三ノ輪白銀は異質な勇者である   作:璃空埜

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こんばんは。
ここ最近、休みがない上に上司からこき使われて社会の厳しさを改めて感じ始めた璃空埜です。


というか……まじで、休みがないっす…………。





第壱話    邂逅 後

ーーーーーーーー乃木 園子の章

 

「ほ~……あいつがねぇ~」

 

私たちのお話を聞いて感心したようなセツさん。

迷子探しの後、いくつかのトラブルを解決して戻ってきたセツさんと3人でうどんを食べつつ、ミノさんと私たちが過ごした日々の話をしていた。ちなみにタロちゃんはうどんを食べ終えてしまっていて、今はセツさんの膝の上で既に夢の中に旅立っている。

 

「意外ですか?」

「いんや、そんなことはねぇさ。……あいつらしいなと思ってな」

 

セツさんがわっしーと話ながら膝で寝ているタロちゃんの頭を撫でる姿は、否応なしにかつての親友の姿を思い起こさせる。

 

「その子ってあれか?凄く大人しいか?」

「そうですけれど……?」

「だったら、俺も聞いたことあるぜ。確か……山伏の嬢ちゃんだっけか」

「そうです!よく分かりましたね」

「俺は県外の中学に行ったつーのは話したろ?そん時、毎日のように連絡寄越してきてさ、色々聞いてたんだよ。山伏の嬢ちゃん然り、おめぇさん然り、乃木の嬢ちゃん然り」

「……もしかして余計なことは聞いてませんよね?」

「余計なことってどんなことだよ。つか、隠すようなことしてたんかよ……。」

 

うーん……。やっぱり見れば見るほど、ミノさんそっくり。写真でもそうだったんだけど、実際に見ると声までそっくりだから……ホントにそこにミノさんがいるような気になってしまう。

でも、セツさんはミノさんじゃない。どんなに不幸体質が、声が、性格が、仕草が、雰囲気が、言っていることがそっくりでも彼はミノさんとは違う……。

時に…………。

 

「ねぇねぇ、セツさんや。セツさんや」

「何だい、乃木さんや」

「そのっち、おばあさんみたいな聞き方しないの。白銀さんもそれに乗らないでください」

「へいへい。んで?なんだい、乃木の嬢ちゃん」

「うん。その、言いにくいのなら良いんだけど……右手だけ何でグローブしてるのかな~って思って」

「確かに……それは私も気になっていました」

 

セツさんの服装は黒のコートに黒のTシャツそれにジーパンという高校生とかなら普通そうな格好をしているのだけれども……何故か右手だけライダーさんが付けてそうな指貫グローブをつけている。

 

「ん~……まぁ、ちょっとな?」

「……あんまり話したくない感じ~?」

「いや………………ま、いいか。ちょっと見てくれ」

 

少しの思考した後、右手のグローブを外すセツさん。その下にはさらに包帯が巻かれていた。

 

「もしかして……」

「いんや、悪いが怪我じゃねぇんだ。あんまり人目につかせたくねぇのは変わらねぇが」

 

そう言いながら残りの包帯もとっていく……そして、表れたのはーーーーーーーーーー

 

「「………………え………………?」」

 

 

ーーーーーー私達が先月までよく見かけたものだった…………。

 

 

「…………その反応…………何か知っているのか?」

「いや…………でも…………」

 

 

何故ーーーーーーーーーー

 

 

何故ーーーーーーーーーー

 

 

何故ーーーーーーーーーー彼の手に私達が勇者に変身したときの衣装にあった花の紋様と、とても似ている痣があるんだろう?

 

 

「蕾だからはっきり分からねぇが、多分……コスモスだと思うんだよな。んで?何か知っているのか?」

「……多分、大赦で似たものを見たからかな~」

「大赦で?……ちっ…嫌なとこにあんなぁ……」

 

嫌なところって……。確かに、大赦を苦手としている人はそれなりいるけどここまで露骨に嫌う人も珍しいな~。

 

「因みに何時ぐらいからあったんですか?」

「大体3年前の7月ぐらいだったな。朝起きたら勝手に出来てたんだよ。痛みとかもなかったからホント気付いたらあったって感じだな」

「3年前の……7月」

「ああ……奇しくもあいつが死んだ月さ。何の因果かは知らねぇがな…………。もう戻してもいいか?余り人目に晒したくねぇんだわ」

「あ、うん……ごめんね~」

「気にすんな。…………不良のレッテル貼られるよか大分ましだかんな」

 

気にするなとは言ったけどちょっと嫌なことを思い出したみたいで少し苦笑い気味のセツさん。

…………おかしいな……。神樹様はもういないし、天の神も現状は様子見しているからそんなものが今あっても意味はないはず……。いや、何か起きたときの保険…………?それでも3年前からある…………って言うのが分からない。それだったら普通、神樹様がいなくなったときに同時に消えるはず………………。まさかーーーーーーーーーー

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーまだ……何か……起きるって言うの……?

 

 

 

 

**************

 

その後も色々お話しした後、今度はもっとゆっくり話そうということになり連絡先を交換して帰路についた。もう外はどっぷり暗くなっちゃったけど。

 

「ただいま~」

「おかえりなさいませ、園子様」

 

乃木家の豪勢な玄関を潜り、お手伝いさん達のお出迎えを受けながらも……私が考えていたのはセツさんの手の痣のことだった。

私やわっし~は確かに少し前まで勇者だった。もちろんゆーゆもそうだし……他にも仲間はいて……。つい先月、ゆーゆが神樹との神婚を行って天の神に勝って……そして、世界は元通りになった。…………中には天の神の進行はいつかある可能性があるとは言っていたけど…………。……そう考えてみてもやっぱり彼の手の痣が残っていることの決定的な理由には……ならない。う~ん………………。

 

「駄目だぁ………。考えが堂々巡りしちゃってるよぉ~」

 

ただ、もし…………ーーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーーーもし…………あの痣が“意図的に”残されたものだったら……?

 

もしものためではなくって…………………………。

 

「…………………………あれ?」

 

待って…………。私達がかつて戦った相手のボスが天の神……。そして、私達の味方をしてくれた神樹様は、土地神様達の集合体……。

 

 

ーーーーーーーーーーまさか…………?

 

 

「……………………天と地……………。……………………神様はそれだけじゃない………………」

 

 

そういえば…………ご先祖様達が残した者の中に気になるものが……。

 

「そうだ……ご先祖様達が見た…………」

 

確かに前まで世界は破滅していたけれど…………まさか?

 

「…………………………」

 

もし…………もし、私の考えたことがあっているのならば………………。

そんなとき、突如としてカーテンをしていた窓ガラスの1つがこんこんと叩かれ、その音に思わず身をすくめる。

こんな時間に一体何だろう?

 

「………………っ」

 

ごくっ……と喉をならしながら、恐る恐るカーテンを引くと……

 

「…………あれ?鳥さん?」

 

そこにいたのは……ゆーゆの意識を救い出すときに私達に協力してくれたあの青い鳥さんだった。

そして、その瞳は……まるでーーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーーーこれから良くないことが起こることを暗示するように哀しみで満ちているような……そんな気がした。

 

 

**************

 

ーーーーーーーーーー同時刻 

ーーーーーーーーーー三ノ輪 白銀の章

 

乃木達と別れた後、そのまま家に直帰し、家族全員でゲームと夕食を楽しみ、弟たちを寝かしつけた。そして現在自室のベッドに寝転び、ぼんやりとスマホをいじりここ最近のニュースを見て回っていた。

……すると、ある変な……というか奇っ怪なニュースの見出しに目が止まった。

 

「…?なんだこれ?」

 

『無惨!怪奇!一夜の惨劇!!土地神を祀った神社が破壊される!!!』

 

「おいおい……。罰当たりっていうか…。……確かに俺も大赦は嫌いだがこんなことしようとは思わねぇなぁ……………」

 

タップして記事を拡大して詳しく見てみる。

 

『本日明朝。とある老夫婦が日課である神社を訪れたところ、土地神を祀っていた社を中心に神社が文字通り破壊されていたのを見つけた。幸いなことに人的被害はないものの、祀っていた御神体が跡形もなく破壊されており、神社の敷地内も徹底的に破壊されていた。警察は現在、目下犯人を捜索中であり……』

 

「やれやれ……。帰ってきて早々物騒な事件だな~。……お、写真もある。どれどれっと………………。………………うわぁ」

 

記事の写真を見てみると、それはもうひどいもんだった。

本殿はもう破壊……いや、これ切り味がいい刃物かなんかで切り刻まれてるって言う方がしっくりくるな。鳥居とかも切り刻まれてる感じだし…………いや、まて。鳥居を切り刻むってなんぞ??キレーにスパッと切られまくってるけど……普通、人には無理でしょ?怪盗の仲間でこんにゃく以外なら何だって切る刀使ってる侍とか海賊で三刀流…果ては九刀流までやっちゃった剣士とかじゃあるまいし。……と、言うことはだ、これ……犯人、人間じゃなくないか?警察で相手になんのかよ?そうすると科学的云々かんぬん言ってくる人が出てくるだろうけど……局地的に竜巻かなんかが発生したなんて説明じゃ無理だろ、これ。だって鳥居とか本殿以外もズタズタに切り刻まれてるけど、周りの竹林には被害が及んでねぇとこあるし……。

 

「……これは惨いな……。神社の跡形もない程壊すってどんだけだよ…………。…………ん?」

 

ふと……ここで写真の端……。何かが“いる”ことに気づいた。

 

「…………これ…………心霊写真か?」

 

画像を単体で表示し拡大して見ると……そこにいたのはーーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーーーただただ黒い何か…………。

 

 

「…………人っぽいけど………………。…………もしかしてあれか?土地神の幽霊か?」

 

…………いやいや。んなわけあるか。というか神様だって似たようなもんでしょうが…………。……………いや、違うだろ。

独り突っ込みをし、再び写真に目を落としたとき……

 

『ごここっこここここここごここごころころころっごろじだ!!』

「っ!?!?」

 

突如として頭のなかに呪詛……みたいなものが流れ込んできた!!

おまけに右手の……あの痣かあるところが焼けるように痛く……っ!!?

 

『やたやたやたやたやたやとやたよたたたたつぎつぎつきぎぎぎぎぎ……』

『おおおおひししきおおひしおおひししおおはしおおはししししし……』

『ゆうじゃゆうじゃゆうじゃゆうじゃゆうじゃゆうじゃゆゆゆゆうううじじじじゃゃ……』

「ぐぅっあっ……!?」

 

なん…………だっ……これっ……!?

頭が……………………わ……………れっ……そうだっ……!!!

それにっ……右手もっ…………焼けるように………………っ!!!!?

 

「っっっっ!?!?」

 

声も…………だせねぇ…………っ!!!

 

「っっがぁっっっ!?!?!?」

『てききききききききききいにににのにななぬねななな……』

『くはははははははははははははっ!くははははははははははははははは……』

『ここここころころころこはほろろろころろろろころころころころ……』

 

うるっ…………………………せぇぇぇぇぇぇぇっっ!!!!

 

「っ!?!?……?」

 

口には出さなかったが、心の中で叫んだとたん頭の中に響いた呪詛も右手の焼けるような痛みもなくなった。

 

「はあっ…………はあっ……」

 

今のは………………一体……………………。

 

『ーーーーちゃん。にーーーーん』

「!!!」

 

 

そして、次に頭の中に響きだしたのはーーーーーーーーーー

 

 

 

「こ…………れ…………?」

 

 

 

3年前、夢の中で聞いたのを最後に全く聞いていなかったーーーーーーーーーー

 

 

 

『にぃーーちゃー、皆をーーーーーーーーーー』

「………………まさか…………」

 

 

 

銀のーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー?

 

 

 

 

『にぃちゃん……皆を……護って……!!』

「ぎ…………ん…………?」

 

 

 

 

その言葉と同時に俺のなかで何かが開いた…………気がした。と同時にさっきの呪詛の意味がわかった気がした。

 

「……………………………そういうっ…こっかよ!!」

 

3年前の夢……まさかこの事を予見していたのか?でも……そうだとするなら銀の意思だけじゃない事は確かだ……。一体、誰が…………?

 

「っそ!!」

 

それは一旦後回しだ!!

深夜だったがとにかくダッシュで家を出、愛用しているマウンテンバイクに跨がる。

さっき呪詛のなかであいつらは『大橋』に行くみたいなことを言っていた……。つっても、向かったところでどうすんだ!?

 

 

ーーーーーーーーーーたが……行かなきゃもっとヤバイ気がする!!

 

 

そして、おもいっきりペダルをこぎ始め、それと同時に音声入力で結城の番号を呼び出す。何故かは分からないがそうしないといけないような気がした……。

 

{もひ…………もひぃ……?}

「結城か!?」

 

流石にこの時間は寝ていたらしく寝ぼけた声がした。

こっちはとにかく全速力でペダルを漕ぎまくる!!

 

{ひぁれ……?へつかしゃあん……?}

「そっちはなんともないか!!?」

{んんぅ……?にゃいが~……?}

「よし。一応、無事みたいだな…………」

{んん~……?何でしょんにゃ}

「わりぃ!説明してる暇はねぇんだ!!」

 

ほとんどノーブレーキで曲がり角をドリフトして疾走する!!

体制を横に低くしすぎたせいか思いっきり膝をすってしまったが………そんなの気にしてる場合じゃねぇ!!

 

「うっぐ……結城!!とにかく変なもんに触ったりしないで大人しくしてろ!!!」

{ふぁ……!?へっ!?どっどういう}

「後でまたかけるっ!!」

 

強引に通話を切り、次は……東郷の番号を呼び出す。

 

 

ーーーーーーーーーー…………が、出ない!

 

 

「っそ!!!」

 

何度もコールする。………それでも、東郷が出ることはなかった。

 

「どうなってやがる…………っ!?」

 

さっき見た奴らに何かされたのか…………?

そうだとするなら………………。

 

「もっと急がねぇとっ…………!!」

 

更に急ぎながら最後に乃木に電話を掛ける……。

結城や東郷と違い、こちらは直ぐに電話に出た。

 

「っ!!乃木かっ!?今、どこにいる!!」

{え!?セツさん!?}

 

目の前の階段にもノーブレーキで突っ込み、そのまま大ジャンプ!!危うく舌を噛むとこだったが

 

「いいっ……から教えろ!!!」

{えっと~…。今、大橋に……}

「んなっ!?」 

 

マジかっ!?乃木がそこで奴等と会っちまったら…………。くそっ!!!

 

「直ぐ行く!!大人しくしてろっ!!!」

{へ……?}

「うろちょろしねぇで大人しくしてやがれって言ってんだっ!!!」

{ど、どうし}

「きるぞ!!」

 

再び強引に通話を切る。大橋は目と鼻の先!!ーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーーー間に合ってくれよっ!!!!

 

 

だが…瞬間、目の前を横切る黒猫が……!?

 

「やっ……!?」

 

ヤバい……と思ったときには既にハンドルを左にきったがーーーーーーーーー

 

 

その先には道路沿いに設置された柵ーーーーーーーーー

 

 

 

そしてーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

**************

 

ーーーーーーーーーー乃木 園子の章

 

「一体……?」

 

鳥さんに導かれるように大橋までやって来たんだけど……そしたら、突然セツさんから電話があって「大人しくしてろ!!」と怒鳴られてしまった……と言っても私のことを心底心配してくれているような……そんなニュアンスの言い方だった。

 

ーーーーーーーーーーまるでこの先に何か良くないことが待っているかのように

 

「……ねぇ、鳥さん…………一体何が起こっているの……?」

 

私の問いかけに鳥さんは何も答えなかった。でも……その目が「気をつけて」と語っているような気がした。

 

「……とにかく……」

 

セツさんには悪いけど……ここまで来てしまったからには引き下がるわけには行かないよね。

 

 

ーーーーーーーーーーもう“あの力”はないとしても

 

 

「う~ん……。これだったら遺言のひとつでも残してきたらよかったかな~」

 

な~んて、ちょっと縁起でも無いことを言ってみる。…………回りにツッコミ役がいないと寂しいなぁ~。

さて…………。

 

「…………行こうか、鳥さん」

 

鳥さんを肩に乗せ、慎重に慎重に歩き始める。セツさんの言葉を無視することになっちゃうけど…………。帰ったら謝ろう……。

 

**************

 

世界が元通りになって、ここ大橋も日が上っているときは沢山の人達で賑わっているけれど……流石にこんな夜中になると、人っ子1人いない。ただただ静寂が包む中、たった1人で……ではないけどライト片手に付近を探索する。

 

「…………そう言えば……ここ、心霊スポットとして有名だったっけ」

 

確か、夜中になると子供の泣き声だか男の人の声だとかが聞こえるって話だったような……?

……………………。何だか、急に怖くなってきちゃったんよ~……。

肩に制止している鳥さんは一声?も鳴かないし……。

 

「…………心細いんよ~…………」

 

かといって、引き返す訳にも行かないんだよね……。鳥さんが来たこともそうだし、さっきのセツさんの切羽詰まった電話。セツさんが何であんなに切羽詰まっていたのかは分からないけど……ミノさんと似たような性格なら……何かしらに私を巻き込まないために電話したんだと思う。その気持ちをないがしろにするのはホントに心苦しい。でも、元とはいえ、私だって勇者。何か起きているのなら…………。

 

「…………また、私達が背負わなきゃいけないから……」

 

でも、ホントに何でセツさんは私……もしかしたらゆーゆやわっしーにも電話をかけてるかもしれないけれど……。

…………やっぱり、お昼に見たあの痣が関係しているんだろうか?

でも……あの痣の蕾は確かにコスモス。ミノさんの勇者服のモチーフは…牡丹だった。確かにセツさんとミノさんは血は繋がってはいるけれど別人だ。だから、華紋が異なるって言うのはわかる。……あれ?そもそも……

 

「………………男の勇者なんて普通はあり得ない……」

 

神樹様は清く麗らかな少女を勇者に選定してきた。それなのに、彼は勇者が持つ華紋と同じ紋様を持っている…………。しかも、時期的には、ゆーゆやふーみん先輩が選定される前に……だ。…………可能性があるのならば

 

「……土地神様の1人の独断…………」

 

んん~……?それもおかしいな…………。セツさんは私達が選定されるよりもちょっと前に県外に出ている。そもそもの話、そんなことをする余裕なんてあったんだろうか?

 

「………………」

 

……駄目。ぜ~んぜん、閃かないや…………。

そうして、頭を降った瞬間だったーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーー背後の草むらが……いや

 

 

ーーーーーーーーー回りの草むら、樹々が突如として不気味に葉を揺らし始めた。

 

 

「…………ふぅ~……」

 

何だか、変な雰囲気になってきたよ~…………。

 

「ピィィッ!!」

「わひゃぁあ!?」

 

途端、警戒するかのように鳥さんが声をあげる…………。でも、何か前触れを出してほしかったなぁ~……。突然肩本で鳴かれたからびっくりしちゃったよ~……。

 

**************

 

結局、さっき異様な雰囲気になった所以外は何事もなく……。

 

「……広場まで来ちゃいましたとさ~」

 

うーん……。流石に開けたところはないよね~。

やっぱ、気のせい……考えすぎだったかな?

 

「…………そろそろ、帰ろ……っ!?」

 

そう言って、振り返ろうとした瞬間ーーーーーーーーー

 

 

「くはははははははははははっ……」

 

 

気色が悪い……狂ったような笑い声がどこからか響いてきた……!

いや……どこ……じゃないっ!!

 

 

「くはははははははははははっ……くはははははははははははっ……」

「ひと?ひひひひととととと?みられたみられたみれたみれたみられた?」

「とどどとどどとどどどどうどうどうどうどどどうううすすすすすすすするるる」

 

至る所から……しかも私を取り囲むように変な声がどんどん近づいてきてる……!?

 

「鳥さん逃げ……っ!?」

 

「ととととりりりああえええずえずえずえずえずえずえずえず」

「こっここころろろろろろろろろろろろろろろろろろすふすすすすすすすすすすふすすふすす?」

「いるるるふやるつぬゆなうぬつゆあつゆどんたなけよんこそにえこえ?」

 

 

鳥さんは…何とか………逃げれた……みたいだけど……………なんで……体が………………っ!?

 

 

「かかかこかかかかかかかかかかかくくくくくくににととににゆにににににのんんんんんしちちちちちととちたた」

「ゆゆゆゆぬゆゆゆんゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆうううううううううううううしししししししゃゃゃゃゃゃゃ」

「くはははははははははははっ!!くはははははははははははっ!!くははははははははははははへはははははへくはははははははっ!!!」

 

 

うご…………かないのっ…………!?!?

 

 

「ころすこほすこほすころすころす????るるる」「やろうやろうやろうやろうやろうやろうやろう」「みられたみられたみれたみれたみられたならねらならならならしかかかない」「けってけってけってけっけっていいいいいいいい」

 

 

そして……現れたのはーーーーーーーーー

 

 

 

ーーーーーーーーー真っ黒い……人の形の…………何か……。

 

そして、その手のは……異様に肥大かし、そこだけ鈍い銀色に輝く8本の爪が生えている。

 

「…………っ!」

 

まずい!

でも……体が……っ!!

どんなに体に力をいれようとも固まってしまったかのように……………………っ!!

 

「…………っ!?」

 

ここで初めて……黒い人影の後ろの木葉が……ーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーー空中で静止しているのに気づいた。

 

「………………!!!」

 

まさか……時が止まっているって言うの!!?

 

「じじじじじじじ」

 

ゆったりと近づいてくる黒い影……。そして、徐々に周りの夜の闇からさっきのを含めて7体の影が現れる……。そして、一斉に顔とおぼしき部分が縦に裂け……瞳のような赤い物が……あらわれ……ーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーー「「「「「「「ゆ゙ゔじゃ゙」」」」」」」

 

 

 

ーーーーーーーーー「「「「「「「ごろ゙ず」」」」」」」

 

 

声を揃えーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーー嫌だ

 

そう言うとーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーー嫌だ……嫌だ……

 

私の目の前にーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーー私は死にたくなんて……

 

いる一体がーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーー私はまだ死にたくなんてないよ……っ!

 

爪を振り立て、飛びかかってーーーーーーーーー

 

 

 

 

「がぎゃぁぁぁぁあっ!!!???」

 

 

 

ーーーーーーーーーこようとした瞬間。

 

空から何かが降ってきて飛びかかろうとしていた影に直撃し、そのまま地面に叩きつけた。

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

そして、残りの6体が驚きーーーーーーーーー

 

「ぐげあっ……」

 

直撃を受けた影が起き上がろうとしているとーーーーーーーーー

 

 

 

「そのまま眠っとけや……クソヤロウ!!」

 

 

 

連続して何か……いや、何者かが弾丸の如く突っ込んで、地面が爆発したように吹き飛んだ!

 

「きゃあっ!?」

 

その衝撃で私も吹き飛んだが、同時に何故か再び動けるように……

 

「ふぎゅっ!!」

 

いたた……。草地に落ちたお陰で何とか全身を軽く打ち付けただけですんだよ……。

 

「それにしても、一体……?」

 

広場の中央はいまだに土煙が舞い、どうなってるか分からーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーーその瞬間、一瞬で土煙が弾けた。

ーーーーーーーーーいや、両断された……が正しい。

 

同時に、あの1体の影も両断されそのまま砂のように溶けて消えていく……

 

「「「「「「な゙に゙も゙の゙だ!!!」」」」」」

 

残りの影たちが同時に問いただすーーーーーーーーー

 

「何者だって?普通のちゅ……違うな…もう高校生か?まぁ、いいか。ただ、貴様らの敵であることは確かなんじゃないか?亡霊モドキさんよ?」

 

時が止まっているとはいえ静かに降り注ぐ月の光に照らされたのはーーーーーーーーー

 

 

「おい!乃木ぃ!!」

 

 

かつてーーーーーーーーー私とわっしーとーーーーーーーーー

 

 

「こいつら倒したらてめえに説教と色々聞きたいことがあるかんな!!」

 

 

共に戦ったーーーーーーーーー

 

 

「だから、安全なとこに引っ込んでろ!!!」

 

 

三ノ輪 銀の衣装……と細部は違うけどおんなじ武器ーーーーーーーーー

 

 

「さてさてさぁてっと……」

 

 

何度も何度も彼女が振るっていた大斧を一方肩に担ぎ、一方で黒い影たちに向け声を張り上げるのほーーーーーーーーー

 

 

「家の妹の親友を殺そうとしていたんだ……。覚悟は出来ているんだろうな?だったらなぁ!!」

 

 

ーーーーーーーーー三ノ輪 白銀だった。

 

 

「貴様らの内、俺にやられてぇやつからかかってきやがれ!!この亡霊モドキども!!!」

 

 

                  第壱話 完

 




と、言うことで遅くなってしまいましたがゆゆゆ第壱話後編をお送りしました!

…………にしても、普通触っただけでパソコンがフリーズするなんて誰も予想できないのに、パソコンブレイカーなんてあだ名がつくのか……?



まぁ……過去に何十回もパソコン壊してる人が言う台詞ではないのですが。(これを友人が職場でばらしやがったのが一番の原因と思ってますが。後、壊したときには普通に触ってただけなんです。ホントに謎です)


改めて、誤字脱字、その他様々な意見等あれば受け付けておりますのでよろしくお願いいたします!!
次の投稿は早めにできるとは……思います。
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