ハイスクールD×D〜偽りの王~《未完》   作:ソヨカゼ

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テストなんてクソ食らえ!
そんな勢いで書きました。

えー、今回の話は物凄い自己解釈があります。
タグにもあるので、時間軸等に関する苦情は一切受け付けませんので悪しからず。

ではどうぞ!



EpisodeⅣ もう一つの出会い

『せめて自分を信じろ。他でもない………

 

お前自身を』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……寒いな」

 

「それ、言わない約束だよね?」

 

黒歌と仁は、あの後無事に人間界に出られた。

 

しかし、大きな問題が一つあった。

 

「………ねぇ、仁」

 

「あ?」

 

「……寒いね」

 

「………あぁ」

 

そう、二人が出た場所は………何処とも知れない雪山のような場所だったのだ。

 

すぐにもう一度転移しようとしたのだが、頼みの綱である黒歌が体力的に限界であるため、とりあえず仁が黒歌を背負って徒歩で移動する事となった。

 

かれこれ三時間は歩き続けている。

 

それでもそんな無駄口を叩けるのは、二人が普通の人間では無いからだろう。

 

そんなわけで二人は今、絶賛遭難中なのだった。

 

唯一の救いは、雪が吹雪いていないことだろう。

 

「ねぇ、仁」

 

「なんだ?」

 

仁がそろそろカマクラでも作って籠城しようかと本気で考え出したとき、黒歌が話をふってきた。

 

「今更なんだけどさ………仁って、本当に人間?」

 

「はぁ、本当に今更だな。種族的には人間だよ………たぶん」

 

仁なとってもこの圧倒的な身体能力は予想外の事態であるため、自分でも人間かどうか判断に困っていた。

 

「そう……なんだ」

 

「怖くないのか?」

 

「……正直、怖いかな?それに、助けてもらって失礼だとは思うけど、私はまだあなたを信じられない。怖いんだ、また裏切られるのが………」

 

「黒歌………」

 

この三時間の間に、二人はお互いの身の上話をしていた。

 

まぁ、三時間も無言だったら逆に怖いだろうが。

 

そんなわけで、お互いの事情はある程度把握している。

 

もっとも、"転生"については一切触れなかったが。

 

どうやら彼女は、両親を亡くし途方に暮れていたときにとある上級悪魔に拾われたらしい。

 

いや、拾われたと言ってもいいのだろうか?

 

彼女のたった一人の肉親である妹の保護を条件に、眷族になることを勧めたらしい。

 

衣食住が確保でき、妹の安全も保証されるのだ。

 

彼女たちにとっては破格の条件だっただろう。

 

しかし、それが二人の不幸の始まりだった。

 

悪魔になったことで、黒歌の才能は開花し出した。

 

仙人だけが修得できるという仙術を使えるようにまでなったらしい。

 

しかし、それがいけなかった。

 

それを見た黒歌の主たる上級悪魔が、彼女の才能を恐れだした。

 

あげく、妹に当たり出したのだ。

 

何を言っても聞かず、仕打ちは悪化するばかり。

 

それを見て命の危険を感じた黒歌は、妹を救うために主を殺した。

 

はぐれ悪魔として追われる身となり、そしてあの森での出来事へと至ったらしい。

 

信じていた主に裏切られ、唯一の肉親である妹を助けられなかった彼女が人間不信になっても仕方ないのだろう。

 

「ごめん……本当に、ごめん」

 

「………いいさ別に」

 

これから一緒に行動すると決まったわけでもないのだ。

 

安全な場所に出たら、それぞれ別の道に進むことだってある。

 

「だからさ、黒歌。せめて自分を信じろ。他でもない、お前自身を」

 

「私………自身」

 

「あぁ、まずそこから始めてみろ」

 

「………うん」

 

黒歌の返事に、仁は満足そうに微笑む。

 

すると、仁は視界にあるものを捉えた。

 

「うん?あれは………」

 

それは、十字架を屋根の天辺にのせた小さな建物。

 

いわゆる教会のようなものだ。

 

「仁?……あれは、教会!?」

 

どうやら黒歌にも見えたらしい。

 

しかし、心なしか体が小刻みに震えているようだ。

 

「あぁ、そういえばあぁいうのは悪魔にとって毒にも等しいんだったか」

 

「………うん。近くにいるだけで寒気がするほどに」

 

本来なら今すぐにでも跳んでいって中に入れてもらいたいところだが、黒歌の事を考えたらまず無理だろう。

 

「まぁ、仕方ないな」

 

「……ごめんね。足引っ張ってばかりで」

 

シュンとする黒歌に、仁は声をかけかねていた。

 

「……………」

 

「……………」

 

気まずい沈黙が続く。

 

だが、それは意外な横槍によって終わりを告げる。

 

「っ!誰だっ!!」

 

「え?」

 

仁が、教会の方に誰かがいることに気づいたのだ。

 

今の仁は、肉体だけでなく五感においても常人を越えている。

 

目だけでなく、わずかな音や臭いを感じ取り、気配を知る。

 

敵の殺気を読んで避けるなんてアニメみたいな真似だってできる。

 

故に、例え見えなくても誰かがいることがわかるのだ。

 

「じ、仁!あそこに誰か倒れてるよ!」

 

仁もそれを見つけたのか、まっすぐにそこへ向かう。

 

「……こいつは」

 

そこに倒れているのは、金髪の少年だった。

 

見たところ、仁よりも年下のようだ。

 

しかし、彼が驚いたのはそこじゃない。

 

「木場………祐斗?」

 

仁が知ってる数少ない原作知識。

 

主人公の仲間であるはずの一人、グレモリー眷族の騎士の名前。

 

そう、その少年の顔が少し幼さを除けば、挿し絵で見た木場祐斗そのものだったのだ。

 

「仁!退いて、治療するよ!」

 

仁の呟きが聞こえなかったのか、黒歌は少年を治療しようとする。

 

仙術というものだろうか。

 

不思議な光が少年を包む。

 

「まったく………どうなっているんだ?」

 

仁は混乱するばかりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

side《少年》

 

世界は腐っている。

 

そう思えて仕方なかった。

 

『聖剣計画』

 

僕と同志たちは、そのために集められた。

 

そして、"失敗作"だと言われて処分されることになった。

 

部屋に毒ガスが流され、一人、また一人と苦しみながら死んでいった。

 

なぜ?

 

なぜ……僕たちは死ななければならない?

 

何か悪いことをしただろうか?

 

否、僕たちは尽くしてきた。

 

わからない、わかりたくもない。

 

なぜ……たくさんの同志の中から僕だけが生き残った?

 

なぜ……僕だったんだ?

 

そう思っていたら、ついに足が動かなくなった。

 

皆に逃がされて、ここまで逃げてきたけどもうダメそうだ。

 

僕もガスを吸いすぎた。

 

気が遠くなる中、僕はこっちに向かってくる人影を二つ見た気がした。

 

誰だろう?

 

教会の追っ手だろうか。

 

僕はこのまま死ぬのか?

 

自分の生きた理由もわからないまま、死ぬ理由さえ理解できないまま死ぬのか?

 

そんなのは………たまらなく嫌だ。

 




まさの木場くん登場です。
戦闘は次回ですね。

木場くんのヴォイドが明らかに!

それと余談なのですが、ただいまクリスマス企画を考案してます。
もしかしたら仁と黒歌が箱庭に行くかも。

ではまた次回!

あ、活動報告でアンケートやってます。
気が向いたらご協力お願いします。
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