side イロコイ連邦大統領
『閣下。合衆国の諜報部隊が先程入国したものの身柄を渡せといってきております。最悪の場合戦争も辞さずと、申しております。』
「放っておけ。どうせいつものマニフェストデステニーだろう。そうやって脅して行けばこちらが屈すると思っているのか?くだらん。それよりも、良くご無事でしたな。」
私は、目の前の大日本帝国の諜報員?の男に声をかけた。
[いやいや、助かったよありがとう。この国があったからこそこうやって今私は、生きていられるよ。]
「何の何の。我々の先祖はあなた方に助けられました。我々の名誉にかけて、恩人とも言える国のかたをお守りできることこそ光栄です。」
[そう言ってもらえると非常に助かるよ。後日こちらから正式に感謝状と報酬をお送りいたします。もちろん、国民全員のために使っていただきたい。]
「報酬とは、有りがたくいただきます。国民一人一人のために使わせていただきます。」
この男は、合衆国国内で少なくない被害をもたらしたとか、そういう情報が流れてくる。彼を利用するのは簡単だが、後の報復はいったいどれ程になるか想像もつかない。だからこそ米国捜査網を断固として国内に入れない!!そう固く決意するに十分であった。
side黒帯
目の前の男はこの国の大統領か。しかし、政治を行うものにいつもみられる欲があまりに見えない。どちらかと言えば強い方の味方につき共に歩んでいっていきたいという感じがする。ただ、この国を豊かにするためならばどんなこともやるだろうが。
合衆国は、イロコイ連邦に軍を送ることは出来ない、何故なら彼らの連邦制は、イロコイ連邦からの輸入品である。彼らを否定する時、自分達の存在そのものを否定することに繋がるからだ。
だからこそイロコイ連邦は、合衆国に強気に出ることができる。しかし、もしシスが主導権を完全に手にした場合彼らの国は簡単に踏み潰されるだろう。だからこそ我々に媚を売りいつでも戦える準備は、持っている。
まあとにかく、窮地は脱したといっても良いだろう。と言ってもだ、窮地を自分で作ったのだからお笑い草だろう。そんな事より、合衆国の出方を見ると大方の内部の事情がわかってきた。
まず今までわかっていたフリーメイソンという組織であるが、この組織はシスが存在する以前より存在するというものだ。
シスが作った組織であるならばあのように偽の情報を流布し私を庇う筈がない。泳がせるにしても、大統領補佐官が殺されているのに、これ程動かないのは損得勘定で動いている証であろう。
要するにシスよりも我々に可能性を見出だしたと言えよう。こうなればこちらのものだ。後は、彼らが如何様にシスと渡り合っていくのかだが、我々が彼らに少々協力することであの国を二分する事が出来る。
帝国にとっては願ったり叶ったりであろう。敵が増えずらくなるのだから、戦争の終結を早めることも出来るやも知れない。上層部が戦略的勝利を見誤らなければだが。
我々も非人道的な方法を使いたくはない。だからこそこのフリーメイソン達が大きな鍵を握っているのだ。合衆国が本気を出すとき即ち我々は欧州大戦に首を突っ込まねばならなくなる。保護国を守るために。
それにしても、シスがこの国にも侵入する可能性は有る、特にあの男のパダワンである少女。彼女の名前は知らないが、確か先住民の末裔であったはずだ。だとするとまずい。確実に内部に侵入するだろう。シスの恨みは強さに直結するし、俺を殺したいだろう。
その前に逃げるとしよう。明後日早々に立ち去るとするか。