幼女戦記フォースとともにあらんことを   作:丸亀導師

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第55話 水晶

side大日本帝国統合軍第一艦隊

 

軌道上に300メートル程の宇宙船から、50メートル程の宇宙船までが、第三警戒航行序列で宇宙空間を航行していた。その数、60隻。全てが地球の他の国の技術を凌駕していた。しかし、この艦隊は旧式化が始まっていた。

 

「本国から入電、現時点を持って作戦行動を開始せよ。目標、連合王国首都、及び連合王国主要都市部にある工場地帯を軌道上より艦砲射撃せよ、また港湾施設の完全破壊を行え、以上です。」

 

「先に継戦能力を奪うか。残酷なやり方だな、手足をもぎ取って心臓を止めずに敢えて殺さない。食料も何もかも与えないか。この艦隊に、最後の花を持たせようとしているのだろうが、こんな作戦が最後とは可哀想なものだ。」

 

司令長官の男がそう一人ごちる。

 

「長官仕方ありません。ハイパードライブが出来た今、我々の光速航行の不可能な艦隊など戦力になりませんから。それよりも、本当にこれだけで戦争は終わるのでしょうか?」

 

「終わらないだろ、兵が上陸して始めて占領することが出来る。それがわからない本国では、あるまいに。」

 

「その為の新型艦ですか?艦隊の後ろに7隻いますし、先見隊の方は既に帝国の陸軍と合流して、前線で戦闘を開始しているでしょうね。」

 

「無駄話はここまでか。艦を地球に対して横腹を向けるように停戦せよ。各艦に攻撃目標を指示後、20分後に艦砲射撃を開始する。それまでに、敵国が降伏してくれることを願う。」

 

…20分が虚しくも経過してしまう。彼らの願いは届かない。なんとも盛り上がらない戦争だ。彼らは来るか、わからない異星人との戦闘を訓練してきた。それを、同じ星の住人へ攻撃を行うなど、非常にショックがあった。

 

「全艦に通達、撃ち方始め!」

 

緑の光が大地へ降り注ぐ。

 

 

sideチャーブル

 

全く、わからず屋どもが、我々が帝国に屈することは出来んのだよ、だいたいあの帝国に我々の通商ルートが封鎖されようとも、米国から輸入してさえすればやつらは攻撃すら出来ない。上手く攻撃を反らすには良い手だな。

 

そう言うと彼は、葉巻に手を伸ばし咥えて火をつけない。そんな中ある情報が入ってきた。

 

「首相!!大変です!!工場地帯で大規模な爆発が確認されています!!現在、状況を確認中ですが外部からの攻撃の線が濃厚です!急ぎ避難をお願いします。」

 

「首相が逃げてどうする!!こういう時はな、我々がきちんと指揮を取ることで国民もパニックにならずに済むのだ。」

 

全く慌てたところで、もはや手遅れだろうに。敵が紛れているならば必ずこの、ビッグ・ベンまで破壊されているだろう。うん?また爆発か。空から緑の光が降っている?まさか!

 

「噂は本当であったか。やつらが敵になった瞬間に我々に勝ち目は無いか。」

 

 

side大日本帝国 大本営

 

「報告が続々上がっております。」

 

周囲がざわめき始めた。所詮でいったいどれ程の戦果をあげたのか、皆その事に興味津々となっている。私の元へとやって来た、では読み上げねば。

 

「えー、艦隊による工場地帯への攻撃はかねがね良好な物となる。また、敵港湾施設の徹底した破壊は現在進行中である。」

 

以上だ。

 

「失礼します!!緊急事態です。」

 

うん?国内では何もないそうだが、いったいどこで何があったのか?

 

「報告します。現在、北米大陸の合衆国軍へ協力している第6艦隊からです。」

 

私にわたってきた。なになに?、北米大陸で、艦隊に中規模の損害発生せり!?

 

「何があった?」

 

「地上から巨大な剣のような光の刃が出現したとのことです。」

 

何だそれは、聞いたことないぞ?

 

「それは恐らくライトセイバーの大型版だろう。」

 

ジェダイか、だがなぜそれを知っている。

 

「北米大陸には、カイバー・クリスタルの産地だ当然の考えさ。きっと後ろにはシスが控えているはずだ。」

 

全くまたかね、何度も何度も本当に腹が立つ相手だなシスとは。

 

「私から、マスター黒帯へ要請をしておきます。彼は、エキスパートなので。」


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