前線に兵達が到着するまでは何の抵抗もなく進むことができたが、前線であった鴨緑江にて状況は一変した。
前に進めないのだ非常に理不尽な火力の前に我々は立ち往生を、余儀なくされた。
著者 アレクセイ=ザシチノフ
【朝鮮半島北部前線ヴァシリエ側】
参謀達は、この戦争がこれ程までに消耗するとは予想することはおろか、夢にも思わなかった。
『一体何ヵ月ここに釘付けにされるのだ!!』
『指令部はいい加減打開策を示せ!!兵は消耗品では無いのだぞ!!』
クロパトキン「非常に不味いことになった。戦闘の経過を聴くにこれは幻でも見ているのかね?」
ビステフ「閣下これは幻などではありません。現実に起きているのです。前線では敵の攻撃凄まじく、毎日多大な被害が出ており、一歩も前に進む処か、被害が増すばかりです。こちらが砲兵を展開する前に何者かの奇襲により砲兵も壊滅状態となっております。騎兵もその速度には舌を巻いております。ここは一時後退を具申いたします。」
クロパトキン「しかしだ、ここで兵を引いた場合兵の士気は激減するだろう。しかもだ、展開した塹壕を放棄すること即ち、防御力の欠如を意味する。そうなった場合確固撃破される可能性すらある。皆はどう思う。」
『私は、ビフテフ中佐の意見に賛成です。』
『私も』『私もです』『私は支持はしますが積極的に行おうとは思いません。あまりにも、損害が大きくなります。』
クロパトキン「ビフテフ中佐の判断に任せよう。各部隊への連絡をせよ。これより一時戦線を後退し体制を建て直す。全部隊の後退である。時刻は、二日後の夜間に行う。速やかに後退の準備に入るよう通達して欲しい。殿は第二軍に任せる。」
(ここで意固地になってはならない。まさかこれほどの損害が出るとは、数ヵ月で戦力の2割を消耗するとは。ここから巻き返すのは至難の技か…)
この損害はもともと敵を釣り上げ補給せんが延びきった所を叩くという、自分達がやりたいことを相手にやられているため起こった事態だった。防御力を見誤っていたのだ。
【日本側 第二軍】
『敵が動き始めました。後退しようとしています。』
奥康隆「我々の予想通りですね。敵はあまりの損害に慌てふためいている。だが少々動きが遅いのが予想に反しましたな。無線が全ての部隊に行き渡っていない場合これ程遅くなるものなのだな。川村君が前線に出ていないか心配だよ。あれの悪い癖だ。前線はジェダイに任せた方が安定するというのに、ジェダイ嫌いはそのためかな?」
『川村閣下のことは解りますがこのままではみすみす敵が後退してしまいますが?』
奥「何のための強襲部隊かな?後退する敵を寸断するのは秋山君の仕事さ。」
【秋山強襲部隊】
秋山「おぉ、敵が総崩れか。」
『今こそ我々の出番ですね。』
秋山「慌てるなこちらが向さんの補給線を寸断したからでもあるんだ必然的にこうなるさ。さて、袋の小豆にしてやろう。」
ヴァシリエ軍は気が付くことが出来なかった。秋山師団は、補給線を寸断すると同時に完全に敵を包囲することが目的だったことを。気が付いた頃には周囲一体に大規模なシールド発生装置の連動によりに内部から出ることは出来ないことを。
後はジワジワと正しく潰されて行く。
【前線総指令部】
開眼「我々が出るまでもないか…。しかしながら敵は壊滅状態になっているがそれでも我々より遥かに数は多い徐々にであるがこちらもきつくなって行くだろうな。」
田神「そうですね。我々に出番がないのは良いことです。先の眞との戦争により経験を蓄えたかいがありますね。」
私がまだ一桁の年齢の頃ヴァシリエとの戦争の十数年前に眞との戦争があった。
その時、圧倒的な火力を持っていながら一割の損害を出した。
歴史上侵攻作戦を行ったのは今より500年も昔であり、戦術の進化が無かったゆえに起きた悲劇であったそうだ。
私のマスターである開眼人はその時救援に向かったジェダイの一人であり、敵の師団を一人で壊滅させていた。
侵攻が始まり、敵の防御が増す。縦深防御 対 機動殲滅が始まる。速度の無い防御戦はいかほどの厚みがあろうとも一度突破されれば最早穴が空いたままとなってしまうだろう。
速度の無い機動戦は簡単に止められ、直ぐに絡め取られて身動きが出来ない間に潰されるだろう。
観戦武官が次出るかも。
ビフテス
ヴァシリエ軍参謀の一人。勇敢や無謀とは遠い人物。負けない戦を好み引き際を見極めるのが旨い。しかし、この戦いでは感覚が麻痺を起こしている。
奥康隆
日本軍第二軍司令官 攻勢作戦においてかなりの自信を持っている更に言えば戦闘での見極めはかなり良い。ただし損害を多くだしやすい。
田神波紫
ジェダイの一人。開眼と同期であり、実戦経験は非常に多くその経験は後のものたちのために教義の一つとなった。文才がある。シエンを納める。