ハイスクールD×D〜偽りの王~《未完》   作:ソヨカゼ

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誰もアンケートに協力してくれなかったorz
期間は特に決めてないので、気まぐれ程度に手伝ってもらえれば嬉しいです。

それとは別件なのですが、ロストクリスマスをプレイした人にちょっとしたお願いです。
ロストクリスマスに出てきたヴォイドの形と能力を教えて下さい!
ネタバレ等は全力でOKなので、教えてくれる人は活動報告かメッセージでお願いします。

ではどうぞ。


EpisodeⅡ 黒猫と偽りの王

『淘汰されたくなければ………

 

戦え!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………行くぞ」

 

不思議と、この二百メートルを一瞬で駆け抜けることに不安はなかった。

 

まるで、体は知っているかのように自然と構え、そして………

 

「っ!?」

 

気付けば目標の男は目の前に。

 

(なんだ!?俺が………いや、人の身でここまでの速度が出せるものなのか!?)

 

だが、どうやら異常なのは速度だけではないようだ。

 

反射なのか、男の手がこちらに向かって挙がる。

 

しかし、その動きがたまらなく()()

 

どうやら、身体能力だけでなく五感も異常に上がっているようだ。

 

そう、異常なのだ。

 

こんなことはあり得ない。

 

仁の身体能力は、常人よりやや高い程度のはずなのだ。

 

その証明として、何度もかつあげに会っては金をむしられている。

 

(これも特典なのか?いや、俺が選んだのは王の能力(ヴォイドゲノム)だけだったはずだ。……まぁ、今はそんなことはどうでもいいか)

 

あらためて男に意識を向けた仁は、自身の右腕を相手の胸元に持っていく。

 

すると、新たな変化が起きる。

 

右腕には謎の紋章が、胸元には光が迸る穴のようなものが、それぞれ発生する。

 

そう、これこそが仁の望んだ力。

 

"王の能力"なのだ。

 

ヒトゲノムのイントロンコードを解析し、内に秘めた力をヴォイドの形で取り出せる、神の領域を暴くヴォイドテクノロジーの頂点。

 

(そう、そんなことはどうでもいい。ただ今は、ありがたく使わせてもらうぜ?王の能力も、この力も、そして………)

 

仁は右腕をそのまま光の穴へと差し込む。

 

「お前のヴォイドも!!」

 

すると、そこから出てきたのは"形相を獲得したイデア(理想)"、すなわちこの男のヴォイドだ。

 

「はっ!これがテメェのヴォイドか!なるほど、小物らしいな!」

 

男の中から出てきたヴォイドは、花瓶だった。

 

恐らく、何の能力も持たないだろう。

 

「なっなんだそれは!?それに貴様、このクソ猫の仲間か!!」

 

下敷きにした男が喚き出すが、仁にとっては知ったことではない。

 

「うるせぇよ。この女が何者で、お前が何で追っているのかは知らねぇし知りたくもない。ただ……お前の(ヴォイド)はたまらなく無価値だ」

 

それは死刑宣告にも等しかった。

 

仁はその言葉を放つと同時に、右手に持った花瓶を()()()()()

 

それが何を意味するのかを知っているのは、この場にただ一人。

 

それを行った張本人、桜満仁ただ一人だ。

 

「何を………ガッ!ああアああァァぁぁ!!」

 

刹那、男の体は金属のような何かに変わっていく。

 

その様はまるで、謎の病に侵食されていくかのように。

 

そして、金属が男の全てを覆ったとき……男だったものは軽快な音と共に砕け散る。

 

ヴォイドの破壊が意味することはただ一つ。

 

その所有者の"死"だ。

 

ヴォイドと心、魂の形なのだ。

 

他に代わりの無い、たった一つの存在。

 

所有者自身。

 

故に、ヴォイドの破壊は所有者の死を意味する。

 

(ヴォイドが出せたな)

 

原作ではヴォイドは十七歳以下の人間からしか取り出せないとなっているが、目の前の男は少なくとも三十歳はいっている。

 

つまり、この世界では年齢の制限が無いのだろう。

 

仁があの自称女神にちょっとだけ感謝した瞬間だった。

 

「おっお前!何をした!!」

 

男の仲間の一人がフリーズから回復し、魔方陣と思われる何かを発動しながら此方に問う。

 

仁は男だったであろう金属、通称AP(アポカリプス)結晶の欠片を拾い、ゆらりと立ち上がる。

 

「お前に答える義理はないだろ?」

 

「くっ!?なら死ね!!」

 

音と仲間は、魔方陣を媒介にし、割りと大きめの魔力弾を放つ。

 

しかし仁から見れば、やはりたまらなく遅いのだ。

 

仁はそれを軽々と避け、手に持ったAP結晶を男の仲間に投げつける。

 

「がぁっ!?いっ、痛いっ!痛い痛いっ!あっ……アアァァァ!!」

 

それは見事に相手の左目を貫き、戦闘不能にさせる。

 

「ばっ、化け物だ!?」

 

その場にいた最後の一人は、奇声を挙げながら腰に下げていた剣を振るう。

 

しかし、その剣筋は恐怖のせいか定まっていなかった。

 

「うるさい、黙れよ」

 

「うがぁっ!?」

 

しかし、そんなものを受けるほど仁は優しくない。

 

蹴りの一つでその男を吹き飛ばす。

 

「おい、お前!」

 

「ひっ!?」

 

男が木にぶち当たったのを確認した仁は、上半身を起こしてこちらを見ていた女に声をかける。

 

今までの事を見ていた女は、案の定仁の事を怖がっていた。

 

しかし、今そこは重要ではない。

 

「お前は満足か?」

 

「………え?」

 

「こんな残酷な運命ばかりを与える世界に満足か?」

 

「…………」

 

「そんな世界に淘汰されて、お前は満足なのか?」

 

仁の言葉に、女は黙り込む。

 

どうやらやはり、この女は仁と同類なのだろう。

 

この世界という大きな流れに背こうとする愚か者という同類なのだ。

 

「………私は……私は、嫌だ」

 

女は、何とかその言葉を絞り出す。

 

「私は、淘汰なんてされたくない!」

 

言葉は、より力強い物へと変わった。

 

「そうか。なら……戦え。淘汰されたくなければ、戦え!」

 

「!?」

 

女は驚愕する。

 

ただ世界に絶望していた女には考え付かなかったことなのだろう。

 

「くそっ、くそっ!この化け物め!死にさらせ!!」

 

木にぶち当たった男が意識を取り戻したのか、こちらに向かって巨大な魔力弾を飛ばしてきた。

 

それこそ、二人とも飲み込めるような巨大なものを。

 

「ちっ!まだ意識があったのか!」

 

「こっ、このままじゃ!」

 

「クソッ!おい、女!文句は後でいくらでも聞いてやる!だから今は………」

 

そう言って仁は、王の能力が宿る右腕を女に突き出す。

 

「え?えぇ!?」

 

すると王の能力が発動し、女の胸の辺りに光の穴ができる。

 

「奪うぞ………お前の魂!」

 

「あっ………んっ!」

 

右腕を光の穴に近づけると、そこから銀色の光が発生し右手を包み込み、AP結晶へと変えていく。

 

その手を天に掲げると結晶は徐々に砕け、女のヴォイドはその姿を現す。

 

その形は………

 

「《刀》だと?」

 

そう、女から出てきたヴォイドは、シンプルで綺麗な刀だった。

 

「何………これ?」

 

女からは戸惑いの声。

 

どうやら、桜満集と違って最初から対象の意識を保ったままヴォイドを出せるようだ。

 

いや、今はそれどころではない。

 

今もっとも重要なのは、目の前に迫る魔力弾だ。

 

「鬼が出るか蛇が出るか……ってか」

 

仁は、《刀》のヴォイドを魔力弾へと向かって降り下ろした。

 




もう気づいた人はいると思いますが、女の正体は次回まで引っ張らせていただきます。
ヴォイドの情報も次回に記載させてもらいます。

そろそろ箱庭に吹く風書かなきゃなーとか思う今日この頃。
今週はあとこっち投稿しないかも知れませんので悪しからず。

ではまた次回!



-追記-
大変勝手ながら、女のヴォイドを鎖から刀に変えました。
いきなりすみませんが、よろしくお願いします。

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