ゆゆゆ第1話です!
もっと早くに投稿するつもりだったんですが、ちょっと5、6年ぶりに病気で寝込んでました……。
40度の熱なんて小学生以来でしたい……。というかフツーに健康に過ごしてたのにどこで拾ったんだろう?
とにかく、皆様も健康にはお気をつけて……。
それでは、どうぞ!!
ーーーーーーーー???????
「……なんてこと…………」
早朝、まだ霧が立ち込める小さな林の中、仮面をつけ不思議な格好をした者達がボロボロに破壊し尽くされた小さな社の近辺に集まっていた。
「……これは一体どういうことだ?」
「まさか天の神の……?」
「そんな!それでは彼女達と神樹様の努力が……」
「……!皆さま、これを!!」
何人かの仮面の者が議論していると、突如として、他の場所をみていた者から召集がかかる。
そして、一同がみたものはーーーーーー
「そ、そんな……」
「…馬鹿な……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーー
ーー
**************
ーーーーーーーー三ノ輪 白銀の章
ーーーーーー新世紀301年 3月末 香川県 大橋市
半ばぼんやりとしながら、薄く揺らめきながら春の青空へと上っていく一筋の白煙を見つめる。
「にいちゃ~?」
「ん~?」
「なにみてるの~?」
「ん~……」
膝に乗っけたおしゃまな末っ子、金太郎(親父のネーミングセンス疑うわ。今時、金太郎何てつけるか?フツー)こと金の舌足らずの質問。
……こういうとき、ネタに走った方がいいんだろか?
………やめた、キャラじゃねぇ。
「空」
「う?」
「空見てただけだ」
「じゃあじゃあ、きゃんも見る~」
きゃっきゃっと嬉しそうにはしゃぐ金の頭をぐりぐりと撫でつつ、空に向けていた顔を正面に戻す。
ーーーーーーそして、目の前にある額縁の写真の中で最高の笑顔を見せたまま止まっている妹が目に入った。
「…………………」
少し目頭が熱くなる……。
やっぱり……直で見ちまうと、いまだに来るもんがあるな…………。
忘れもしない……。妹ーーーーーー三ノ輪銀が死んだのは3年前の7月10日。なにやら神樹のお役目の最中に事故に巻き込まれて死んだと聞かされては……いる。
神樹ーーーーーー
簡潔にいうと、ここ四国にある神様のことで全世界に死のウイルス蔓延した際に現れ、四国を結界で囲み救った存在……だったらしいな。今はなくなったみたいだが。
……わりぃな、俺は神樹何ぞに信仰心もなにんもねぇから詳しいことは分からねぇんだよ。ただ……
ーーーーーー銀の死については謎が多い。
そもそも死ぬような“お役目”とやらに6年とはいえ、まだ小学生の、しかも女子を向かわすってのはおかしい。(神樹とやらはロリコンだったのか?こんなこと言ったら袋叩きに会いそうだが。)
更にその日は、銀の通っていた学校は遠足中。そこから何故か……神樹のお役目で死んだ…………。
全くもって訳がわからない。ただ神樹を祀り、各所にある分社の総本山……大赦がなにかしらを隠蔽しているのは…………事実。
一体、何を隠しているのやら……。
そんなことを考えていると猪突猛進超絶ド馬鹿な次男、鉄男が涙目でやって来た。(幾分かましだが……やはり親父のネーミングセンス疑うわ)
「あ、兄貴ぃ~」
「鉄?どした?」
「も、問題が全部わかんね~よ~…………」
「どうせろくに授業聞いてなかったんだろ?自業自得だ、ド阿呆」
「あ、兄貴は可愛い弟を見捨てるのかよぉ~……」
「さ、ド阿呆でド馬鹿な鉄は放っておいて、これからどうする?金」
「ん~……ならおちょと、いく!!」
「そーか、そーか。なら親父達に許可もらってこようぜ?ほれ、肩車してやる」
「あ、あ、あにきぃぃぃぃ~~……」
膝を付き真っ黒いオーラを漂わせ始めた鉄をその場に残し、肩車で更に上機嫌になった金の明るい声を聞きつつ、俺は銀の遺影を一瞥した後、親父達のところへ向かう。
銀、安心しろーーーーーー
ーーーーーーーお前の分まで俺がこいつらの面倒を見るからな。
**************
許可をもらった俺と金はとりあえず近くのショッピングモール“イネス”にやって来ていた。
ここイネスは基本何でも売っている俺達の生活に欠かせない店で、小学生からご老人まで幅広い年代層から愛されている。事実、中学にいくまでは銀を連れてよく遊びに来ていたなぁ。こっち戻ってきてからは何気に初だが。
それより鉄はどうしたって?あいつなら俺達に着いてこようとしてたけども、お袋に見つかってそのまま連行されていった。
どこまであいつは阿呆なんだろな?隠れてくるのならまだしも何で駆け抜ければ捕まらないと思ったのかね?……足引っ掻けたのは俺だが。今頃はお袋とマンツーマンで勉強中だろうよ。
「んじゃま~……金は何か欲しいのあっか?」
「ん~とねん~とね……まず、おうどん!」
「おいおい……さっき昼飯食ったばっかだろ?食べれるのか?」
「おうどんはべちゅばら!」
「はいはい」
さて、そうと決まれば早速いつもの行き付けのうどん屋に向かうとしますかね~。
そうして、金の手をとりつつイネス内を歩いているとピロンと携帯が鳴った。ポッケから取り出した携帯のディスプレイには<結城友奈>の文字。
彼女、結城友奈とは去年のクリスマスイブに出会った。中学は県外の学校だったんだが、高校からは県内……といっても地元、大橋からそれなりに離れたところにある[讃州高校]に通うことになったから、その日は学校見学と付近の様子を見るためにふらふらと散策していたんだが……人気のない路地を通りかかったら、わんわん泣く声が聞こえたもんだから初めはてっきり怪奇現象と思ったんだよな~。ま、実際は結城が大泣きしていたんだが。それで、なんか行き詰まっている感じだったから軽くアドバイスしてあげたら、そのままなつかれたみたいで別れ際、連絡先を交換したんだが、今のようにちょくちょく連絡を寄越すようになった。
なんとなく銀と似通っている所があるから妹みたいなもんとして接している。
友『どもです!ヽ(*´∀`)ノ』
白『おう。どうかしたのか?』
友『いや~特には。今日は友達も用事があって』
白『つまりは暇なのか』
友『にゃはは~』
白『ったく。年頃の嬢ちゃんが昼間っからゴロゴロすんなよな』
白『家族と遊びにいったりしないのかよ?』
友『いや~。両親どちらも現在お仕事で……』
友『というかゴロゴロ何てしてないよ!!( `д´)』
白『それじゃあ、一体何をしていたんだい?』
友『ごめんなさい。ゴロゴロしてました(つд⊂)』
白『潔くてよろしい』
友『そーゆー白銀さんは何してるの?』
白『現在、弟とイネスでブラブラしてる』
友『へぇ~楽しそうだね!!』
「に~ちゃ?なにしてるん?」
「ん~?結城の嬢ちゃんと話してるトコ」
「きゃんもゆーゆね~ちゃとおあなしする~!!」
「あ~……ちょっと待てよ…」
白『電話、今大丈夫か?弟も話したいって言っててな』
友『大丈夫だよ~Σb( `・ω・´)グッ』
結城の嬢ちゃんの返事を見、すぐにテレビ電話に切り替ると同時に金を再び肩車してやる。この方が電話し易いんだよな。
……というかホントに暇だったんだな結城の嬢ちゃん。1コール待たずに電話に出たよ。
{もしもし?}
「よ、結城の嬢ちゃん」
「ゆーゆね~ちゃ!こんちわ!」
{白銀さん、金太郎君こんにちわ~!あれ?鉄男君は?}
「あいつなら、家でお袋と勉強中。ただでさえ、おつむん弱い癖にろくに授業も聞いてないらしいからな」
{へ、へぇ~。そ、そうなんだ~}
「……どうやらもう一人おつむん弱い奴がいたみてぇだな」
{あ、あはは~……}
「ゆーゆね~ちゃもおばかなの~?」
{ふぇっ!?金太郎君まで!?}
「どう~もここ最近、俺の言葉づかいに感化されてるみてぇでな。いやはやこいつは将来絶対頭良くなるゼ」
{いやいやいや!白銀さんの言葉づかいの感化されるのは不味いと思うよ!?}
画面の向こうでわたわたしている結城の嬢ちゃんを見て和やかな気分になる。
この子はとても純粋だ。出会ってからまだそんなに話した訳じゃねぇんだが、この純粋さはとても癒される。ま、からかい過ぎると向こうで膨れっ面をするんだが……そんなとこまで銀にそっくりなんだよな~。
「ま、それは置いといて……」
{白銀さんの言葉づかいが金太郎君に伝染していくのを置いておいていいの!?}
「後々、なんとかなるだろ?んなことよかな……おめぇ…今年、受験じゃねぇのかよ?」
{うぇ!?た、確かにそうだけど…}
「んで?大丈夫なのか?」
{う……}
詰まると言うことはそう言うこったな。受験までは一年ないからな~。これはヤバそうだ。
「ゆーゆね~ちゃ、ぴんちっぽい?」
{はいぃ……。ピンチですぅ……}
「…ったく……」
「に~ちゃ!に~ちゃ!」
ピンチという単語に金が反応して俺の頬をペチペチと叩き始めた。
「あ~……どした~金?」
「に~ちゃ!ゆーゆね~ちゃたすけたげて!」
{へ?}
「だってだって、に~ちゃは“ゆうちゃ”でしょ?」
「あ~……ま~なぁ~…」
これは十中八九、銀の影響だろうな。あいつ、弟たちに“兄ちゃんみたいな男をな勇者って言うんだぜ”って言って接してたみたいで、赤ん坊だった金もそうだが鉄も俺のことを時々“勇者”って呼ぶことがあんだよなぁ……。
別段、そんなことを善人みたいなことしてるわけじゃねぇし……そもそも俺は不良の方がしっくり来るような人間だ。“勇者”……なんて称号は重すぎんだよ……。……悪い気はしねぇが……。
「ま~……そ~だな……。今度そっちいくわ」
{へぇっ!?}
「お~さすがに~ちゃ!」
「どうせ明後日ぐらいにゃ、そっちに行くんだ。ついでに勉強見てやんよ」
{えっ?えっ?い、いいんですか!?}
「?何、慌ててやがる」
{あっわわわっ!だっ大丈夫ですよ!?はい!!}
「ホントに大丈夫かよ……?っと、こっちはもう付くから一旦切んぞ」
{あっ……はっはい!!}
「ほれ、金。結城の嬢ちゃんにバイバイだ」
「ゆーゆね~ちゃ、ばいば~い!!」
{じゃっじゃあね!金太郎君!!}
「んじゃ、また連絡する。またな」
{ひゃ……ひゃいっ!!}
最後の方、何故か顔を真っ赤になった結城の嬢ちゃんに別れを告げ通話を切る。にしても何で真っ赤になって吃り出したんだ?
「……まぁ、気にすることはないか」
「?」
「さて。金、何を食べたい?」
「ん~とねん~とね……」
ま、俺はいつものするとしようか。
**************
「はい、いらっ……ってお!?お前、セツ坊か!?」
「どうもッス、おやっさん」
「おお~!大きくなったなぁ!!」
「え!?セツ君帰ってきたのかい!?」
「おおおっ、本当にセツじゃねぇか!」
ここ、イネスのフードコートは俺が小さい頃から良く通っていて中学に上がるまでは結構な比率でやって来ていた。そのため、ここのフードコートの人達には顔を覚えられ、よくサービスしてもらっていた。県外行く前に銀主宰で激励会開いてくれたのはいい思い出だ。
「わ~、に~ちゃゆうめいじんだ~」
「お、金坊も一緒か」
「ええ。あ、俺はいつもの頼んます」
「きゃんはこれ~」
「はいよ!!席はいつもんとこか?」
「はい」
「よろちゅくおねがいちます!」
「よっしゃ!!任せんさい!!!」
相変わらず、うどん屋のおやっさんは気合い入ってんなぁ~。にしても3年経ったが全員元気そうで安心した。…………隣にあいつがいないのが悲しいけどな。
そうしていつもの通路際の席に座る。すると突然、金が目をキラキラさせてこっちを見始めた。
「金?」
「やっぱりに~ちゃはすごいな~!」
「んぁ?突然なに言ってんだよ」
「だってね~ちゃがいってた!に~ちゃはみんなからあいされるゆうちゃだって!」
「はは……そっか」
あいつ……どこまで俺の株を上げときゃ気がすむんだよ……。ったく俺はそんな柄じゃ「お母さん……どこぉ……」ねぇ……。
……………………はぁ。
「金」
「あい?」
「おやっさんとこ、一人で行けるか?」
「うん!」
「なら、行っててくれ。俺は何時もの事だっていやぁ分かるはずだ」
「はぁい!」
「よし、いい返事だ」
そう言って金の頭を一撫でしておやっさん所に送り出した後、親とはぐれてしまったとおぼしき少女の元へ向い、話しかける。
「嬢ちゃん、どうした?」
「ふぇっ……?」
しゃがんで少女の目を見る。何気、小さな子……特に女の子と話すときはこうしないと怖がられてしまうことが多い。ま、大人でも自分より目上の人と話すとなると圧倒されることがあるからな。
「ええっと……ええっと……」
「落ち着いて、安心してゆっくり話せ。な?」
「…………うん…………」
「じゃあ……まずは……」
その後、女の子と話してみると……どうやら母親と洋服を一緒に見て回っていたが人混みの中ではぐれてしまった……とのことらしい。
よし。洋服売り場だったら……この近くだな。きっと母親のその近辺にいるはずだ。
「わかった。なら、俺も一緒に探してやる」
「……ほんと?……」
「ああ。俺に任しとけ」
そうして、女の子から母親の特徴を聞きつつ、手を繋ぎながら洋服売り場を目指した。
**************
「どうもありがとうございました!」
「いや、俺は当たり前の事をしただけッスよ」
幸い、予想通り洋服売り場の近くをおろおろしていた母親を見つけることができた。
「ほら、ちゃんとお礼しましょ?」
「うん!お兄ちゃんありがとう!」
「いいってことだ。今度ははぐれないようにな」
「うん!」
「本当にありがとうございました」
「お兄ちゃん、バイバイ」
「おぅ。じゃぁな~」
見えなくなるまで手を振っていた女の子とペコペコしていた母親を見送る。
さてさて、俺も金のところに戻るとしますかね…。
**************
……戻ってきたらば何故か金のところに和風美人と金髪少女がいた。因みにどちらも見覚えはない。そもそも金はおやっさんのとこに行ったんじゃねぇのかよ……。
まぁ、金の様子を見るに悪い奴じゃないみたいだ。あいつ、人の雰囲気にはめちゃくちゃ敏感だからな~。悪い野郎ならば、すたこらさっさと逃げるからな。そんな金が満面の笑顔なんだ、あの子らは安全なんだろう。
「ふぁ!にゅ~ぴゃ、おふぁへり!」
「あ、この子のおに…………え?」
「へっ!?」
「おいこら金。口に物入れてるときは喋るなって言っただろうが……。すまねぇな、弟か世話んなった……て聞いてんのかよ?」
何だ何だ?俺の顔になんかついてるか?別に今日“は”喧嘩なんてしてねぇぞ?つーか、人の顔見て固まるなんてひでぇ奴等だな、全く。
にしてもどっちも美人さんだな~。和風美人の方は黒の長髪でスタイル抜群。どこぞのモデルさんか?それでなんつーか、結城の嬢ちゃんと対極的な雰囲気があって……そう、あれだこれぞ日本の美人さんという感じだな。んで、もう一方の金髪少女は……なんというか雰囲気がふんわりしてそうだな。結城の嬢ちゃんも結構天然っ気があるが、それと同等……それ以上の緩さを感じるのだがな。というか比較基準が結城の嬢ちゃんしかいないってのも悲しいもんだな。そもそもあいつ自身もレベル高いし。
「?ね~ちゃたちどしたの?」
「え……あっ……ええ」
「あれ……そういえば……?」
「???」
一体なにがどう…………ん?待てよ…………?
この反応、そして見覚えはないが……よくよく思い返してみるとどっかで聞いたことのある風貌…………。
…………………………あ!
「もしかしておめぇら……鷲尾と乃木か?」
「あ~!もしかして~!!」
「えっ?えっ??」
「に~ちゃたちしりあい~?」
そうだったそうだった。昔、銀が「大親友が出来たんだ!」って嬉しそうに話していた中でこの子らのこと話してたっけな。確か……
「和風美人さんが鷲尾須美。天然金髪の方が乃木園子。……で、あってるか?」
「び、びじっ!?」
「そうです~。そう言うあなたはミノさんのお兄さん~」
「白銀だ。……鷲尾の嬢ちゃんの方は心底驚かせちまったみてぇだな」
驚くのも無理はないか……。俺と銀は年はひとつ違うが顔立ちが双子のように瓜二つだからな~。しかも髪型まで同じだから小さい頃はよく間違えられたっけ…………。さすがに小学校の文化祭の時、
男子にコクられたときはどうかと思ったが。……やべ、嫌なこと思いだしちまった。まぁ、小学生高学年くらいになると俺の方が目付きが鋭くなってったし、背が一気に伸び始めたから分かりやすくはなったらしいがな。
「せ……白銀さん……?」
「あれ~?ということはうどん屋のおじちゃんが言ってたセツ坊って~?」
「俺んこった。ちょっと待ってろ、詳しい話する前にうどん取ってくる」
「に~ちゃのうどんならここにあるよ~」
「……いつの間に?」
「あ、先程、うどん屋の方に一緒に持ってってほしいと……」
「そうなのか……さんきゅ」
金の隣は乃木の嬢ちゃんが既に座っていたため鷲尾の嬢ちゃんの隣に座る。すると隣で更に固くなる感じがした。
「さて、それじゃあ……乃木の嬢ちゃんと鷲尾の嬢ちゃん。改めて……、三ノ輪白銀だ。弟が……そして妹が世話になった。ありがとう」
「そ、そんな私なんて……えと、私は鷲尾須美ですが……今は東郷美森です。以後お見知りおきを」
「改めて、乃木園子です。よろしく~」
「よろしく。……んん?東郷?っつーとあれか、結城の嬢ちゃんの大親友の?」
「……なるほど。あなたが、わ・た・し・の!友奈ちゃんにちょっかいを出して、たぶらかしている不埒な輩、我が宿敵ですか……」
「あああ……わっしー、落ち着いて~」
「あん?」
なんか知らんが……地雷を踏んじまったか?固かった隣の鷲尾……ではなく東郷の嬢ちゃんがどす黒いオーラ的なものを出し始めたんだが?心なしか髪も逆立ってきてるような?
「どうせ、先程のように軽いことを言って友奈ちゃんを誘惑したんでしょう?そうでしょう?そうですよね??そうなんですよね???さぁ、撃ち抜いてあげますから潔くそこにおとなしくしていなさい。そうそう安心しなさい?一発で楽にしてあげるわ」
「なにとち狂ってんだ?結城の嬢ちゃんとはただの友人だぞ?ついでに言えばたぶらかすわけねぇだろーが、あんなに純情なやつを。後、お前さんらが美人なのは軽いことじゃなく事実だろうが……」
「っ!?そ、そう……!?」
「わ、わああぁ~……わっしーを止めたことも驚きだけど、さすがに恥ずかしすぎるよ~」
「い、いえ、それよりも見直したわ。僅かな期間で友奈ちゃんの魅力に気づくだなんて」
「?変なやつだな。ま、あいつにもよろしく言っといてくれや」
美人なのを誉めるのはいけないんだろうか?
………………あれ?そういや、銀にも「兄ちゃんは口が軽すぎる」って真っ赤な顔して文句言われたことがあったっけ……。それに「兄ちゃんはただでさえイケメンなんだからもっと言葉に気をつけて」とも言われたっけな。………俺みたいな不良のどこがイケメンなんだろうか?
「そういや……。最初、東郷の嬢ちゃんはすんげぇ驚いてたろ?銀から俺の話、聞いてなかったのか?」
「ああ……いえ、聞いてはいたんですが……。話だけだったので、まさかここまでそっくりだなんて思いもしなかったんですよ。……そのっちは知ってたの?」
「うん。私は何度か写真を見せてもらったことがあるからね~。ある程度慣れてたんだよ~」
「え!?いつの間に……」
「小説のネタに困ってるときに見せてもらったんだ~。正直、とっても助かったよ~」
「驚いた。乃木の嬢ちゃんは昔の俺と銀の見分けがつくのか?」
「ううん、ミノさんに教えてもらったんよ~。そうじゃなきゃ、そっくりすぎて全然わかんなかったよ~」
「……あの~……小説のネタにされた件はいいのですか?」
「ん、別にあいつが見せたんならいいんだよ。そんだけ信頼してたんだ、あいつが信頼するのならばおれも信頼する。それだけさ」
「ふ、ふぉぉぉぉおおお~!ま、まさか、そんな台詞をリアルで聞けるなんて思ってなかったよ~!」
「ふぁ~ぢゃ、ふぁっほいぃ~」
「お、落ち着いて……そのっち……」
「だっから、ちゃぁんと口の中のもんなくしてから喋れつってんだろうが。他の人がいるってんのに行儀が悪すぎんぞ……。っつか、どんだけ詰めこんだんだよ……。もうちょい落ち着いて食べろや」
「んんっ……んっくん!!だってうまいんだぜ!!」
「後、俺の口調を真似すんな。……ったく、口回りべたべたじゃねぇか……。ほれ、顔だせ」
口回りだけでなく、顔中べたべたな金の顔をハンカチで拭いてやる。元気なのはいいことなんだがな……。元気すぎんのも考えもんだ。
「ん、いいぞ」
「ありがと、に~ちゃ!」
「さて……お前さんらはなんも食べんのか?」
何か懐かしそうな表情でこちらを眺めるお二方に声をかける。
「ん~……どうする、そのっち?まだお昼には早いけど……」
「そうだね~。でも、その時間帯なら大丈夫何じゃないかな~」
「ん、だったら何か頼んでこいよ。いろいろ話した「すいませ~ん!この近くで子供を見ませんでしたか!」……あ~……用意して待ってろ。ついでに金のことも見ておいてくれ」
「あ、あはは~……分かりました~」
「…………頼んだ」
さてさて……今度は何だろな……。
「もしかして……お兄さんも……?」
「かもね~」
そうですよ。あいつと同じくトラブル体質ですよ。というかあいつのとばっちりを受けてたこともあるから、実質あいつよかトラブル体質の可能性がありますよ。
「かといって……見捨てるわけにゃいかねぇからな」
そう呟いた後、俺は困っている母親の元へと向かったのだった……。
**************
ーーーーーーーー???????
「……………………」
「……………………」
「……………………」
その部屋には重い空気が支配していた。
ここは大赦と呼ばれる場所のなかでも一番重要な会議が行われる部屋。勇者たちが戦っていた際には毎日使われていたこの部屋は神樹が失われて以降、一切使われていなかった。にもかかわらず、その部屋には仮面を付けた者達が集まりただただ沈黙を貫いていた。
「………………報告にあったことは………………本当なのか?」
この召集後、約一時間。
その第一声は、とことん悲壮感を満載した言葉だった。
「………………はい。何度も確認しましたが……………………間違いありませんでした………………」
「…………………………他の場所の状況は?」
「主に…………沿岸部がやられていました。…………しかし…………」
「……ああ、分かっている………」
静かな報告を受け、再び沈黙がその部屋を支配する。
「……………………」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
永い永い沈黙ーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー
ーーーーー
ーー
ーーーーーーーー「くはっ!くはははははっ!!」
ーーーーーそれを別の部屋からモニター越しに眺めるモノがいた
「くはははははははははははっ!!くはははははははははははっ!!!くははははははははははははははははははははははっ!!!!」
「ががあっががぁぅぁぉぁが見ろよ、見ろよ!よろよらかやよ!」
「uuuuuuuuuuquqうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざい」
「苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦苦苦苦苦苦苦苦苦苦苦苦苦苦苦……」
「罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰罰死死し死死死死死死死死死死死死死死死死死し死死死死死死死死し死死死死死死死死し死死死死死死死死死死死……」
その部屋に充満するのは狂ったような笑い声と呪詛の様な声。そしてその部屋はーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー全てが赤く赤く染まっていた。
モニターも、時計も、床も、天井も、カーテンも、窓も、何もかもが赤く赤く染まっていた。
そしてその真っ赤なモニターを呪詛の様な声をあげて覗く。真っ黒いモノ。そしてーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーそのモニターのーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー土台となっているのはーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー真っ赤に染まったーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー謎の物体ーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー否
ーーーーーーー原型を留めぬほど切り裂かれーーーーーーー
ーーーーーーー無造作に固められたーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーかつて、人だったものーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーそうーーーーーーーーーー
ーーーーーーこの部屋を赤く染めているのはーーーーーー
ーーーーーー人のーーーーーーーーーー鮮血ーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー「ててててててててででででででででももでもでもてみもでもてみでもたりりりのいないないないないないないない」
「あのおとこあのおとこあのおとこあのおとこあのおとこあのおとこあのおとこあのおとこあのおとこあのおとこあのおとこあのおとこあのおとこ」
「すべてうばったすべてうばったすべてうばったすべてうばったすべてうばったすべてうばったすべてうばったすべてうばったすべてうばったすべてうばったすべてうばったすべてうばったすべてうばった」
「やつをころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころここここここここここここここここここここここここここkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkk」
「くはははははははははははっ!!くはははははははははははっ!!!くはっ!!!くはっ!!!!!くははははははははははははははははははははははっ!!すべてすべてすべてすべてすべてすべてすべてすべてすべてすべてすべてすべてすべてすべてすべてすべてすべてすべてすべてすべてすべてすべてすべてすべてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーかみもひともあいつもせかいもすべてすべてなにもかも!!!!!
ーーーーーーーーーーゆうしゃもすべて!!!!!!!!
ーーーーーーーーーーーげじでや゙る゙!!!!!!!!!!」
そして、真っ黒いモノたちは静かに動き始める。
すべてを消すために。
邪魔者を消すために。
怨恨の相手を消すために。
世界を消すために。
そしてーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー勇者を消すために。
静かに闇が動き始める。
それは土地神でも、ましてや天の神の意思でもない。
それはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[ql6va4de5m2gda]の意思ーーーーーーーーーーーーーーー
第壱話 一 終
いかがでしたでしょうか?
もっとこうしてほしい!等々の意見があれば嬉しい限りです。
補足ですが最後の一文は誤字ではないのであしからず。
流石にまだ敵の正体は明かせないですからね。それは後々。
最後に誤字脱字、その他様々な意見があれば受け付けていますので、よろしくお願いします!!