side黒帯
あの日から数日がたった。今、私は船に乗船している。この船は定期航路、日・色定期輸送便と呼ばれているものであるが、現在イロコイ連邦へ、武器弾薬を有償提供しているその帰りに荷物として乗船したものである。
船は大概は、技術的な偽装によって作られている。その時代にあった形状、を模して作られたこの船達はこの時代にあっていない機関、核融合で動いている。船内も非常に綺麗で、船員一人一人に部屋が用意されており、ハンモックでの居住は行っていない。
更にこの時代に無いコンテナでの輸送となっているため、世界中にこのコンテナが注目されるという副産物すらある。コンテナを作れるのは我々の国だけであるためこれらの輸出も行っている。
そんな船だがコンテナ輸送船であるために、やることが無い。訓練をしようものなら即座にワイヤーにサーベルが当たってしまう。どうしてもやりたいというわけでは無いが、瞑想だけでは体が鈍ってしまう。
数日後
船員達にフォースの使い方を聞かれた。
彼らは「フォースは、船の修復に役立つからもっと強くしたい」
と聴いてきたので大いに肯定した。彼らのフォースは、それほど強くないから、
「出来ることと言えば船体の穴を塞ぐ際鉄板を押さえつける程度には、訓練でどうにかなる。」
と、いうと非常に喜んでいたのが印象的だ。良い暇潰しになるし、教育方法の練習にもなる。何せ彼らはフォースの本質を知らないからだ。
そうこうしている間に帰国した。
side奈緒
「雪ちゃんやっとお父さん帰ってきたね!」
教室で私は雪ちゃんに話しかけた。
私が話しかけるとうっすらと微笑んでいる雪ちゃんが見えた。
「そう?まあ別に良いよ。それよりも、なーちゃんは、アイツのパダワンになるんだよ?きっと大変だよ?家庭を顧みない親だもの、きっと教えるのが苦手だよ。」
でも、それでもお父さんの事が好きなんだね。だって顔が嬉しそうだもの。
「へぇーそんなこと言う割には、顔が嬉しそうだよ?」
「そんなこと無い!!あんな人大っ嫌い!!」
「あっ!もうこんな時間だ。そろそろ行くね!マスターに御挨拶しなきゃならないから。じゃあ、また明日ね雪ちゃん。」
「くれぐれも気を付けてね。」
さあ~て、いったいどんな人なんだろう。楽しみだなぁ~。
噂によれば、腕が立ち何かと依頼をこなすことが多い上に海外渡航が多いから、凄く信頼されている。そんな人。
という、くらいしか解らないけど、とにかく凄い人ってことはわかる。でも、変わり者とも聞くけどね。
っと部屋に着いた。深呼吸をして。
「失礼します。パダワン・ジェダイナイト候補生
滝 奈緒入ります。」
「入ってくれ。」
中に入ると、黒髪で鼻の下と顎に髭を蓄えた、異人風の人がいた。私が、戸口に立っていると、
「座って構わないよ?」
結構優しい声だ。
「有難うございます。」
長椅子に座ると自己紹介を始めた。
「始めまして。私が、君のジェダイマスターとなる
黒帯 帯一だよろしく。」
「は、始めまして。パダワンとなります、滝 奈緒です。よろしくお願いします。」
私の受難の始まりであった。