……強く生きて。
変Tこと、ヘカさんに出会ってSAN値ゴリゴリ削られたある日。家に帰ったら、
「ぐへへ……こちらは、空さんご使用後の座布団ですね。こうしてみると、空さんの臭いだけでなく温もりが残っている気がしますねクンカクンカ。あややや、こちらは空さんが何時も使っている筆ですねふむふむ私の筆と交換しておきましょう。よくよく考えたら、仕事を行う時に一番必要な相棒といっても過言ではない道具を交換し合うという事はほぼほぼ結婚といっても間違いないのでは?となると、新婚旅行も考えないといけないですね。空さんは人間なのであまり人里の外には連れていきにくいですが私オススメの絶景ポイントとか二人で一緒に見てその後はぐへへいやでも空さんが人里の外には出たくないというなら私は人里デートでも全然大丈夫ですよ昼間は二人っきりで茶屋とかのお店をまわってその後は空さんのご自宅でふふふふ……」
泣きたい。我が家の愛着が湧いたものが気づいたら新品に変わってる元凶ぶっちぎりの一位の名は伊達ではない。確か、天狗は閉鎖的で相手を見下しがちな種族だって八百屋のお婆さんが言ってた気がするんだけど。
「ん?なんですかこの本は浮気ですかねふふふふ。私の写真集と取り替えてオキマショウ。フフフフ、別に人里で一人二人天狗攫いではないですが居なくなった所で変わらないですよね。まったく、私という妻がいながら…」
「ちょい待てや、帰ってこい。その本は、本を書く時に人体の動き方を知りたくて借りたやつだぞ。」
「え!?な、なんですかこのページは。人の体がこんなに丁寧に書かれていますよ!」
やだこの天狗、知能指数低すぎ。表紙に思いっきり、『人体の骨格・筋肉の動き方』って書いてんだろうが。中身も、極めて健全なものしか書かれてないだろうが。やっぱりカラスなのか、いやでもカラスは頭が良いって聞いた気もする……え、まさかカラス以下?
「人体の書き方が書いてる外来本だってよ。」
「……はっ!そ、そそそそ空さん。いつの間に!!」
「死ねやぁ!」
「『ドスン!!』てぬぐ!」
おっと失礼、手が滑ってお腹を殴ってしまった。まぁ、俺人間だしノーカンだろノーカン。てか、種族設定どこ行った。閉鎖的な設定置き去りにし過ぎだろ、この前守矢神社行こうとして出会った天狗見習っとけ。
「やーやーお久しぶりだな。家にネタはないんで帰ってもらって良いですよ?」
「あや、あややや……ピクピク。」
てかなんで、こいつは俺の正体知ってないのにこんななんだ。いや、そう考えるとゆかりんさんまん?せん?じゅうななさいも同じか。え、もしかしてバレてる?これに?
「……ん?この袋はなんだよ。」
「あ!その袋だけはダメですよ。私の能力を使って慎重に集めたものですからね。」
そんなに、言う割には中身に何も入ってないけど……
『空さん使用後の厠の空気』
「…………フン!『バン!』」
「あぁ、これの為だけに3ヶ月前から色々準備してたのに…」
「で、他にもあんだろ?出せよ。」
こいつが、俺の家に来て一つしか持ってかない訳が無い。絶対あと、3つ4つあるはずだ。正直、古くなって来た物が新品に変わっているのはまぁ嬉しい時もあるけど流石に持ってかれると嫌なものもある。使ってるうちに愛着が湧いたやつとか。俺愛用の枕を持ってかれた時は久々にガチギレして、新しい枕を引き裂いたら天狗の羽が大量に出てきたのは忘れてねぇぞ?もう一発ただのMURABITOパンチも辞さない。
「いやいやいや、ないですよ。ほら、私の目を見てくださいよ。この目が、嘘をついてる目に見えますか!『キラキラキラ』」
うっ。なんか、凄いキラキラした目で見られてる。あれ、もしかして本当にこれだけなの?そういえば、確かにこれの為に3ヶ月準備したとか言ってた気もする。
「……分かった、分かったからさっさと帰れ。俺には、仕事があんだよ。なにせ、どこぞの文屋と違って大人気なもんで。」
「うがー!私だって一部のお客さんには大人気なんですよ。ちょっとコア過ぎて人里だとあまりファンがいないだけでですね。」
「はいはい、帰れ帰れ。いやー負け犬の遠吠えは気持ちがいいなぁ。」
さて、流石にそろそろ新作を書かないとどこぞの貸本屋のお嬢さんが催促に来るから真面目に何かを書かないといけない。ただ、ただ!前回の作品では、とっくの昔にくたばってると思ってたヤツが生きてるパターンがあった。あれはイカン、能力がバレたら頭がおかしいヤツらの相手に逃げることすら難しくなる。いや、流石に最終手段自殺はよっぽどやばい時以外やらないけど。なんか、数人?にはバレてる気がするが気の所為だろう。だって、そんな証拠だしてないし(迷推理)。
「確実に、いなそうなやつ……。なんか最近、しょーとくたいし来た辺りから誰書いても来そうな予感がすんだよなぁ。」
百鬼夜行……いや、リスク高すぎかあれは。でも、あれはいつか書きたいけど今書いたら絶対バレそう。百鬼の内の誰が来てるか分からんし。
「…………あ、覚り妖怪とかどうよ。いるとか、話し全然聞かなくね?」
もうそれでいいや(思考放棄)。
ただのMURABITOパンチ:相手は死ぬ。
最終手段自殺:主人公は死ぬ。
あややのイメージは、部屋中が主人公くんの写真で埋め尽くされててグッズで埋もれてるイメージ。