今週はあと箱庭に吹く風に専念するつもりだったのになー。
はい、なぜかこっちを書いていました。
まぁ、よく考えたら日曜日は次の週でしたね。
というわけで投稿します。
活動報告でアンケートやってます。
協力お願いします。
『失う苦しみを知って、守れない悔しさを知って………
それでも世界に立ち向かう覚悟を、お前は示した』
「鬼が出るか蛇が出るか……ってか」
仁は、《刀》のヴォイドを魔力弾へと向かって降り下ろした。
直後、魔力弾が爆発を起こす。
「はっ……ははっ!ざまぁ見ろ化け物!これで………」
「これで……なんだ?」
「ヒィッ!?」
男が歓喜の声を上げていると、背後に女を抱えた仁の姿があった。
右手には、《刀》のヴォイドがしっかりと握られている。
どうやら、傷一つないようだ。
「なっ、なんで!吹き飛んだはずじゃっ……くそっ!!」
男は、さっきとは違い小さな魔力弾をマシンガンのように乱射する。
「無駄だ」
しかし、仁は《刀》のヴォイドを前に突きだし、魔方陣のようなもので全て防ぎきる。
「なにっ!?」
「終わりか?なら今度は…………こちらの番だ」
仁は、右手に握りしめた《刀》のヴォイドを振るう。
「はっ……はは!そんなところで素振りしたって、当たるわけが……え?」
刹那、男の左腕がポトリと落ちる。
そこに痛みは無く、血の一滴も垂れていない。
そして、落ちた腕の断面は……なぜかキャンサー化していた。
「あっ………あああアアぁぁァァぁ!?」
男は狂ったかのように叫びだす。
今、彼を支配している感情は間違いなく恐怖だろう。
「……ほう、なるほど。さしずめ、斬ったものを
巨大な魔力弾から逃れたのも、男の腕を切断したのも同じ能力によるものだ。
仁はあのとき、この刀で魔力弾を斬ることで爆発する時間を
さっきのも空間を斬ることで距離を
「これは……いったい」
仁に抱えられていた女は、ここでようやく口を開く。
あまりの出来事に頭が着いてきてないようだが。
「それは、なんなの?私の中から出てきたように見えたけど………」
「まぁ、その通りだな。これは"ヴォイド"。形相を獲得したイデア。すなわち………お前の"心"だ」
「私の………心?」
そう、
まさしく、他者を力で支配する王の所業。
「あ………ああっ!!」
「これで、この戦いは終わりだ」
未だ悲鳴をあげ続ける男に、仁は再度《刀》のヴォイドを振るう。
ずらしたその斬撃は、寸分の狂いもなく男の首を落とした。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
side《女神》
ふむ、どうやら彼は僕からのプレゼントを喜んで受け取ってくれたようだね。
彼に与えた特典は、紛れもなく"王の能力"だ。
ただし、"誰の"とは言わなかったからね。
こっそりスクルージのにしておいたよ。
まぁ、触れただけで相手をキャンサー化させるなんて能力は消してあるけど。
だって、そんなのがあったらつまらないじゃん?
案の定、すでに面白いことになってるけど。
何がって、そりゃあねぇ。
ふはっ!
なんなんだよ彼のヴォイドは!
まるで規格外じゃないか!
あぁ、楽しみだなぁ………彼が自分のヴォイドを知ったとき、どんな反応をするのかが。
さぁ、桜満仁君。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「大丈夫か?」
「え、えぇ。……その、ありがとう」
「は?……なぜ礼を言う?」
「だっ、だって……あなたが来なかったら、私はたぶん死んでたから」
女は、申し訳なさそうにうつむく。
仁は今、女の怪我の手当てをしていた。
手当てといっても、服やハンカチを破いて包帯の代わりにしている程度だが。
「ヴォイド……だっけ?あれが私の心なのかな」
恐らく女は、自分の中から武器が出てきたことに対して言っているのだろう。
仁が知る限りでも純粋な武器として出たヴォイドは、原作で桜満真名のために造られたイヴの器である楪いのりしかいないだろう。
「本当に私は……失ってばかりだ」
「………」
「両親は死んで、信じていた人にも裏切られて………最後の家族さえ守れなかった。きっと、私の心はもう……」
「それは違う」
「え?」
女は顔をあげる。
そして、女が見たものは……今まで戦っていたとは思えないほど、穏やかで優しい顔をした仁だった。
「お前はあのとき、俺に言ったはずだ。『淘汰なんてされたくない』と。お前は、逃げていた自分を切り離したんだ。例え無駄だったとしても、戦う覚悟をした。だからこそ、お前のヴォイドは美しかった。………それに、失えるものがあるだけいいだろ。俺には、何もなかった」
「ぁ………」
「だから、お前は俺なんかよりよっぽど強いんだよ。失う苦しみを知って、守れない悔しさを知って……それでも世界に立ち向かう覚悟を、お前は示した。………っと、これで終わりだな」
仁は女の足に布を巻き終わるとその横に座る。
「………黒歌」
「は?」
「だから、私の名前。黒歌って言うの。猫又で転生悪魔だにゃん。あなたは?」
そういうと女改め黒歌は頭の上に猫耳を出し、ピコピコさせる。
「猫又?それに……転生悪魔か。(となると、この世界は………)」
仁が読んだラノベのなかに、転生悪魔という言葉が出てきた物は一つしかない。
そう、「ハイスクールD×D」だ。
(確か一巻までしか読んでなかったな。まぁ、元々原作知識に頼る気はなかったからいいが)
「ねえ、聞いてる?あなたの名前は?」
「あっ、あぁ。桜満仁。一応人間だ」
すると、黒歌は微笑む。
「桜満仁ね。これから行くあてはあるの?」
「あぁ。とりあえず人間界に出ようと思ってる」
「人間界ね。わかった、じゃあさっそく転移しよう!」
黒歌はそういうと、勢いよく立ち上がる。
それなりに酷い怪我のはずなのだが、本人はまるでそんな素振りを見せない。
「おい、なんでお前もついてくることになってるんだ?」
「じゃあ聞くけど、どうやって行くの?」
「うっ………それは……」
核心的な黒歌の言葉に、仁は言葉を詰まらせる。
「それに、私も追われる身だからね。あなたみたいな強い人と一緒の方が都合が良いのよ」
「………ったく、本当に都合がいいな」
そういいながらも、仁は立ち上がり黒歌の横に並ぶ。
「じゃあ、いくよ?」
「あぁ、頼んだ」
そういって、黒歌は転移用の魔方陣を発動させる。
これが、黒猫と偽りの王の出会い。
物語の出発点。
仁の物語が始まった瞬間だった。
ーーーーーDETA ーーーーー
《刀》のヴォイド
単純で、だからこその美しさを持った刀の形をしたヴォイド。
斬ったものをずらす能力を持ち、距離や時間といった概念にも適応するらしい。
これは、今までの逃げてばかり自分を切り捨て、完全に決別したいという黒歌の心を表している。
頑丈で使い勝手が良いため、仁がよく使うヴォイド。
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原作までにもう一つ話を挟みます。
三話以内に収まればいいなと思ってます。
早く原作に介入したいですね。
それにしても、なぜかこちらに手が回ってしまうorz
はやく箱庭に吹く風の後日談やらを書きたいのにっ!