流石に戦闘ばかりで脳が疲れ果ててしまいました……(´・ω・`)
ともかく、ゆゆゆ最新話どぞ!
僅かに時は遡り…………………………
ーーーーーーーーーー結城 友奈の章
背後で真っ黒い大きな剣が振り下ろされている中、いつか園ちゃんとはじめて対面した場所で私は……漆黒に染まった勇者服を纏い顔に気味の悪い仮面を着けた……東郷さんが佇んでいた。
「……っ東郷さん…………!!」
私の呼び掛けにもなにも答えることなく、代わりに東郷さんは静かに私へ銃口をむけてくる。…………普段の東郷さんなら絶対にしないことなのに。
「おやおや……誰かと思えば、神樹と神婚し世界を戻した英雄様じゃないですか」
「誰っ!!」
「どうも、はじめまして」
どこからか、こっちを貶したような口調の声が聞こえてきたと思うと東郷さんの背後から大赦の仮面をした片腕の人物がゆらりと気味の悪い動きをしながら姿を表す。
「あなたが……!!」
「悪いことは言いません。早く郡千景をこちらに引き渡してください」
「…………残念だけども、それはできないよ」
白銀さんといたときも同じ様に言われたそうだけども……何でこの人たちは千景先輩が狙ってるの?やっぱり、白銀さんが話していた“七人御先“……精霊が関係しているの??
「………………全く、どいつもこいつも……しかし、これもまた主様が私に与えた試練と考えれば楽なもんです」
「……何が目的なの…………」
「…………我が主様の崇高なる目的をそう易々と貴女方に話すとでも?」
流石にそう簡単には話してくれないか…………。
そうしている間も東郷さんはじっと静かにこちらへと銃口を向けて静止している。
「ま、ここに長居をしても致し方ありません。私は私のやることを進めるとしましょう」
そうして、私が東郷さんと静かに対峙している内に、突如としてゆらりと生まれた黒い霧の中へ姿を消してしまったけど…………今はあの人を追うべきじゃない。
「……………………東郷さん…………」
「………………」
「…………ごめんね、遅くなっちゃって。でも、今助けるよ」
私は静かにそう呟くとスマホのアプリで勇者の姿へと変身する…………。
多分後ろの方から聞こえる戦闘音からして、白銀さんも少し苦戦しているみたい…………相性はものすごく悪いけど、しばらくは私一人で頑張らなきゃ………………いや!
「私が…………助けてみせるから!!」
そう叫ぶと私は力いっぱい地面を蹴りあげて東郷さんの懐へと一直線に突っ込んでいき、
地面を蹴りあげた瞬間に発砲した東郷さんの攻撃を躱しながら拳を振り上げた…………
◇◆◇◆◇◆◇そして……◆◇◆◇◆◇◆◇
ーーーーーーーーーー?? ???の章
えと…………どうなってるの?これ?
気づけば僕は、何故か土まみれで木陰に横たわっていた。そこで隣に今回のミニ旅行で知り合ったアイリスちゃんもいることに気づく。
えと、記憶がある限りだと……フブキ先輩の友達の家にアポ無し凸撃しようとして、そこへ向かう道中で突然、フブキ先輩が苦しみだしたと思ったら、今度は髪が黒くなって獣耳と尻尾が生えてきて……そしたらどっかに高笑いしつつ飛んでっちゃって………………
「…………そうだ」
その後みんなで慌ててフブキ先輩を追いかけて……この公園にたどり着いたところでなんか突然意識をなくしちゃったんだっけ……
「ふきゅ!?あいててて……」
そうして意識がはっきりして、身を起こそうとすると全身に激痛が走る……めちゃくちゃ痛いよぉ…………でもなんで?
「特にここ数日激しい運動なんて……運動不足なのかなぁ……」
不自然な痛みに首を傾げた時……何かが飛んでくる音がしてふとそちらへと目を向けると…………
頭上の地面に、勢いよく柄から折れた斧が突き刺さった。
「………………へ?」
僕の頭が現実に追いつくよりも早く、僕の前にある木の向こう側からなにやらドッカンドッカンと色んなものがぶつかり合う轟音が…………
「い、一体何が起こってるの…………?」
と、とにかく確認しないと……!
痛みを堪えつつ、身を起こしてから目の前の木に寄りかかりながらその向こう側へと顔を出すと……
そこでは、白上先輩を含めた先輩方6人と、見たことが無い真っ赤な服に身を包んでその両手両足に炎を宿した男……いや、女の人?
と、ともかく、誰かが…………戦っていた。
僕が言葉なく驚いている間にも、何故かうさ耳を生やしたぺこら先輩が上空から物凄い速さでかかと落としを放つのと同時にフブキ先輩が自身の周りの虚空に作り出した6つの白い玉を撃つ。それに対して赤い服の人は両手で押さえつけていたあやめ先輩の刀とまつり先輩の刃の付いた扇を炎の爆発と共に、2人を吹き飛ばすとその手を左脇腹へと重ねて構えたかと思うと炎の残滓を残してその姿が掻き消え……瞬きした後にはフブキ先輩の後ろで、積み木を組み立てるようなパントマイムをしていたすいちゃん先輩の後ろへと回り……炎の勢いを乗せた手刀を首元へ入れて、その意識を刈り取ると力なく崩れ落ちるすいちゃん先輩を抱えながら、空いた手を横薙に振るうとそれに合わせて地面から炎が立ち上がり、瞬く間に炎の壁を作り上げた直後、フブキ先輩が振り向きながら振るった刀が壁に当たり、凄い衝撃と共にあっという間にフブキ先輩の周辺が白い水蒸気で包まれる。
「わっひゃぁ!?」
衝撃波は何とか耐えた僕だったけど、その直後に突然寄りかかっていた木の幹がパァンという音ともに大きく抉られたのに驚いて尻もちを着いてしまう。
さっきの人はこれとフブキ先輩の攻撃を予見してあの壁を作ったのか…………って!そんなことを考えてる場合じゃなくって!!一体全体何がどうなってるの〜!!??フブキ先輩とかあやめ先輩も何か猫耳やらフサフサの尻尾やら角やら生やしてるし、すいちゃん先輩も見たことない綺麗な衣装だし!僕も着た……じゃなくって何から何まで全然理解が追いつかないよぉ!!
そうして、頭をぐしゃぐしゃしながら何とか状況を理解しようと躍起になっていると、草を踏みしめる音がすぐ近くから聞こえて勢いよく顔を上げると、丁度木々の間からゆらりとあやめ先輩が姿を現し…………その姿はいつものぽわぽわしたものではなく、ただただ虚ろな人形のようで……
「あ………………」
本能は逃げなきゃって思っているのに体はそこに縛りつけられてるかのように動かなくて…………
「…………あ……あや…………め先輩……お願い…………します」
ゆらゆらと体を揺らしつつ、虚ろな瞳をこちらへと向けながらゆっくりと近づいてくる先輩へとか細い声で呼びかけるも効果はなく……
「………………や…………いや……」
僕の目の前で歩みを止めたあやめ先輩がその手に持っていた赤い色の刃の刀の刀身を月光で怪しく反射させながら振りかざすのをスローモーションのように呆然と見つめ……
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
これから起こる惨状と痛みと死にたくないという思いが混じりあって、反射的に目を瞑って甲高い悲鳴をあげる…………
ーーーーーーーーーーーーーーー
「やb……おわ!?」
「っのぉヤロしつけぇんだよっ!!……そんっで!やらせるかっての!!」
ーーーーーーーーーーーーーーー
しかし、悲鳴をあげた直後に聞こえたガキンという金属同士がぶつかり合う音がしたっきりで痛みがやってくることはなく…………恐る恐る目を開いてみると…………
目の前に紅蓮の服の背中があり、片腕にすいちゃん先輩を抱えてもう片方の手に持った巨斧であやめ先輩の刃を受け止めてくれていた。
「予想以上に戦いの範囲が広くなっちまってたんだな…………クソ、失敗したぜ……おい!お前!」
「………………へ、は、はひぃ!?」
「そこ動くなよ!」
「…………え?」
そう赤い服の人が僕に向かって一言言ってから、担いでいたすいちゃん先輩を軽く宙になげ……
ーーーーーーーーーーーーーーー
…………たと思ったら、あやめ先輩を含めた戦っている先輩達が全く同じタイミングで、1人でに弾き飛ばされたり地面に叩きつけられていたけど、赤い服の人は僕の前から1歩も動いてなく軽く投げたすいちゃん先輩を抱え直していて…………って、あれ?
え?え?今何か起こったの?この人がなにかしたんじゃないの?
「うし……んで!」
「……へ?」
「わりぃ、ちょっと荒っぽく行くぞ」
「………………は?」
もう既に頭の中が真っ白になっていて反応に遅れた僕が気づいた時には既に襟首を掴まれていて……一瞬、気持ちの悪い浮遊感を感じた瞬間には景色が林の中から公園の入口へと変わっていて……訳の分からぬままゆっくりとその場に下ろされ、慌てて振り返ると赤い服の人がアイリスちゃんとすいちゃん先輩を丁寧に入口横の芝生へと横たえているところだった。
「も、もぅ何が何だか……」
「あー……困惑しちまうのはよく分かるが、もうちょい待っててくれ。一通りケリがついたら事情とか色々説明すっから……それまではここに居てくれ」
「あ、えと…………」
「安心しろ、俺はまぁ……さっきの中にもいたあの
「へ?」
僕が困惑している間に傍に来た赤い服の人が、片膝をついて私と視線を合わせながら軽く話すとバツの悪そうに頭をかく……。そして、その人が言っていることがよく分からなくて首を傾げると赤い服の人はスッ…と自分の服の裾を持ち上げると、いつの間に握っていたのか僕の右手もそれに合わせて持ち上がる。
「あ……」
「……ま、こんなことに巻き込まれもすりゃ怖くもなるのは仕方ねぇよな。だが……」
そう言いながら赤い服の人は私の頭に安心させるかのように優しく左手を乗せて軽くクシャリと頭を撫でながら、優しい笑みを浮かべつつ……
『「
僕はその人にまた別の……どこかで出会ったような、懐かしいような、そんな人の言葉を重ねて……いや、僕はこの人の言葉をどこかで聞いていたことが……。
「とりあえず、一応応援は呼んどいたしもうちょいすれば来る……つうか今来たな」
「へ?」
「全く……貴方は相変わらず人使いが荒いんだから……」
僕が別のことに気を取られている間に赤い服の人が立ち上がって大橋を見上げていると、そちらの方向から長い黒髪をなびかせてやけに物騒な大鎌を手に持ったこれまた赤い服を身にまとった綺麗な人が跳んできた…………跳んできた!?!?
「しゃーねーだろ、こちとらまだ色々と収集ついてねぇんだし」
「そう……それにしても、嘘じゃなかったのね」
「あぁ…………俺らの事態とはまた違う、これまた厄介な事態が起こってる。ともかく俺は残りの奴らも気絶させてくるからこっちは任せた、そろそろダメージから回復してる頃だしな」
「はいはい、こちらは任されたわ。戦闘してる所はここより少し先よね?」
「あぁ、ただ如何せん人数も多いし、一人一人の力も厄介でね……全員はキツイかもしれねぇ」
「…………そう」
「……………………うし、んじゃちょっくら行ってくるわ」
そうして、女の人と会話を終えた赤い服の人が僕の頭をもう一度だけ撫でた後、一瞬でその姿を消し変わりにその人がいた場所に大きな斧?みたいな物騒な物が突き刺さっていたけど、それは直ぐに赤い花びらとなって消えてしまう。
「…………え?え?」
「事情は後で場所を作って詳しく説明するわ。さて……」
すると、女の人は手に持った大鎌をクルリと一度回して構え直すと僕に向かって、多分隠れているように促すジェスチャーを向けてから……
「あなた達がそこにいるのは分かってるわ。…………潜伏なんて無駄だから出てきなさい」
虚空に向かって静かに、それでも、かなりの圧を乗せた言葉を放つ。すると……彼女の前後にピンク髪と黄色と空色の奇抜な髪色の僕と同じくらいの女の子達がゆらりと姿を現した。
「ふぇ!?」
「はぁ……やっぱり人使いが荒いんだから……」
「全くもって同感ね」
「うぇ!?」
二人の他にもう1人、今度は若草色の服を身にまとった風紀委員の先輩だった人と同じ雰囲気の女の人が現れて……ってもう人が増えすぎて何が何だかぁ〜……
「あら、あなたも来たの?」
「ええ、貴女が飛び出して行ったから追わせてもらったってのと、私も連絡を受けたのよ」
「そう……戦える?」
「愚問ね、私だって防人として
「……あまり溺れないようにする事ね。その力だって絶対じゃないわ」
「安心して、その辺もちゃんと心得ているから」
混乱の境地の僕を他所に二人はなんだか怖い笑みを浮かべながら、言葉を交えてから鎌の人はピンク髪の人へ、後から来た人は奇抜な髪の人方へと対面する。そして……
「「さぁ…………覚悟して、かかってきなさい」」
二人同時にそう静かに言い放つのだった……
そして、今日、この時から僕、天音かなたの運命は、大きく動き出すことになる……
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ーーーーーーーーーー三ノ輪 白銀の章
千景に星街を託してから、先程場所を入れ替えた斧と再び入れ替わと同時に俺は右手に炎を宿してから振るって直線上に炎を放つ。それはまさに敵味方なんて関係の無い乱闘を始めようとしていた5人の真ん中を貫き、ギリギリで個々の激突を回避する。しかし……
「っ……」
頭痛が更に酷く…こっちもそろそろ能力の使用限界が…………けど!
「んな事は後回しだ!!」
俺はそう叫ぶと先程までと同じように両手両足に宿すとそれを一気に爆発させ、炎を躱してからこちらへと真っ先に突っ込んできたうさ耳の奴とぶつかる寸前の所まで迫ると、その顔面に向けて炎を拡散させて放って動きを鈍らせつつ、俺はその時放った炎の衝撃で仰け反った体をそのまま更に仰け反らせて、慣性で跳ね上がった左足でうさ耳の顎を蹴りあげてから間髪入れずに地面についた手を軸にして右の回し蹴りでうさ耳の胴を薙いで弾き飛ばし、その間に放たれていた弾丸を地面から発生させた炎の壁で防ぐ。その直後、咄嗟の思いつきで逆立ちから戻った瞬間に炎の壁を殴ってショットガンのように炎弾を辺りへと飛ばし、白上らの動きを鈍らせると、赤髪の女性の近くに飛んだ炎弾のひとつと場所を入れ替えるのと同時に炎で加速させた裏拳をくり出すが、赤髪の女性に当たる寸前で不自然に止まってしまう。
「は!?…っぐ!」
それに驚いた隙を着いて放たれた鋭い蹴りに反応できず、まともに鳩尾に喰らって思わず体をのけぞらせた瞬間、いきなり体が重くなり勢いよく地面へと叩きつけられてしまう……
…………違う、これは叩きつけられたんじゃなく…………俺の周りの重力がどんどん増してやがる!!
「 」
少しづつではあるが確実に増しつつある重力に押しつぶされて全身の骨やらも軋み、更には呼吸すらもしにくくなっていく…………
くっそ、仰向けにぶっ倒れたのが不味ったな…………だが!
「 ッッッァ゛ァッ!!」
地面へと右手の指を立て、そこから地中を経由させて赤髪の女性の背後から炎で象った腕を突き出すと拳を振り下ろすと見せかけて赤髪の女性が手に持った拳銃を構えた瞬間に、わざと爆発させると、今までかかっていた圧が消え去り俺は勢いよく立ち上がると同時に両手に斧を取り出した直後に直ぐに投擲し、足下の地面を大きく爆ぜさせながら俺自身も一直線に突っ込む。すると、予想通りというか赤髪の女性は俺に向かって銃口を向けて引き金を引き、俺はその瞬間に右側の斧と自分の位置を入れ替えて銃撃を躱し、反応が送れた彼女へと炎で加速させた右拳を叩き込むが、やはり女性の体に当たる前に不自然に止まってしまい、その隙に繰り出された裏拳を喰らいそうになるが……
「こんな短期間に……」
しかし、その直前で俺はもうひとつの斧と場所を入れ替え……
「同じ手をそうそう簡単に喰らうかってぇのぉっ!!」
先程と同じように加速させた左拳で左肩口へと一撃をくわえて吹き飛ばすと、空中で体勢を崩した彼女へと一気に加速して再三肉薄し両拳を炎で加速させてマシンガンの銃弾のように拳の雨を叩き込んで更に勢いよく吹き飛ばす。その拳を全身にまともに喰らった赤髪の女性は林の木々の何本かをなぎ倒した後、太い木の幹に体をうちつけてそのままガクリと頭を垂れ、それを見届けた俺も片膝を着いて荒い息を整えつつ、簡単に体の調子を確かめる。
「…………あと、4人……っつぅ……」
チィッ…………さっきの連撃で少し両肘を痛めたみたいだな…………おまけにもしかしたらさっきの重力操作で骨も何本か折れるまではいかずとも、またヒビ入ったかもなコリャ……千景やらメブやらにどやされそうだ………………しっかし
「……まだまだやんねぇ…………とっ…と」
そうして大きく息を吐いてからゆっくりと立ち上がり、少し移動すると、昼間に俺が落っこちた池の辺りで白上と百鬼が刀を打ち合い続けていた。
……夏色とあのうさ耳の姿が見えねぇ…………さっきの隙だらけのところを襲ってこなかったってことは退いた?…………ってことは逃がしちまったか……とりあえず、まずは白上らを止めることが先決だ。
そう考えが行き着くのと同時に左手に斧を取り出すと二人の間目掛けて投擲、その直後両足に宿した炎を爆発させて突っ込むみながら痛む肘を顧みず左腕に炎を纏わせて大きく横薙に振るって、大きな炎の帯を二人に向かって放つ。白上は白い炎で作った壁で、百鬼は赤い刃の方の刀でそれぞれ炎の帯を防いだ隙に二人の間に斧と入れ替ると共に割って入り、彼女らへ向かって炎を一直線に放つと白上は後ろに飛びながら躱したが、百鬼は炎に向かって再び赤い刃の方の刀を突き立てて炎を両断して凌ぎ切り、残り火を振り払うとこちらへ向かって一直線に突っ込みながら双刀を振り上げてくる。それを俺と入れ替えた事により、後から飛んできた斧を左手で掴みざま、一度回転して勢いをつけて振り下ろされた二刀を受け止めてそのまま鍔迫り合いへと持ち込む。
「……百鬼…………お前らしくねぇな……」
いつもの、のほほんとした和やかな笑みは見る影もなくただただ光無き瞳で俺と鍔迫り合いをする百鬼に向かって小さく呟くと、空いた右手にもうひとつの斧を取り出しつつ地面すれすれから一気に鍔迫り合いしていた二刀目掛けて振り上げ、物の見事にそれを真正面から受け止めた百鬼の両腕を跳ね上げてガードを崩し、続けて右足で蹴りを入れて吹き飛ばすと俺もそれに続いて突っ込もうとするが、突然地面から白い何かが飛び出してきたのをギリギリのところで躱すとその直後に前左右から普通の炎と紫色の炎ふたつが迫り左の斧を高速で回転させて防ぐが、その間に先程地面から飛び出してきた白い何かが凄い速さで俺の背後へと周り、再度突撃を仕掛けてくるが、そのタイミングに何とか合わせて空いていた右肘打ちをその物体へと打ち込むが……
「っ!?」
その感触はまるでゴムのようで……肘打ちを確かに受けたその物体は勢いよく弾き飛び、近くの木の幹に当たってさらに勢いをましてから俺の胸に突っ込んできた。
「ぐぅっ……!!」
さっきの重力攻撃で痛めた胸からボキボキという嫌な音と共に先程よりもさらなる激痛が走るのを耐えつつ、わざと身を引いて炎を躱してからその白い何かを掴む。
「ゲホッゲホッ!!…………ハァ……ンだ、この餅……」
〔ヨ゛ッ!ヨ゛ッ!〕
何やら目の前の百鬼と似たような角と帯をつけた……見た目は餅のような四足動物(?)が俺の手から逃れようと短い足をじたばたと忙しなく動かしまくる…………見た目こそは可愛いが、目がこれまた百鬼と同じようにやけに死んでやがるな、コイツ。
「………………ともかく……」
必死に足を動かしながら〔ヨ゛ッ!!ヨ゛〜〜ッ!!〕と何とかして俺の手から逃れようとする、日常なら愛くるしいだろう餅をサッカーボールの如く、炎の爆発で加速させた右足で思いっきり蹴るのと同時に更にそのインパクトに炎の爆発を加えて吹き飛ばし、〔ポヨォーー…………〕という鳴き声(?)を残して夜空の星のひとつにしてやる。その間に今度は左右から紫色の火の玉が俺をとり囲んで高速で回り始め、瞬く間に巨大紫色の炎の渦を作り上げるとその一角から百鬼が持っていたもう片方の刀が突き出たと思うと、切っ先に炎が浮き出ーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーた瞬間に俺は時を止めて炎の渦をそのまま突っ切って外に出ると斧の峰で百鬼の首元を軽く殴ーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーってから時を始動させると百鬼の体がガクンと衝撃に身をふるわせた後、力なく膝から崩れ落ちてうつ伏せに倒れ伏せると紫色の炎の渦共々、同じ色の火の玉もスゥッ……と虚空に消えた直後、振り向きざまに地面に斧を突き刺して身を屈めるのと同時に真っ白い刃が一直線に俺に向かって伸び、俺が突き立てた斧へと当たり両断され背後の木々を切断すると共にその表面を凍らせる。
「フゥーーーーーーーー……………………」
さっきの餅の突撃のせいで確実に何本か折れて痛む胸の痛みを根性で押し込めながら大きく息を吐きながら、斧を杖にして立ち上がると地面を抉りながら斧を引き抜き大きく振り払うと共にゆっくり刃が突き出された方向へと歩き始める……
「夏色と……ハァ…………あんのうさ耳ヤローは逃した……ハァ、ハァ…けど、後は……お前だけだぜ、白上…………」
激痛を堪えつつゆっくりと1歩1歩、歩を進める……
正直言って、結構ヤバい。能力は一日でめちゃくちゃ多用してるし、重力攻撃でどうにも肋骨以外にも骨が偉いことになってるみてぇな事にさっきの戦いで分かったんだが…………白上を止めたとしてもまだここに来た真の目的である東郷の奴をまだ残ってる……そう考えると結構どころかめちゃくちゃヤバいな。
「…………ハァ…………フゥゥーーーーーーーーーー…………けど…………まだ、まだだ!」
何度目かわからなくなってきてる自分を励ます言葉を呟いた後、痛む胸を気力で押しのけながら左手の斧を目の前の林の中に向かって投擲し、残した右手の斧はゆっくりと腰だめに構えそこに左手も添えて静かに瞼を閉じる…………。
そうすると聞こえてくるのは夜風の音とその風にゆらされる木々や芝生の葉が擦り合う音のみ…………
「ーーーーーーーーーーーーーーー」
そこから更に集中し、聞こえる音に注意をすます…………何となくだが足が動かない、右脇腹辺りにおかしな違和感こそはあるがそんなことは後回しでいい。
静かに、ただ静かに体中に何かしらの衝撃とドロリとした何かが垂れる感触は微妙にあるがそれすらも無視し、静かに静かに俺はその体制のまま体の動きを止める…………
そして
ただ一音……
たった壱音……
かさり……という人が草を踏みしめた音がした瞬間…
目を閉じたまま音がした方向へと、極限まで両足元で圧縮していた炎を爆発させると同時に、作った炎の輪を貫通すると共にこれまた炎の爆発を利用して超加速させた右手と斧を大きく振り抜きながら、一直線に突っ切り硬いものを抉り右足の膝と足首を痛めながらも何とか静止する。
「ッハァッ!ハアッ!ハァー……ッ!!ハァー……ッ!!」
そこで初めて閉じていた瞼を開き、振り抜いた斧を再び地面へと突き刺しつつそれに寄りかかるように今度は両膝をついて、大きく荒い呼吸を何とか落ち着かせようと胸を抑えつつ、俺が突っ切ってきた背後を振り返ると……
俺が止まった所より少し後ろから俺が初めに立っていた場所付近まで……正確に言えばその逆なんだが……ともかくその区間は大きく地面が抉られて更に所々はまだ炎がチラついている。そんな区間の真ん中付近のその近辺だけ僅かに白くなっている場所に、今度こそケモ耳と尻尾も無くなった白上が大の字に、そして仰向けの状態で意識を無くしてぶっ倒れていた。
そして、その白上が潜んでいたであろう林は焦げた断面の切り株を残して焼き切られ、根こそぎ切り倒されているのだった…………。
それを確認した俺も大きく息を着いてズルズルと斧へと背中を預けて大きく息を吐く……。
……予想通り投擲した斧を警戒して少し動いてくれた上で、白上が自衛してくれてよかった。これ以上面倒なことになる前に一太刀で決めたかったからな…………ほんっとよかった…………。
「………………ここでぶっ倒れてぐっすり休みたいが……」
まだ………………もうひと頑張り、しないとな。それに結城も、千景も、メブもまだ頑張ってんのに、俺一人が倒れてる訳にゃぁいかん…………男が廃っちまう。ともかく、さっき公園の入口に潜んでいたヤツらは千景とメブのコンビに任せて、俺は結城と東郷の場所へ急ごう……さっき白上から喰らった傷の応急処置はそんときに手早くやるか……って、全身に結構喰らっちまってたが…………何とかするしかないか。
「………っと………その前に……」
忘れずに白上や百鬼達をこのまま野ざらしじゃなくて隠しやすい場所に移動しとかないと、幸い近くに洞穴みたいな通り道があるからそこに寝かしておくとしよう…………少し汚れてるのはこの際目をつぶってもらいてぇが…………ともかくさっさと移動しよう
「だいぶ遅くなっちまったが………………結城、待ってろよ……。今行くからな…………っ!!」
第拾話 ー中ー 終
以上、ゆゆゆ最新話でした!
次回は、ホロライブ恋愛モノ(戦闘ものは少しおやすみ)を。また期間は少し開いてしまいますがご了承ください。