かなりひっっさしぶりにゆゆゆ更新です。
仕事が忙しい以外のネタが尽き始めた今日この頃……。いや、忙しいのは本当の事なんですけどもね……そこのところはご了承をば……。
とまぁ、手短ですが早速どうぞ!
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『く……そ…………』
『あ~あ……全くよってたかって襲いかかって来やがって…………。おかげで服がボロボロになっちまったじゃねぇか』
『き、きさ…………ま…………はっ!』
『っと……お前は意識があるみたいだな。落ちかけてるみたいだが……まぁ、また気がついたら他のやつにも伝えといてくれ』
『な…………』
『また今度俺の大事なもんに手ぇ出そうってんなら…………今度という今度は容赦しないから……ってな』
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ーーーーーーーーーー郡 千景の章
「お、おいしい……スッゴくおいしいですよ!千景先輩!」
「ええ。あなた、中々料理上手なのね」
「そうなのよ~千景ちゃん料理上手で私としたら嬉しい限りだし……」
「……おばさんまで…………」
あれから結局、白銀くんは一旦は病院に運ばれはしたものの入院することなく診察だけすませて私達と一緒に三ノ輪家に帰ってきた。……少しは予想していたけどホントに帰るとはね……診察を終えて診察室から入院するように説得する医師達を振り払いながら出てきたのには流石に呆気にとられたけれど。……ただ、疲れはあったみたいで帰ってくるなり自室に直行してボロボロの服のまま倒れ込んで寝始めてしまった。そして……私達はというと…………
「うう~む……あ、あいつも俺の知らない間にも、もももモテるようになったんだんだな」
「そうね~あなたの最盛期よりもモテてるわね」
「ぐぅっ……」
「た、たはは……」
白銀くんのご両親と遅めの夕食を囲んでいる。ちなみに小さな子達はもう夢の中らしい。
「それにしてもあいつ、また嫌にボロボロになって帰ってきたな……」
「仕方ないわよ……。私も連絡をもらったときには驚いたけれど、あの子はここら辺の界隈じゃかなり有名だから狙われるのも仕方ないわよ」
「白銀さん、そんなに有名なんですか?」
…………?もしかして彼……結城さんには話してないの?
でも……私が知る高嶋さんと彼女が似た……いえ、同じ性格みたいだし……その事を踏まえるとするならばそんな話をすれば、それはもう怒涛のように心配されるのは確実ね。
「あら?友奈ちゃんは聞いていないの?」
「??」
「おばさん多分……彼、この子の性格を考えて話してないと思うわ」
「んん?」
場の雰囲気が少し重くなり始めたのに首をかしげる結城さん。
「う……ん、どうしたものかしら…………」
「……あいつなら別に話しても気にはしなさそうだけどね」
「なら、このあと私から話しておくわ。それと後でもいいからこの話を乃木さんにも伝えておいて」
「うん、わかったよ!」
明るく返事をする結城さん……ホントに高嶋さんと瓜二つね。もしかしたら私と同じで転生してはいるけど記憶だけ戻ってない…………っていうのは流石に無いわよね。
「にしてもすごく美味しいなぁ~」
…………この笑顔を見てると錯覚してしまうけど……ホントに無いわよね?
**************
夕御飯を食べ終えて片付けはおばさんがやってくれることになり、私たちはあてがわれた部屋……白銀くんの話だと今は亡き妹さん、銀ちゃんの部屋に入る。
誰も使ってないって聞いていたけれど、かなり綺麗に整頓と掃除がされてるわね…………何故か部屋の一角がプラモデルに占拠されているけれど。
「今日は皆でここにお泊まりだね~」
「そうね」
「そういえばあなたには自己紹介してなかったよね。私、結城友奈!来月から中学三年生!友奈って呼んでね!」
「……楠芽吹。今度あなたと同じ中学三年生になるわ」
「それじゃあ同級生だね!よろしくね、芽吹ちゃん!」
「……よろしく」
今も昔も結城さんのような人が皆を明るくするのは変わらないのね、初めてあったって言うのに堅苦しい雰囲気だったもう楠さんが懐柔されてるわ。
「それで……なんだけども、さっき白銀さんのお母さんが言ってた話って?」
「ええと、どこから話したらいいのかしら…………」
「私はそれとなく概要だけ聞いたことがあるけど、友奈さんの性格からしてあの名がついた少し前から始めるのが妥当じゃないかしら」
「そう……ね、私も当事者の一人だし」
「へ?千景先輩も?」
「ええ。正確に言えば彼にある異名がついているのは知ってるかしら?」
「ううん。始めて知った……」
「……なんかその手の人がつけた変な異名ってのもあるけど、本人自身あまり好きな名じゃないみたいなの…………《白い阿修羅》って二つ名」
「《白い……阿修羅》?」
「その名がついた元々の原因は私なのよ…………」
そうして……私は今から三年前、私と白銀くんが中学一年生だった頃の彼の異名《白い阿修羅》が生まれた話を始めるーーーーーーーーーー。
▽▼▽▼▽▼▽三年前▼▽▼▽▼▽▼
あの頃の私と白銀くんは……正直言って今みたいに仲がいいわけじゃなかった。一時白銀くんが寮の部屋に引きこもってしまったのは少し心配したけれど……基本的にはクラスの人が私へいじめをして、彼がそれから庇うっていう日常だったわ。
「おはよ……って相変わらずひでぇことされてるな~」
「…………はぁ……またあなたなの」
「またでも何でもどうとでも言いやがれ。とにかく雑巾とかとってくるから」
その日も私が投稿したら机に『裏切り者』やら『恥知らず』やら誹謗中傷がびっしりかかれてて……今でこそこうしてあなたたちとまともに話せれるようにはなったけど、その時の私はまた……ああっと……いじめが日常茶飯事だったらもう諦めかけてたのよ。何でこんな世に生まれたのか……何て考えてたわね。
そんな私に白銀くんは一年生の頃から暴力からはその身を呈して、私の持ち物がボロボロにされたり汚されてたら直すなり持ち物を貸したり綺麗にしてくれた。当時は鬱陶しいとしか思ってなかったけど……正直今は感謝しているわ。
「よっと……少し離れてろ、濡れても知らねぇぞ」
「…………別にまた汚されるからそのままでいいわ」
「そんな訳にもいかねぇんだわ。それにお前にゃ恩があるからな、今まではいじめられてて助けねぇといけない奴だったがグレートアップして俺の恩人にして友人だ。友人ならほっとくわけにはいかねぇんだよ」
「…………あなたと私がいつ友人になったの」
「友人てのはいつの間にかできるもんだっての……っと、ほい綺麗になった。ったく、懲りずに油性で書きやがって……それにコンパスとかで簡単に傷いれてくれるからま~さか趣味で使ってたパテを持ってくることになろうとわ」
「…………迷惑ならやめて」
「やめません。例えお前が鬱陶しく思おうがなんだろうが迷惑なんて思わねぇよ」
「…………勝手にすれば」
「はいはい。勝手にさせてもらいますよ~」
そのやり取りもよくやるやり取り。でもその日はちょっと違った。
「おい……」
「ん?」「…………っ」
当時私をいじめてたグループの主犯格……ここはまぁ、Sとしておくけれど、その人が初めて白銀くんに話しかけてきたの。この時、私はすぐに察したけれど……白銀くんはSが何で話しかけてきたのか分かってなかったみたいだったわ。
「お前さぁ?なんなん?そいつが何だかわかってるん?」
「??郡は郡だろ」
「ちげぇよ!こいつはなぁ~かの有名な初代勇者サマを裏切った裏切り者の家系だぜ?」
「へぇ~そうなのか~。…………で?」
「は?」
「いや……その勇者?ってのはわかんねぇけどその裏切り者と郡が何か関係あんの?……つか、お前ゲームのやりすぎだろ~?昔の偉人さんなのはわかるけど勇者サマって!ははははは……」
軽く流しで聞いていたことがあったんだけど彼、この時代には珍しく昔から神樹様への信仰心がほぼほぼゼロに近くって……勇者っていうのがあまり人に知らされていない時だったけど彼、Sの質問を笑い飛ばしたのよ。
「~っ!何がおかしい!」
「ははははははおかしいおかしい!だって勇者だよ?んなもんゲームの世界だけだって!あははははははっ!!」
「き、貴様っ!!!」
Sは簡単に頭に血をのぼらずタイプの人で……この時もすぐに怒って笑ってる白銀くんをいきなり殴ったのよ。
「笑うな!嗤うなァァァ!!貴様は貴様があっぐばぁ!!??」
「一発は一発だ。全く……いとも簡単に挑発に乗るんだな~お前」
実は白銀くんが言うには……あのとき笑ったのは別に心のそこから笑ってる訳じゃなくてただSから殴らせるために笑ったらしいの。それで結局、まんまと白銀くんの計画に乗せられたSさんは白銀くんの返り討ちにあって……顔面一発殴られて一回転しながら吹き飛んでそのまま失神しちゃったわ。
「何だよ、拍子抜けだな……。言っとくがこんな簡単な挑発に乗るなんてお前らがバカにしている郡よりもダメダメじゃねぇか」
SをSの取り巻きが引きずるようにしてすたこらとどこかに連れていかれている間に軽く溜め息をつきながら呆れたように呟いたんだけど……私を含めて同じクラスの人たちは皆一様に顔を青くしていたわ。
なんでかって?このSって人、実は中学校近辺の不良を支配下に置く集団のリーダーの弟だったのよ。
「み、三ノ輪くん!?何やってんの!!」
「何って……あのくそ生意気な顔面を一発殴り飛ばしただけだが?」
「それがいけないんだよ!!アイツの兄貴ヤバイんだっ」
「興味ねぇ、何か仕返してくるんなら逆にやり返すだけだ。まぁ……郡も何かあったら俺に言えよ?」
「…………言えないわよ」
本当はこの時に色々話したかったのだけれど……運悪くHR開始のチャイムがなっちゃって言えずじまいだった……のならよかったのだけど当時はその不良にやられていなくなればいいなんて思っていたわ。
そして、それからというもの……白銀くんはその不良集団から徹底的に狙われるようになった。それはもう登校の時、休み時間、昼休み、放課後、夜コンビニに買いにいったとき、休みの日散歩していたときという風に休む間もなく…………でも白銀くんは全部返り討ちにしていたわ。
それで……
「……ねぇ」
「うぉ!?郡から声をかけてくるなんて珍しいな!明日は霰か雹でも降るんじゃねぇか!?」
「…………やっぱりなんでもない」
「あ~!悪かった悪かったって!冗談だよ冗談!だから帰るな帰るな!!」
「…………そう」
「んで?何かようか?」
ある日図書室で一人黙々と読書しているとこを捕まえて連日の襲撃について色々問いただしたんだけど……
「あっそう。で?」
「……でって…」
「なんだ。てっきり『こうなるってわかったのなら私と関わらないで』とか言われるのかと思ってたんだけどな。逆に心配してくれるなんて嬉しいじゃねぇか」
「……別に心配してるわけじゃ…………」
「ははっ、その面で言われても説得力ねぇっての」
結局いつも通りになぁなぁにされてしまって彼の本心はわからなかった。今でもわからないけどね。でも、その時の私はいつもとは全く違った……って後々白銀くんが言ってたわ。あまり自覚はなかったのだけど。後彼、その日も結局帰るときに不良に囲まれて喧嘩していたわ。
それからまた襲撃を受けては返り討ちにしていた日々が続いていたのだけども…………ある時しびれを切らしたSの兄貴が何百人の不良を引き連れて白銀くんを呼び出しに来たのよ。しかも学校まで直接ね。ただ……その日は珍しく白銀くんは休みだったし、何故かSもいなかった。だからはじめは先生たちが対応しようとしていたんだけども先にざわめき出したのは不良集団の方。そしてすぐにどこかに向かってぞろぞろと連なってどこかにいった……。
そして、お昼時になったぐらいに全身返り血(最初は怪我してるのだと思ったけど)で真っ赤に染まって白銀くんが帰ってきた……
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ーーーーーーーーーー……っていうお話よ」
「は、はぇ~……。白銀さんらしいと言えば白銀さんらしい……」
「ホント……改めて聞いてもバカよ…………」
話している途中でおばさんが届けてくれたお茶を飲んで一息をつく。
改めてこうしてみると昔に比べて私も緩くなったのかしら。あの頃はまたいじめられる人生かな……って悲観していたけれど。
「にしても千景先輩も大変だったんだ……」
「……気になるのだけどその、裏切りっていうのは…………」
「私の家に残っている記録だと正確に言えば裏切ったわけではないわ。当時勇者をやっていた人が私と似たような環境らしかったのだけれど、勇者の力を得たことで周りから……親からも認めてもらえたこともあって固執して……その力の危険性が表沙汰になったときにまず民間人にその力を向けようとした」
「わわわ!?」
「…………力に固執した結果……ね」
「詳しくは分からなかったけど。ただそれは当時の別の勇者に止められて……でもその後バーテックスが襲撃してきたときに今度はその勇者へと刃を向けたの」
「成る程ね……それで裏切り者……か」
「ええ。どうもこの時にバーテックスと繋がっていた……みたいな話があがってそれに背びれ尾びれが着いていった結果そう呼ばれるようになったみたい。ただ、死ぬ前に改心して刃を向けた勇者をバーテックスから庇っていたらしいわ」
「改心したけど………悲しいね…」
…………ホント、あのときは心を入れ換えるのが遅すぎたわね……。もちろん今度はそうならないようにするし、勇者の力に固執だってしない。私は私だから……彼女が、彼が教えてくれたように……私はもう間違えたくないから。
「何かしら原因があるの?」
「……一説によると当時扱っていた勇者システムの不備か、精霊の力の反動とされているわ」
「…………そっか。ご先祖様も大変だったんだね…………ってアレ?」
「どうしたの?」
「め、芽吹さん、しれ~っと会話に混ざってるけど……よ、良かったのかな?」
「……あ」
「……大丈夫よ。私もかつて…………勇者に関わったことがあるから」
「あ、そうなんだ~」
……何だろう友奈って名前の人はポワンとしているのが常なんだろうか?
それよりも、楠さんも勇者関連に関わっていたなんてね。でも……何だろう彼女も何かしら辛い思いをしたであろう、そんな感じがする。…………まだ聞きはしないけれど。
「それで、白の話に戻るのだけど……」
「そうそう!それからどうなったの?」
「ここからは私も一年後ぐらい後に彼から聞いた話なのだけど……ーーーーーーー
▽▼▽▼▽▼▽一年後 先の話の真相▼▽▼▽▼▽▼
(語り手 白銀のマネをした千景)
あぁ、あったな~そんなこと。覚えてる覚えてる。
その後、どうしたかって?そりゃあ全員相手取って喧嘩したわな。…………そこのところを詳しくって言われてもなぁ……あんまり話すようなもんじゃないんだが…………まぁ、いいか。話すよ。
で~……まずお前が見た不良集団がどっかに行ったってのは俺が逆に呼び出したってことは想像ついてただろ?
え、つかなかった?そもそもその時はまだ俺のこと友達とも見てなかった?
はは……………………………………泣けるぜ………………………………。
と、ともかくその前日にSが変な動きしてたのを見て気になってな。また挑発して殴らせてからボッコボコにして色々諸々吐かしたのさ。あいつが学習力が微塵もないやつですんげぇ助かった。で、Sが漏らした計画ってのはお前を人質としてとって俺をフルボッコにする計画をしてたらしいんだわ。……そうそう、お前を。当時流行ってだろ?俺とお前が付き合ってるだか許嫁だかゆう噂。アレを信じたらしいぞ…………何?まだ信じてる奴らがいんのか?なんだかな…………あんだけ違うっていってんのにな。
話を戻すぞ。Sが言うには次の日には学校に乗り込むとか言ってたからそんときに逆にSを取っ捕まえて人質にして…………いや、部屋の中には入れないでベランダにくくりつけてた。…………そうそう、その黒いゴミ袋こそSさ。で、まぁ翌朝朝早くから近くの廃屋まで連行して今度は木にくくりつけてからアイツの携帯使って学校に行った奴らを呼び出した……後はまぁお前も知っての通り大喧嘩して相手全員を病院送りにしたんだよ。
はい、これでおしまい。……ホントだぞ?協力者なんていないし、一人で全員相手どったさ…………その結果があの異名と大怪我なんだけれどもさ。
…………だなぁ。あれからSとその周辺も一切合切学校に来なくなったよな。…………そんなこと言われても俺はなにも知らねぇよ。ま、簡単に伸されてノイローゼとかになったんじゃねぇの?自信家の奴ほどそういうのになりやすいってどっかしらで聞いたことがあるかんな~。アイツのようなのがその典型的な野郎だからな、十分にその可能性はあるだろうよ。
さてとそれじゃそろそろ続きをヤりに行こうか…………このくらい時間が経てば対戦する相手もいるだろうよ。
…………は!?後手持ちそれだけ!?え、ちょっと待て!これ全部俺おごるってのか!?…………くっそぉ!やけに今日スイーツ頼みまくるなと思ったらそういう魂胆かよっ…………!!
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ーーーーーーーーーーということらしいわ」
「も、もしかして千景先輩も武闘派?」
「……違うわよ。その日はゲームのイベント日で私と白銀くんの相手をしてくれる人がもういなくってカフェで少し休んでたのよ」
「相手をしてくれる人がいなくなるってどんな状況よ……」
「ある意味武闘派だね…………」
そうかしら…………?確かにアーケードでもネットでもなかなかいい勝負ができる人というと白銀くん以外にはいないけれど…………。
「にしてもあいつもバカね。警察とか呼んでおけば怪我なんてなくてすんだのに」
「…………そうね。彼、今回もそうだけど……あまり人に頼ることをしないのよね」
「その代わり私たちが困ってると親身になって話してくれるんだよね……」
「でもね、友奈さんは私たちの中では彼と会ってから短いからないかもしれないけれど……白は私たちに頼るときはちゃんと頼ってくれるわ」
「ええ。……素直じゃないけどね」
「そうなの?」
そうなのよね……基本的に白銀くんが頼み事をするときはかなり申し訳なさそうに頼んでくるけど客観的に見ても彼は自分にできる事、自分だけじゃできない事の判別はできている。
今回の事も……きっと自分だけじゃ厳しいってことは薄々感じているはずだけど、彼の考えからして私たちに危険が及ぶからまだちゃんと私たちに話していないんだと思う。
…………例え力を持っていても力に自惚れていつかの私みたいに自滅したりはきっとしない。
「……………信じてる…」
白銀くんの失敗談で盛り上がる二人に聞こえないように呟く。
「だから…………」
ーーーーーーーーーー…………今度私が力を持っても失敗しないから
ーーーーーーーーーーせめて…………
ーーーーーーーーーーせめて彼の助けになれるような力を下さい
**************
ーーーーーーーーーー三ノ輪 白銀の章
「…………ええと」
夢……だわな、これ。
だって一面……というか水平線の先まで秋桜だらけだし……。
「というかな、ものすごいデジャブを感じるのですが」
『だよねぇ?』
そうして横からは昔に聞き親しんだ俺とそっくりな声が……
………………んん!?
「銀!?」
『よ。にぃちゃん……3年ぶり』
「お、おう」
やっぱり夢だなこれは。
だって、3年ぶりに出会ったのに銀は変わらずあの時の、小学6年の時の姿のままだし……そもそもこの光景も3年前銀の死を受け入れるきっかけになった光景と同じだしな…………。でも……何でだ?
「何でこんな夢見てるんだ?」
『さぁ……あたしにもわかんねぇや。でもにぃちゃんとまた話ができるんだし、いいじゃん』
「そういう問題じゃないんだよな…………」
あいかわらず…………こいつは…………。
『ん?もしかしてお兄ちゃん泣いてんの?』
「……るっせ。泣いて悪いか…………」
『えええ……にぃちゃんのガチ泣き始めてみた』
泣いて悪いかよ…………夢の中とは言え、銀とさ……また会えるなんて思ってなかったんだよ…………。
「ほん…………とに…………久しぶりだな…………ぎん……」
『にしし……久しぶり…………にぃちゃん』
**************
久しぶりにひとしきり泣いた後、秋桜畑の真ん中に銀と並んで腰を降ろす。
『へぇ~金太郎がねぇ~』
「そうそ、年相応に元気に育ってる」
『むむむ……やっぱりあいつは私の舎弟に……』
「物騒なこと言うな」
『あてっ!……へへ』
にしても何なんだろうなこの夢。
銀とゆったりと話ながらも脳をフル回転させて思考を巡らしていく。銀みたいに楽観的には考えてはいられないからな……。ただ夢に閉じ込めておくとかこれから悪夢に変わりそうな嫌な感覚はしないから悪いものじゃないのは確実。なら……何で俺はこんな夢を見ているんだ……?
「なぁ銀。単刀直入に聞くがお前、勇者だったんだよな?」
『あちゃ~……聞いちゃったか~……』
「いんや?実際には聞いてねぇが……乃木や鷲尾……今は東郷っつうが……そして、結城や千景と話してな、その延長で大体の推察をしてたんだよ」
『わぁお……やっぱにぃちゃんはすっごいなぁ~、そっから考え付いちゃうなんて』
この反応からして当たりだな。だが、銀が勇者で俺と兄妹だとしても……こんな夢を見る…………つか、そもそもの話“勇者の力を受け継ぐこと事態”がおかしいんだよ。
乃木や千景の話を聞いていても勇者っつうのは神樹から派生したシステムに過ぎない……と俺は仮定している。だが、それに対して俺は勇者の力をシステムなしで直に使用している。勘になるがこんなケース、俺が始めてだろうな。
しかも、しかもだ。俺は元々神樹に対してそこまで信仰心があったわけじゃねぇし、勇者とは無縁の人間ってわけじゃねぇが……ただ妹が勇者の適性があったぐらいの普通の人間。ま、噂中毒の友人曰く大赦にも陰陽道とかを扱うやつがいるみたいっちゃあみたいだが……当たり前のようにそんなのとは
無縁。そんな俺が何故…………。
「ぁぁぁ……また謎が……」
なんか夢の中なのに頭痛くなってきた。千景とかメブ辺りがいれば何かと相談しやすいんだが、銀じゃなぁ………こういうことがなぁ…………おつむがないからダメなんだよなぁ…………。
『な、なんだよ……にぃちゃん。あたしのことじっと見つめてさ』
「いや……お前ほど楽観的にゃ慣れないなぁと思ってな」
『…………馬鹿にしてるでしょ』
ぷくぅと頬を膨らます銀の頭を撫で拗ねないようにしながら……
『ま、まぁさっき馬鹿にしたのはこれで帳消しにするけれどもさ~……。てかさ、さっきの話できになったんだけどさ。まだ樹海化して神樹様目指すバーテックスと戦ってんの?』
「は…………?」
樹海化……?
「樹海化て……なんだそれ?つか、今神樹ないぞ」
『あれ?にぃちゃん、戦ってるわけじゃないのか?』
「いや……お前らが相対したバーテックスとは違う毛並みのシャドウバーテックスってやつと戦って…………」
樹海化…………神樹………………まてよ?
「銀。あまり……というかかなり思い出したくないことだろうが…………無理しない程度で答えてくれ。
ーーーーーーーーーーお前、どこでどうなって死んだ?」
『……ううん……あまり話したくない…………かなぁ』
「百も承知だし申し訳なく思うさ。だけど、俺は俺自身が使う力の正体を知りたい。巨大な力だが……いや巨大な力だからこそ正体を知って本当に護るための力なのか、はたまた破壊をもたらす力なのかはっきりさせとかないとな…………だから、頼む」
『…………わかったよ。にぃちゃんの判断には間違いがないからな……そのためならキツいけど我慢するさ』
「ありがとな。ただ深くは聞かねぇどこでどうなってどんな状況で死んだのか簡潔に教えてくれ」
『…………ああ。あたしは…………神樹様が作り出した結界……樹海って呼ばれてたんだけど……そこで園子と須美と一緒にバーテックスと戦ってて………でも…途中で敵が突然増えてさ……』
「…………そうか。大体わかった」
『え?ここまででいいのか?』
「ああ。十分だ…………それに」
『?』
「せっかく再会できたかわいい妹にそんな顔させてまで話させたくねぇよ」
『きゃっ、きゃわっ!?!?』
銀にはああ言ったが…………そもそも俺も妹の死に際の話なんて聞きたくないからな。だが、これで仮定的ではあるけど俺の力の一端に推測ができた。……と、いうことは…………だ。
右手のコスモスの形をした痣へと目を向ける。
『ま、まったくにぃちゃんっていつもいっつも突然なんだからさ…………ドキドキするこっちの身にもなってくれ…………って、これどうしたんだ?』
「……3年前、お前と別れるときに見た夢から目覚めるとこれが……その時は蕾だったがここ最近、開花してな」
『でもさ、でもさ……“花弁が1枚だけ赤くなっている”なんておかしくないか?』
「それについては俺の中ではある程度推測はついてる。そしてさっきのお前の話で、俺が何から力を得たのか……そして何故お前の夢をまた見れたのか…………わかった気がする」
俺もうっかりしていたが……夢を見たタイミング、そしてシステムを介しているとはいえ大本の勇者の力を生み出す源……そしてそれの正体。そこまで考えりゃバカでもわかる。
「銀、いいか。まず今俺たちの世界は四国以外も元に戻っている」
『おお!すげぇ!!』
「だがな……さっき言った新たな敵、シャドウバーテックスとそれを産み出しているであろう黒幕が現れて各地の土地神を殺し回りを始めた……四国でな」
『えぇ!?須美達また戦ってるのか!?』
「今はまだだ。ただ須美……東郷は音信不通、お前の後釜の勇者の何人かも同じ状態だ。おそらく敵に操られたか捕まってるか……だが確実に死んではいない」
『ちょ、ちょっとタンマ!何でにぃちゃんはそんなに冷静なのさ!須美が捕まってるのなら……』
「まてまて。敵さんにゃどうにも大赦に関わりがある人間が関わってる可能性が高くてな……そんなやつらがむざむざ最高戦力の勇者を殺すなんて考えられねぇ…………むしろ、俺や残りの勇者を倒すことに全力を注いでくるだろうよ」
『お……おおおぉぉぉぉ!久しぶりに見た名探偵にぃちゃんだ!』
「なんだよ、それ?ともかく…………ここまで言えばある程度は察することができ」
『で……にぃちゃんは何が言いたいんだ?』
「……はぁぁ…………お兄ちゃん、ガックリだよ。つまりだな…………バーテックスの代わりに今度はシャドウバーテックス……を操る何者かが現れた。そいつの狙いは土地神…………ここまでヒントを言えばわかるだろ」
『ま、まって!というとまさか……』
「そのまさかさーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーおそらく明日、明後日くらいには神樹が復活する……
ーーーーーーーーーーそうすっと、必然的に……メブはわからんが乃木、結城…………そして千景はまた戦うことになるだろうな」
第陸話 終
以上、ゆゆゆ第六話でした!
ゆゆゆと言えば今月とじみこのアプリの方でコラボをしてますが…とじみこアプリを初めて日も浅いこともあり中々コラボキャラを手に入れれてません……ただ姫和&篝の親子のコラボ衣装ならばなんとか手にいれました!同時に諭吉さんも飛びましたが……。
~シャドウバーテックス紹介コーナー~
そして今回もやります敵さん紹介コーナー?今回は……コイツです!
・虫人型
(バーテックスモデル:ゲッターロボより、真ゲッター)
三位一体のシャドウバーテックス。3つの形態があり、固い装甲と大鎌を持った姿(モデル:真ゲッター1+カマキリ)、両腕が大きな槍となり高速移動できる姿(モデル:真ゲッター2+スズメバチ)、大きな体とかなりの突進力、馬鹿力を持つ姿(モデル:真ゲッター3+カブトムシ)がある。形態を変えるときは元となったモデルさながらの合体をやる。
この的元々は普通にカマキリだけだったんですが……友人が偶然見ていた真ゲッターみてたらちょっと弄ってみたら面白そう!と思いいたり作ってみました。……いつか巨大化させてみたいかも……とかも考えてみたり。
さて……それで次回はそんなに時間を開けることなくストライクウィッチーズを投稿します。実はストライクウィッチーズはとある事情から路線を少し変えた……ということも今回の遅れの要因なんです。(自分で言うのもなんですが……あんまり人気はないですけど昔から考えていた作品なんで僕的には愛着があるんです)
では……誤字脱字、ご意見ご感想等あれば気軽にお願いします!そして……不定期投稿ですけども他の作品もぜひご覧になってください!