インフィニット・ストラトスφ   作:カンパネラ35

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どうも、第七話です。
この前書き書くのとサブタイトル考えるのですら一時間以上迷い続けています。作者です。
そして本文はこれから考えます。やっぱり、文章を書いてる人をめっちゃ尊敬します。まぁ、俺なんかが何言ってんだって感じですが。

前回のあらすじ

スパークルカットが炸裂!!


第七話 巧の夢

目覚めるとそこは、保健室のベッドの上だった。

 

「わたくしは…?」

 

「起きたか。」

 

ベッドの隣を見ると先程まで戦っていた相手である、巧がいた。

 

「何故、貴方がここに?」

 

「何でって、お前が倒れたから運んできたんだろうが。」

 

そうでした、わたくしは倒れたんでしたわね。

 

「特に、外傷はないらしい。おそらく、精神的に不安定になった事が原因じゃないかってさ。目が覚めたら動いても大丈夫だそうだ。」

 

「そうですか。一応お礼を言っておきますわ。」

 

いや、違う。そうではない。わたくしが言いたいのはそんな言葉ではなかった。しかし、心の中ではまだ男の人を信じられないわたくしがいた。まずは、心の中にある疑問を解消する事にしましょうか。

 

「何故貴方は、試合前にあんな事を聞いてきたのですか?」

 

「夢の話か。」

 

そう、その質問は試合の最中もわたくしの心の中に棘のように刺さって消える事はなかった。

 

「夢っていうのは、俺にとっては特別なものなんだ。俺の周りには夢を諦めなきゃならなくなった奴、夢を追いかけてた奴もいた。」

 

そう話している彼は何かを思い出すような、懐かしそうな顔をしていました。でも、それと同じくらい、寂しそうな顔をしていました。

 

「その頃の俺には夢が無かった。」

 

「貴方にも夢が無かったのですか?」

 

「あぁ、無かった。だからこそ、夢を持つ事ができた時は嬉しかったさ。」

 

そう言った彼の顔は、嬉しいと言っている筈なのに泣きそうでした。そんな彼にわたくしは、気になって聞いてみてしまいました。

 

「貴方の、巧さんの夢って何なんですの?」

 

「『世界中の洗濯物が真っ白になるみたいに、みんなが幸せになりますように』それが俺が見つけた夢だ。あの頃あいつらと出会ってなかったら俺はこの夢を見つけることはなかった。」

 

そう語っている時の巧さんは嬉しそうな顔をしていました。まさか、こんなにコロコロと表情が変わる人だとは思いませんでしたわ。

 

「それで、少し脱線したが、何故そんな質問をしたかだったな?」

 

そうでしたわ。元々そういう話だったのを忘れてましたわ。

 

「それはな、オルコット。お前があいつらと出会う前の俺と同じだと思ったからだ。」

 

「昔の巧さん…ですか?」

 

いつのまにか、呼び方が変わっているのはとりあえず置いておくことにして、巧は話し出す。

 

「あぁ、あいつらと会う前の俺は、子供の頃に起こった事が原因で人と関わる事を避けてた。誰かを傷つける事が怖かったんだ。簡単に言えば孤独だった。俺は多分あいつらと出会ってなかったら、最後まで一人で生きて、誰にも知られずに死んでただろうな。」

 

今の彼からは想像もできない言葉だった。今の彼は誰かと関わる事を避けるどころか今現在も自分から関わりに行っているではないかと。

 

「お前は、完全に孤独ではないだろうが、これまで頼れる相手は、いなかったんじゃないか?」

 

図星だった。セシリアは両親が亡くなり、自分がオルコット家の当主となり財産を狙ってくる者たちから家を守らなければならないと思い。常に一人で頑張ってきた。確かに家は名門であるため、使用人達はいた。が、立場的に相談できる相手ではなかった。そういう意味では彼女は孤独だった。

 

「お前は、無理に大人になろうとしている感じがする。こんな事、俺が言えた義理じゃないが、俺は無理に大人ぶる必要は無いと思うぜ?」

 

「しかし、それでは…」

 

そう、今巧の言ったことは解決には繋がらない事である。故に巧が本当に言いたいことはそんな事ではなかった。巧は意を決してセシリアに話しかける。

 

「俺が言いたいのは、人を頼れって事だ。思い当たる奴がいないっていうんなら、俺を頼れ。少しぐらいは力になってやれるし、お前を守ってやる事だってできるかもしれねぇ。俺なんかじゃあ頼りないかもしれねぇけどな。」

 

セシリアは、自分の顔が熱くなるのが分かった。いきなり異性から遠回しにとはいえ、「お前の事を守ってやる」と言われたのだ。それに巧は、容姿はかなり整っている方である。それも、つい先程自分を下した相手が言うのだ。その腕は保証されている。では、彼が嘘をついている可能性は?これも無いと言えるだろう。彼の今までの発言が全て演技なのだとしたら、凄すぎて逆に尊敬してしまうだろう。

それに、わたくし自身が巧さんを信じたいと、そう思いましたわ。

 

「ありがとうございます。巧さん。」

 

セシリアは、ベッドから立ち上がる。

 

「そして、ごめんなさい。」

 

そう言って、セシリアは巧に頭を下げた。

 

「わたくしは、巧さん達に酷い言葉をかけてしまいました。それを謝りたいのです。」

 

「…そうか。でもな、それは俺じゃなくて一夏達に言ってやれ。」

 

「えぇ、巧さん。これからは、わたくしの事はセシリアと呼んでくださいませんか?」

 

「いいのか?」

 

「えぇ、お願いします。」

 

「あぁ、これからよろしく頼むぜセシリア。」

 

———

 

「試合はどうなったんですの?」

 

「今は、一夏と木場が戦ってる。セシリアの戦いは延長になった。」

 

「その事なんですが、わたくしは今回の戦いを辞退しようと思っているのです。」

 

「どうしてだ?」

 

「今回でわたくしは自分の弱さを知りました。わたくしは、力不足だと感じました。今の状態では、無様な状態を晒すだけですわ。」

 

「そうか、セシリアがそう決めたのならいい。」




というわけで、第七話です。
今回から本格的にヒロインが決まっていきました。最初からこういう展開で行くつもりだったのですが、やはり書くのが難しいです。それでも頑張っていきますのでお願いします!!

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