そんな勢いでかきました。
ちょっと木場くんのヴォイドやり過ぎました、はい。
なんてこったorz
『生きろ、お前のために死んだやつらの分まで………
それが、お前のできる唯一の罪滅ぼしだ』
「うっ!?……あぁっ!!」
仁は木場の胸元へと手を伸ばし、ヴォイドを取り上げる。
「生きろ、お前のために死んでいったやつらの分まで。それが、お前のできる唯一の罪滅ぼしだ」
仁は右腕を天に掲げる。
そこに握られていたのは、グチャグチャとした長い棒のような物………いや、辛うじて形を保っている《剣》だった。
『なっ………何だそれは!?』
男の一人が悲鳴をあげる。
人間が自分の知らないものに出会うと、最初に抱く感情は間違いなく"恐怖"だ。
未知の病原体や未確認生物が良い例だろう。
そして、この世界の人々にとってはヴォイドもその一つだ。
故にヴォイドに恐怖を抱くのは仕方が無いことなのだろう。
しかし、この男が恐怖しているのは、ヴォイドという存在ではない。
その"形"だ。
まるでそれは、"誰か"を縛り付けた十字架をグチャグチャにし、そのまま剣にしたようなものだった。
「剣………なのか?」
「……それはきっと聖剣だよ。目の前にあるだけで寒気がするこの感覚は、間違いなく聖剣のそれだにゃん」
仁の疑問に答えたのは黒歌だった。
しかし、その体は教会を見たときと同じように、いやそれ以上に震えていた。
きっと彼女の悪魔としての部分が反射的に拒絶反応を起こしているのだろう。
それは自分にとって天敵だと。
「これが聖剣?だとするなら、この柄の部分に縛られているのはイエス・キリストか?ったく、とんでもないのが出てきたな」
さしずめ、神をも憎むといった心の表れ、イエスを縛り付けた十字架をさらに壊したということなのだろう。
仁にとってもこれは予想外だった。
たった一つの出来事がこうも心を染め上げるのだ。
案外、トラウマというのはバカにできない。
『みっ、見かけ倒しだ!撃て!撃ち殺せーーーッ!!』
「見かけ倒し、ね。それはどうだろうな?」
男の罵倒で全員が銃を構えるよりも先に仁が動いた。
右手に持っていた《聖剣》のヴォイドを逆手に持ち、地面へと突き立てる。
「奏でろ………死に逝く者達の
仁のその言葉に、イエスを模した装飾が涙を溢し始める。
『何……だ?っ!?がああアああァぁぁァぁーーーーーッッ!?』
男たちが戸惑う中、突然何かの悲鳴が聞こえる。
いや、悲鳴というにはあまりにも静かで、あまりにも低すぎる声だった。
それも一つや二つではない。
《タスケテ》
《イヤダ》
《シニタクナイヨ》
《ナンデ》
《シナナキャイケナイノ》
《ナニモワルイコト》
《シテナイノニ》
《ナンデ》
《ナンデ》
《ナンデ》
《ナンデ》
《ナンデ》
《《《《《オマエタチハイキテルノ》》》》》
『あっ、アああァぁぁァぁ!?』
まるで地獄の底から呪ってやると言わんばかりの呪詛。
恐らく、木場が最後に聞いた同志達の言葉なのだろう。
それが、木場の心に何よりも深く刻み込まれていたのだ。
「っ!?何……この声!」
「くっ!?う"う"ぅ!?」
「おっと、悪い忘れてた」
背後から聞こえる二人の悲鳴に気づいた仁は、すぐさま左手に持った《刀》のヴォイドを振ることで空間をずらして音を遮断した。
「はぁ、はぁ………あれは、いったい?」
「ヴォイドだよ。平たく言えばあれは木場祐斗、お前の心の形だ」
「あれが……僕の心?」
「そんな……あれじゃあまるで」
地獄じゃない。
黒歌はそう言おうとして口を閉じた。
実際、木場が目にしたのは地獄と何ら変わらないのだ。
黒歌もそれを理解しているからこそ、言うのを止めた。
「お前たちは此処にいろ。この空間でならヴォイドの影響を受けないはずだ」
「……仁は?」
「あいつ等を始末してくる。……木場祐斗、よく見ておけ。これからお前のやろうとしていたことをする。それを見て、お前が本当はどうしなければならないのかを考えろ」
そう言い残し、仁は刀を右手に持ち変えると男達の方へと向かう。
『あ……あぁ………』
『もう……止めて……』
男達もそろそろ限界のようだ。
耳を塞いでいたり発狂していたりと形は様々だが、全員が戦意喪失している。
《モウイヤダ》
《クルシイ》
《シニタイヨ》
《コロシテ》
「……今、終わらせてやる」
一振り、また一振りと男達の命を確実に刈り取る仁。
その姿はまるで、男達を哀れむ死神のようだった。
「あれが、僕のしようとした事?」
「……そうだよ。あれが、"人を殺す"という事だよ。君に、あれが出来るの?」
木場は、静かに首を振る。
「……わかった気がします。あの人がなぜ、生きることが唯一の罪滅ぼしだと言ったのかが………」
「……終わったぞ」
全ての男達を殺し終えた仁は、《聖剣》のヴォイドを引き抜き、木場の中へと戻す。
「……仁」
「わかったか?復讐なんて下らないことは止めろ。お前の同志達だってそんなことは望んじゃいない。最後まで生き抜いて、その過程で墓でも作ってやれば満足だろう」
「………」
仁の言葉に、無言になる木場。
彼が今何を思い描いているのかは、彼自身にしかわからない。
仁はただ、自分が言いたかったことが伝わったと信じるばかりだ。
「同志か。俺にはないものだな」
仁は愛しそうに、羨ましそうにそう呟いた。
しかし、その呟きに帰ってきたのは何とも皮肉な返答だった。
「……それでも僕は、許すことができません」
「………そうか。なら、ここでお別れだ。行くぞ、黒歌」
木場の答えに、仁は悲しそうな視線を送る。
しかし、それ以上の説得は無意味と思ったのだろう。
「ちょっ仁!?」
仁は黒歌を肩に担ぎ上げ、木場に背を向ける。
「ねぇ仁ってば!!この子どうするのよ!?」
しかし、黒歌は素直には従わず暴れだす。
「暴れるなよ。ったく、もうすぐ此処に誰か来る。そいつに頼めば保護してもらえるだろ」
「何を根拠に………ってこれ、悪魔の気配?」
仙術でようやく接近する者に気がついた黒歌は大人しくなる。
「いいか、木場祐斗。お前がどう生きようが勝手だが、もし本気でその目標を……復讐を果たしないならまずは生き延びることだ。たとえ悪魔と契約したとしても」
「……また、あなた達に会えますか?」
「……さぁな。だが、お前が本当の意味で世界に抗うと決めたのなら、道くらいは示してやる」
その一言を区切りに、仁は《刀》のヴォイドを振るい距離をずらした。
ひとまず、日本を目指して。
「………世界に抗う……か」
二人のいなくなった後に、木場はそう呟き、静かに目を閉じる。
脳裏に浮かんだのは、先程も聞いた同志達の静かな悲鳴。
「きっと、皆生きたかったんだ」
どのくらいそうしていただろうか。
不意に、馬のような足音が聞こえてくる。
『あなた、そこで何をしているの?』
目を開けた木場の前に映ったのは、血よりもなお赤い、美しいまでの紅。
「……あなたは?」
『私はリアス。リアス・グレモリーよ。ねぇあなた、どうせ燃え尽きる命なら、私のために燃やしてみない?』
こうして一人の騎士は、自らの王と出会った。
生きるために、復讐するために彼は剣を手にしたのだ。
《おまけ》
「ねぇ、仁」
「なんだ黒歌」
「最初からヴォイド使ってたら何時間も歩かなくて良かったんじゃない?」
「……………………日本はあっちか?」
「えっちょ、仁!?キャァァァァァァ!!」
ーーーーーDETAーーーーー
名前 桜満仁(おうま・じん)
年齢 原作開始時点で23歳
見た目 短い茶髪と赤茶色の瞳をした純日本人。
見た目はロストクリスマスのスクルージ。
特典 自称女神から貰った力は王の能力。
本人は集や涯のようなものを予想したが、誰のか指定しなかったため自称女神の気まぐれでスクルージの物となった。
これまた自称女神の気まぐれで完全な能力として手に入れているため、触ってもキャンサー化することはない。
異常な身体能力と五感を併せ持つ人外。
ヴォイド 自称女神曰く規格外のヴォイド。全容は不明。
備考 産まれてすぐに親に捨てられた孤児で、中学卒業まで孤児院で暮らしていた。
旧姓は『相羽』で、名前は院長に貰ったもの。
どんな人にも『仁』を持って接してほしいという意味が込められていた。
しかし、仁は孤児院でも他の子供と仲良くしようとせず完全に浮いていた。
高校入学と共に孤児院を抜け、姓を『桜満』に改めた。
理由は唯一はまっていた『ギルティクラウン』というアニメの主人公から。
高校でも人付き合いの悪さは変わらず、悪化するばかり。
最終的にはどこぞの不幸少年よろしく不良に絡まれまくっていた。
自称女神の薦めで転生することになった。
黒歌の家族に対する愛や木場の同志を思う心など『自分にないもの』に興味を示し、逆に自分に似ているもの、世界に抗おうもするものに手助けする。
また、自分に関係ないものはどうなろうと構わないと思っていて、最初は黒歌も見捨てようとしていた。
人と話せないわけではないので会話は普通になりたつ。
好物 特になし
《聖剣》のヴォイド
木場の聖剣やそれに準ずるものに対する恨みが表れたヴォイド。
イエス・キリストを縛り付けた十字架をグチャグチャにしてそのまま剣にしたような見た目。
能力はキリスト像から呪詛を吐き、聞いたものの精神を掻き乱すというもの。
酷いものだと精神が崩壊する。
これは、木場が逃げるときに聞いた同志達の悲鳴が強く心に刻まれていたため発生した能力。
聖剣としても使えるので悪魔にたいしての効果は抜群。
あえて言います。
木場のヴォイドは変わる予定あり。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
本当にやってしまったorz
もしかしたら原作に入る前にもうひとつ話を入れるかもしれません。
いや、本当に申し訳ありません。
では、また次回!