シュウ達はあの襲撃を経て戦争に参加することにした
ルーリット村を飛び立ち東の大門へと向かった
人界軍の集団を見つけた
今は訓練中でドイツもこいつも剣を振っている
春雨を地上に下ろして自身もキリトを担いで降りた
エルドリエ「師よ!」
始めに来たのはエルドリエだった
やはりシュウ達の事は居ないものと見ているらしい
エルドリエ「信じて降りましたぞ!」
エルドリエは少しシュウとキリトを見ると足を止めた
どうやら本当に見えていなかったらしい
エルドリエ「アリス様・・・・」
アリス「先程東の大門を見てきました」
シュウとアリス、エルドリエはキリトを車椅子に座らせて近くのテントの前まで来た
アリス「門が崩壊し闇の軍勢が押し寄せて来るまでもう猶予はありません」
エルドリエ「敵軍はおよそ五万。対する我が方は三千。せめて少しでも兵を鍛えなければ・・・」
シュウ「他の整合騎士は?上から見たら七人しか居なかった・・・・・」
シュウの質問にエルドリエはため息を付きながらも答えた
エルドリエ「あれでほぼ全部だ」
アリス「そんなバカな!騎士団には私とシュウを含め32名が存在するはず!」
エルドリエ「アリス様はご存じでは?元老長チュデルキンが記憶に問題が生じそうになった騎士に再調整なる術を施していたことを・・・。10人の騎士がその術から未だ目覚めていないのです」
シュウには話が分からなかったが一つ疑問が残った
シュウ「それでも後15人いるんじゃねぇのか?」
エルドリエ「・・・・・・今覚醒している整合騎士は22人。内四人はカセドラルと中央の管理。四人は果ての山脈の警護に当たっている」
アリス「差引すると十三名・・・」
シュウ「戦力に余裕はねぇか・・・」
エルドリエが頷いた
エルドリエ「そうだ。それなのに・・・」
今度はアリスを見る
エルドリエ「アリス様はその若者を庇いながら戦うおつもりですか?」
シュウ「キリトを連れていくって言ったのは俺だ。必要とあらば背負って戦うつもりだ」
エルドリエ「駄目だ!」
エルドリエが強い声で言った
エルドリエ「貴様がその無用の重荷を抱えて戦えばアリス様がそれをサポートすることになりかねん!そしたらアリス様の剣力が半減するどころかアリス様の御身を危険に曝すことに!」
シュウとエルドリエが睨み合った
ベルクーリ「まぁそうかっかするなよ。エルドリエ」
三人は声の聞こえた方を見た
ベルクーリ「よぉ嬢ちゃん。兄ちゃん。思ったより元気そうで安心したぜ。ちょっと顔がふっくらしたか?」
声の人物はベルクーリだった
アリス「叔父様・・・・・。ご無沙汰しております」
ベルクーリがシュウ達の方に歩いてきた
エルドリエ「騎士長!」
ベルクーリがキリトを見た
アリス「叔父様?」
シュウ「何を・・・」
アリスが剣を構えた
それを見たシュウも気付いた
キリトを斬るつもりなのだと
シュウ「!」
ベルクーリ「大丈夫だ。嬢ちゃん。兄ちゃん」
それを聞いてアリスとシュウを構えをといた
ベルクーリが深呼吸をすると剣を打ち合う音が聞こえた
ベルクーリ「・・・・・・二人とも今のが見えたかい?」
アリス「はい。一瞬でしたが確かに剣撃の光が・・・・」
シュウも頷いた
ベルクーリ「うん。俺はその若者に向けて真意の太刀ならぬしょう刃を放った。当たっていれば頬の皮1枚位は切れていたはずだ」
シュウ「当たっていれば?てことは!」
ベルクーリ「そうさ。受けたんだ。若者が己の真意でな。アリスとシュウがキリトを見た
ベルクーリ「若者の心はここにはねぇようだ。だが死んじゃいねぇ。いいか?さっきその坊やは自分ではなくお前さん達を守ろうとしたしたんだよ。嬢ちゃん。だからいつか絶対に戻ってくる。俺はそう思う。たぶん嬢ちゃん達が本当にそいつを必要としたその時にな」
ベルクーリを見ていたアリスがまたキリトを見た
ベルクーリ「ただ若者だけじゃねぇな・・・恐らく兄ちゃんの中で休んでいる兄ちゃんの真意も混じってたはずだ。嬢ちゃんも若者も守ろうとしていた」
シュウは自分の心臓があるだろう場所を見た
ベルクーリ「・・・・・・そんな訳だからよ。エルドリエ、若者一人くらい面倒見てやろうや」
エルドリエ「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
その夕方
シュウは疲れてキリトのいるテントの隣のテントで寝てしまった
キリトを寝かしてアリスはシュウのいるテントに訪れた
アリス(シュウ・・・あの戦いの直後から日が出ている時は心を失ったままなのに・・・。キリトとともに叔父様の剣技から私を守ろうとしたの?貴方は・・・私の事をどう思っているの?私は一帯シュウの事をどう思って居るのだろう・・・?いえ、私は作られた存在。アリス・ツーベルクの体を占有し続けている戦うための人形。私には戦意以外の感情を持つと言う贅沢は許されて居ない。でももしかしたら・・・私が自分の心を押さえているから貴方にコエガ届かないの?もし今ありったけの真意を放てば貴方は答えてくれる?)
シュウの顔とアリスの顔が近付いた
その時に鈴がなった
キリトのテントに着けた鈴だ
アリス「シュウ、起きなさい」
シュウ「んあ?」
シュウが起きたテントを出るとキリトのテントの前に鍋を持った赤髪の少女ティーゼとティーゼの後ろに隠れる少女ロニエがいた
ティーゼがアリス達に気付いた
ティーゼ「あ、あの・・・お夕食をお持ちしました・・・騎士様」
アリス「ありがとう。ご苦労様」
ロニエ「あ、あの。お飲み物です」
シュウ「・・・・・別に敬語じゃなくてもいいんだぞ?俺なんてガキの頃の記憶しかねーからたんなる衛士見習いって感じだし」
シュウの言葉に二人が目を丸めた
ティーゼ「い、いえ!整合騎士様にそんな・・・・」
ロニエ「それに子供の時の記憶しかないって・・・修剣学院でキリト先輩達をツレテ行った方ですよね?」
シュウが?を浮かべていると
アリス「貴女達もしかして北セントリア修剣学院の?」
ティーゼ「は、はい!私は人界守備軍補給部隊所属、ティーゼ・シュトリーネ初等練士です!」
ロニエ「お、同じくロニエ・アラベル初等練士です!」
シュウ「あ、ご丁寧にどうも。俺はまぁ・・・・シュウだ。只のシュウ」
二人がじっとこちらを見ていた
アリス「どうしたの?」
ティーゼ「い、いえ。その・・・以前修剣学院でお目にかかった時とご印象が違った物ですから・・・」
アリス「そう・・・・かしら?」
シュウ「そうそう。エルドリエと話すアリスと俺らと話すアリスはもう別人の域だからな・・・。それで飯持ってきただけって訳では無さそうだな」
二人がお互いの顔を見合わせて頷いた
ティーゼ「あの、私達騎士様、アリス様達が黒髪の若い男性を伴っておいでだと聞き及びまして」
ロニエ「それでいてもしかしたらそのお方が私達の知っている人ではないかと」シュウは分からなかったがアリスは知っているようだ
シュウ「俺は入り口で見張ってるから入れてやりな」
アリス「分かったわ。ここはよろしくね」
三人がテントに入って行った
外にいても二人の泣き声が聞こえてくる
シュウがキリトとユージオの状況を知った時は泣き崩れた
まだ若い二人がそれを知るには余りにも酷だろうとシュウも思った
いまでもたまに思い出す
子供の頃キリト達と過ごしたのは自分だ
だがキリト達と供に戦ったのは自分ではないのだ
所詮自分は作り物でちゃんと全ての時間を本物に返さなければならないのだ
しばらくしてアリスの声が聞こえた
アリス『体は心の入れ物に過ぎません。魂だけが唯一確かに存在するものです。そして魂の有りようを決めるのは自分自身なのです!』
シュウ「!そうだよな。シュウはシュウ。俺は俺。同じ体にいても魂は違うんだ。俺にしか出来ねぇことだってあるはずだ!」
次の日の朝
シュウがキリトのテントの入り口で寝ていた
開戦後はキリトはロニエとティーゼに任せる事になった
シュウが起きて辺りを見渡すとアリスと紫の鎧を着た騎士となにかを揉めていた
シュウ「なにやってんだ?」
シュウが近付いて段々会話が聞こえてきた
アリス「お言葉は有り難いですのですが彼らは今天幕で休んでおります。ファナティオ殿のお気持ちは私が伝えておきます故」
ファナティオ「あら、坊や達に会うのに貴方の許可が必要なの?私は彼方が執務中の騎士長閣下に面会を求めて来た時私情で拒んだ事はないつもりなのだけど?」
シュウ(なんかヤバい時に来た感じ?)
アリス「私が叔父様と会うのにファナティオ殿の許可は不要でしょう。大体男の騎士にこてんぱんにされて欲しかったのならば叔父様に頼めば良かったではないですか!」
ファナティオ「あら、閣下はいいのよ。世界最強の剣士なのだから万人に手加減して当然だわ」
アリス「へぇ、そうですか。私やシュウとの稽古では叔父様はいつも汗まみれになるほど本気でしたよ?」
ファナティオ「あははは!」
アリスファナティオ「「叔父様(閣下)はどっ・・・・」」
二人がベルクーリが居るだろう方を見るとベルクーリは居なかった
ベルクーリ「おい、軍議を始める時間だぜ」
シュウ「あ、終わった」
夕方
夕方の軍議になった
ファナティオ「この四ヶ月と言うものあらゆる作戦を提案してきましたが結局の所現場の勢力で敵軍の総攻撃を押し返す事は困難です。果ての山脈のこちら側は十キロル四方に及んで草原と呼ばしくありません。ここまで押し込まれたら後は五万の敵軍に包囲、殲滅されるのみでしょう。故に我々はこの東の大門へと続く幅百メル長さ千メルの峡谷で戦い抜かねばならない。ここに重心陣を敷き敵軍の攻撃をひたすら受けとめ削りきる。これを作戦の基本方針とします。」
ファナティオが前に貼っている図を使いながら作戦の説明をしていた
ファナティオ「ここまでで何か意見はありますか?」
エルドリエが手を挙げた
エルドリエ「敵軍には大弓を装備するオーガが集団。そしていっそう危険な闇黒術士団も存在します。それなる遠距離攻撃にはいかなる対応を?」
ファナティオ「・・・・これは危険な掛けですが峡谷のそこは昼でも陽光が届かず地面には草一本生えていない。つまり空間神聖力が薄いのです。開戦前にそれを我らが根こそぎ消費してしまえば敵軍は強力な術式を打てなくなると同理。むろんソレハ我らも同じこと。しかしこちらにはそもそも神聖術士は100人程しかおりません。術式の撃ち合いと成れば神聖力の消費量は敵方の方が多くなるはず」
次に俺が手を挙げた
シュウ「じゃあその神聖力を根こそぎ奪う術を誰が撃つんですか!」
ファナティオ「・・・・それが可能なのは貴女です。アリス・シンセシス・サーティ」
全員がアリスを見た
軍議が終わりシュウとアリスはキリトをロニエ達に預けて大門に向かった
アリス「シュウは何処の担当ですか?」
シュウ「・・・・・分からん・・・」
アリス「はい!?」
シュウ「だから書いてなかったんだよ」
アリス「はぁ、大門に着いたら叔父様に聞きなさい。おそらくソルスも沈んで居るだろうから着いたら教えて上げます」
シュウ「お、おう」
東の大門に日々が入った
大門が光始めて部隊の全員が旗を掲げた
門にFINALLOADTESTの文字が浮かび上がった
巨大な光の柱が立ち門が消えた
つまり戦争が始まった