
「なんだ?いったい何が起きている?」
さらに目を凝らすと、徐々に視界を遮っていた土煙が晴れてゆく。
すると、そこに見えたのは………
黒い着物を着た女が、複数の男に囲まれてタコ殴りにされているところだった。
「あぁ。ったく、どこの世界に行ってもいるもんだな。弱い相手を多数でいじめる奴らってのは」
自分がやられる側だっただけに、仁は感慨深い何かを感じていた。
しかし、だからといって自分に助ける義理はない。
さっきの爆発は気になるが、その程度だ。
あの女があそこでどうなろうと知ったこっちゃないのだから。
それは非人道的だが、同時に自分は勇者ではないと理解しているからこその考えだろう。
「……行くか」
そうして身をひるがえそうとしたとき、仁は見てしまった。
女が、天に向かって手を伸ばすところを………。
それはまるで、
助けを求めるようで……
許しを求めるようで……
復讐を求めるようで……
その痛々しくも真っ直ぐ伸ばされた手に、仁は自身と同類の雰囲気を感じた。
「………まぁ、練習にもなるだろうしな」
再び振り返った仁は、その場で姿勢を低くする。
まるで、荒野を走り抜ける獣のように。
「………行くぞ」
勢いよく解放されたその筋肉は、一瞬にして二百メートルの距離を詰める。
その姿は到底人間には見えず………まるで、エサに食らいつく肉食獣のようだった。
side《???》
(失敗した!)
黒い着物の女は内心でそう愚痴る。
彼女はある目的のため、主を殺した。
そして、そのために彼女は追われる身となった。
(なんで……こんな事に)
しかし、そんな生活も長くは続かない。
追手に捕まってしまったのだ。
(なんで、幸せに暮らせなかったのかな)
彼女は泣く。
なぜ、幸せになれなかったのかと。
なぜ、自分たちは運命に見放されたのかと。
『運命は時として、残酷な選択肢ばかりを与える』
まさにその通りだと、女は嘆く。
(両親は死んで、信じていた人にも裏切られて………最後の家族さえ守れなかった。もう、何も信じられないや)
女は無意識のうちに、天へと向かって手を伸ばす。
それはまるで、
助けを求めるようで……
許しを求めるようで……
復讐を求めるようで……
自分にもわからないような感情の奔流に呑まれる中、女はふと視線を横に向ける。
なぜそうしたのかは、やはり自分でも理解できない。
でも、女は見た。
こちらに凄まじい速度で接近する一匹の
「………え?」
刹那、女を囲んでいたうちの一人がその姿を消す。
否、獣に巻き込まれたのだ。
女が急いでそちらの方を向くと、そこには………
追手の一人から、
戦闘は次回からかな?
ちなみに文字数はいつもの半分くらいで進めようと思ってます。
短いと感じるかたもいると思いますが、すみません。
活動報告にてアンケート募集中です。
どうかよろしくお願いします!
では、また次回。