幼女戦記フォースとともにあらんことを   作:丸亀導師

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第31話 ヤタガラス

 

「何故、雪をジェダイに推薦したんだ幸。」

 

幸「雪がそう望んだからよ。それに才能も充分ある。逆に何故貴方は雪がジェダイになることを拒んでいるの?」

「しかし、だな何故それに賛成するんだ?止めることは出来たんじゃないか?」

 

幸「良い?あなたは、知らないかもしれないけどあの子はあなたのことが心配で堪らないの。あの子の心が強すぎてあなたには心が見えない、だから避けられていると思ってるんでしょ?」

 

「そうだ、だからこそ私は、雪をジェダイにしたくない。あれほどの力それこそアナーキンに匹敵する潜在力を持つだろう。もし、それを悪用された場合私は、あの子を殺らねばならない。親が子を殺すことがどれほどのことか。君が一番よく知っているだろ?」

 

幸「確かに私は自分の親を私の手で殺した。でもあのときはそれが最善手だったから。それが私がやらなければならなかったらよ。あなたにもいざとなったときにはできるはずでしょ?それが、子を持ったジェダイの心構えじゃないの?最大のリスクは初めからわかっていたことでしょ?あの子が望んだのならもう聖堂側には、止めることはできないのだから。」

 

「もしもがあった場合君にもあの子を討つ覚悟をしてほしい。でなければ私は、あの子に何一つ教えることは出来ない。」

 

幸「私は、初めからわかっていたの。だからこそ今でも鍛練は怠っていない。だから、あの子の事、雪の事を許して上げて。」

 

「はー。わかった。念を押すが本当に良いんだな?なら、後は試験に受かるかだ。」

 

幸「必ず合格するわ。私たちの子供だもの。」

 

「ただし一度きりだ。」

 

この話から4ヶ月後の試験において雪は優秀な成績で合格し晴れてジェダイのパダワンとしての生活を送り始めることになる。

この時の私には解らなかった。雪がどのような人生を歩んでいくのかを。

 

話は変わるが、アナーキンも晴れてジェダイナイトとなった。そして、ジェダイの中でもよりいっそう暗い部署ヤタガラスの配属となった。

 

ヤタガラスは所属するジェダイは名前が秘匿され誰が配属されているかは、ジェダイマスターしかわからない。

私が知っているのは、既にマスタークラスであるからだ。

 

アナーキンはジェダイの中でも感情に流されやすいタイプである。それを抑えるために非常に多くの鍛練を行い並外れた忍耐力を得た。高い戦闘技術、剣術以外の格闘技特に足技が磨かれていた。そこが評価されての配属だ。

足癖が悪いのは私讓りだが

 

そんなアナーキンのパダワンは、皮肉なことに私の娘である雪だ。要するに実の子が孫弟子になった。皮肉なことだが、それによって雪との会話が増えたことは正直複雑な気分だ。

 

まあ、会話が出来るだけ私は恵まれている。雪は友人との別れが辛いだろうに。これから一生旧友とは会えないかもしれないのだから。


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