欧州。それは国々が群雄割拠する一地方である。
そんな中に私は、派遣される。
いや、正確に言えば私たちである。
アナーキンを、連れていくこととなった。
私は反対した。
欧州に連れていくのは、教育に非常に悪い。人種差別を行う愚か者達が沢山いるからだ。
結局文明を作った順番でしか無いと言うのに、収奪と略奪のせいで他の地域が衰退したのにそれを棚にあげようとしている。
そして《文明国家たる我々は他の国が混乱しているから助けなければ》と考える。
混乱を作ったのは自分たちと自覚がないのだろう。哀れでならない。
町行く人々は私に奇異の目を向けているのがその証拠だろう。
それはそうと、準備に手間取りもう10月だそろそろ寒さが厳しくなってくるというのに軽装備でここに送られてくるとは。
確かに、船での移動だったから熱帯は暑かった。
だが、だからといってこんなに薄い着物だけでは凍えるぞ。
アナーキン「マスター、急ぎましょう。欧州周辺の調査のため既に住みかは決められています。それに、今日中に《忍》の人とも会うのでしょう?」
「あぁ、そうだ彼と会わねば何も始まらないからね。」
既に侵入している《忍》との連絡を取りにここ帝国首都ベルンに来ている。
「ただ、もう《忍》には、会っているよ。」
アナーキン「え?何時あったのですか?」
「向こうも気付かれたことには驚いていたよ。お前も修行を積めばこの程度のこと、簡単に出来るようになるさ。」
アナーキン「はい、マスター」
本当にこの子は素直だ。しかし、素直すぎる。このままではいつか足元を掬われないか心配だ。
それと《忍》が言っていたことだかシス予備軍の集団がその昔フランソワ共和国を中心に活動していたという情報であった。
しかし、現在の所足取りが忽然と消え今では、影も形もない。ということだ。
それ以上にシスという存在は、足取りが掴めないある種未知の存在と言える。
帝国を中心に約1年の間捜索を続けることとなるが、果たしてたった1年でどれ程情報を集められるかは、私の技量次第だろう。
これとは別の話だが私に娘が産まれた。誕生日は、9月24日。
そうこの日からあの存在が定着した可能性がある。
あの存在の存在感がこれ以降増大しないのだ。それ故に定着したと結論着けた。
それと同時に小さな存在が産まれた感覚があった。同郷の懐かしい感覚だった。
きっとこれが同じ世界からの来訪者であろう。
まだ感覚は小さいがはっきりとした意思を感じる。
何かに立ち向かうようなそんな意思を。