投稿がかなり遅れてしまい申し訳ありませんでした。リアルの事情と文字を書くことへのモチベーションの低下もありかなり遅くなってしまいました。また投稿を再開していこうと思っておりますのでお付き合いください。最近555を全話見直したのですが意外と終盤ぐらいまで木場とたっくんはすれ違ってたんだなぁと昔の記憶はあてにならないことを知りました。
前回のあらすじ
木場 vs 巧
とある別の世界のおはなしです。そこにも灰色のお馬さんがいました。
その世界では灰色の怪物たちが覇権を握っており人間は弱小な種族でした。お馬さんは灰色の怪物でありながら人間に協力していましたが、ある日一緒に行動を共にしていた蛇さんと鳥さんが騙し討ちにあって死んでしまいました。それを人間のせいだと思い込んだお馬さんは人間とそれに与する狼の敵に回ってしまいました。
———
前の世界で俺は乾くんを裏切ってしまった。過程はどうであれそれだけが事実だ。結果として、俺のやったことで乾くんの寿命は大きく縮まってしまった。オルフェノクと人間の共存を諦めスマートブレインの社長としてオルフェノクの延命を願った。でも、最後まで戦い続ける乾くんをみてまた乾くん達を信じたくなった。だから俺は乾くん達と共に『王』を倒した。自分の身を犠牲にして…。だけどそれでも俺のやった罪は許されるものではなかった。…初日の夜乾くんにこのことを話した。そしたら…
「木場自身にも信念があって、俺にもやらなきゃいけないことがあった。それがぶつかり合っただけの話だ。…あんまり気にすんな。」
そんなことを言われた。乾くんは許す許さないの話じゃないって言うけど。俺は自分が許せなかった。乾くん達と道を違えてしまった自分を。だから俺は決めたんだ。今度は何があっても乾くんを信じるって。
———
現在アリーナの中央には似通った二つのISを纏った二人が立っている。二つのISの違いは黄色と赤。その二つの色の違いだけである。纏っているのは二人の男。この世界において三人しか存在していない男性操縦者のうちの二人乾巧と木場勇治である。
「木場、『カイザ』の調子はどうだ?」
「あぁ、やっぱり最後まで使っていたベルトだからかな俺の体にしっかりと馴染んでくれているよ。」
その言葉を聞き巧はホッと息をつく。カイザギアを使ったものはかつての戦いでは誰一人として生き残らなかった。そのことが頭によぎり巧は少し不安になっていた。
「大丈夫だよ乾くん。」
そんな巧の心を読み透かしたかのように木場が巧に笑いかける。
「今度こそ俺はあの理想を叶えるって決めたんだ。…だから俺はそれまでは死なないよ。それに…俺はまだあの時乾くんを裏切ってしまった自分を許せてないからね。」
「木場…。」
かつて掲げた『オルフェノクと人間の共存』という理想。木場はその理想を現実にすることをこの世界に来てから誓ったのだという。そして詫びとは木場がスマートブレインの社長に就任しオルフェノクの延命に向けて王の復活を為そうとしたときのことらしいが、巧からすればあれは木場にもその時の想いがあってのことであるため仕方のないことだと考えていたが、木場からすれば簡単に割り切れることではないようだ。
『いつまで話している。そろそろ試合を始めるぞ。』
どうやら少し長く話し過ぎたらしく痺れを切らした千冬から準備をしろと催促されてしまった。巧と木場は瞬時に頭を切り替え戦闘態勢を取る。乾はファイズフォンを木場はカイザブレイガンを構える。
『…準備はできたようだな。ではクラス代表決定戦第三試合を始める!
…試合開始!』
再び異世界にて2本のベルトがぶつかり合う。
———
戦闘開始が告げられた直後、二人同時に互いに向かって加速を始める。光弾で牽制し合いながらもどんどんと距離を詰めていく。そして肉弾戦の距離まで近づき互いにいつのまにか出現させていたファイズショットとカイザショットによるパンチを繰り出す。左手にファイズフォンとカイザブレイガン、右手にはファイズショットとカイザショット。同様のスタイルで近接戦を繰り広げる。互いに手の内は分かりきっている。後はどちらが先に仕掛けるかそれが大きく勝負を左右すると言えるだろう。
———
「…すげぇ!!」
モニターを見ていた一夏は先程まで負けて消沈していたとは思えないほど興奮していた。それは目の前で繰り広げられている戦いによるものであった。息をつく暇もないほどの苛烈な攻防。
「織斑、お前はこの試合をよく目に焼き付けておけ。お前は次に乾と戦うのだからな。そうでなければ先ほどの木場の時と同じ結末を辿ることになるぞ。」
「うっ…。分かってるよちふ…いや織斑先生。」
「しかしすごいですね乾君に木場君も。どちらも譲らないですね。」
超近距離での戦いでありながら互いに躱し反撃を行う。未だに決定打はなく互いに攻撃が掠める程度でシールドエネルギーにも差は生まれていない。互いに装備も、戦い方も熟知しているからこそ起こる激戦。だがその均衡が突然崩れ去る。
———
うん。やっぱりこの距離での撃ち合いだと俺の方がジリ貧だね。だったら俺から仕掛けさせてもらおうかな。
ここにきて木場が仕掛ける。木場は巧のパンチを右手を巧から隠すように最低限の動きで半身をずらして躱す。そしてその際にカイザショットを仕舞い、代わりにミッションメモリーを出現させた。そして半身をずらす勢いのままに体を回転させ巧から見えない位置でカイザブレイガンにミッションメモリーを差し込む。そして振り向きざまにカイザブレイガンを巧に向けて振り抜いた。
———
「あっ、あれって!」
一夏が大きく反応する。
「あぁ、先程お前を下した時にも見せていたな。確かにあれは知らなければ初見で避けることは難しいだろうな。」
「そんな!それでは巧さんの負けだと言いますの!?」
巧が負けるかもしれない。セシリアからすれば俄には信じ難いことであった。あれだけの強さを見せた巧がそんな簡単に負けるはずがないと信じたかった。
「落ち着けオルコット。言っただろう知らなければ…と。奴は戦闘センスがずば抜けている。…それに元々いま木場が使っているISを持っていたのも乾だからな武器の特性程度は把握しているだろうな。」
———
もちろん巧もカイザブレイガンの特性は知っていた。それがIS戦において初見殺し的な要素になるであろう事も。通常のファイズやカイザだった時とは違いミッションメモリーの使い方次第でISのファイズやカイザは戦いのバリエーションが広がった。だからこそ銃であり剣としても使えるカイザブレイガンを巧は警戒していた。故に巧も木場が半身をずらし最低限の動きで躱した時、木場から見えない左手にはミッションメモリーが握られていた。そしてファイズショットにミッションメモリーを差し込みファイズフォンを出現させ『ENTER』を押す。
———
『Exceed Charge』
木場のカイザブレイガンと巧のファイズショットによるグランインパクトがぶつかる。しかし、拮抗することなく巧のグランインパクトにより木場は大きく吹き飛ばされる。巧は油断せずにそのままファイズポインターを出現させ足に取り付ける。そしてもう一度ファイズフォンの『ENTER』を押し込む。
『Exceed Charge』
「ハッ!」
巧は大きくジャンプし空中で起きあがっている途中の木場に足を向ける。するとファイズポインターから赤い三角錐が飛び出し木場に向かう。そして巧が赤い三角錐ごと木場の体を通り抜け、木場の後ろに着地する。ファイズのライダーキック『クリムゾンスマッシュ』である。
———
はは、やっぱり乾君は強いなぁ。今のところ全敗だね。でも乾君が強いことはとても嬉しくて負けたのにとても清々しい気分だ。久しぶりに乾君と戦えてよかった。
———
-試合終了 勝者 乾巧-
二つのベルトの戦士の戦いは巧の勝利で幕を閉じた。
今回ファイズショットとカイザショットがグランインパイクと以外の形で出てきましたが、ISのシールドエネルギーには殴りや蹴りがほとんど効かないみたいな話をどこかで見た気がして殴りや蹴りでもダメージが通るように通常の武器(なんかメリケンサックとかみたいな感じ)として使っていると思っていただけるとありがたいです。後、一応戦いでの手順は二人とも出現させるのと消すのを同じ手順数にしているはずだと思うのですがなにぶん自信がありません。間違っていたらすいません。