幼女戦記フォースとともにあらんことを   作:丸亀導師

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第9話 戦の折り返し

【奉天】

 

場所は奉天史実であればここで日本軍とロシア軍の決戦の舞台であるが、この世界では違う。

別に日本にとって総力戦でもなければ、片手間の戦いである。

そう万が一負けることがあれば、敵の全都市を十分程で灰に帰することも可能なのだ。

何故それをしないかは、ただ戦争が嫌いな国家であるゆえにである。

さて、ここ奉天にヴァシリエ軍は、満州侵攻部隊だけでなく欧州方面からも戦力を抽出し、ここ奉天で雌雄を決する構えである。

もしも負ければナポレオン戦争以来の大後退戦をしなければならなくなる。それほどに追い込まれていた。

 

この時点でおおよそ1年の時が流れていた。

 

【日本軍指令部】

 

ここの指令部には全司令官、並びにジェダイたちが終結していた。会議の結果、戦端を開く時刻は1月8日の日の出とともに全戦力を持って敵を包囲殲滅する。

ハンニバル以来の大包囲作戦を実行する。要は秋山好古率いる騎兵師団(ここで言う騎兵はswのガンシップを中心にスピーダーバイクを使用し広範囲の敵を包囲担当の特殊部隊。)

 

【ヴァシリエ軍】

 

奉天を決戦の舞台にするため前線の全線防御陣は、非常に強固なものとなり()()()()()()()()()()()()()地帯となっていた。

しかし、彼等は第一次包囲戦のとき自分達がどうやって包囲されたか未だに理解不能であった。

まるで空から人が現れたかの如く突然敵が現れ、後ろから攻撃される。

これを警戒し後方にも防御陣地を構築していた。

そのため非常に補給線が細い寸断されれば瞬く間に餓死者が出るだろう。

正しくそのようになった。

 

【ヴァシリアヴィチ首都モスコー】

 

ここの宮殿に住まうはイヴァン雷帝の血を引くニコラウ2世が、そとを眺めていた。

 

ニコラウ「この外の人々は戦争にもいかず何故私の宮殿の前で暴動を起こすのか。今この国は危機に瀕しているというのに、内輪揉めしてなんとなる。」

 

ラスプーチン「そうです。彼等反皇帝主義者たちがあのように振る舞うから国民はみな不安がっております。軍隊も極東の方へおよそ、五分の一ほど出払っていいますので治安も少々悪くなっているやもしれません。」

 

ニコラウ「君には聞いてはいない。しかし、確かにそうかもしれないな。不甲斐ない軍部が極東で勝利出来ないせいで、これ程の暴動が起こるとは。非常に不愉快だ。」

 

『失礼します!!陛下!!軍部からの電文です。』

 

ニコラウ「読みたまえ」

 

『我が軍善戦すれど完全に包囲さる。これより持久戦をするにともない物資の不足が多大となる。よって援軍の要請を行いたく願う。極東方面軍総司令クロパトキン』

 

ニコラウ「下がりたまえ。暫く一人にさせてほしい。」

 

大敗北にニコラウは呆然とせざる追えなかった。それほどにこの敗北は心身共に衝撃的であった。

 

【モスコー上空・宇宙空間】

 

強襲揚陸艦 敷島

『これより敵首都に対し降下作戦を開始する。敵、首領ニコラウの捕縛が主任務である。これにより敵との戦争の終結をはかる。以上を持って作戦説明を終わる。各員の健闘を祈る。』

 




ニコラウ2世
ヴァシリエヴィチ帝国の国家元首。その性格はあまり誉められたものではなく。自分よりも能力の高い人物を左遷し、自分の言いなりとなる人物を中心に内閣を決めている。五児の父

ラスプーチン
ヴァシリエ聖教の神父ニコラウの息子であるアレクセイを病から救ったということとなり、政治に口を出す程の権力を持っている。ニコラウの傲慢に拍車をかけさせた張本人。

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