インフィニット・ストラトスφ   作:カンパネラ35

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第四話です。
この辺りからそろそろ戦闘が入ってくるなぁと思っている作者です。戦闘描写についてはファイズの関係の方がまだ書きやすいんじゃないかなぁと思っています。

前回のあらすじ

狼さんとお馬さんの出会い。


第四話 狼と馬

授業が始まったが織斑一夏は、危機的状況に立たされていた。

それは———

何だこれ?授業の内容が全く分からないんだけど・・・?

ちらりと後ろを振り返り自分以外の男性、乾と勇治が何をしているかを確かめると二人とも特に分かっていないというようなことはなさそうであった。

何で、二人ともこれを理解できてるんだ?俺には全く分からないぞ?

 

「織斑君、何か分からない事がありますか?」

 

あまりにも挙動不審すぎる一夏の様子に気がついた山田先生が、気遣うように声をかける。

 

「え、えっと」

 

「分からないことがあったら何でも聞いてください!何せ私は先生ですから。」

 

と少々誇らしげに言っている。

それに対し一夏は———

でも、今やってる範囲が全部分からないなんて言って本当に大丈夫かな?でも分からない事は分からないうちにって言葉もあるくらいだしな・・・。

一夏は意を決し声を上げる。

 

「先生!」

 

「はい、どうしましたか織斑君。」

 

「全部分かりません!」

 

これには流石にクラスの全員がコントのように椅子からずり落ちたりなど動揺をあらわにしている。

 

「えっ、えっと、全部、ですか?」

 

「はいっ!全部分かりません!」

 

「えっと、今の段階で織斑君と同じでほとんど分からないって人はいますか?」

 

主に他の男性操縦者、巧と勇治に向けてそう問いかける。しかし、その問いに対して声を上げるものはなく。全員が概ね理解しているということがわかる。

 

「織斑。入学前に渡した参考書はどうした?」

 

「あの、分厚いやつですか?」

 

「そうだ。」

 

教室内で授業を見ていた千冬が一夏に問う。

 

「古い電話帳と間違えて捨てちゃいました。」

 

スパァァァン!!

本日通算四度目の音が教室に響く。このぐらいになるとクラスの全員が「またか」と思い始めた。

 

「馬鹿者。参考書を捨てる奴があるか。後で、再発行するから一週間以内に覚えろ。いいな?」

 

「いや、千冬姉一週間は・・」

 

スパァァァン!!

 

「織斑先生、だ。何度言わせる気だ?それと私がやれと言ったらやれ。いいな?」

 

「・・・分かりました。織斑先生。」

 

その後も授業は続いていき、休み時間を迎えた。

休み時間になるとまた、朝の状態に戻ってしまった・・・。いや、朝の状態よりもひどいと思う。何せクラスの女子だけでなく他クラスの生徒、それに上級生の人まで俺たちを見にやってきているからだ。しかも見ているだけで話しかけては来ないんだよなぁ。

そんな事を一夏が考えていると、

 

「一夏、今日は災難だったね。」

 

一夏の後ろから声が掛かる。一夏は振り向きながら彼に声をかける。

 

「ひどいぞ勇治。どうして助けてくれなかったんだよ。」

 

「いやー、あれは無理だよ一夏。君、緊張しすぎたのか分からないけど声も聞こえないぐらい集中してたんだから。」

 

そう笑いながらいうこいつは、『木場勇治』俺の幼馴染で小さい頃からの親友だ。一緒に剣道をやってたりもした。俺が辞めるときに一緒にやめちゃったけどな。

そんな事を話していると、

 

「・・・ちょっといいか。」

 

「えっ?」

 

急に話しかけられて少し驚いたがそこにいたのはこれまた幼馴染の『篠ノ之箒』だった。最後に会ったのはだいぶ前だったが忘れるわけはなかった。

 

「少し、廊下に行って話さないか?」

 

「えーと」

 

そう言いながら勇治を見る。

 

「一夏、俺のことはいいから行っておいで。」

 

勇治は俺に笑いかけながら俺に言った。

 

「そうか、分かった。じゃあ箒行こうぜ。」

 

「あ、あぁ。」

 

そう言って俺たちは廊下へと向かっていった。

 

———

 

箒さんは、今でも一夏の事が好きなんだね。いつも間近で見てきたけど、やっぱり一夏は鈍感すぎると思うよ。現在知ってるだけでも二人は毒牙にかかってるかな。とりあえず今は、それを考えている場合じゃなさそうだね。

木場の後ろの席の巧が立ち上がり、木場の元へと歩いてくる。

 

「少し話さないか?」

 

その言葉を予測していたのか、

 

「あぁ、俺も君と話がしたかったんだ。」

 

そう言って一夏達とは別の方向へと歩みを進める。幸い一夏達に気を取られて巧達が外に出る事に彼女達は気づいていないようだった。そうして廊下のはずれ辺りの人目につかない場所に二人は足を進めた。そうして死に別れた二人は異世界での再会を果たした。

 

「木場、なんだよな?」

 

「あぁ、そうだよ乾くん。王を倒した時以来だね。」

 

そのお互いの言葉で二人は互いがあの闘いの記憶を持っている事を知った。

 

「まさか、こんな所で再会するとは思わなかったなぁ。」

 

昔を懐かしむように木場が話す。

 

「誰かに聞かれたら困るから昔のことは今は話さないけど、それでもこれだけは言えるよ。また会えて嬉しいよ乾くん。」

 

「あぁ、俺も会えて嬉しいぜ木場。」

 

「でも、詳しい話はまた後でにしようか。」

 

流石に一夏達の話が終わり巧と木場がいない事に気付いたらしく、気づけばまた女子達が増えつつあった。二人は一旦話をやめ教室に戻る事にした。

 

「あっ、二人とも一体どこに行ってたんだ?」

 

教室に戻ると一夏が声をかけてくる。

 

「あぁ、一夏。乾くんと二人で話してたんだ。そうだ、二人は初対面だったね。乾くん、まぁ知ってると思うけど紹介しておくよ。こいつは俺の親友の一夏だよ。幼馴染なんだ。そして一夏、彼は乾くんって言うんだ。彼は・・・昔馴染みとでも言うべきかな。」

 

などと三人で話していると

 

キーンコーンカーンコーン

 

二限目の始業を告げる鐘が鳴った。

 

———

 

二限目は何事もなく終わり二度目の休憩時間になった。とりあえず一夏達としても積極的に女子に関わっていく気は今の所なかった。なので男三人で会話をしていると。

 

「ちょっとよろしくて?」

 

「へっ?」

 

またしても一夏達に話しかけてくる女子がいた。見た目としては、白人特有のブルーの瞳、地毛であろう煌びやかな金髪はわずかにロールがかっていて、いかにも高貴そうなオーラを放っている。

 

「まあ何ですのその反応は!わたくしに話しかけられるだけでも相当の名誉だというのに。」

 

「いや、そんなこと言われても。俺君のこと知らないし。」

 

そう行った瞬間、勇治と巧の呆れた顔が見えた。

 

「本気で言ってるのかい?一夏。」

 

「その子の名前は『セシリア・オルコット』代表候補生って奴だ一夏。いわゆる『エリート』っていう奴だな。さっきの自己紹介で言ってたことだ。」

 

「そう『エリート』なのですわ。そちらのお二方は少しは勉強なさっているようですわね?」

 

しかし、それを聞いても一夏は釈然としない顔をしていた。そして次の一言がさらに周囲を困惑させる。

 

「・・・代表候補生って、何?」

 

「まぁ!代表候補生もご存知ないなんて!」

 

ここに来て三人、特に巧は千冬から聞いていた話を実感した。

ISが女性にしか動かせないという事による社会的立場の向上。それによって起きる『女尊男卑』。この世界にはその概念が蔓延っているということを。

 

「(まさか、ここまでのものだとはな)」

 

「まぁ、いいでしょう。わたくしが言いたいのはそんなことではないのですわ。先程の方を見る限りあなた方はISは初心者でしょう?ですから、どうしてもというなら、入試で唯一教官を破ったわたくしが教えて差し上げてもよろしいですわよ?」

 

「うん?教官なら俺も倒したぞ?」

 

「僕も倒したね。」

 

俺の場合は勝手に教官が自滅してくれて勝ったけど、勇治の場合は自力で勝ったって言ってたからな。やっぱり勇治は昔から喧嘩とかも強いんだよな。

 

「わ、わたくしだけと聞きましたが?」

 

「女子の中ではってオチなんじゃないのか?」

 

「そちらの方はどうなんですの!?」

 

そう言って巧に話題を振っていた。

 

「・・・俺は、そもそも入試を受けてないからな。」

 

「なっ!?」

 

「戦った相手といえば、ちふ・・織斑先生ぐらいなもんだな。強いて言うならそれが入試だろうな。」

 

これまた驚きの言葉が飛び出した巧は千冬姉と戦ったっていうのか!?そんなの初心者が勝てる相手じゃないだろ。

 

「結局、引き分けで終わっちまったけどな。」

 

千冬姉と引き分けた!?もしかして、巧ってめちゃくちゃ強いのか?見れば確か・・・オルコットだったっけ?彼女も流石に言葉が出ないぐらい驚いているのがわかった。

キーンコーンカーンコーン

 

そこでチャイムが鳴った。

 

「くっ、覚えておきなさい!!」

 

彼女も捨て台詞のようなものを吐いて席に戻っていった。

 

———

 

「全員いるな? では授業を、と言いたいところだが。その前に、再来週行われるクラス対抗戦に出るクラス代表者を決めなければいけないな。」

 

クラス代表者とは、簡単にいうならば学級委員長と言われた方がわかりやすいかと思う。そんな物も決めなきゃ行けないんだなぁ。そんな風に人ごとのように考えていると。

 

「自薦、他薦は問わない。そして推薦されたものに拒否権はない。誰か推薦したい者、やりたい者はいるか?」

 

その瞬間俺の背筋に何か寒気を感じた。これはもしかして、嫌な予感ってやつかな?

 

「はい、織斑君がいいと思います!!」

 

「それなら私は、木場君を推薦します!!」

 

「だったら、私は乾君を!!」

 

やっぱりこうなるか。なんだかそんな予感はしてたんだよなぁ。他の二人もなんだか諦めたような顔をしてるなぁ。

 

「ふむ、織斑に木場に乾か。他に誰かいないか?いないのであればこの三人でから決めるが。」

 

「待ってください!!納得いきませんわ!!」

 

そう言って立ち上がったのはさっきの休み時間に絡んで来たセシリア・オルコットだった。

 

「クラス代表というのですから。実力トップのものがなるべきですわ!!それなのに物珍しいからという理由だけでこんな極東の島国の雄猿にするなんて、恥さらしもいいところですわ!!」

 

俺は、その言われようにさっきのことも合わせて少し頭にきていた。

 

「わたくしがこんな極東の島国に来たのはISの勉学のために来たのであってそんなサーカスのためではありませんの!!」

 

そこで俺は頭にきてついに口を出してしまった。

 

「イギリスだって大したお国自慢ないだろ。世界一不味い料理ランキング何連覇だよ!!」

 

「なっ、わたくしの祖国を侮辱しますの!?」

 

二人の論争が始まってしまい収集がつかなくなってしまいそうになった所で意外な人物が止めに入った。

 

「おい、やめろ二人とも。」

 

巧だった。

 

「あなたもわたくしの邪魔をしますの!?」

 

「だから落ち着け。ここで口で言い争っていても仕方がないだろ。織斑先生が自薦、他薦共にありだって言ってるんだ。今の俺たちに拒否権はない。だったら口で語るんじゃなくて腕で示せ。お前もさっき言ってただろう『実力トップのものがなるべき』、なんだろ?」

 

昔の巧ならこんなことは言わなかっただろう。だが巧も元々18歳だった頃とは違う。精神年齢は確実に大人になっていた。

 

「・・・わかりました。決闘ですわ!!」

 

「よし決まったな。勝負は一週間後、放課後に第三アリーナで行う。それまではできる限り励め。」

 

———

 

セシリアは少し悩んでいた。それは先程のやり取りのことである。

 

(なんなんですのあの男。私に対して怒るわけでもなくだからと言ってもう一人の男のように私を批判するわけでもない。これまで見てきた男達とは何かが違う気がしますわ)

 

セシリアは困惑していた。男というのはセシリアの思っている通りの本当に情けないだけのものなのだろうか?

 

(いいえ、どうせあの場だけに決まってますわ。一週間後の戦いで私が正しいということを証明してみせますわ。)




どうも第四話でした。
今回は、巧がファイズ本編では見せないような一面を見せていたりします。私の感じたものではやはりファイズ本編と仮面ライダー4号の時の巧はかなり違うように感じました。今回はその感覚がかなり大きく反映されていると言えます。

さて、とりあえずまた次回までお待ちください!!
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