インフィニット・ストラトスφ   作:カンパネラ35

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第六話です。
前回のタイトル、最初は代表決定戦まで行く予定だったのであのタイトルなんですが、よく見るとタイトル詐欺ですねあれ。もしかしたらいつのまにかタイトルが変わっているかもしれません。その辺ご了承をお願いします。後、今回めちゃくちゃ迷いながら書いたので文章がめちゃくちゃおかしいかもしれません。更に今回は多くの自論と独自解釈を含んでいます。不快に思ったら申し訳ありません。

前回のあらすじ

やっぱりたっくんは強かったよ・・・


第六話 夢

 

今、俺はピットに向かって進んでいた。その途中で一夏と篠ノ之、木場が待ち構えていた。それぞれの浮かべている表情は様々だった。一夏には、俺を心配するような表情が浮かんでいた。篠ノ之は、勝てるわけがないという少しの嘲りが浮かんでいる。そして、最後の木場は、少しも心配しておらず俺を信頼してくれていることが伺えた。

 

「巧、本当に勝てるのか?」

 

「あぁ、勝つさ。」

 

いや、負けられなかった。セシリア・オルコット、あいつは異常なまでに男を弱いものだと見ている節があった。あの感じは他の奴らとは違う。多分だが過去に『男は弱い』という印象を持ってしまうような何かがあったんだろう。俺は、それを変えてやりたいと思ってしまった。あいつに、オルコットにそんな考えを持っていて欲しくないと思った。だから、負けられない。

 

「心配するな、一夏。俺は、負けないさ。」

 

そう言って、一夏達の横を通り過ぎていく。そして俺は、ISを展開する。

 

「それが、巧のISなのか?」

 

「あぁ、これが俺のIS『ファイズ』だ。」

 

不思議と、今は負ける気がしなかった。

 

「行ってくる。」

 

それだけ言うと俺は、ピットから飛び出した。そして、アリーナの中央付近で静止し、正面を見据える。そこには蒼いISが待っていた。

 

「(あれが、オルコットの専用機『ブルー・ティアーズ』か。)」

 

分かっているのはその名前だけ。その他の情報は何も無かった。もちろん、千冬が意図的に情報を隠しているのだろう。何せセシリアは彼らと違って代表候補生という、その国の中でも選りすぐりの存在である。一つも情報がないという事はありえない話である。千冬は試合に公平性を持たせようとしたのだろう。巧のISは、まだ千冬と木場以外は誰も性能を知らない機体だ。もちろん、情報などあるはずがない。更にこれは初戦だ。情報は戦いながら手に入れろという事だろう。

 

「よく逃げずにやってきましたわね。褒めて差し上げますわ。」

 

「逃げるわけないだろ。自分で売った喧嘩だ。」

 

「負ける事が確定しているのに来るなんて、とんだ物好きですわね?」

 

「負けんさ、絶対に、な。」

 

———

 

やっぱりよく分かりませんわ。この男は一体何なんですの!?何故こんなに自信満々なのですか!?男とは弱いもののはずですわ。えぇ、そうに決まっています。あんなのは唯の表面的な物にすぎませんわ。

セシリアは自分の父親の事を思い出す。セシリアの中で父は『情けない男性』だった。いつもへこへこと頭を下げている人だった。セシリアは、父が誰かに強く何かを言っているところを一度も見た事がなかった。そして、父と母が亡くなった後に、遺産目当てで近づいて来た男達を見て、セシリアは男が本当に情けない存在なのだと確信してしまった。そんな考え事をしているセシリアの意識を巧の質問が現実に引き戻した。

 

「なぁ、オルコット。」

 

彼は、静かにわたくしに声をかけて来ました。そして———

 

「おまえ、夢は…あるか?」

 

そう、わたくしに問いかけました。何故そんな事を聞くのか私には理解できなかった。先程まで思考していたことも相まって、この時のわたくしは、彼からの言葉を真に受けて考えてしまった。わたくしの夢、そんなものはあっただろうか、と。

セシリアは考えるが、夢と呼べそうなものは思い当たらなかった。それが顔に出ていたのか巧は一言、寂しそうな顔をしながら言った。

 

「そうか。」

 

「っ!?一体、何ですの。わたくしを馬鹿にしてますの!?」

 

「いや、負けられない理由が増えただけだ。」

 

そう言って、彼は武器を構えた。わたくしは頭の整理がつかないまま、試合が始まろうとしていた。

 

「これより、クラス代表決定戦第一試合を行う。それでは、試合開始!」

 

———

 

オルコットは、俺の質問に対してかなり困惑しているようだった。それもそうだ今から戦う男が何の脈絡もない質問をして来たのだ。困惑するに決まっていた。こいつにも、目標はあるのだろう。強くなりたいだとか、その他にもいろいろあるだろう。だがな、それはあくまで目標にすぎない。さっきの反応からもわかる。こいつには目的、そう夢がない。何の為に強く、何の為に戦うのか、その目標の最終地点がない。海堂や木場は、夢は呪いと同じだと言っていたが、俺はそれだけだとは思わない。夢はそいつにとっての原動力にもなれる。俺はそう思う。だからこそ、夢を持ってない奴には負けられない。今の俺には夢があるからな。そうして俺はファイズフォン開き『106』を入力すると

 

【Burst Mode】

 

そう音声がなり準備が完了した。俺はそれを構える。

 

試合が始まると、流石というべきかオルコットはすぐに先程までの思考を放棄し、切り替えて来た。手に持った銃を構え、俺に向けて射撃を繰り返す。射撃の精度はやはり高かった。日頃から訓練をしている事が伺えた。俺は回避をしながらオルコットに向かってフォンブラスターを連射する。

 

「わたくし相手に射撃で挑むおつもりですの!?」

 

巧にとってもそれは難しい事だと分かっていた。射撃の腕ならばしっかりと訓練をしているセシリアの方が上である。だが距離さえ開けていれば避けることは難しい事ではない。それに対してセシリアがしびれを切らした。

 

「もう、出し惜しみは無しですわ!

さあ、踊りなさい!!わたくし、セシリア・オルコットと『ブルー・ティア―ズ』の奏でる円舞曲《ワルツ》で!!」

 

———

 

「何だあれ?」

 

モニターには巧を取り囲む四つの何かが浮かんでいた。

 

「『ブルー・ティアーズ』オルコットの機体の名称にもなっている装備だ。」

 

そう解説するのはアナウンス室から戻って来た千冬だった。

 

「ちふ…織斑先生、あれは一体どういうものなんですか?」

 

「ブルー・ティアーズは見ての通り本体から離れて多方向からの攻撃を可能とする遠隔操作型装備だ。」

 

その説明の最中にモニターではブルー・ティアーズの攻撃を掻い潜りながら地面へと降りていく巧の姿があった。

 

「どうして、巧は地面に降りたんだ?」

 

「馬鹿者、そんな事も分からんのか。奴は少しでも死角からの攻撃を減らしているのだ。」

 

そう、多方向からの攻撃が可能という事は空中にいるのと地上にいるのでは攻撃の方向の数が違う。空中では上方向だけでなく、下方向までも気にしなくてはならない。巧は下からの攻撃をなくす為に地上へと降りたのだった。

でも、どちらにせよ巧はジリ貧なんじゃないのか?あれじゃあ一方的に撃たれるだけじゃないか。

 

「織斑、お前の考えは間違いだ。」

 

何で、考えてる事がわかったんだ?

 

「「一夏は、考えている事が、顔に出ている(からね)。」」

 

と木場と箒にも言われてしまった。まっ、まぁそんな事はどうでもいいんだとりあえず聞きたい事があった。

 

「俺の考えが間違ってるってどういう事ですか。織斑先生?」

 

「貴様はこのまま一方的に乾が負けるのではないかと考えたのだろう?」

 

「うっ…。」

 

その通りだったからこそ何も言えなかった。

 

「奴はそんな柔なやつではない。戦った私が保証しよう。」

 

そうだ、確か巧が千冬姉と戦った事があると言っていた。確か決着がつかなくて引き分けになったって言ってたっけ。

 

「ふむ、そろそろだろうな。」

 

そろそろ、試合が動こうとしていた。

 

———

 

最初は多方向からの攻撃は厄介だったが、動きに慣れてくれば誘導して避ける事は可能だった。しかもどうやら、こいつを操っている間はオルコットの方は動けないみたいだしな。そろそろ、か。巧はファイズフォンに『103』を入力する。

 

【Single Mode】

 

ファイズブラスターを『Burst Mode』から『Single Mode』に切り替える。『Single Mode』の特徴は連射は出来なくなるが一発の威力が上がる事。そして巧は『ブルー・ティアーズ』に向かってファイズブラスターを撃ち、ビットを一つ撃墜する。

 

———

 

「えっ?」

 

それは誰の声だっただろうか、だがその声は木場と千冬以外の全員の声を代弁していた。先程までビットによって一方的に攻撃されていた巧が次々とビットを破壊していく。そして、30秒経たない内にビットは全て撃墜されていた。

 

「あれが奴の力だろうな。私も戦うまで分からなかったが、あれは奴の経験と、センスが成せる圧倒的なまでの先読みだ。」

 

一体これまでどれだけの戦いを経てきたのだろうな。あれの強さは一般人の枠に収まるものではない。まぁ、奴の過去を考えれば仕方のない事なのかもしれんな。

 

———

 

何なんですの!?何故こんな簡単にわたくしのブルー・ティアーズが撃ち落とされるんですの!?

セシリアに油断はなかった。油断して勝てる相手ではないと判断した上で戦っていた。それでも、これだけの差がある事にセシリアは愕然とした。

 

———

 

巧は全てのビットを撃墜すると、セシリアが愕然としている間に武器を変え、ファイズエッジに持ち替えた。そして左手にミッションメモリを出現させ、それをファイズエッジに装着した。

 

【READY】

 

そして、左手にファイズフォンを出現させ、『ENTER』を押す。

 

【EXCEED CHARGE】

 

ファイズエッジが赤い光を纏う。巧はそれをセシリアに向かって振る。すると赤い波がセシリアに向かっていく。やっと、立ち直れたセシリアには避ける事が出来ない。気付いた時には赤い光に拘束されていた。

 

———

 

なっ、何ですのこれは!?

セシリアは今現在赤い光に拘束され、機体を動かせない状況にあった。前を見据えると赤い剣を構えながらこちらに突撃してくる巧の姿があった。

わたくしの負け、ですわね。何故彼はあんなにも強いのでしょう。先程戦いの前に見せた負けないという覚悟。そして、わたくしへの質問。あれらが関係あるのでしょうか。

とりあえず分かる事は一つだった。完敗であるということだけ。

そして、セシリアは意識を失った。

 

- 試合終了 勝者 乾巧 -

 

こうして第1戦は幕を閉じた。




どうも、第六話です。
やっぱ戦闘描写しようとすると書くのにとんでもない時間がかかりますね。最後に投稿した時すぐに書き始めたのに結局できたの二日後って何なんですかねぇ。因みにこの後の話の流れは全試合やると流石に長すぎるので一夏vs巧と木場vs巧はしっかりと書く予定です。では、次回も出来れば見て頂けると幸いです。
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